タイトル:「ツイン・ピークス The Return」第2章
放送局:SHOWTIME
放送期間:2017年5月21日~9月3日
キャスト:カイル・マクラクラン、シェリル・リー、ジェームズ・マーシャル、メッチェン・アミック、レイ・ワイズ、マイケル・ホース、キャサリン・E・コールソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、マシュー・リラード、コーネリア・ゲストほか
閲覧したVOD:WOWOWオンデマンド(2017年12月24日まで配信)
ツイン・ピークスのおなじみの面々が、変わらない元気な姿を見せる一方で、ニューヨークやサウスダコタといった、ツイン・ピークスとは全く違う場所でも繰り広げられる、奇妙で猟奇的な事件の数々。
全く関連性が感じられない事象が、ツイン・ピークスとどう関わってくるのか?
そして、クーパー捜査官に似た長髪の男の正体は…!?
第1章の謎が少しでも解けるのか、それともより深まるのか…、期待して観ていきましょう!
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あらすじ
逮捕されたビルはどうなる…?
留置所で頭を抱えるビルのもとに、妻のフィリスが面会にやってくる。
保釈は無理だと言われたと話す妻に、誓って殺人現場には行っていないが、その部屋に行く夢を見たというビル。
夫の言うことは信じず、浮気をしていることを知っていたとののしる妻に、ビルも「お前もジョージや他の男と不倫をしているくせに!」と激昂して言い返すが、「あなたは終わりだわ。一生刑務所の中」と笑顔で「さよなら」と言い残して妻は出て行く。
留置所の外で、弁護士のジョージと顔を合わせるフィリスは、夫が不倫に気づいていることを告げ、あとから自宅で会おうと言って警察署から出て行った。
その後、留置所では、ビルは相変わらず頭を抱えて途方に暮れていたが、その別の房には、黒ずくめの服で顔がすすだらけの謎の男の姿が…。
だが、それもゆっくりと幻だったかのように消えていく…。
自宅に帰った妻のフィリスは、クーパーに似たあの長髪の男を部屋で発見し、「ここで何しているの?」と尋ねる。
2人は旧知の仲のようで、「よくやった。人間の本性に従ったな。」とフィリスに語り掛ける男。
そして、「これはジョージの銃だ」と手に持った銃を見せる。
銃を見て、自分が命を狙われていることを知って逃げようとしたフィリスの頭を即刻銃で撃ちぬいた男は、何事もなかったかのようにその場から立ち去るのだった…。
ラスベガスでも何かが起こっている?
ラスベガス のオフィスの瀟洒なオフィス。
きれいな身なりのビジネスマンらしき男のトッドが「ロジャー、来てくれ」と部下を呼び、札束を渡して「彼女を雇え」と指示する。
「なぜ彼に従って、こんなことをしているのですか?」と尋ねるロジャーに、トッドは「君は彼のような者と関わり合いになるなよ。彼のような人間に一生近づくな」と忠告する。
場末のダイナーで食事をする一行
クーパー捜査官に似た長髪の男と、レイとダーリャ、そしてもう一人ジャックが、ダイナーで食事を取っている。
レイは男に「ダーリャから聞いたが、明日以降が心配なのか?」と尋ねるが、「俺は何も心配していない。明後日までは1人で行動するから、その間は好きなようにやれ」と男はレイに返す。
「あんたが必要な情報を集めておくよ」というレイに「俺は何も必要としていない。欲しいだけだ。例の情報が欲しい。あの女はお前には教える」と言う男。
その『女』とはヘイスティングスとやらの秘書だとのことで、彼女の持つ情報とは、どうやらよっぽど重要なもののようだ…。
夜の森に現れたのは、あの…!?
