2019年10月28日、東京プリンスホテルで「東京ドラマアウォード2019」の授賞式が行われました。
受賞作の中には「こんな作品もやっていたのか!」と知らなかったものもあり…(ごめんなさい)
それでも受賞した作品は納得のいくものばかりでした!
筆者が独断と偏見でピックアップした受賞作品を紹介します。
目次
誰もが納得!連続ドラマ部門グランプリ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』
この受賞は誰もが納得なのではないでしょうか。
Twitterに「#考察」がトレンド入り、視聴者が犯人について意見を交し合うようになったのも、この作品から活発になったように思います。
若手俳優の中でも勢いのある菅田将暉が、初の先生役をするということで話題になりました。
しかしこの作品で生徒役を演じた俳優、女優にも注目が集まりましたね。
人の心を揺さぶる演技、閉ざされた空間の中で互いにぶつかり合いながらも答えを見つけていく、そんな姿に惹かれた視聴者も多いのではないでしょうか。
現代のコミュニケーションはSNSなどを介したものに変わりつつあります。
その危うさ、そして直接想いを伝えることの意義を、現代社会に問いかけたことも高く評価されたポイントでしょう。
終わったと思われたこの作品でしたが、なんとなんと現在放送中の『ニッポン ノワール』に繋がっています!
『3年A組―今から皆さんは、人質です―』による社会への問いかけは、まだまだ続いているのです。
この作品で主演を演じた菅田将暉さんは、主演男優賞も受賞しています。
清原果耶の演技が光った!連続ドラマ部門優秀賞『透明なゆりかご』
産婦人科を舞台とした作品で、命とは何かを考えさせられる作品でした。
産婦人科というと、妊娠や出産の明るくめでたいイメージがありますが、中絶や母体死亡という“陰”の部分を併せ持つ場でもあります。
生まれてきた命、生まれることができなかった命、その母、どのように向き合っていけばいいのか。
感受性豊かな主人公の目を通して、命の尊さを考えた人も多いかもしれません。
同じようなドラマは綾野剛さん主演『コウノドリ』がありますが、主人公の見る目が変わるとこうも変わるのか、と思わされるところもあります。
見比べてみるのもいいかもしれませんね。
この作品で主演を演じた清原果耶さんは、主演女優賞も受賞しています。
またグランプリ作品の『3年A組―今から皆さんは、人質です―』にも出演。
現在放送中の『俺の話は長い』にも出演中です。
現実での夫婦を望む声も!連続ドラマ部門優秀賞『大恋愛~僕を忘れる君と』
ドラマとはわかっていても、感情移入して見た人が多いドラマではないでしょうか?
若年性アルツハイマーにり患した戸田恵梨香演じる女医、忘れられることをわかっていても愛し続けたムロツヨシ演じる小説家。
結末は見えているし、美女と野獣(ムロさん、ごめんなさい)の王道ストーリーではあったけど、それでも毎回涙で画面がかすんでしまうことも…。
戸田さんとムロさんがまるで付き合っているかのようなオフショットが、Twitterに出ることもありました。
ファンは怒るどころか「ぜひ本当の夫婦になってほしい!」という声があがり、ドラマに感情移入した人の多さがわかりますね。
話題性からも、文句なしの受賞といっていいでしょう!
多様性の時代を描いた作品!連続ドラマ部門優秀賞『きのう何食べた?』
男性同士の恋愛というと『おっさんずラブ』を思い出す人が多いのではないでしょうか。
しかし『おっさんずラブ』はコメディ要素が強く、ジェンダーレスに焦点を当てた作品という感じはしませんでした。
『きのう何食べた?』はありふれた日常を描いた作品で、ただそれが男性カップルの日常だということ。
同性カップルゆえの悩みや、ほろ苦い話もあるけど、どこかほっこりさせる内容が人気でした。
原作の漫画も累計発行部数500万部越えであることから、原作の雰囲気を壊さないキャスティングも心がけたそうです。
きっと街のどこかで、このようなカップルがひっそりと暮らしているのだろうな、と思わせるドラマでした。
胸をわし掴みにされた女子も多数!助演男優賞『初めて恋をした日に読む話』横浜流星
このドラマで「ピンクの髪の子」といえば、「あ~!」とわかる人も多いのではないでしょうか。
予備校教師役の深田恭子さんを一途に恋する姿に、キュンキュンした人も多いはずです。
横浜流星さんはこのドラマの後『あなたの番です-反撃編-』に出演し、一気にブレイクするのですが、実は戦隊ヒーロー出身ってご存知でしたか?
2014年2月~2015年2月に放送された『烈車戦隊トッキュウジャー』にトッキュウ4号のヒカリとして出演していました。
トッキュウ1号は志尊淳さんが演じていたので、戦隊モノが若手俳優の登竜門というのもわかりますね。
現在は『4分間のマリーゴールド』に福士蒼汰さんの弟役で出演中です。
末っ子らしい甘えた演技が、また女性の心をわし掴みにしています。
【脱】昭和女優!助演女優賞『獣になれない私たち』黒木華
“和風美人”の顔立ちのため、昭和時代のドラマには欠かせない女優さんのイメージが強かったのですが、『獣になれない私たち』で等身大の女性を演じても、やはりすばらしい女優さんでした。
『重版出来』で主演を務めたこともある黒木さんですが、この作品では助演女優賞にふさわしい、主役を引き立てる絶妙な演技だったと思います。
昭和のイメージを完全脱却したのは、やはり『凪のお暇』でアフロヘアになった見た目と、空気を読むのに疲れたOLを上手に表現したことによるでしょう。
『凪のお暇』が話題になったのは、原作がおもしろかったこともあるかもしれませんが、やはり黒木さんの演技力、そして脇を固める高橋一生さんと中村倫也さんが作品に引き込んでくれたことが大きいと思います。
どんな役でもハマり役になりそうな黒木華さん。
筆者は密かに『エール』の後の朝ドラ主演は黒木華さんなのではないか、と考えているのですが、この予想は当たるか否か!?
社会問題に切り込む作品が多い印象。来年はどうなる?
今回触れなかった(筆者があまり詳しくない)ドラマでも、気になるドラマはたくさんありました。
単発ドラマ部門でグランプリを獲得した『Aではない君と』は「自分の子供が殺人の罪に問われたときに、あなたならどうする?」ということをテーマに作られた作品。
少年犯罪が増加したり、中年引きこもりが問題になったりしている今だからこそ、問題提起をしたいドラマだったのかもしれません。
『きのう何食べた?』はジェンダーレスが認知されてきたとはいえ、現代社会においての生きづらさを取り扱ったものになります。
『透明なゆりかご』も凄惨な事件が多い昨今、命の大切さ、どう命に対して向き合うかを考えさせられる作品です。
社会問題に切り込んだドラマだからこそ話題にもなり、さまざまな議論を呼び、皆の心に刺さったのもあるでしょう。
2019年秋ドラマも話題を呼ぶ作品が多いと筆者は思っています。
東京ドラマアウォードは「日本人として“海外にみせたい” と思う魅力あるドラマ作品」という明確なコンセプトがあります。
2020年の東京ドラマアウォードはどの作品がグランプリに輝くか、予想しながら見ると楽しいかもしれませんよ。
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