原作:あずみきし『死役所』(新潮社バンチコミックス刊)
脚本:政池洋佑、三浦希紗
出演者:松岡昌宏、黒島結菜、清原翔、余貴美子、松本まりか、でんでん、ほか
放送期間:毎週水曜 深夜0時12分
制作:テレビ東京、ジェイ・ストーム、スタジオブルー
前回の振り返り
第8話では、イシ間(でんでん)が担当する他殺課に、ひとりの幼い少女(佐々木みゆ)がやって来ました。
母親から虐待を受け、冬空の下ベランダに放置されたことが原因で凍死し、短い人生を終えることとなったのです。
それでも母親に買ってもらった唯一のプレゼントである絵本を胸に抱え、いまだに母親を想っています。
そんな健気な姿に泣かずにはいられないイシ間は、子供の親に対する愛情の深さに驚きますが、シ村(松岡昌宏)は、「これは愛ではなくただの洗脳だ」と言うのです。
子供を所有物としてしか扱えない親は存在し、愛情を注げないこともある世の中だと現実を教えるのでした。
善人でも悪人でも死は平等に訪れ、そのときにそばに寄り添うことがシ役所の職員として唯一できることだとも言い、そのためシ村は誰に対しても同じように接しているのです。
イシ間はそんなシ村に納得し、この幼い少女と一緒に成仏することを決心します。
シ役所での任期が満了し、49日以内に成仏しなければいけない辞令が出ていたのです。
その手続きをシ村にお願いするのですが、丁度そのときシ役所に“加護の会”の信者が現れ、シ村はそちらを先に案内させてくれとイシ間にお願いするのでした。
ここからいよいよシ村の過去が明らかになっていきます。
2週に渡って始まる壮大なシ村の人生は、片時も見逃せませんよ!
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第9話は加護の会の存在が明らかに!あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。出会い
第9話は、まだシ村が生きていたころの回想から始まりました。
シ村はケガをしたひとりのおばあさんを背負って、自宅へ連れて帰ってあげています。
そこで待っていたのはおばあさんのひ孫にあたる市村幸子(安達祐実)、後にシ村の妻となる女性です。
幸子はシ村を医者かと思うのですが、シ村はただの市役所職員。
たまたまケガをしたおばあさんに出くわし、放っておけずに送り届けてくれたのです。
幸子にとっておばあさんはたった一人の家族だったため、親切にしてくれたお礼に夕飯をご馳走したいということになり、シ村もその言葉に甘えます。
最愛の人
幸子は駆け出しの画家で、家中に素晴らしい絵が飾られていますが、なかなか世間には認めらないと言います。
しかしシ村は幸子の絵が気に入り、「こんなに素晴らしい絵なのに」と褒めるのでした。
その言葉に嬉しそうな幸子は、描きたいものは何でも描くし、絵を描くことは自分の本能だと言い、シ村に絵のモデルを頼みます。
それを了承したシ村は幸子の家へ通うようになり、幸子と他愛ない話をしながら心を通わせていきました。
そんなある日、幸子のおばあさんが亡くなり、幸子は失意のどん底に。
たったひとりの家族を亡くす辛さに押しつぶされそうになりながら、そばにいたシ村に「私と家族にならない?」と、プロポーズをするのです。
驚くシ村でしたがすぐに「はい」と返事をし、改めて、「僕と結婚してください」と言うのでした。
とにかく喪服姿の安達祐実さんが美しい。
こんな女性がひとり泣いていたら、絶対惚れてまうやろー!
色気もあるのに少女にも見えてしまう、驚異の38歳です。
話は今へ戻り
死役所での任期が満了し成仏の辞令が出たイシ間は、シ村に手続きをお願いして成仏の扉に向かおうとするのですが、丁度そのとき、指で輪を作って絡ませるという独特のポーズをする、ひとりのお客様がシ役所へやって来るのです。
シ村はそのお客様の案内を先にやらせてくれとお願いし、「加護の会に入信されていましたか?」と言いながら近づきます。
彼の名前は寺井修斗(柄本時生)、独特なポーズは宗教法人“加護の会”の信者である証で、寺井はシ村の言う通り入信者です。
シ村は聞きたいことがあると言って、彼を案内するのでした。
加護の会とは?
