原作:書下ろし脚本のためなし
脚本:龍居由佳里、本田隆朗
出演者:中谷美紀、藤木直人、白洲迅、忍成修吾、山中崇、加治将樹、渡辺邦斗、寺田心、奥田瑛二ほか
放送期間:毎週月曜22時
制作:テレビ東京、共同テレビ
前回の振り返り
第2話では、五木商事の将来を担うビックプロジェクトの進行を任された晴(中谷美紀)たち経営企画部。
ヘルスケア事業の強化のため、シンガポールの病院グループを買収することに挑むのですが、これには医療界のドン、小笠原隆一(寺田農)の力添えが必要不可欠でした。
ここで晴の人たらし術が炸裂し、難攻不落と思われていた小笠原の心をがっちりと掴み、見事成功へと導くのです。
晴のへこたれない精神力と圧倒的な行動力は、周りの人を巻き込んでしまう魅力があり、一度関わると力を貸さずにはいられなくなってしまうのが、素晴らしい素質ですよね。
そんな晴に心の底から憧れます。
晴とは元夫婦で現在上司となっている和田(藤木直人)も、晴のパワーを借りながら五木商事の悪しき体制を壊そうと必死にもがいているようです。
そして、和田は一度も会ったことがない息子の顔が見たいと、晴にお願いするところで前回は終わっています。
涼も和田のことを父親として認識していて、どんな人間なのか気になっているよう…。
今回和田と涼が出会うこととなるようで、家族がどのように進展していくのか大変気になりますね。
さらに五木商事でも新たな問題が勃発し、関連会社が敵対的買収の危機にさらされてしまいます!
この危機をどう乗り越えるのか、晴の腕の見せどころとなりそうです。
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第3話は親子愛と同僚は仲間であることを再認識!あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。五木商事の関連会社が買収の危機!
仕事に育児に邁進している晴ですが、五木商事の関連会社である『西本工業』が、敵対的買収の危機にさらされているというニュースを目にします。
西本工業は従業員250名ほどの中小企業ですが、リニアトレインに採用されるタイヤに特許を持つなど、特殊タイヤの製造に力を入れている、五木商事の関連会社の中でも優良企業のひとつです。
買収を仕掛けてきている『日和製作所』は特許の獲得が目的で、たった1日で西本工業の株を3割買い占めていました。
この数は五木商事と並び、さらに他会社が持っている残り4割の株の買収も着々と進めているようです。
五木商事としては、なんとしてでも西本工業を守りたいところですが、リニアトレインはまだ少し先の事業ですし、株主たちは西本工業への魅力が薄れて株の売却に前向きなってしまっています。
もしも日和製作所へ株が渡ってしまえば、西本工業の経営権は日和製作所に移るため、現在西本工業で働く社員たちは最悪リストラの可能性もあるのです。
晴たち経営企画部では、株が売却されるのを阻止する案を早急に出さなければいけませんでした。
今回も、かなり厄介な問題が降りかかっていますね。
株や企業の買収の仕組みなどちょっと難しい題材でしたが、『ハル〜総合商社の女〜』ではどの問題についても視聴者が見ていて分かりやすいよう、かみ砕いてくれるのが大変ありがたいです。
大まかな概要が分かれば取り残されずについて行くことができ、第3話でもしっかりとした説明が入ったので一安心でした。
二つの戦略でピンチを乗り切る
晴はニューヨークで弁護士の資格を有していたこともあり、法律の観点からアプローチできるようリーダーを任されます。
さっそく西本工業に赴き、社長の西本順造(松澤一之)や社員たちから現状の不安やこれからの願望などを聞き、彼らの生活を守ることを硬く約束するのです。
しかし晴は優しいだけではありません。
社員たちに、「自分たちの会社は自分たちで守らなければいけない!」と叱咤激励し、魅力的な新商品の開発を提案します。
タイヤの制作には時間もお金もかかるため、タイヤ以外の何か新しいものを考案する必要がありました。
社員たちは頭を抱えて悩みますが、晴の強くポジティブな言葉を胸に、リニアトレインの廃棄タイヤで消しゴムを作ることを考案します。
一方経営企画部でも緊急会議が行われ、総合商社であることを生かし、西本工業に新規事業を作ることを考えています。
晴の部下たちはまだ晴に対して好意的ではなく、かなり感じが悪いのですがみんな優秀なのは確かです。
晴の無理難題も(嫌な顔して)こなしていき、“中古の特殊タイヤの輸出事業”という案に辿り着きます。
消しゴムグッズの販売と中古タイヤの輸出事業という、2本立ての新事業で株主たちへアピールし、株の保持をお願いしていくことに決定しました。
後は細かな部分を詰めていくだけという段階までこぎつけた晴たちですが、もちろんこんな簡単に話が進むわけがありません!
