原作:書下ろし脚本のためなし
脚本:龍居由佳里、本田隆朗
出演者:中谷美紀、藤木直人、白洲迅、忍成修吾、山中崇、加治将樹、渡辺邦斗、寺田心、奥田瑛二ほか
放送期間:毎週月曜22時
制作:テレビ東京、共同テレビ
前回の振り返り
第7話では、高山副社長(奥田瑛二)に晴(中谷美紀)と元夫婦だったことがバレた和田(藤木直人)が、社長の派閥ではないかと疑いの目を向けられてしまいます。
そんな中、社内で募集していた新規事業の企画に、部下の青柳(白洲迅)の案が最終選考まで残るのです。
経営企画部みんなでブラッシュアップしようと言う和田でしたが、青柳はみんなに迷惑はかけたくないと、ひとりで取り組むことを選択します。
ただでさえいくつも仕事を抱えていた青柳は徹夜が続く日もありましたが、どの仕事も精一杯取り組み成長したと褒められるのでした。
しかしそんな矢先、大事なプレゼン当日に寝坊という大失態を犯してしまいます。
プレゼンのチーフであった藤尾(山中崇)から大激怒されひたすら謝り倒す青柳ですが、新規事業の企画も同時進行していたことを和田がみんなに打ち明けるのです。
それを聞いた同僚たちはひとりで抱え込むなと言い、一緒に企画を手伝うという感動の展開でした。
晴が来る前の経営企画部では考えられない光景で、晴に感謝する和田も印象的でしたね。
そして、1番気になっているのがラストのシーンで、和田が晴に「受け取ってほしいものがある」と切り出したことです。
一体何を渡すのか、そして経営企画部に降りかかる最難関の問題とは?
ついに最終回です!
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最終話は正しい道を選ぶことの重要さが分かる!あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。受け取ってほしいものとは…?
和田が晴に受け取ってほしいものがあると言って終わった前回に引き続き、二人が見つめ合うシーンから始まった最終回。
自分なりに1週間何を渡すのか考え抜いて、指輪だったら胸キュン展開、思い出の肉まんだったらほっこりギャグ展開と予想はしていたのですが、その期待は大きく裏切られました。
和田が出したのは通帳と印鑑。
晴から養育費はいらないと言われて離婚したのですが、和田は離婚したその日からずっと、涼のためお金を貯めていたのでした。
通帳と印鑑は涼が二十歳になったときに渡そうと思っていたそうですが、もう晴に持っていて欲しいと差し出すのです。
晴は中身を見ても良いか尋ね、3冊もある通帳を受け取ります。
1冊目の初めての入金額は、2,998円。
中途半端な数字だと誰もが思うと思いますが、なんとこの数字は涼の生まれたときの体重なのでした。
それに気がついた晴は思わず涙ぐみ、しかもそれ以降は15万円という大きな額を定期的に必ず入金していたことに驚きます。
和田ははにかみながら、自分にとってこの貯金が涼との唯一の接点だったと、その重要性を語るのです。
しかし、涼とはすでに二人で過ごすこともでき、これからも会えるので、もう手元に持っている必要はないと晴に渡したのでした。
晴は涼に渡す日まで大切に管理すると誓い、素直に通帳を受け取ります。
いや~まったく思いつかなかった素晴らしいプレゼントでした。
シングルマザーは、浮ついた夢や一瞬のときめきなんかより、もっと現実的なものが必要なんだと実感させられ、和田の通帳は現実的でもありながら、誠意が伝わり未来にも繋がるプレゼントですね。
最後の課題は新しい事業を勝ち取れ!
青柳はずっと注力していた新規事業の企画プレゼンに向け、追い込まれながらも経営企画部のみんなに助けられラストスパートをかけます。
そして当日、重役たちの前で堂々とプレゼンを果たし、結果を待つだけとなりました。
そんな中、経営企画部に新しい事案が舞い込みます。
『奈良空港建設PFI事業』と銘打った企画で、奈良に新しい空港を建設するとともに、PFIと呼ばれる“公共施設の建設”・“整備”・“公共サービスの提供”を公共機関が民間企業に委託する事業を指します。
かなり大規模な事業のため、大手は軒並み参入してきますが、そこで五木商事が勝ち残るための対策を考えるというのが課題です。
五木商事も最優先事項として全社を挙げて取り組み、経営企画部が軸となって各部署をまとめることとなりました。
経営企画部が一丸となって!
