タイトル:「ツイン・ピークス The Return」第1章
放送局:SHOWTIME
放送期間:2017年5月21日~9月3日
キャスト:カイル・マクラクラン、シェリル・リー、キミー・ロバートソン、ハリー・ゴアス、マイケル・ホース、リチャード・ベイマー、デヴィッド・パトリック・ケリー、マシュー・リラード、コーネリア・ゲスト、ラス・タンブリン、キャサリン・E・コールソン、カレル・ストルイケンほか
閲覧したVOD:WOWOWオンデマンド(2017年12月24日まで配信)
25年前、日本での海外ドラマ人気の火付け役となった伝説的ドラマ、『ツイン・ピークス』。
鬼才デヴィッド・リンチ監督が紡ぎ出す、奇想天外で幻想的ともいえるその世界観は観る者を圧倒し、多くの謎を残したまま幕を閉じた。
そして今、ツイン・ピークスの25年後という設定で、デヴィッド・リンチがすべてのエピソードを監督するという、まさかの復活!
四半世紀後のツイン・ピークスの状況はどうなっているのか…?
オリジナル・キャストの多くもそのまま復活し、また新たな大物キャストも加えての新エピソード、期待して観ていきましょう!
『ツイン・ピークスThe Return』配信先一覧 | |||
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あらすじ
ブラック・ロッジでのローラとの約束
白と黒のギザギザ模様のフロアに、赤いカーテンの部屋。
クーパー捜査官の前で、ローラ・パーマーが不思議なポーズとともに語りかける。
「こんにちは、クーパー捜査官。25年後にまたお会いしましょう。それまで…」
これは、25年前の最後のエピソードでのワンシーン。
深い霧に包まれた、森、製材所、高校、ホテル脇にある滝…。
ツイン・ピークスではおなじみの場所が、オープニングで映し出されていく…。
巨人からのメッセージは謎ばかり…。
暗い部屋の一室で、巨人がクーパー捜査官に話しかける。
「クーパー捜査官。聴け、この音を…」
古めかしい蓄音機のスピーカーから、虫の鳴き声なのか、何かがきしむような奇妙な音が聞こえてきた。
「これがいるのは、我々の家の中だ。このすべてを、声に出しては言えない。覚えておけ。430。リチャードとリンダ。2羽の鳥を1つの石で。」
クーパーは「分かった」と答えると、巨人は「君は遠くにいる。」とまた語り掛ける。
そして、クーパーの姿は、その場からかき消されるように消えるのだった…。
森の中のトレーラーハウスに、少し大きい荷物が2箱届けられる。
家の主は、今も「先生」と呼ばれ、右目は赤の、左目は青のレンズをはめた眼鏡をかけた、作業着姿のジャコビー先生。
箱には複数のショベルが入っており、配達してきた男が手伝いを申し出るも、「ありがたいが、自分でやりたい」とジャコビー先生は丁重に断った。
ニューヨーク・シティの謎の部屋
高層ビルが立ち並ぶ、ニューヨークの一角のビル。
その中には、奇妙なガラスの箱に照明が四方からあてられ、またその箱の中を複数のビデオカメラで撮影している、奇妙な一室がある。
箱の向こうには丸い窓があり、そこからはニューヨークの夜景が見える。
その箱の正面に置かれたソファに座り、箱をじっと見つめる、若い青年。
ブザーが鳴り「3番カメラ」という音声が。
どうやらビデオカメラで箱の様子を四六時中録画しているようで、容量がいっぱいになったらメモリを取り替えるという作業をするのが、その青年の仕事のようだ。
外から「デリバリーだ」と呼ばれ、青年が部屋を出ると、エレベーターホールにトレイシーという美しい女性がコーヒーを持ってやってきていた。
トレイシーは「一緒に飲んでもいい?」と聞くが、中には部外者は入れられないと、受付の警備員にも言われ、一人部屋に戻った青年は、コーヒーを飲みながらまた箱を見つめる。
グレート・ノーザン・ホテルのベンジャミン・ホーンと弟ジェリー
