タイトル:「ツイン・ピークス The Return」第15章
放送局:SHOWTIME
放送期間:2017年5月21日~9月3日
キャスト:カイル・マクラクラン、ペギー・リプトン、エヴェレット・マクギル、ウェンディ・ロビー、ジェームズ・マーシャル、キャサリン・E・コールソン、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、アリシア・ウィット、ハリー・ゴアス、ロバート・フォスター、マイケル・ホース、デヴィッド・ボウイほか
閲覧したVOD:WOWOWオンデマンド(2017年12月24日まで配信)
前章では、ブリッグス少佐が残したメモにあった日時と座標をもとに、フランクとホーク、アンディとボビーが森のなかへと分け入りましたね。
なんとそこには、あの、紫の海の断崖絶壁に浮かぶ建物の中の部屋にいた、まぶたを縫い付けられた女性が倒れていて、さらに、空中に渦を巻いた異次元への出入り口が現れたのでした…。
その中の部屋に入ったのはアンディで、「私は消防士だ」と名乗る、あの巨人と出会います。
一方、ゴードンは25年前、ずっと行方不明のフィリップ・ジェフリーズが一瞬だけ現れ、クーパーを指さして言った言葉をアルバートとともに思い出していました。
あと、この期に及んで、ロンドンからツイン・ピークスにやってきて、グレート・ノーザン・ホテルで警備員として働いているフレディという新キャラ登場。
彼も異次元を行き来したことがあるらしく、そこで巨人に言われてツイン・ピークスにやってきたという期待度大の人物です。
緑色の園芸用手袋を常にはめている右手が超怪力!
この彼が、『善い』クーパーにとっての助けとなるのか、敵となるのか…?
そんななか、ローラの母のセーラは、バーで男を殺してしまう事件を起こしてしまうという意外な展開に!
シーズン終盤に差し掛かって、これからの展開がますます楽しみになってきましたよ!
『ツイン・ピークスThe Return』配信先一覧 | |||
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あらすじ
25年越しのハッピーエンド!
ネイディーンが黄金のシャベルを抱えてさっそうと歩いている。
彼女が徒歩でやってきたのは、エドのガソリンスタンドだ。
「私は変わったと言いに来たの。私はあなたを愛している。でも私はこれまで自分勝手なクソ女で、あなたは聖人だった。あなたとノーマが相思相愛であることを知りながら、嫉妬からその仲を引き離してきたのよ」と、エドにまっすぐ話しかけるネイディーン。
「あなたを操って、あなたを縛り付け、善人のあなたは愛を捨てて私に従った。でも、あなたに自由になってほしい。私は大丈夫よ。このシャベルでクソから抜け出すのよ。私のことは心配しないで、彼女のもとに行って。残りの人生を共に楽しんで。私はとても幸せよ。幸せなあなたたちのことを考えると。あなたのことを愛し続けるけど、人を幸せにすることこそ真の愛なのよ」
言っていることが支離滅裂で、明日になったら後悔するぞ、とエドが言うも、ネイディーンはこれが本心なのだと言ってきかない。
そしてネイディーンは本当に迷いがなく笑顔なのだ!
早速エドは、ダブルRダイナーへやってきた。
ノーマに「話があるんだ、すべてが変わった。今ネイディーンと話したが、自由にしてくれた」と話すが、
「エド、悪いけどウォルターがきたの」とボックス席に2人で行ってしまうノーマ。
思いもよらぬ展開に、エドはコーヒーと青酸カリ(!?)を頼む…。
ノーマはウォルターにフランチャイズ権を買い取ってほしいと伝える。
家族の世話をしたいというのがその理由で、家でもっと過ごしたいというノーマ。
ウォルターは「ノーマに家族はいないと思っていたのに…。理解はできないが反対はしない。成功を分かち合えないのが残念だ」と言う。
さらにノーマは、最初の契約通り、店の名前は変えたくないということも主張。
じきに店は7店になるというが、ノーマは「1店だけで幸せなのよ」と言うと、ウォルターは後悔するぞと店を後にする…。
エドは目を閉じて、物思いにふけっているみたいだ。
そこにノーマがやってきて、エドは改めて「結婚してくれ」と頼む。
2人はキスをして、ノーマは「もちろんよ」と答える…!
