原作:あずみきし『死役所』(新潮社バンチコミックス刊)
脚本:政池洋佑、三浦希紗
出演者:松岡昌宏、黒島結菜、清原翔、余貴美子、松本まりか、でんでん、ほか
放送期間:毎週水曜 深夜0時12分
制作:テレビ東京、ジェイ・ストーム、スタジオブルー
前回の振り返り
“シ役所“とは、死者が成仏をするための手続きを行う役所です。
死んでもなお、現世と同じように手続きが必要というのは、面白い世界観ですよね。
死者が手続きを行う過程でその人の生き様、そして死に様が解明され、観ている私たちに生死について考えさせる作品となっています。
第1話では自殺をした中学生がシ役所のお客様で、陰湿ないじめ、そして義理の父との不仲などを理由に自ら命を絶ってしまいました。
しかし、自分の自殺が原因で周りの人を不幸にしてしまう結果となり、少年は死んで初めて自殺がどれほど罪深いかということがわかるのです。
そして、もうひとりの気になるお客様は三樹ミチル(黒島結菜)。
自分の死を真っ向から受け入れられず死因も曖昧。
シ役所内を自由気ままに動き回るなど、奔放な今どきの女子大学生です。
1話のラストでは勝手に死刑課の部屋に潜り込み、そこでシ役所の職員であるシ村(松岡昌宏)たちの衝撃的なファイルを見つけてしまいます。
なんとシ役所で働く職員たちは、みんな死刑囚だったのです…!
第2話ではどんなことが明かされるのでしょうか?
あらすじをご紹介します。
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第2話は涙でテレビが見えなかったよ…あらすじと感想
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。ミチルが見つけたファイルとは…?
自分の手続きはそっちのけで、シ役所内を勝手に動き回り死刑課に潜り込んだミチルは、そこでシ役所の職員たちの履歴書が描いてあるファイルをみつけます。
そのなかから、『市村正道』と書かれたファイルを取り出し中を見てみると、『死刑執行による死亡申請書』が出てきました。
このファイルは紛れもなくシ村のものでしょう。
シ役所では職員の名前をはじめ、“し”がつく言葉は必ず“シ”とカタカナ表記にされていますが、シ村は現世では“市村”だったのですね。
そして死因は死刑の執行。
ということは、シ村は死刑囚だったのです…!
それに驚愕しているミチルの元へ張本人のシ村がやって来て、「ここはお客様が来る場所ではありません」と張りついた笑顔で言うのです。
その顔がかなり恐怖!
松岡君の演技すごい!
間違ったと言って逃げ去るミチルですが、そこでシ役所の職員のひとりであるハヤシ(清原翔)を見かけます。
第1話でハヤシの顔をどこかで見たなと思っていたミチルですが、このときにテレビで彼の死刑が執行された、というニュースを見たことを思い出しました。
どうやらシ役所の職員たちは、死刑囚の集まりのようですね。
どうして死刑囚が職員をやっているのか、そもそもどんな理由から死刑囚になったのか、これから徐々に分かってくるのでしょう。
第2話のお客様は赤ちゃん
ミチルはベンチで赤ちゃんが泣いているのをみつけ、駆け寄ります。
泣き叫ぶ赤ちゃんをどうしたらいいのかわからず、ひとまず抱きかかえてあやしていました。
意外にも、ミチルは子供好きなんですね。
そして困っている人を放っておけない性格なのかも。
気が強くてわがままな雰囲気が苦手でしたが、とりあえず悪い子ではないようです。
そんなミチルの姿を見つけたシ村とイシ間(でんでん)。
ミチルは先ほどのファイルが気になりまともにシ村を見ることができませんが、シ村は特に気にする様子もなく赤ちゃんを“死産課”へ案内します。
シ村には娘がいた…?
シ村は赤ちゃんに対しても、大人と同じように淡々とした態度で接しています。
その姿はシ村らしいのでしょうが、かなり滑稽。
しかしミチルやイシ間がどんなにあやしても泣き止まなかった赤ちゃんが、シ村が抱きかかえるとピタリと泣き止んだのです!