夜の森を懐中電灯の光が照らす。
丸太おばさんはホークに電話をかけ、森の中を歩いているホークは携帯電話に応答する。
「今夜も丸太が予告したように、ここで何かが起こりそうだ」と答えるホーク。
「星々が巡り、時が正体を現す。ホーク、気をつけてね。私は体が弱く一緒に行けない。でもうちに寄って。コーヒーとパイがあるわ」と丸太おばさん。
ホークがやってきたのは、25年前にブラック・ロッジが現れた場所だった…。
赤いカーテン、白いヴィーナスの彫刻、白と黒のギザギザ模様の床…、ここはブラック・ロッジだ。
クーパー捜査官に片腕の男が話しかける。
「これは未来か、それとも過去か…。誰かがここにいる。」と言って、片腕の男は一瞬にして消え去り、次にローラが現れる。
そして、おなじみともいえる、クーパーとローラのやりとりが始まった。
「こんにちは、クーパー捜査官。あなたは出て行ける、今。私が誰だかわかる?」
「君はローラ・パーマーか?」
「彼女を知ってる気がする。でも時々腕が後ろに曲がるの。」
「君は誰だ?」
「私は、ローラ・パーマー」
「ローラ・パーマーは死んだ。」
「私は死んだ。でも生きてる。」と言って、右手で顔を覆ったかとおもうと、その表面が仮面のように取れて、中からまばゆい光があふれる…。
そしてまた顔を元に戻すローラ。
「私はいつ出て行ける?」
ローラは立ち上がり、クーパー捜査官の方に近づくと、昔と同じように身をかがめてキスをし、耳元で何かをささやく。
クーパーから少し離れ、ローラが上を見上げると、上に吸い込まれるようになり叫び声をあげ、消え去ってしまった。
カーテンが揺れて消え去ると、その向こうに白い馬がいる。
そしてまた何事もなかったかのように、片腕の男が現れ同じセリフを繰り返すのだった…。
部屋の隅にいる片腕の男を追って、部屋を出るクーパー。
次の部屋には、奇妙な細い木があり、その細い幹のてっぺんには肉片のような丸い塊が刺さっている。
「あれは進化した腕だ」と片腕の男が木を紹介すると「私は腕だ」と肉片がしゃべる。「お前は覚えているか?お前のドッペルゲンガーを」
25年前、クーパー捜査官をとらえたドッペルゲンガーの映像がフラッシュバックされる。
「彼がまず戻らなければならない。そのあとでお前はここを出て行ける」と語る木。
長髪のクーパーに似た男の正体が明らかに…!
クーパーに似た長髪の男は、自分のメルセデスをガレージに入れ、また違う高級車に乗り込んでいた。
世話をしてくれたジャックの顔を右手でつかみ、頬のあたりをマッサージするように動かす男。
ホテルの一室では、ダーリャが電話をしていたが、男が戻ってきたことであわてて電話を切る。
ジャックと電話をして、秘書の車の件を確認したのだというダーリャは、男に会えて嬉しいと取り繕い、男は今日の午後、レイと会う約束をしていたのに、彼が現れなかったことをダーリャに話す。
ベッドサイドにある銃を取り、ベッドでダーリャを抱える男は「ジャックは死んだ。車に細工をさせた後、俺が殺した」とダーリャの嘘が見え透いたものだということを伝えると、ダーリャは必死で逃げようとするが、男にしっかり引き寄せられ逃げることができない。
「いいものを聞かせてやる」と男が取り出したテープレコーダーには、レイとダーリャの通話の一部始終が録音されていたのだ。
レイはサウスダコタの刑務所に入っており、「明日もそっちにいたらクーパーを殺せ。お前がやるんだぞ」とダーリャに伝え、「明日まで待って。必要なら殺すわ」とダーリャもそれに応じていた。
この会話から、ようやくこの長髪の男は、クーパーと認識されており、本来のクーパーのドッペルゲンガーであることが分かる。
「私を殺すの?」と尋ねるダーリャに、迷いなく「そうだ」と即答するクーパー。
またベッドから逃げようとするが、腕をつかまれ、ダーリャは顔面にパンチを食らう。
誰に雇われたのかとクーパーは聞くが、ダーリャは「私は知らない、レイが知っている」とだけ答える。
なぜクーパーを殺すのか、その理由は知らないが、報酬は2人で50万ドルだということを明かし、自分はイヤだったのだと泣き出すダーリャに、「黙れ」と一喝するクーパーは、「明日ブラック・ロッジに戻されるところだった。だが戻らない。手は考えてある」と話す。
「ところでレイの刑務所の件だが、レイは秘書から情報を聞き出したのか?座標を聞いていないか?座標を言えば命が助かるぞ」と尋ねるが、ダーリャはレイが彼女から何かを聞いたということだけしか知らないようだ。
「これを見たことは?」と、クーパーがジャケットの内ポケットから出したのは、1枚のトランプ。
スペードのエースだが、真ん中に描かれた絵は、悪魔かピエロの頭のシルエットのような奇妙なカードだった…。
「今、私を殺すの?」とダーリャに聞かれ、「そうだ」と答えるクーパー。
逃げられずにもがき叫ぶダーリャを殴り、気絶させてから頭を撃ちぬいて殺したクーパーは、ブリーフケースから通信機器のようなものを取り出し、フィリップという男と通信を始める。
フィリップと呼ばれる男は、「遅かったな。ニューヨークで待ってたぞ。今もバックホーンか?ブリッグス少佐と会ったな?お前とはこれでお別れだ。お前は明日戻り、私はまたボブと一緒になる」とだけ言い残し、通信は途絶えた…。
ブリーフケースの中のノートパソコンを開き、FBIの情報にアクセスするクーパー。
ヤンクトン連邦刑務所のことを検索し、レベル4のセキュリティーシステムであるにも関わらず、情報をダウンロードすると、ホテルの部屋をあとにし、隣の部屋に行く。
そこには、クーパーと懇意にしているらしい、別の女シャンタルが彼を待っていた。
クーパーは「隣の部屋をきれいにしろ。そして、お前とハッチにある場所に行ってもらう。詳細は連絡する」と告げる
ブラック・ロッジの『良い』クーパーはどこへ…!?