早速会議を始める経営企画部は、それぞれの役割を分担していきます。
会議の中で注目したいのが、今までの話で出てきた“麺一”や小笠原会長のクリニック、スターバレーの映画館などを空港内に出店してはどうかというものです。
今まで晴が絆を深めてきた仕事の軌跡が、ここで発揮されるという素晴らしい案ばかり。
そんな中、いつも通りに自分の仕事はないと会議を後にしようとする一乗寺(忍成修吾)を、晴は「そろそろ仕事しない?」と引き留めます。
確かにじわじわと馴染んできつつある一乗寺ですが、彼の父親は厚生労働大臣の一乗寺俊太郎(山田明郷)ということでコネ入社したため、端から仕事を任されたことがないのです。
一乗寺は晴の誘いを「誰も僕に期待していないから」と言って断り、やはり会議から離脱してしまうのでした。
高山副社長の思惑
一乗寺が会議をパスしているとき、実は高山副社長に呼び出しをされていました。
高山副社長はほかの社員より丁寧に一乗寺を扱いながら、一乗寺の父親である厚生労働大臣と食事をしたという話を始めます。
その場で大臣から奈良の新空港の話を聞き、できれば付き合いの長い五木商事に任せたいと言われたのですが、その条件として、大臣の弟が経営している“一乗寺建設”を施工業者に使うことを義務づけられてしまいました。
この事業がうまくいけば、大臣が口利きをして五木商事のほかの案件もうまく進められ、それは高山副社長が社長になれる可能性が上がることを意味しています。
自分の野心のため、なんとしても話を進めたい高山副社長はこの談合を引き受け、一乗寺にうまく話がまとまるようサポートを命令するのでした。
その見返りとして、自分が社長になったときはそれなりのポジションを用意すると言われ、一乗寺は険しい顔をします。
しかし、高山副社長は一乗寺の気持ちなど知らず、「君はいるだけで良いんだよ」と、大臣の息子であることだけが価値だと言ってのけるのでした。
そして経営企画部には、上からの命令として施工業者は一乗寺建設を選ぶこととのお達しが出ます。
藤尾がすでに目ぼしい業者をピックアップしていたにも関わらず、急にそんなことを言い出すのはおかしいと、晴は違和感を覚えるのでした。
涼の一大事に親たちは…
そのとき丁度、晴の携帯に涼の小学校から電話が入ります。
なんと涼が喧嘩をして、階段から落ちたというのです。
血相を変えて病院に急行する晴と和田ですが、幸い涼は軽傷で済みます。
心配してパニックを起こしていた晴を和田がなだめながら、涼には母親を心配させてはいけないこと、悪いと思ったら謝らないといけないことを諭すのでした。
この姿はまさに家族!
そしてこんな取り乱す晴は初めてで、弱さをさらけ出せるのは和田の前だけなのでしょう。
後日、晴は病院に付き添ってくれたことのお礼を言い、和田もあの場にいられて家族の良さが分かったとかなり良い感じ!
和田も二人のときはナチュラルに晴を下の名前で呼ぶようになり、もう早くよりを戻してともどかしくなります(笑)
一乗寺の決断
晴と和田が二人で話しているところに、思いつめた顔の一乗寺がやってきます。
何事かと驚く二人ですが、一乗寺が出したのは”退職願”。
そして、今回の件で上が一乗寺建設に決めたというのは高山副社長の独断で、利益のためだけに仕組まれたものでしかないと言うのです。
一乗寺は自分が経営企画部という精鋭が集まる部署にいられるほどの能力がないことを理解していて、それでも置いてくれていたことに感謝を表すため、最後くらい何かしたいと裏工作の話を暴露して辞めようとしていたのです。
悪事に加担したくないと言う実は健気な一乗寺が、高山副社長によって踏みにじられたことに腹を立てた晴は、「あなたは辞めるべきじゃない」と残し、副社長室へ走って行くのでした。
対決
副社長室に乗り込んだ晴は、「うちの一乗寺を何だと思っているんですか!」と、高山副社長を怒鳴りつけます。
急な展開に驚く高山副社長ですが、晴は構わず一乗寺や部下の大切さを熱く語り、ついに怒りが頂点に達したとき、思わず手を上げそうになってしまうのです。
