原作:あずみきし『死役所』(新潮社バンチコミックス刊)
脚本:政池洋佑、三浦希紗
出演者:松岡昌宏、黒島結菜、清原翔、余貴美子、松本まりか、でんでん、ほか
放送期間:毎週水曜 深夜0時12分
制作:テレビ東京、ジェイ・ストーム、スタジオブルー
前回の振り返り
第5話は振り返ろうとするだけで気持ちが沈むほど、残酷なハヤシ(清原翔)の過去が明らかになりました。
祖父と母の間にできたという、スキャンダラスな出生秘話を持ち、その呪縛に囚われながら自分の中に潜む悪魔と戦い大人になったハヤシ。
辛くても家族のため必死に生きていこうと決めた矢先、最愛の妻の不倫が発覚。
挙句の果てには自分の子だと思っていた娘も、不倫相手の子だったという救いようのない展開です。
ついに悪魔を制御できなかったハヤシは、妻と不倫相手の男、そして子供までも撲殺して死刑になってしまうのでした。
この判断は正しく悔いがないと思っていたハヤシですが、ミチル(黒島結菜)の言動に影響され、罪を反省しようと思い始めるのです。
しかし方法が分からずシ村に(松岡昌宏)に相談すると、自分の感情に向き合えば人の感情が見えてきて、そこで初めて反省の道が見えると教えられます。
今すぐにはそんなことができそうにないハヤシでしたが、シ村にそれで良いと認められたことによって、心が少し軽くなったようです。
大変ヘビーな話ではありましたが、決して希望がないわけではなく、ハヤシの未来が見えるのが素晴らしいストーリーでした。
そして今回の第6話は、死の絶望ではなく、希望を見いだせる回になっていましたよ!
「『死役所』は悲しくて観るのが辛い」、なんて思っている方にぜひ観てほしいです!
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第6話は振り返る必要のない人生について!あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。お客様はひとりの芸人
病院着を着てシ役所をウロウロしているひとりの男性を、シ村はいつものように案内し、手続きのために病死申請書を渡します。
今回のお客様は芸人の佐尾高茲(中島歩)、現世では高関一文(重岡大毅)と“カニすべからく”というコンビを組んでいた男です。
シ村は芸人という職業をすごいと褒めますが、佐尾は売れていないのですごくないと謙遜します。
それを聞いたシ村は、「悔いが残っているでしょう」と言って、張りついた笑顔を見せるのでした。
ミーハーなハヤシ
前回あんな重たい話をしたハヤシですが、いつも通りの様子で漫画を読みながら過ごしていました。
そこへ成仏する前に芸能人に会いたいと駄々をこねる男の子が現れ、自分が持っている漫画家のサインを見せてあげます。
しかし男の子は、本物の芸能人に会いたいと逃げ出してしまい、ハヤシはそんな都合よく来るわけないと呆れます。
それを見ていたシ村は、先ほど病死課で芸人に会ったことを伝え、ハヤシはどうして言ってくれなかったんだと目を輝かせながら慌てて病死課に走って行くのでした。
ミーハーでチャラチャラとしたハヤシが、こうして変わらずにいてくれることに安心感を覚えました。
罪への反省については、ゆっくりと歩んでくれたらいいなと改めて思います。
芸人の登竜門に出場決定!