寺井は生前、祖母に誘われ加護の会の教祖である蓮田栄山(吹越満)の講演会に参加します。
蓮田は最近テレビなどでも活躍していたため、ミーハーな祖母がどうしても見たいということで付き添っただけだったのですが、圧倒的なカリスマ性を放つ蓮田の話にどんどん魅了されていくのです。
弱さを悪、負けを罪とし、それをあたかも正しいことのように振る舞う世の中では、弱い赤ん坊に衣を着せます。
その衣は世間であり、知識や経験なのですが、その裏側には差別や劣等感が隠されているという蓮田。
その言葉に寺井は、自分より頭が良く高学歴な弟の恭平(濱田龍臣)を思い出します。
家族揃って恭平のことばかり持ち上げ、寺井ははいつも負け組扱いされた結果、劣等感の固まりとなってしまったのです。
しかし蓮田は「そのあるがままの無垢で弱いあなたを愛している」と言い、その言葉が胸に響いてしまうのでした。
ひとつの家族という言葉の温かさ
後日、寺井はひとり加護の会の門を叩いていました。
しかし講演会中の蓮田は不在で、日を改めようとするのですが、世話係の井本縁(阿部純子)が信者で行われている餅つき大会に誘ってくれます。
縁の可愛さに心を奪われた寺井はその誘いに思わず乗ってしまい、餅つき大会を見学することにしました。
縁は、加護の会は自給自足のためみんなで力を合わせて暮らしていて、ひとつの家族だと言います。
その家族という言葉の心地良さに寺井はますます心を奪われ、温かく迎えられたことを嬉しく思ってしまうのです。
弱った心は優しさに敏感で、何気ない気遣いだけでも思わずぐらついてしまいますよね。
宗教に心を救われた人は多いですが、悪意のある宗教にハマってしまう人が少なくないのも現実で、人の心の繊細さがよく分かります。
本当の家族
加護の会に入信した寺井は、他の信者と共に自給自足の生活を始めます。
誰もがみな優しく、そして不自由のない生活ができ、世間のしがらみや学歴差別から解放された寺井でしたが、家族に嘘をつき家を出て行ってしまったため、弟の恭平が連れ戻しに加護の会を訪ねてくるのでした。
加護の会は怪しい宗教だ、と言い張る恭平に力ずくで実家に戻された寺井ですが、家族の説得も虚しく断固として加護の会から抜ける気はないと言います。
恭平は頑固な寺井に呆れて指を指しながら罵倒するのですが、寺井は罵倒されたことより、指を指されたことに激怒します。
加護の会の信者である証として行うのが、指と指で輪を作り絡ませるポーズで、指を指すと輪が作れず絆を破壊する行為とみなされるため、加護の会ではやってはいけないルールとなっていたのです。
もしもそのルールを破ったなら子供でも容赦なく折檻され、信者はその罰を恐れて絶対に指を指しません。
寺井の怒り方は異様で、完全に加護の会に洗脳されているのを実感した家族たちは落胆します。
その姿を見た寺井は、こんな家族いらないと再び加護の会へ戻るため家を飛び出すのでした。
そして追いかけてくる恭平を払いのけようと道路を横切った瞬間、トラックにはねられ命を落としたのです。
気になるのは幸子の行方
寺井の話を聞き終わったシ村は、加護の会に“市村幸子”という女性がいなかったかと聞きます。
寺井は覚えている信者の名前を羅列していくのですが、一向に幸子の名前が出ないため、痺れを切らしたシ村は「とっとと答えろ!」と今まで聞いたことのないほどの大きな声で怒鳴りつけたのです。
あまりの気迫に怯えた寺井は、「こっちは客なのに」とこぼし、その言葉でシ村は我に返り謝ります。
もう一度落ち着いて考えてもらうと、寺井は特別な加護を受けている女性がいるという噂を聞いたことを思い出します。
そしてその女性の名前が、もしかしたら“市村幸子”だったかもしれないと言うのです。
成仏にかける思い
シ村を待っているイシ間は、今までお世話になったお礼だと言ってシ役所の掃除をしています。
ニシ川(松本まりか)とハヤシ(清原翔)は成仏が決まったイシ間を感慨深く見ながら、シ役所の職員が成仏できる条件を考えてみました。
ハヤシは姪っ子に出会えたからではないかと言うのですが、ニシ川はたまたまではないかとぶっきらぼうに答えます。
どちらにせよ、いつかは成仏したいと思うハヤシなのでした。
シ村が追い求めている答えとは…?