間一髪で止めに入った和田が後は任せろと晴を部屋から追い出し、高山副社長と二人で話を始めます。
あまりの無礼さに憤慨している高山副社長は、晴を左遷させようと言い出すのですが、和田は五木商事には晴が必要だと言い切るのです。
高山副社長はその発言に顔をしかめ、副社長派の人間ではないのか?と脅しますが、和田はそんなものの無意味さを訴えます。
自分は純粋に五木商事をより良くしたいと思う一社員でしかないと言い、この気持ちは部下たちも一緒で、それなのにこんな裏工作で汚点を作りたくないと畳みかけました。
最後は、卑怯な手を使わなくても勝てるほどの人材が揃っているのだから信じてほしいと頭を下げ、かっこよく副社長室を後にします。
和田はすっかり一乗寺の決意に火をつけられてしまいましたね。
こんなことをしたら自分も左遷を免れないでしょうに、それでももう五木商事の悪しき慣習や、高山副社長の独裁に耐えられなかったのです。
正しい決断
和田は一乗寺に退職願を返し、今から正々堂々戦おうと今回の課題に取り組むよう説得します。
和田の優しさやリーダーシップに感銘を受け、一乗寺もやる気を出して過去最大の難関に取り組むことを決意するのです。
次の会議からは一乗寺も参加し、卑怯な手や裏工作などは一切なしに今回の案件を勝ち取るため、経営企画部全員が持てる力を出し合いました。
そして企画はまとまり、高山副社長の承認を得るため、和田は一乗寺建設と1番価格が低く適正だと判断した八村建設の見積もりを持って部屋を訪ねます。
もちろん、八村建設に決めたいという願いを聞き入れてもらおうとしたのですが、高山副社長は「認めることはできない」と厳しく言うのでした。
再びバトルも辞さない覚悟の和田でしたが、高山副社長は自分の机からもうひとつの見積書を出します。
それは八村建設よりもさらに価格が抑えられ、なおかつ技術も実績も申し分ない企業のものだったのです。
高山副社長は自ら交渉を行い、五木商事にとって最高の見積もりを出させていたのでした。
驚く和田は、大臣との約束は良いのかと聞きますが、素晴らしい部下たちと正々堂々勝負がしたいと言う高山副社長には、この前の和田の言葉がしっかりと響いていたのです。
そして「必ず勝って来いよ」と、和田を奮い立たせるのでした。
数週間後、『奈良空港建設PFI事業』を勝ち取ったのは、一乗寺建設を施工業者に選んだ他の企業だと連絡が入ります。
高山副社長の裏切りを知った大臣は他の企業に根回しをして、ひそかに談合を成功させていたのです。
このことを部下に言っても仕方がないと、負けた事実だけを伝えた和田ですが、一乗寺はみんなに頭を下げ、裏工作の話を全部暴露します。
父親の悪事のせいでみんなの努力を無駄にしたと、本当に悔しそうな一乗寺ですが、誰も一乗寺を責めません。
むしろ励ますのです。
そしてこの負けをばねに頑張ろうと、さらに一致団結するのでした。
それぞれの旅立ち
しばらくして、高山副社長は裏工作を行おうとしたことが社内にばれ、ニューヨーク支社に左遷となってしまいましたが、最後に商社マンらしい仕事をさせてもらったと和田に感謝するのです。
そして晴とお似合いだと冷やかしながら、清々しく旅立っていくのでした。
一方青柳も新規事業の企画が通ったため、そちらの部署へと異動になります。
みんなで別れを惜しんでいる中、青柳は「頑張らなければいけないから、恋愛はしばらくお預けです」と、晴に残すのです。
好きとは言わずに、そしてちょっぴり失恋感もある、絶妙におしゃれな告白ですね!
そしてそのままお別れ会として打ち上げが始まりますが、その輪に馴染めない藤尾に、晴はこっそり近づきます。
つい突っ走ってしまう晴を止めてくれたのはいつも冷静な藤尾で、確かに晴とは正反対な性格で、それが合わないようにも見えるのですが、相乗効果を生み出すこともあるのです。
今まで少しぎくしゃくしていた二人ですが、晴が素直にお礼を言うと、藤尾は少し表情を柔らかくして、涼の怪我の心配をしてくれます。
晴の十八番である“人たらし術”の発揮です!