カニすべからく、通称“カニすべ”は、高校3年生のときに、放送部だった佐尾が作った“カニすべからく”という映像作品に高関が惚れ込み、一緒に芸人の道を進むこととなった友達コンビです。
苦節10年、なかなか芽が出なかったカニすべでしたが、『デッドオアコント』という賞レースの決勝に出場することが決まりました。
地上波のテレビで放送されるほどの大きな賞のため、二人は信じられずにドッキリかと疑いますが、本当に勝ち進んだと知って心の底から喜びます。
今までずっと予選落ちだったデッドオアコントの決勝に出られる、高関はとにかく浮足立って将来自分たちが売れた姿ばかりを想像しています。
しかし売れたら一緒に番組をやりたいという高関に、佐尾はクールな対応で、しかもなんだか浮かない顔をしているのです。
そしてバイトに行くと言って家を出た瞬間、バタリと倒れ込んでしまうのでした。
慌てて駆け寄る高関に、佐尾は転んだだけとごまかします。
佐尾が大好きな高関
決勝の日が近づくにつれ、二人はネタの練習量を増やし今までにないほどお笑いに打ち込みました。
特にネタ選びは重要なので、新ネタを作るのか、既存のものから選ぶのかを試行錯誤する日々です。
自分が一言もしゃべらない『男の感情』という過去のネタをやりたいと言う佐尾ですが、しゃべらないネタをテレビでやれば、放送事故と思われると却下されるのでした。
そんな二人の姿はとても楽しそうで、夢を掴もうとする熱意が伝わってきます。
そしていよいよ決勝前夜、「絶対優勝しような」という言葉とともに別れた二人ですが、高関は芸人仲間と飲みに行くことにします。
そこで佐尾の話になるのですが、付き合いが悪いため芸人の中ではあまり人気がなく、しまいには、作るネタが独りよがりでつまらないとまで言われてしまうのです。
それに対して高関は笑顔で、「俺、佐尾の書くネタ大好きなんすよ」と言うのでした。
誰が何と言おうと、高尾は佐尾の才能を認めているから、笑顔でいられるのでしょうね。
それほど、二人の絆は強く結ばれているのです。
現れない相方
決勝当日、もう時間だというのに佐尾は会場に現れず、電話にも出ません。
スタッフたちも焦り始める中、高関は佐尾を探しに会場を飛び出し街中を探します。
後輩芸人などにも頼んで、家やバイト先などに行ってみるのですがどこにも姿はありません。
それもそのはず、佐尾は病院に運ばれていたのでした。
うつろな目で天井を見つめている佐尾、そして会場ではカニすべの順番が迫っていて、棄権させるか審議が始まります。
佐尾が見つかる
姿を見せない佐尾に、仲間芸人からは「どこかで野垂れ死んでるんじゃねーの」とヤジを飛ばされ、激怒する高関。
しかし今までの佐尾の言動を考えると、あながち間違いでもないような気がして、思いつめた表情をします。
もしも佐尾がいなくなったら、自分は芸人を続ける意味があるのだろうかと思った高関は、デッドオアコントを棄権することを決めるのでした。
しかしそこへ、車いすに乗った佐尾が警備員さんに押されながら現れたのです。
右手は力なくピースを掲げ、ちょっと遅れたと言って弱く笑っています。
遺書
慌てて支度をする二人。
途中で倒れたら困ると、車いすのまま舞台に上がることにし、ネタも佐尾が一切しゃべらない『男の感情』に変えることにします。
そして佐尾は舞台裏で、後で読んでくれと言って高関に遺書を渡すのです。
すぐに出番が来て、二人は舞台の上ですべてを出し切りますが、結局優勝は逃してしまいました。
悔しさを滲ませる高関は、先ほど渡された遺書を読み始めます。
そこには、佐尾が“家族性アデノシンアクサディシャン”というやたら長い病気にかかっていること、いつ発症するか分からず常に死と隣り合わせだったこと、それでも悪い人生ではなかったこと、そして高関はネタを書く才能がなくても、人から愛される才能がある、ということが書いてありました。
高関は佐尾を病院まで送る途中、あのネタはつまらないと、遺書のダメ出しを始めます。
佐尾らしくなくて納得がいかないと怒りを露わにする高関は、どうして病気のことを隠していたのかと詰め寄ります。
そんな高関に、「病名が長すぎて覚えられないと思ったから」とボケる佐尾は、最後まで芸人なのでした。
この後二人の思い出が、オアシスの『ドント・ルック・バック・イン・アンガー』に乗せて流れるんだから、泣かずにはいられません。
そして高関は佐尾の遺書を胸に、ひとりで舞台に立ちます。
演目はひとり版『男の感情』。
佐尾への想いをぶつけるネタにアレンジしているのですが、高関は感情が止められなくなり涙で目の前が霞んでしまいます。
それでも懸命にネタを続け、いつか佐尾の死を笑いに変えてみんなに届ける、と誓った姿に感動した客席も、高関と一緒に涙を流すのでした。
佐尾の言った通り、高関は人から愛される天才なので、この先もきっと大丈夫でしょう。
今までで1番スムーズな成仏
慌てて病死課にやってきたハヤシでしたが、佐尾はすでに成仏の扉をくぐった後でした。
今シ役所に来たばかりだというのに、こんなにも早く成仏できるものかと驚くハヤシですが、シ村は迅速な人だと感心します。
すぐに成仏できる人の特徴は2つで、思い返したくもない人生だったのか、振り返る必要もないほど満足した人生だったのかの、どちらかです。
佐尾はもちろん後者でしょう!
