原作:あずみきし『死役所』(新潮社バンチコミックス刊)
脚本:政池洋佑、三浦希紗
出演者:松岡昌宏、黒島結菜、清原翔、余貴美子、松本まりか、でんでん、ほか
放送期間:毎週水曜 深夜0時12分
制作:テレビ東京、ジェイ・ストーム、スタジオブルー
前回の振り返り
第2話のお客様は、なんと赤ちゃんでしたね。
お母さんのお腹の中で息を引き取ってしまい、現世を見ることなくシ役所での手続きとなってしまいました。
しかも長い不妊治療の末にやっと授かった赤ちゃんなだけに、赤ちゃんの両親のことを思うと今でも涙が出そうです…。
シ役所に来る死者たちを見て命の尊さが分かる中、じわじわと判明しているのが職員たちの素性です。
ミチル(黒島結菜)が勝手に見つけたファイルから、職員たちは死刑囚だったということが分かり、どうして彼らは殺人を犯したのか、なぜ死刑囚がシ役所で働いているのか、ということが気になりだしています。
イシ間(でんでん)が口を滑らせたことでシ村(松岡昌宏)の過去もちょっとずつ暴かれ、娘がいたことなどが判明しましたね。
さらに追い打ちをかけるよう、ミチルがシ村の過去を探ろうと食いつき、思い通りの反応がないシ村にイラついたミチルは、「人殺し」と言ってしまいました。
その瞬間、シ村のあの張りついた笑顔が消え、ミチルを凄む顔へと豹変したのです。
その顔で終わるんだから、続きが気になって仕方なかったですよー!
いよいよ第3話では、シ村の過去が明らかに…?
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第3話は今までの謎が怒涛の判明!あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。今回のお客様は刺殺された定食屋の主
いつも通り死者たちの手続きを行っているシ役所に、怒鳴り声が鳴り響きます。
バンダナを巻いてエプロンをかけ、お腹を刺されて血を流すひとりの男が暴れていました。
彼の名前は坂浦眞澄(三浦貴大)、定食屋の主です。
自分がどうしてシ役所にいるのか、そもそもシ役所とは何なのかも分からず、大混乱のため暴れているのでした。
落ち着かせて話を聞いてみると、定食屋で働いている最中いきなり刺され気がついたらここに来たということと、自分の父親も12年前に同じ定食屋で殺害されているということが分かります。
坂浦の奥さんのお腹にはもうすぐ生まれる自分の赤ちゃんがいて、突然の死を受け入れることができず、今すぐ現世へ戻りたいと懇願しました。
しかし死んでしまった者は現世に戻ることはできませんし、シ役所でできるのは成仏の手続きだけ。
ひとまず他殺課に行き、さらに詳しく話を聞くこととなります。
坂浦とはどんな男?
坂浦は一見乱暴そうな男でしたが、実は不器用なだけでとても優しい心の持ち主でした。
亡き父の後を継ぎ、奥さんと何とか定食屋を復活させ軌道に乗らせた頑張り屋でもあります。
その陰には、父親の定食を愛していた常連客の助けもあり、坂浦も常連客をとても大切にしていたのです。
特に印象的だったのが、常連客のおじいちゃんが味噌汁の味が薄いと文句を言ったシーン。
この定食屋は味噌汁がうまいと評判で、それを目当てに来る客もいるほどでしたが、おじいちゃんはこれじゃあ父親には勝てないと坂浦に注意をします。
「黙って食ってろ」なんて憎まれ口を叩く坂浦でしたが、実はおじいちゃんの健康を気遣い、塩分控えめの味噌汁を出していたのです。
さらに自分の子供ができたときは大変喜び、新メニューとして“親子丼”を出すほどでした。
身重の奥さんのこともとても大切にし、あまり働かせないよう気を配っていた矢先、突然ナイフで刺されてしまうのです。
こんなに良い人が、なぜ…?