スッと心に入り込んでしまう晴の魅力、どれもこれも忘れられません。
これで藤尾も無事、経営企画部の仲間としてスタートしたのです。
晴と和田と涼
青柳が身を引いたので、晴と和田の仲はどうなるのかと気になっていましたが、最後は涼を交えた3人で、仲良く”黒ひげ危機一髪”をして終わりました。
具体的な進展は描かれませんでしたが、とにかく3人が楽しそうで、そして涼が和田のことを「お父さん」と呼んだのがとても印象的でしたね。
予想した通りハッピーエンド満載のラストで、気持ちがほっこりする最終回でした。
最終話を観た人のTwitterでの反応は?
実際に最終回を観た人はどんな感想を持ったのか、チェックしてみましょう。
テレビ東京の連ドラ「ハル 総合商社の女」が終わった。視聴率はよくなかったが良質のビジネスドラマだった。TBSの池井戸モノと違って、ケレン味のないリアルさが良い。龍居由佳里オリジナル脚本かと思ったが栗原美和子Pの原案らしい。この二人何気に佳作多いからね #ハル〜総合商社の女〜
— 糸井歩 (@sG6CC01whYmjYcK) December 9, 2019
毎回視聴率を見て驚いていたのですが、確かに甘い良い数字ではなかったんですよね。
でも、今回のクールの中ではかなりレベルは高かったと思うので、『ドラマBiz』枠の知名度が低いのではないかなと感じています。
良質なドラマが多い枠なので、次回も期待です!
あれだな、これまで散々イジメたり殺したり半狂乱で寝返る役をみてきた不穏俳優・忍成修吾から「卑怯な真似はしたくない、会社に恩返しをしたい」という言葉が出てくるとゾクゾクするな
結局だーれも悪いヤツはいなかった
なんて清々しいお仕事ドラマなんだ
観てよかった#ハル #総合商社の女— ホシノ@オルゴール制作 (@ruri_08130) December 9, 2019
一乗寺のお父さんはちょっと悪い奴だったけど、五木商事には根っからの悪人はいませんでしたね。
そして最後に、忍成君が大活躍して嬉しかったです。
彼は確かに悪役を演じることが多く、『痛快TV スカッとジャパン』のナルシスト役が印象深いですね。
それなのに今回はこんな良い役もらえて(最後だけだけど…)、隠れファンとして感激でした!
ハルが終わった(TДT)
最終回に矢継ぎ早に進めすぎよ!
もう少し話延ばしてよ(TДT)テレ東ドラマは私のツボなものが多いのに、終わるのが早いわ(TДT)
— sazik(サジク) (@kimkibana87) December 9, 2019
『ドラマBiz』はワンクールのドラマの話数が少ないんですよねぇ。
基本は8話完結で、前回の『リーガル・ハート〜いのちの再建弁護士〜』なんて7話で終わっていました…。
『ハル~総合商社の女~』は10話まででもいけたのでは?と思ってしまいますが、やはり視聴率が伴わないと厳しいのでしょうか。
これからもっとドラマやテレビが活性化され、昔のような高視聴率番組がバンバン誕生すると良いですね。
まとめ
ついに最終回を迎え、もう月曜日に晴のパワーをもらえないんだと、ロスを感じている方も多いのではないでしょうか?
最後の最後まで晴は前向きで、決して後退などしない強い女性でしたが、和田の前だけで見せる女らしい部分がとてもかわいらしかったですね。
正直、ラストの最難関の問題はヌルッと終わってしまった感がありますが、最後まで1話完結で仕上げるという一貫した精神に感動です!
2週に分けて、もっとどんな事業なのかというところを掘り下げてやっても良かったかな、とも思うのですが、大切なのは案件の大きさではなく、そのときのキャラクターたちの言動なんですよね。
特に、ラスボスと思っていた高山副社長は意外に簡単に勝つことができたのですが、商社マンとしてどう行動すべきかというところに、彼の善悪が詰まっていたのだと思います。
そして、高山副社長も仕事が好きだと分かる行動をしてくれ、悪役はいなくなりましたね。
『ハル~総合商社の女~』を見て、ぼんやりとしていた総合商社の姿が少し分かり、憧れちゃう職業だなぁと実感しました。
悪しき習慣の立て直しはやっとスタート地点に立てたという感じですし、晴と和田のこれからも気になるので、第2シーズンを期待したくなりますが、ひとまず第1シーズンはいつもポジティブな気持ちで観ることができた、清々しいドラマでした!
ドラマ『ハル~総合商社の女~』作品概要はこちら
2019年秋ドラマ特集ページはこちら

ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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