売れる前に死んだ芸人は、きっと悔いの多い人生だっただろうというのが普通の考え方ですが、佐尾の一生には一切の悔いがなかったのです。
『死役所』には、こんな清々しい回もあるのですね。
シ村の人生は…!
そのころ、死刑課ではニシ川(松本まりか)がシ村のファイルを読んでいます。
ニシ川もミチルの言動が一つひとつ心に残っているようで、シ村が冤罪なのに成仏しない理由が気になり出したのです。
人生史を読み込んでいくと、シ村の娘の死には“加護の会”という宗教団体が関わっていたことが分かります。
険しい顔のニシ川は、「シ村さんの人生って…面倒臭そう」と言ってファイルを閉じてしまうのでした。
じわじわとシ村の過去に迫っていますが、今回はまだ核心に届きませんでしたね。
第6話を観た人のTwitterでの反応は?
それでは実際に、『死役所』の第6話を観た人たちの感想を見てみましょう。
原作でも好きなエピソードだったから、再現性の高さに満足
見覚えある顔だと思ったら山田太陽くんでは無いか
演技力はもちろんあるんだろうけど、それを超えて滲み出るどころかダダ漏れな人柄の良さが、愛される男って役に説得力を持たす
ジャニはたまに凄い俳優さん出してくるんだよね— シノダシノ (@shinodashino) November 20, 2019
NHKで放送されていた『これは経費で落ちません!』の、山田太陽役だった重岡くん。
本当に太陽のような笑顔が話題となり、多くのファンを獲得していました。
重岡くんは高関のような真っ直ぐな役がとても似合っていて、今回も彼の演技に泣かされてしまった方も多いことでしょう。
ジャニーズということですが、あまりそんな雰囲気を感じさせない素朴なところが良いですよね!
軽い原作ファンでしげ担の私にとって、割と忠実で素晴らしい回だった
ただ、原作も泣ける!!ドラマでは描ききれなかった2人の裏話を知って、高関くんの涙の理由をより深く知って、より泣いてほしい
LINEマンガで今無料で読めます
ぜひ、ジャス民のみなさんご一読下さい#死役所#重岡大毅— 双子ジャス民 (@mayu_sknkfhk) November 20, 2019
なんとドラマで描き切れていない、二人の秘話があるなんて!
確かに、”カニすべからく”の意味も出てきていませんし、二人の学生時代の友情話ももっとあるはず。
原作のストーリーも気になりますね。
ネタバレ防止のためまだ1話しか読んでいない私ですが、今回の回だけ探してみようかしら…。
まとめ
先週の予告から絶対泣いちゃうと思っていた第6話でしたが、予想通りタオルをびしょびしょにして泣いてしまいましたよ。
テーマとしては割とありふれたものだったと思いますが、思い出を回想するシーンの映像の作り方や、音楽の挿入の上手さに完全にやられ、さらに佐尾と高関役をこなした二人の演技が素晴らしく、泣かずになんていられませんでした。
今までは死への恐怖や後悔が強く描かれていた『死役所』でしたが、今回は悔いのない人生を送れた男の話で、死を迎えた結末でも希望に溢れた回だったのではないでしょうか?
今までの死者は反面教師にしなければなりませんでしたが、今回は佐尾のように生きたいと思わせてくれました。
何かに打ち込み、信頼し合える人間と過ごせたのなら、きっと佐尾のように満足して死ぬことができるのでしょう。
ちなみに今回は本物の芸人さんが、本人役で大勢出演していたのも見どころでしたね。
私の大好きなジグザグジギーや、お笑い第七世代のかがや、そして棒読みの天才ナイツの塙さん(笑)
今回も素晴らしい棒読みでした!
そんなところも見どころだったので、かなり楽しめた方も多い回だったと思います。
シ役所の職員の話についてはほぼ出ませんでしたが、ニシ川がシ村の過去を気にするところで終わっていましたね。
次週はついにイシ間の過去がクローズアップされるようなので、また職員たちの謎に迫る話になりそうです!
ドラマ『死役所』作品概要についてはこちら
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ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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