坂浦を殺した犯人を探っていくと…
坂浦にはいきなり刺された記憶しかなく、犯人の顔も見ていなければ誰なのか見当もつきませんでした。
他殺課担当のイシ間が苦手なパソコンを駆使して殺人の経緯を調べていくと、犯人は“ハラシマケンジ”という男だとわかります。
この名前を聞いた瞬間、坂浦は血相を変えて「ぶっ殺してやる!」とその場を飛び出してしまいました。
なんとハラシマは、12年前に父親を殺した犯人だったのです。
ハラシマは父親の定食屋の元従業員で、レジのお金を盗もうとしているときに父親に見つかってしまい刺殺し、刑務所に入っていました。
しかし、裁判の証言台に立った坂浦のことを恨んでいて、復讐として坂浦のことも刺したのです。
坂浦は奥さんと子供の身を案じ、現世に戻れる場所はないかとシ役所の中を探し回りますが、もちろんそんな場所はありません。
心配して駆けつけたミチルに坂浦は、こんなことになるなら自分がハラシマを殺しておけば良かったと後悔します。
口ではそういう坂浦でしたが、ハラシマが死ぬのを強く願いながらも、心のどこかでは生きてしっかり償ってほしいとも思っていました。
心を持った人間なら、この気持ちが正しいはずですが、人殺しの気持ちは人殺しにしか分かりません。
シ村は「だからいくら考えても無駄だ」と、坂浦を諭し成仏の道へといざなうのでした。
イシ間は姪っ子のために殺人を?
イシ間はこの事件に納得いかない様子で、「坂浦がかたき討ちとしてハラシマを殺すならまだしも、どうしてハラシマが坂浦を殺さなければいけないのか」と、道理が通っていないことに憤慨しています。
確かにその通りですよね。
このイシ間の言葉にシ村は意味深にうなずき、「イシ間さんは道理の通った殺人を犯していますからね」と言うのです!
イシ間は情に厚く、死者たちに感情移入して泣いてしまったり、枯れた花でもまた咲くのではないかと懸命に水をあげるなど、このドラマの中では感情豊かな愛されキャラです。
わがままで言葉を選べないミチルにも、優しく接しているのがとても印象的でした。
人殺しとは無縁に思えるイシ間ですが、シ役所の職員ということは死刑囚なのです。
イシ間は姪っ子のためを思って人殺しをしたそうで、殺したときはそれが1番正しいと思っていました。
けれど今となっては、人殺しなどせずに姪っ子の傍にいてあげた方が良かったのかもしれないと、どちらが正しかったのか分からなくなるとこぼします。
ついにイシ間の過去が明かされてきましたね!
シ役所の職員たちは死刑囚といえども、極悪犯だけが集まっているわけではないようです。
ついにミチルが職員たちに詰め寄る!
シ役所の職員たちの素性が気になって仕方がないミチルは、ウロウロとシ役所をさまよっています。
そんなミチルを見て呆れるニシ川(松本まりか)は、シ役所が気に入ったなら働けばいいと嫌味を言うのですが、ミチルはシ役所では死刑囚しか働けないのではないのかとニシ川を問い詰めます。
さらにどうして人殺しをしたのか、殺された人の気持ちを考えたことはあるのかと、ずけずけと思っている言葉をぶつけるのです。
正直この性格とても苦手ー(笑)
悪い子ではないんですが、絶対友達になれないタイプというか…。
自分の話は一切しないニシ川に痺れを切らし、次はハヤシ(清原翔)の元へ向かうミチル。
またも同じ質問をぶつけ、人殺しは最低だと職員たちを全否定するのです。
他人のことを考えずに自分の意見を言うキャラがこのドラマに展開を加えていくので、ミチルのような存在が必要なのは分かりますが、いかんせん自分のことを棚に上げすぎていますよね。
そんなミチルも、いよいよ自分自身を時が来ます。
ミチルの死因が判明!?
ミチルは他殺だと言い張っていますが他殺課にはその情報がなく、手続きが難航していました。
シ役所に来てからしばらく経っているため成仏の申請期限が迫っていて、早く手続きを進めないと、一生成仏できない“冥途の道”へ行くこととなってしまうのです。
ニシ川に「人のことを詮索するより、自分の話をしたら?」と言われ、ミチルはしぶしぶ自分が死んだときの話を始めました。
ミチルが死んだのは20歳の誕生日の日。
サークルのメンバーが誕生日会を開いてくれたのですが、好きな男子のとなりはライバルが占領していて入り込めず、やけ酒を飲んでいたらシ役所に来ていた。
たったこれだけのことでした。
自ら飲んだアルコールによって急性アルコール中毒を招いたので、もちろん他殺課では受け付けられず、手続きが進んでいなかったのですね。
ミチルは自分でも他殺じゃないと分かっていましたが、こんなバカな死に方をしてしまったことに耐えられず、恋敵に大量に酒を飲まされて殺されたと思うことで、自分の死を納得させようとしたのです。
突然訪れた死をどう受け入れていいのか分からず、それは殺された人たちも一緒だと職員たちを責めます。
シ村が殺したのは…!