秘書のビバリーに、宿泊客に返金の話をするよう指示するベンジャミン・ホーン。
どうやら、宿泊客からクレームがあったようで、一部宿泊代の返金とスパを楽しんでもらうことで手を打つつもりのようだ。
話の途中で、大声で自分が来たことを宣言しながら、弟のジェリーが裏口から入ってくる。
退室したビバリーを見送ったジェリーは、兄がかつて見境なく女性と関係を持っていたころのように、ビバリーと関係を持ったかどうかが気になる様子。
大麻の混合種を栽培しているというジェリーは、それをパンとジャムに混ぜてハイになれるお菓子を作っているらしい。
ツイン・ピークス保安官事務所と、クーパー捜査官(?)のいま
ルーシーが相変わらず受付をしている保安官事務所。
トルーマン保安官に会いたいという男がやってくるが、1人は病気で、1人は釣りに行っている、と伝え、取り次ぎできかねるというルーシー。
あいまいな返事ばかりをしているルーシーにしびれを切らしたのか、男は名刺を置いてそそくさと出て行ってしまう。
暗闇が包む森の道を走る車のヘッドライト。
車は高級なハイクラスのメルセデスベンツで、そこから降りてきたのは長髪で日に焼け、革ジャンに身を包んだクーパー捜査官にそっくりの男(本人か別人かは不明)。
山小屋から出てきた見張りの男をのして、中に入る男は、そこにいる顔見知りらしい男のオーティスとあいさつをする。
また先ほどの見張りの男が中に戻ってきて、ショットガンで殴り掛かるが、一瞬にして返り討ちにあい、見張りは気絶。
部屋に現れたビュエラという女主人に、「レイとダーリャはいるか?」と尋ねつつ、もっとマシな見張りを雇えと言う。
ビュエラの呼ばれて出てきた男女のレイとダーリャとともに山小屋をあとにする男。
ニューヨークの謎の部屋での惨劇
謎のガラスの箱のある部屋では、青年が相変わらず録画と監視を続けていた。
外から、エレベーターがこのフロアに着いた音がする。
だが、外からの呼びかけがないため、青年が不思議に思って外に出ていくと、そこにはトレイシーが前日同様にコーヒーの差し入れを持ってきていた。
だが、警備員の男はおらず、トイレにも探しに行くが姿は見えない。
トレイシーは警備の男がいないから、中に入りたいと言い、青年は仕方なく彼女を誘い入れる。
この部屋はどこかの大金持ちが所有していて、学費を稼ぐためにこのアルバイトをしているとトレイシーに説明する青年。
ガラスの箱の中に何かが現れないか見るのが仕事で、彼の前任者はその「何か」を見たという。
カメラだけではなく、多くの機器や装置があることから、何かの実験をしているらしいのだが…。
ソファに座り、2人でラテを飲みながら、透明な箱を見つめる2人だが、ほどなくして2人はソファで抱き合う。
すると、ガラスの箱の中はよどんで真っ黒になり、中に何か白い物体がうごめき始める。
それはぼんやりと人の形をしているようだが、目鼻はなく、口だけがあるような異形のもので、ぶるぶると震えるとも回転しているともいえる不気味な動きをしていたかと思うと、突然箱の中からガラスを突き破って外に飛び出し、回転する刃のごとくソファの男女を切り裂いてしまう…。
サウスダコタの猟奇事件
バックホーンのアパートの一室から異臭を感じた隣室の女性が、警察に通報。
異臭がするルース・ダヴェンポートという女性の部屋は鍵が閉まっており、管理人を探そうとする警官。
アパートのメンテナンス係だというハンクを建物の裏で見つけ話しかけると、ハンクは「ハーヴィーの使いか?」「管理人の弟のチップに会うとなんで知っている?」など、自分の行動が知られていることを気にする様子だ。
結局隣人の女性がルースの部屋の鍵を預かっていたことが判明し、警官2人が部屋に入ると、そのベッドルームには、左目を撃ちぬかれた女性の死体が、ベッドで眠るように掛布団をかぶって横たわっていた。
ハンクはハーヴィーに電話をかけ、仕事場に警察をよこしたことを責める。
「全部ここにあるが、俺とチップのものだ。お前は抜けたんだろうが。俺を脅すな」