その光景に驚くミチルですが、ここでイシ間の爆弾発言。
「この人娘いたからな」
なんとシ村が現世では父親!
全く想像がつきません。
シ村は口を滑らせたイシ間を張りついた笑顔でにらみつけ、そのまま赤ちゃんをベッドに寝かしつけます。
良いテンポで職員たちの過去や素性が小出しにされていきますね!
気になる気持ちを上手にくすぐられちゃってます。
たった38週と2日の命
死産課に来るお客様はみんな赤ちゃんのため、職員たちが手続きを代行します。
死産課の担当職員はシン宮(余貴美子)ですが、今回は手が空いていたイシ間が手続きを代行することに。
調べていくと赤ちゃんはお母さんの胎内で死亡し、寿命は38週と2日。
あと少しで生まれるはずの命でした。
そのため正式な名前がなく、お母さんが呼んでいた“おチビちゃん”で手続きをすることになります。
この世に生まれていない命も、シ役所で手続きをするのですね。
そして手続きの書類に記載できる情報の少なさが、なんとも切ない。
しかし切なさはこれだけにとどまりません。
苦難を乗り越えた夫婦の元に生まれるはずだった“おチビちゃん”
荻野貴宏(野間口徹)と泉水(酒井若菜)夫婦は、8年間も不妊治療に励んでいました。
なかなかうまくいかず辛い日々ですが、その辛さを決して見せない仲良しの夫婦です。
特に泉水は明るくポジティブな性格の持ち主で、貴宏はそんな泉水のことが大好きでした。
しかしある日、泉水は職場の同僚とのいざこざで、不妊治療をしている身としては辛い言葉をかけられてしまいます。
このことを聞いた貴宏は泉水のことを心配し、「不妊治療が辛いなら辞めようか」という提案をするのです。
泉水はこれに大激怒し、貴宏を傷つけるひどい言葉を浴びせてしまいます。
貴宏は悲しい顔で食卓を離れ、お風呂のお湯を溜めに行ってしまいました。
泉水だって本気で貴宏を傷つけたいわけではありません。
だけど、生理が来るたび、妊婦を見るたび、「どうして私は…」と自分ばかりを責めて、その感情の処理をひとりで行っていたのです。
貴宏へのひどい言葉は、今までため込んでいた辛さや悲しさ、苦しさや悔しさが爆発して飛び散った、”破片”なのでした。
しかし泉水は本来、前向きで明るい女性です!
すぐさまお風呂場に走り、お湯を調整している貴宏に「ごめん」と言って抱きつきます。
貴宏は、「泉水の前向きなところが大好きだけど、悲しいときは思い切り悲しんで良いんだよ」と優しく言葉をかけるのです。
そして「悲しい!」と言って泣く泉水を抱きしめます。
もう大号泣です。
嗚咽を漏らして泣きました。
泉水は相手のためを想って気丈に振舞っていましたが、たまにはもたれ掛かって支えてもらうことも大切なのですね。
本当の夫婦だから、それができるのです。
そしてそんな二人の元に、待望の赤ちゃん!
これがおチビちゃんなのでした。
それなのに泉水は“常位胎盤早期剥離”で緊急搬送され、母子ともに危険な状態へ。
そしておチビちゃんは、胎内で息を引き取ってしまったのです。
赤ちゃんが泣いている理由にまた泣ける
シ村があやして一時は泣き止んだおチビちゃんでしたが、再び泣き出してしまい、職員たちは母親に会いたくて泣いているのかと考察します。
おチビちゃんにとっては、母親も命を落とせば一緒に成仏することができるわけで、その方が幸せなのではと考える職員たち。
だからおチビちゃんは、母親の死を願って泣いているというのです。
しかしミチルはその逆で、母親に生きてほしいために泣いているんだと言います。
私もそう思いました!