晴の一世一代の勝負
晴たちが西本工業の新規事業の立ち上げに力を注いでいるころ、敵対する日和製作所も株の買収に躍起になっていました。
相手も本気の買収を仕掛けてきているためかなり手強く、晴はもしものときのための秘策を考えます。
それは西本工業の株主たちと、1週間は日和製作所へ株を売らないでもらうという覚書を交わすことでした。
条件は、1週間以内に新規事業を成立させ、もしもできなければ五木商事が日和製作所以上の値段で、株を買い取るというもの。
西本工業にとっては、どう転んでも五木商事の子会社でいることができるため、社員たちの生活を守れる最善策です。
しかし新規事業が頓挫したら、五木商事は膨大な資金を要して株を買わなければいけなくなり、会社の経営を脅かしてしまうかもしれません。
こんな無茶な覚書ですが、和田(藤木直人)が何とか上に通すと承諾します。
自分を窮地に追い込みながら難題に向かう晴は、かなりストイックですよね。
これは西本工業の社員と交わした約束を守るための行動なわけで、なんて男気溢れる精神!
自分の上司になってくれたら素敵!と思う反面、部下だったら面倒だろうな、とも感じました…(笑)
和田と涼の親子関係はいかに?
和田と涼(寺田心)は互いのことが気になりつつありましたが、まだ一度も会ったことがありません。
和田の方は涼の顔が見たいと言っているのですが、晴がそのことを涼に伝えると、「今はまだいい」と自分の写真を見せることも拒否してしまいます。
しかしこれは、父親との関係が始まることにまだ心の準備ができていない、というのが本音のようです。
そんなある日、涼が特殊タイヤに興味を持ったため、晴は西本工業に差し入れを持って行くついでに涼も連れて行くことにします。
晴が差し入れの肉まんを並べながら涼の紹介をしていると、なんとそこへ和田が現れるのです!
和田と晴との関係は誰も知らないことなので、ここで変な空気を出してはいけないと、晴は何食わぬ顔で涼を息子だと紹介します。
一方涼は、父親が突然登場した衝撃で動揺が隠せない様子でしたが我に返り、「はじめまして」と礼儀正しく自己紹介をするのでした。
涼を見つめる和田の視線や、なんとも言えない間のせいでただならぬ空気になっているその場でしたが、和田も差し入れに肉まんを持ってきていたためその場は笑いに包まれ、何とか話を逸らすことに成功。
そしてこの肉まんは、晴がベトナム支社にいたとき、和田がいつも差し入れてくれる思い出の肉まんなのでした。
家族3人が揃った瞬間はドキドキで、それぞれがどんな反応をして何を言うのかが気になりましたが、今回は親子が対面しただけで、深い話は一切ありませんでした。
しかし和田の涼を見つめる眼差しが今まで見たことがないほど優しく、涼の和田を直視できないでいる姿に胸キュン!
穏やかな感動シーンで、とても素晴らしい演出だったと思います。
二つの戦略が頓挫…!?
さて、西本工業の社員たちはデザイン性と実用性を兼ね備えた消しゴム制作に打ち込み、見事理想のものを作り出しました。
その消しゴムに涼も大喜びで、写真を撮ってニューヨークの友達に送るほどです。
すべてがうまくいっているように見えていましたが、消しゴムの販売先である東都電鉄が、急遽方針を変えて、消しゴムの販売を見送ることに。
さらに追い打ちをかけるよう、インドネシアへ中古タイヤを輸出する話も、中国に奪われ白紙になってしまうのです。
覚書の期日まで残り2日。
このままでは五木商事は大損害を被り、和田も晴も責任を問われてしまいます!
晴が機転を利かせ突破口をみつける!
中古タイヤの輸出はすでに多くの企業が行なっていて、市場が飽和状態の中やっと見つけたのがインドネシアでした。
今から新しい輸出先を見つけるのは絶望的と思われていましたが、晴は法律の知識からこの先法改正で輸入規制が解除になる国を探し、そこへ輸出することをひらめくのです。
あれだけ晴に非協力的だった部下たちも、晴の意見に賛同して必死に輸出国を探し、法改正が行なわれるドミン共和国を見つけたことに成功。
覚書の期限内に契約することができ、株主たちもこの新規事業に魅力を感じて株を売らないことを決めてくれるのでした。
さらに、頓挫してしまった消しゴムの方も、涼が友達に送った1枚の写真がSNSで拡散され、バズっていることが判明!