やがてルースの死体の部屋の現場検証が始まる。
掛布団をめくると、なんと首から下は切り離されており、その胴体はまったく別の男のものだった…。
丸太おばさんからのメッセージとバックホーン事件の捜査
ホーク副所長のもとに、マーガレット(通称丸太おばさん)から電話で、丸太からのメッセージがあるという。
「何かが無くなった。あなたが見つけて。デイル・クーパー捜査官に関するものよ。それを見つけるうえで、あなたの祖先が関わってくる」
バックホーン警察では捜査が進み、死体の頭部は部屋の持ち主のルースのもので、胴体については身元不明で、かつ指紋からも一致する人物は出てこない。
だが、死体の見つかった部屋から採取した指紋は、地元のビル・ヘイスティングスという高校の校長のものだと判明し、ビルは自宅にいるところを逮捕となり、署に連行される。
ツイン・ピークス保安官事務所では、ホークがクーパー捜査官に関する資料を出してきて、「マーガレットがクーパー捜査官に関するものが無くなったというんだ」とアンディとルーシー夫妻に伝える。
アンディとルーシーは、いなくなったのはクーパー捜査官の方で、そのころまだ生まれていなかった自分たちの子どもはもう24歳。クーパーはその子にも会っていないし、クリスマスカードも送ってこないとブツブツ言うルーシー。
ホークはとにかく、コーヒーとドーナツを用意し、明日から調査を開始すると宣言する。
逮捕されたビルは、図書館員のルース・ダヴェンポートとは挨拶する程度の仲で、彼女の自宅には行ったこともないと主張。
ここ数日の彼の行動を聴取する保安官に、ビルはスケジュールを話すが、とにかくビルは何が起こっているのかわかっておらず、弁護士と話したいと言う。
ルースが殺され、彼女のアパートに自分の指紋があったということを聞かされたビルは愕然とする…。
ビルを留置所に残し、警察は捜査令状を持って彼の自宅へ。
そして、ビルの車のトランクを開けたところ、そこには釣り道具とクーラーボックスがあり、クーラーボックスを持ちあげると、その下には肉片のようなものがあった…。
まとめ・感想
ローラ・パーマーがブラック・ロッジで語った「25年後に会いましょう」というメッセージが、このエピソードの冒頭にもおさめられ、デヴィッド・リンチは愚直に約束を守ったと感じる、新シリーズのスタート。
そのあとに映し出される、製材所やハイスクールの風景を見て、25年前の興奮がよみがえってきます!
クーパー捜査官演じるカイル・マクラクランだけでなく、グレート・ノーザン・ホテルのベンとジェリーの兄弟、保安官事務所のホークにアンディ、そしてルーシーといった、懐かしい面々が出てくるたびに、画面に向かって手を振ってしまいそうになるほどの懐かしさ…。
ただ、今回は、以前にもまして壮大なスケールでストーリーが展開することは間違いなさそうです。
ニューヨーク・シティの謎の部屋での心霊現象ともいえる惨劇に、サウスダコタの町の猟奇的な事件などが次々と展開し、以前はツイン・ピークスという小さな町だけの話だったのに、「1話目からここまで盛りだくさんにしてしまって、大丈夫ですか?リンチ監督!」とツッコミを入れたくなります。
25年前、ローラ・パーマーという美しい高校生の死から始まったツイン・ピークスのミステリー。
今回の18話では、どのようなストーリーが展開するのか…?
1話目からお腹いっぱいになるぐらいに、あらゆる出来事が盛りだくさんだったので、かつては筋金入りのツイン・ピーカーだった私も、ワクワクしつつも不安すら覚える幕開けとなりました。
さて、2話目はどんな展開になるんでしょうか!?

子どものころから映画大好き! ヒマさえあれば、むさぼるように映画を観るアラフォー女子。いまはドラマ『チェルノブイリ』のビッグウェーブに飲み込まれてます。
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