シェリーもその様子を見て、嬉しさのあまり泣きそうだ。
25年経って(いや、ノーマとエドの高校時代のことを考えると…何年越し!?)、ついに2人の愛が成就した瞬間だった…!
『悪い』クーパーが向かう先は…
暗い夜道を走る車。
運転しているのは『悪い』クーパーだ。
到着したのは、古いコンビニエンス・ストア。
そこではあのホームレス風のニット帽の男が立って待っていた。
建物の2階へとつづく外の階段を上っていくと、上にたどり着く前に、電気がバリバリというような音がして2人の姿は消える。
バラの花柄の壁紙の部屋へとやってきたクーパーは、顔が真っ黒のニット帽の男に「フィリップ・ジェフリーズはどこだ」と尋ねると、いざなわれるようにまたその奥の部屋へと進む。
奥に上の階へと続く階段が見えてくると、もう1人の恰幅のいいホームレス風の顔がすすけた長髪の男が現れ、クーパーの少し先を歩いていく。
階段を上って屋上に出ると、先にある部屋へ入ろうとするが、扉が閉まっていて、そこに1人の女性が歩み寄ってくる。
「ドアの鍵を開けてあげる」と言い、扉を開ける女性。
中はチカチカと蛍光灯が点滅する薄暗い部屋で、奥にはあの烏帽子型の装置があり、そこから細い管でつながった丸い球体に白い煙が出ている…。
その装置から聞こえてくるのはフィリップ・ジェフリーズの声だ。
クーパーは「レイに俺を殺せと命じたな」と言うが、「何? レイに電話した」とだけ答えるフィリップ。
さらに「5日前に俺に電話したか?」とクーパーが尋ねると、フィリップは「君の番号を知らない」と言う。
「昔はよく話をしたな」と、さらに話を続ける2人。
かつて、フィラデルフィア支部に一瞬だけ現れたときにフィリップが「ジュディの話はしない。彼女の話は禁止だからな」と言ったことに触れ、「1989年にフィラデルフィア支部に現れ、ジュディに会ったと言った」とクーパーは言う。
「では、君はクーパーだな」と話す相手を特定したフィリップ。
「フィリップ、なぜジュディの話をしなかった?ジュディとは誰だ?俺に何か用でも?」と尋ねるクーパーに、フィリップは「直接彼女に聞けよ。私が書いてやる」と言うと、白い煙の中から数字がいくつか浮き上がってきて、クーパーはそれを書き留める。
クーパーはまだしつこく「ジュディとは誰だ?」と聞くが、フィリップは「君はすでに会っている」とだけ答える。
突然クーパーの傍らにある電話がけたたましく鳴り始めた。
ジュディは何者だ?ジュディは何者だ?とフィリップに問いかけるも、もう返事はない。
その電話を取ると、クーパーは建物の外の電話ボックスへと移動。
そして、そこにはクーパーに向かって銃をかまえるリチャード・ホーンが!