ブラック・ロッジのクーパー。
『腕』の木は「253。何度も何度も繰り返して」としゃべり、その後は「ボブ」の名前を何度か繰り返したと思うと、突然「行くのだ!」とクーパーと片腕の男を部屋の外に出す。
次の部屋に行こうとするが、入ることができず、また元の部屋に戻るクーパー。
そこにはあの木はもうなく、その先の部屋に進むと、そこにはローラの父親が座っていて、クーパーに「ローラを見つけろ」と一言だけ言い、今にも泣きだしそうな顔でうつむいた。
その先の部屋では、片腕の男が「何かがおかしい…」と『腕』のそばで語り、『腕』は「私のドッペルゲンガー…。」とつぶやく。
次に出た通路の奥には、白い彫刻があり、その先の部屋に行こうとカーテンを開くと、そこはサウスダコタの国道らしきところが見え、そこをもう1人の長髪のクーパーが車を運転しているのが見える…。
だが、そこで、近くにあった白い彫刻があの『腕』の木へと変貌して暴れ出すと同時に、床が揺れて崩れそうになる。
途切れ途切れに「非ー存在ーだ!」と『腕』が叫んだ瞬間、床はついに崩壊し、クーパーは落ちていく。
そして、落ちた先は、あのニューヨークのビルの窓の外で、ふわふわと漂うように外からガラスの箱の中に入っていき、その中で浮遊する。
ちょうどそのタイミングで、あの青年とトレイシーは部屋の外で不在となった警備員を探しているところだったのだ。
箱からも消えたクーパーは、またどこともなく落ちていく…。
シェリーとジェームズ登場!
ある一軒家で酒を飲み、タバコを吸いながら、ライオンの狩りの様子を紹介するテレビ番組を見ているローラ・パーマーの母。
そして、バンバン・バーでは、今日もライブと若者たちでにぎわっていて、そこに、かつてのローラの秘密の恋人だったジェームズがやってくる。
バーにはシェリーもいて、女友達と愚痴を言いながら酒を飲んでいるが、その話題からもう娘は結婚する年齢になっているのが分かる。
シェリーたちの姿を見ると、切なげともいえるような複雑な表情をするジェームズ。
さらに、シェリーに気があるそぶりを見せる男がカウンターから、シェリーを銃で撃ちぬく仕草をするのだった。
まとめ・感想
第2章では、話が進むどころか、より複雑に絡み合うような展開となりました!
もちろん、想定内ですけれどね(笑)。
デヴィッド・リンチ監督が、このストーリーをすんなり進めるわけがないですから!
今回も、25年前の前シーズンへのオマージュを満載にしながらも、新しい表現や描写を追加し、リンチらしさというか、ツイン・ピークスらしさをさらに深めている感じがして、頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになるんですが、それがどんどん快感になってくるのが、ツイン・ピークスの良さです(私だけか)。
今回のエピソードでなんとなく分かってきたのは、ニューヨークのガラスの箱の一室も、サウスダコタの猟奇事件も、どうやらクーパー捜査官およびブラック・ロッジに関係しているということです。
ただ、本来の『善い』クーパー捜査官はブラック・ロッジにとらわれたままで、そこを出るにはドッペルゲンガーである『悪い』クーパーが戻ってくることが条件。
ただ、その『悪い』クーパーはブラック・ロッジに戻る気はないようですね…。
また、いままで名前が語られなかったため、カイル・マクラクラン演じる長髪で日焼けしたバブリーな悪人が、クーパーとは全く別人なのでは…と勝手に推察していたのですが、クーパー本人であることは間違いなく、キラー・ボブを内に宿した『悪い』クーパーだと判明しました。
そして、今回ちらっと出てきたラスベガスでは何が起ころうとしているのか?
2話目にして、もはやお腹いっぱい!って感じもするのですが、これがまだ16エピソードも楽しめるとなると、リンチファン&ツイン・ピーカーとしてはもうたまりません…。
第3章は、またもやどんな展開になるのか、期待大だし、期待を裏切られても本望です!(笑)

子どものころから映画大好き! ヒマさえあれば、むさぼるように映画を観るアラフォー女子。いまはドラマ『チェルノブイリ』のビッグウェーブに飲み込まれてます。
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