東都電鉄と再交渉できるカギも手に入れ、西本工業の社員たちの生活は無事守られました。
信じる心
今回は晴の持ち前のパワーだけでは乗り越えられない危機だらけでしたが、部下たちが晴に寄り添い奮起してくれたおかげで解決することができました。
もちろん晴は部下たちを信頼していて、部下たちも少しずつ晴を信頼し始めているようですね。
そして、晴はあの覚書を上へ通した和田に感心します。
しかし和田は覚書を上には通しておらず、自分の判断で進めていたのです。
もしも失敗したら自分が責任を取り退職まで心に決めていましたが、それと同時に晴が必ず成功させるということも信じていました。
それを聞いた晴は驚きつつも、嬉しそうにはにかむのでした。
第3話を観た人のTwitterでの反応は?
実際に第3話を観た人はどんな感想を持ったのか、チェックしてみましょう。
「ハル〜総合商社の女〜」
2話続けて視聴
中谷美紀さん演じるハルが非常にいい上司ですねー自分の仕事にしっかりと責任を持つ
勉強になります#テレビ東京#ハル— メタル@雑記ヘヴィメタルブログ (@NEMMETAL325) November 4, 2019
晴のような上司がいれば、仕事に熱意を注げる人が増えますよね。
晴自身が仕事を楽しんでいるし、自分の言ったことは貫いて筋をしっかり通している姿がかっこいいです。
この姿をお手本にしたいと思いますが、実際こんなに大胆不敵に動いたら多くの人に迷惑をかけるのも事実。
晴の人たらしの術を持っていないと成立しないのが、痛いところです。
池井戸ドラマ3話分くらいが1話にまとめられてるようなドラマ。笑
ビジネス部分がものすごく簡単に描かれていてとっつきやすい。
寺田心くんと中谷美紀と藤木直人の関係性がたまらん~#ハル #総合商社の女— ようこ (@yla1013) November 4, 2019
確かに池井戸作品で扱うひとつのテーマを、『ハル〜総合商社の女〜』では毎週扱っているような気軽さがありますよね(笑)
難しい内容でもかなり割愛して説明してくれるため、本格派には物足りなくても、ながら見ができるので疲れた日でも観やすい!
そしてポジティブさ全開なので、疲れた日にこそ観てほしいというドラマになっていると思います。
ドラマBiz「ハル」、もはや設定の欠点を指摘するか、役者のかっこよさをひたすら愛でるか、どっちかの楽しみ方しか出来なくなってきてるなあ。
前々作ぐらいから本来のBizターゲット層には設定がファンタジー過ぎでつまらん。視聴率テコ入れで難しいこと解んなーいな女子層をターゲットにしてるんだな— ロバ (@oosamanomimiha8) November 4, 2019
厳しくも的確な意見ですねぇ~。
確かにおかしな点をつつき出したらきりがないんですが、それを楽しみに観るというのもひとつの観方なんですね。
ただ、ストーリー全体としては筋が通っていますし、私は受け流せる範囲なのでそこは突き詰めません!
キャストのカッコよさをひたすら愛でる派で行こうと思います(笑)
まとめ
今回もかなりの難題に取り組んだ晴ですが、弱音を吐くことなく、そして部下たちと力を合わせて解決したのが印象的でしたね。
あれだけひねくれていた部下たちが、晴に心を許すときがきたら、思わず泣いちゃうこと間違いなしです。
第3話は、人の心の動き方はとても巧妙に演出されていて、晴の部下たちが晴のために動くときや、和田と涼が出会うシーンなど、とても繊細で感動的に描かれていました。
ただ、これだけのビックプロジェクトが、結構簡単に進んでしまうんだなという印象もあり、実際に商社で働く人たちにはチープに感じてしまうのかな、というところが残念ポイントでもありますね…。
やはり1時間ドラマはどこかで気持ちを割り切り、細かなところを深追いしないほうが楽しめるのも一理あると思いますので、重箱の隅はつつかずに観ていきたいと思います。
ドラマ『ハル~総合商社の女~』作品概要はこちら
2019年秋ドラマ特集ページはこちら

ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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