結局寺井からはあやふやな情報しか聞き出せず、そのまま成仏の扉へ見送ったシ村でしたが、幸子がまだ生きている可能性が高いことだけは分かりました。
そこにニシ川がやってきて、シ村が怒鳴り声をあげたことを注意します。
実はニシ川はシ村のことが気になって、寺井との会話を盗み聞いていたのです。
「以後気をつけます」といつもの杓子定規な返事が返ってきたことに憤慨しながら、「私には現世に会いたい人などいないけど、今さら会ってどうなるんですか?」と核心をついた質問をぶつけます。
シ村は、「何のことでしょう」ととぼけるのですが、脳裏には幸子と子供と3人で手をつなぎながら、加護の会の門をくぐっている映像が流れているのでした。
シ村と幸子の馴れ初めや、加護の会の全貌が徐々に明らかになり、次週はついにシ村の娘の死には何が隠されているかが分かる最終回です!
第9話を観た人のTwitterでの反応は?
それでは実際に、『死役所』の第9話を観た人たちの感想を見てみましょう。
死役所第9話を観ました。加護の会の入信者の登場で、シ村さんの過去、物語の核心に近づいてきました。普段は何も思っていなくても、タイミングによっては悪ですら神に見えるときがありますからね。シ村さんの娘さんは誰が殺したのかしら。しかし、安達祐実ちゃん、歳を取らないわね。 #死役所
— 鷺沢世蓮 (@kotomaseren) December 12, 2019
圧倒的に多かったコメントが、安達祐実さんきれい、かわいい、変わらない、でしたね~。
本当に『家なき子』のすずちゃんのまま大人になったよな純粋さを感じます。
肌の透明感もヤバイですし、こんな歳の取り方ができるんですね、羨ましい…。
#死役所 9話
周りから虐げられていたり、未来に希望が見えなかったり、弱っているときに、自分をちゃんと見てくれる人がいたら、あんな風にすがりつきたくなってしまうこともあるんだろう。
周りから見れば、それは洗脳なんだろうけど。状況は違うけど、昔の自分みたい。
— みやび@ドラマ (@MZrK0OgInbxfCTu) December 11, 2019
洗脳されているかは自分ではなかなか気がつけず、周りに言われるころにはすっかり洗脳が完了していて、後戻りができなくなっているのでしょう。
それでも、心が救われるならと何かにすがりつきたくなる弱さは誰でも持ち合わせていて、すがること自体も悪いことではないと思います。
しかし、何にすがりつくかの判断は、決して見誤ってはいけませんね。
吹越満さんの教祖役…けして過剰なにこやかさはなく。穏やかに真摯に、求める心ある者を導いていこうとする態度…?これは、心つかまれる人が出てくるのはわかる気がする…?でも、その「会」にもっと深く関わった時どう見えてくる組織なのか。気になる、記憶の断片たち。早く次回が見たい…。#死役所
— kochi (@umebana) December 11, 2019
今回吹越さんの登場は思ったより少なかったのですが、それでも脳裏に焼きついて離れなくなるような教祖を、バシッと演じ切ってくれました。
来週は化けの皮が剥がれる様が見られると思うと、今からその演技が見たくてうずうずしちゃいます!
そして今回特徴的だったのが、シ村の記憶の断片が端々に垣間見える演出で、それがなんとも絶妙に謎を煽るから、期待が膨らんでたまらないんですよねぇ。
よくできたドラマだと、改めて感心してしまいました。
まとめ
ついにシ村の過去が明らかになり、生前は本当に市役所の職員だったというのがなかなかの驚きでした。
あの張りついた笑顔や大げさなほどの礼儀正しさは、生前からの職業病だったんですね。
そして、シ村は昔から不器用ながらも人に優しく、幸子もそこが好きだったに違いありません。
幸子と一緒にいるときだけに見せたシ村の本当の笑顔が印象的で、こんな幸せそうな二人に何が起こったのか、ますます気になります!
今回判明した加護の会という宗教は、洗脳度合いは強いものの、人に寄り添った宗教のようにも見えているところが恐ろしいですね。
てっきり寺井は加護の会の誰かに殺されたのか、自殺に追い込まれたのかと思っていましたが、ただの前方不注意の事故死でしたし、一体どんな裏が隠されているのでしょう?
来週最終回というのにまだまだ謎が多いですが、1週間考察を楽しみながら過ごしたいと思います!
ドラマ『死役所』作品概要についてはこちら
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