どうしてもシ村が何をしたのか気になるミチルは、しつこくシ村に問いかけますが、シ村は表情を変えずに答えようとしません。
そんな二人の打開策として、ニシ川はシ村の過去を知ったらミチルが成仏することを条件に、ついに口を開くのです。
「シ村さんは自分の娘を殺して死刑になった」
ひょえー!
自分の娘を殺すなんて、殺人の中でも非道の極み!
こんな衝撃的なラストで、また来週まで気になって寝られない日々が続きます…。
第3話を観た人のTwitterでの反応は?
それでは実際に、『死役所』の第3話を観た人たちの感想を見てみましょう。
週一の楽しみ。
このドラマ好きすぎてあっという間に時間過ぎる。ただ不気味なだけじゃなくて毎回内容が奥深い。“死”についていろいろ考えちゃう。
今年の個人的ドラマ大賞は絶対コレ。
私が言うとなんか薄っぺらいけど、とにかく好き!原作買う!#死役所— えぬこ (@name_enuko) October 30, 2019
Twitterの感想を見ていて気がついたのは、原作を知らずにドラマから入り、原作を読みたいと思っている人が多いことです。
ドラマの好評ぶりが伺えますよね。
私も1話だけ読んだのですが、ドラマは漫画にかなり忠実ということですので、やっぱり先を知らずにドラマを観たいかなーと思っています。
ドラマが完結したら大人買いしちゃお(笑)
終わってしまって、二度見してしまったよ…。これだけ2時間ドラマにしてその後も観たかったな😔考えてもわからない人の考えなんてわからない。信じられるって思える人がいるなら信じてみたいよね。。いい役だったなぁ。#死役所 #三浦貴大
— k_starstar (@starstar_k) October 30, 2019
今回は三浦さんの演技が輝いていたこともあり、その後、奥さんや子供がどうなったのか、定食屋がどうなったのかが気になるという意見も多かったですね。
確かに『死役所』は時間が短く、かなりコンパクトにまとめてあるので、もっと”おかわり”したくなっちゃいます。
死役所も理不尽不条理矛盾を上手く見せてる。ここで面白いのは、現世に残された家族や友達がどうしてるのかの描写は全く出てこないところ。描いてたらどこかで見た作品になっちゃうんだろうな。
両作とも芝居が達者で安心して見ていられる。— kz (@kz_hand_fufufu) October 30, 2019
もっと細かい描写が見たいという意見がある反面、こちらの意見もごもっともですね。
クローズアップされるのは死者の状況だけで、その後の現世などは基本的には出てこないところが、このドラマらしさとも言えるのでしょう。
『死役所』が斬新なイメージのドラマなのは、安易にストーリーを見せすぎず、私たち自身に考えさせてくれるからなのかもしれませんね。
まとめ
『死役所』は毎回ひとりの死者をテーマに死について考えさせられ、その合間でうまい具合に職員たちの謎が明かされていくという、本当にテンポの良いドラマです。
今回の定食屋の主を演じた三浦さんの演技も素晴らしく、思わずウルっとしちゃいました。
こんなホラーテイストなドラマが泣けるなんて、そのギャップも素晴らしいですよね。
3話目にしてシ村の重大な過去が分かり、視聴者を飽きさせない構成にも感心します。
しかもみんなキャラが立っていて分かりやすく、人名を覚えるのが苦手な私でも全員の名前を言える自信がありますもの!
『死役所』は今クールのドラマの中でも、かなり当たりだったなぁと思いますので、ラストまで1話1話をかみしめながら見たいと思います!
ドラマ『死役所』作品概要についてはこちら
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ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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