初めてミチルと意見が合った瞬間です(笑)
おチビちゃんのためにできることは、母親がこっちの世界へ来ないよう願うだけと言って、手を組んで祈ります。
それにつられて他の職員も祈り始めますが、シ村だけは一切祈ろうとはしないのでした。
そして泉水は手術で一命をとりとめ、おチビちゃんも無事泣き止みます。
シ村の顔からついに笑顔が消えた!
成仏することができたおチビちゃんですが、ミチルはシ村の言動が気になって仕方ありません。
何よりも一緒に祈ってくれなかったことが許せなかったらしく、シ村に詰め寄るミチル。
それでも淡々と事務的に話すシ村に我慢ならず、「人殺し」という言葉をかけてしまいます。
その瞬間、シ村の張りついた笑顔は消え、ミチルを厳しい表情で睨みつけるのでした。
シ村は自ら面倒である総合案内係を申し出たという事実も分かり、一体どんな過去が隠されているのかが、ますます気になる第2話でしたね!
第2話を観た人のTwitterでの反応は?
それでは実際に、『死役所』の第2話を観た人たちの感想を見てみましょう。
死役所、今回の話は辛いなあ。おちびちゃんの週数が娘と1日違いで、出生体重も3g違いだった。元気に生まれてくれたのは奇跡なんだなあ、、
お腹の子も生まれるまではやっぱり安心出来ないよね、、— むー🌼娘2歳2カ月&28w♂ (@sakanakko123) October 23, 2019
お子さんがいる方や、実際に不妊治療の経験がある方にとって、今回の話はかなりヘビーだったでしょう。
生まれることができなかった命でも、おなかに宿った命であることは間違いないわけです。
その命を大切にするとともに、元気に生まれた赤ちゃんも大切に育てないといけませんね。
このドラマを見ていると死に方を選ぶことが出来ない無力感を感じてしまうけど…でも現世も受け入れるしかない運命と葛藤するものなんだよね。でもいつか運命を受け入れた時に人の心は安らかになるものなのかもな~ 生きるも死ぬも刹那だわ#死役所
— ばむちゃん🐼 (@aquapattha1) October 23, 2019
受け入れることって、意外と難しい場面も多いですよね。
特にシ役所を訪れる死者は、何よりもまず自分の死が受け入れられるかが大きな課題となります。
受け入れられれば見えてくるものもあり、死んでからでは遅かったとしても、成仏への道には意味があるのかもしれません。
このドラマの死者たちの背中を見ながら、自分の生き方を見直せたら良いですね。
ドラマや映画見た後に原作読むとハマるけど、その逆ってあんまりない。
死役所も、漫画から入ったし、期待してなかったし、1話目で順番とか違うしって思ってた。
2話目も、原作とちょっと違ったけど…泣けたわ…
いい話だった。
— lie (@biyorun) October 23, 2019
そしてついに、原作ファンの方も2話目を認めてくれましたね!
原作と多少違っても、それをアクセントとしてひとつの作品となっていれば、絶対楽しめるはずなんです。
『死役所』をもっともっとたくさんの人に見てもらいたい!
まとめ
第2話のテーマは赤ちゃんの死。無事に生まれてくるというのは、奇跡なんだと思い知らせてくれましたね。
おチビちゃんがまた、貴宏と泉水の元に戻ってきてくれることを切に願います。
そして、シ役所の職員たちはもともと死刑囚で、何らかの理由で働いている、もしくは働かされていること。
シ村には娘がいて、シ役所の総合案内係は自ら申し出てやっている、ということが今回判明しました。
いきなりいろいろな情報が分かってきた!と思っていましたが、これだけでは全然核心に届きませんね。
しかし、確実に毎回何かしらが紐解かれているので、まるでミステリーを見ているような感覚にもさせてくれます。
今後どのような展開になるのか、来週が待ち遠しくてたまりません!
ドラマ『死役所』作品概要についてはこちら
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ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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