リチャードは「農場で見てわかったよ。FBIだな」とクーパーに言う。
なぜわかったのかと聞くクーパーに、母親が持っていたスーツ姿の写真を見たのだと言うリチャード。
母親は誰かと尋ねられたリチャードは「オードリー・ホーンだ。あんたはクーパーだろ」と返す。
クーパーが不意を突いてリチャードの銃を奪って殴ると、倒れたリチャードを数回蹴る。
「二度と俺を脅すな。車に乗れ。途中で話す」とリチャードを車に乗せると、クーパーは「ラスベガスは?」とスマホでメッセージを送り(以前にダイアンのところに届いていたメッセージ)、コンビニエンス・ストアを後にする。
誰もいなくなったコンビニエンス・ストアの店内が白く光り、煙がもうもうと上がり始めると、建物自体が森に溶け込むように消え去ってしまった…。
ダメ男、スティーヴンの最後
森の中の大木の傍らで、浮気相手と逃げたスティーヴンが、銃を持っておびえた様子だ。
「俺がやった」と言うスティーヴンに「あんたは何もしてない。やめて。彼女に何をもらったの?」と女。
スティーヴンは銃で頭を撃って自殺することをほのめかしながら「お前が来るのが見えれば、だけど、見えないかも…つまり…俺はいなくなってる。どこに行く? サイのいるところか? 瓶の中の稲妻か? 俺は完全にあれみたいになるのか? トルコ石に。何かを感じるぞ。それとも…」と、意味不明のことを言い続けるスティーヴン。
「これで終わりだ。やらなきゃ。お前は好きにしろ。ファックは楽しかった。お前とケンカしてファックするのが楽しかった。分かったな? なぜ泣く? よせよ、やめてくれ。俺も涙が出る」
と、そこへ犬の散歩で男が通りがかる…
慌ててその場をはなれて、大木の反対側へ隠れる浮気相手の女。
すると、あたりに銃声が響き、女は頭をかきむしるのだった…。
犬の散歩をしていた男性が、カールに森で見たことを伝えに来る。
「あのトレーラーに住んでる男性だ…」と、スティーヴンとベッキーのトレーラーを指差した。
ロードハウスに、ジェームズ・ハーリーとフレディがやってくる。
ジェームズはボックス席のレネーに話しかけるが、隣にいる夫が「殺されてえのか?」とすごむ。
ジェームズは正直に「僕はただ…彼女が好きで…」と言った途端、夫と連れの男がジェームズに殴り掛かった。
それを止めようと、フィリップが右手のこぶしで軽く突くと、ジェームズに暴行していた男2人は大けがをした模様…。
『善い』クーパーが反応を起こす…!?
トッドが部屋に、側近のロジャーを呼んで状況を確認するが、トニーから連絡はないという。
すぐに捜し出せと言い終わるか終わらないかのタイミングで、そこに女性が入ってきて、2人を射殺。
その女性はシャンタルだった。
電話をかけて「あと1人よ、ハニー」と言うシャンタル。
ツイン・ピークス保安官事務所。
ホークとボビーに留置所に連れられてきたのは、ジェームズとフレディだ。
殴られた2人は集中治療室だと告げられる2人…。
フレディは向かいの房にいる、まぶたが縫い付けられている女性を見て「なんてことだ…」と言う。
ダギーの家。
妻に出されたチョコレートケーキをゆっくりと食べる『善い』クーパーは、「夢が本当にかなった気分」と優しく妻にキスをされる。
ケーキを食べながら、目の前にあるテレビのリモコンを押して、テレビをつけると、モノクロの古い映画が放送されていた。
「ゴードン・コールに言え」というセリフが聞こえ、クーパーはその名前に目を見開いて反応して映像を止める。
そして、テレビの傍らの壁にあるコンセントタップに目をやると、そこへ向かって這っていくクーパー。
コンセントにフォークの柄を突き立てて、部屋は真っ白に光る。
クーパーは感電してしまったようだ…!
丸太おばさんよ、安らかに…
ホークに丸太おばさんから電話。
「ホーク。私は死ぬわ」と一言目から衝撃の言葉を口にするマーガレット。
「残念だ」とホークは一言返す。
「死を知ってるでしょ。変わるだけよ。終わりじゃない。ホーク。時が来たわ。少し怖い。手放すのが怖い。私の話を覚えてる?これ以上電話では言えない。意味は分かるわね。あなたと顔を合わせ話したことよ。『あれ』に注意して。私が話したブルーパイン山にかかる月の下にある『あれ』よ。ホーク。丸太が黄金に変わった。風がうめいてる。私は死ぬ。おやすみホーク」
「おやすみ、マーガレット」
そして電話は切れた…。
電話を見つめて、「さよならマーガレット」とつぶやくホーク。
会議室でノートパソコンを操作しているフランク。
そこに、ボビーとアンディ、ルーシーが入ってくる。
ホークがみんなを集めたらしい。
「マーガレットがこの世を去った」と告げるホーク。
ルーシーは涙を流し、フランクも帽子を取って哀悼の意を表す。
オードリー、どうしたいの!?
「電話を待つのはうんざりよ。ビリーが嫌いな店だけど…」と言うオードリーの前で、チャーリーはコートを着ていて「ロードハウスへ行く。コートが必要だ」と言う。
「チャーリー、あんたはたいした人ね」とオードリー。
「コートを着ろ、オードリー。遅いから眠い。行こう」とチャーリーが言うも、この期に及んでオードリーは言うことを聞かない。
「文句言うのやめて。頭に来る人ね。文句言わず誰かのために何かができないの?まるで病気の犬みたい」と文句を言うオードリーに「コートを着るか?私が死ぬまでしゃべり続けるか?」とチャーリーも返す。
「ビリーと出かけるとき、彼は私にそんなこと言わない。私はビリーのほうが好き」と挑発的な態度をとるオードリーに、やれやれという感じでチャーリーは「びっくりだよ。じゃコートを着るか、一晩中ここに立ってるか?」と言うと、「またなの。1秒たりとも文句をやめないのね」とオードリーは怒る。
「ロードハウスに行きたがってるのは君だろ」と言うチャーリーに「信じられない。今この目で見てることをこれまで見たことない。本当に信じられないわ。あんたよ、チャーリー。こういう感じであんたを見たのは初めて。別人を見てる感じ。あんたは誰?」とまくしたてるオードリー。
「よしコートを脱ぐぞ」とコートを脱いでソファに座ったチャーリーのところに走っていき、襟元をつかむと「なんて人間なの!あんたは腐ってる!あんたなんか嫌いよ!どれだけ嫌いか分かる?」とオードリーはさらに激昂するのだった…。
ロードハウス。
ボックス席で一人座るメガネの女の子のところに、2人の男が近寄る。
女の子は「人を待ってる」と言うが、2人の男は彼女を抱えて床に座らせて、ボックス席に陣取った。
女の子はされるがままで、床に座ったままステージのライブを見ていたが、やがて四つん這いになり、ステージの方へと観客の足元をかき分けながらゆっくりと這っていき、その途中で叫び出す…。
まとめ・感想
今回、個人的に大感激したのは、エドとノーマがついに結ばれたということ!
25年越しどころか、たぶん彼らが高校生のときまで遡るとすると…たぶん45年越しぐらいじゃないのかなぁ…?
エドとノーマがキスしてるところを見て、シェリーがうれし涙を流していましたが、旧シーズンのファンもきっとみんな、シェリーと同じように涙してたと思います。
ネイディーンの、さっぱりとした決別表明も好印象だったしね。
ネイディーンを開眼させた、ジャコビー先生ことドクター・アンプにもお礼言わなくっちゃ…(笑)。
さてさて、そんなスウィートなエピソードから幕を開けた本章ですが、『悪い』クーパーは一歩また一歩と進んでいますよ…。
しかも、ついにリチャードと鉢合わせて、一緒に行動することになるという予測不可能な展開に!
かつ、ようやくリチャードの母親はオードリーだと確定しましたね…。
まあ、その可能性がほぼ89%間違いないだろうと思ってましたが、今回はっきりしたことで、私の心もスッキリです。
そして『善い』クーパーにも今回は大きな変化がありました!
コーヒーやチェリー・パイには「たまらん~」というような笑顔になる反応をしていたのですが、ゴードンの名前に強く反応し、険しい表情を見せたと思ったら…、なんと自らコンセントで感電するという荒療治(?)に出た『善い』クーパー。
しかし…無事なのかどうかは明らかにされていません…。
むぅ…気になるところです…。
そして恒例になりつつあるオードリーとチャーリーの押し問答。
もはやかみ合わないシュールな漫才みたいに見えてきました…(笑)。
ある意味これがどこまで続くのか、楽しみです。
それと残念なことに、丸太おばさんは自身の最後を告げることになりました…。
実生活でも、マーガレットを演じたキャサリンは撮影を終えた後に亡くなったそうです。
その彼女をドラマでも悼むシーンを作ったリンチ監督…。
深い哀悼の意と、彼女への愛情を感じます…。
RIP、マーガレット。
ふと立ち止まって、もうあと3話だけなのか…と思うと、早く観てしまいたいような…でも、もったいなくって最後までは観たくないような…。
不思議な感覚に襲われ始めています。
…ま、でも、気になるから観ちゃうんですけどね…(苦笑)。

子どものころから映画大好き! ヒマさえあれば、むさぼるように映画を観るアラフォー女子。いまはドラマ『チェルノブイリ』のビッグウェーブに飲み込まれてます。
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