タイトル:Chapter.5ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付:本山新之助
キャスト:三日月宗近/黒羽麻璃央,小狐丸/北園涼,石切丸/崎山つばさ,岩融/佐伯大地,今剣/大平峻也,加州清光/佐藤流司,武蔵坊弁慶/田中しげ美
視聴VOD:dアニメストア(2018年12月17日時点で視聴可)
2018年NHK紅白歌合戦の企画枠に出場が決定した、『ミュージカル刀剣乱舞』のChapter.5です。
ミュージカル刀剣乱舞、第1部も大詰めです。
前回、兄と和解し、平和な道を進もうとした義経は、抵抗むなしく時間遡行軍の操り人形になってしまいました。
隊長として、刀剣男士をまとめる加州清光や、かつての主と戦う今剣や岩融は、どんな選択をし、成長を遂げたのでしょうか。
そして、彼らを阿津賀志山に送った審神者の思惑とは、いったいどのようなものだったのか、物語はいよいよクライマックスです!
『刀剣乱舞~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽』(ミュージカル)配信先一覧 | |||
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Chapter.5ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽
弁慶と岩融
義経の陣を強襲した刀剣男士の前に、弁慶が立ちふさがる。
岩融は「ここは俺に任せて先に行け!」と言って、かつての主と対峙。
何度も刃を交わせながら、岩融は痛烈な一打を弁慶に加えた。
「何故だ。源義経のことだ…武蔵坊弁慶が気づかぬはずがない!!」
そう吠える岩融に、弁慶は荒い息を繰り返しながら声を荒げる。
「何があろうとも、我が君は我が君なのだ!!」
自分の想いを通すため、かつての主従は何度も何度も刃を振り上げる。
そして、ついに岩融が決定的な一打を加えようとしたのだが、その剣先は弁慶の喉元で止った。
弁慶は潔く負けを認め、持っていたまがまがしい刀を地におろし、体制を整えて「止めを刺せ!」と叫んだ。
「っ…おおおおお!!」
岩融は雄たけびを上げて薙刀を振るったが、結局弁慶に止めを刺すことはできなかった。
彼は弁慶が手加減をしていることに気づいていて、「何故手加減をした!!」と睨みつけながら叫んだ。
「貴様なら、我が君を止められると思った!」
その言葉に、岩融は膝を落とし、かつての主に礼をとる。
「承知!!」
岩融は薙刀を担ぎあげ、そのまま舞台を降りて、後方へ一気に駆け出して行った。
役割
「曲者だー!!であえであえ!!」
舞台に上に現れたのは、源氏の兵と岩融を除く刀剣男士。
石切丸が不穏な気配を察知すると、雑兵たちは舞台袖へ去っていき、舞台の中心に表れた壁にはまがまがしい扉が映し出される。
いよいよ、敵の本陣へ突入しようとした次の瞬間、観客席のほうから「まってください!!」と今剣が駆け寄ってきた。
今剣はかつての主と戦わず、義経の家来になろうと無邪気に誘い始める。
しかし、隊長である加州がそれを許すはずもなく、「冷静になるんだ!今剣!!」と怒気を含んだ声で叫ぶ。
「どうしても…だめですか…。」
「この歴史は間違った歴史なんだ。俺たちは、刀剣男士なんだ!!」
刀を向ける加州清光、構える石切丸、刀こそ構えていないがジッと今剣を見つめる三日月宗近と小狐丸。
4人にジッと見つめられた今剣は、「仕方ありませんね。」と涙ぐみながらうつ向いたので、ホッとした一同は警戒を解いて本陣へ押し入ろうと階段を駆け上がるが、それは油断だった。
「よしつねこうをいじめないで!!」
今剣は刀を抜いて、加州を取り押さえ、【おぼえている】を歌い始める。
これは歌とセリフがミックスしたもので、前半はかつての主を守りたいからこそ、仲間と戦う今剣と、今剣に本来の役割を思い出さそうとする刀剣男士の歌だ。
「今剣…そこを退くんだ。」
「いわとおし…。」
「どけぇぇぇぇ!!」
弁慶の願いを託された岩融が、今剣の前に立つ。
「やだよ…せっかく…あえたのに…。」
歌はここから後半へ。
義経公に会えた喜びから、かつての主を諦めきれない今剣。
しかし、一瞬にして空気淀み、音楽がおどろおどろしいものに変わる。
そして中央にある壁が割れ、舞台の中央に義経が現れた。
「義経!!」
加州の声を合図に、刀剣男士は一気に階段を駆け上がるが、岩融を振り切った今剣が再び仲間に刀を向ける。
「やめて!!いやだ…もういやなんだ!!」
暴走する今剣に、岩融が「あれはもはや義経公ではない!!」と叫ぶ。
しかし、それでも今剣は義経を守りたかった。
歴史が元に戻ってしまえば、今剣は義経を失ってしまう。
彼は義経の最後を、自分自身が主の血で塗れた瞬間を鮮明に覚えていたのであった。
「今剣、お前は悪くない。お前は何も悪くなんだ。」
岩融は、かつての主を忘れる必要はないけれど、自分自身を責めることはない、と歌い、視線を今剣から観客席に向けた。
そして「見上げた空には たからもの きらきら光るお星さま」と歌いながら階段を上がり、涙でボロボロになった今剣を抱きしめたところで、歌は終わった。
しかし、ここで空気が一変。
舞台の色が赤に変わり、それまで背を向けていた義経が刀を振り上げて襲い掛かる。
「岩融!!」
今剣をかばった岩融は、義経の刀によって負傷。
「戯言を!!死ね!!」
義経の攻撃を交わすように、刀剣男士は距離をとり、攻撃を打ち返していく。
そして、一気に間合いを詰めた三日月と小狐丸が義経を切り伏せる。
攻撃によって弱った義経を加州が閉じ込め、再び三日月と小狐丸が攻撃。
しかし、閉じ込めたはずの義経の姿はなく、動揺する隙をつかれて攻撃されてしまった。
「死ね!!」
地に付した刀剣男士に止めを刺そうと、義経が刀を振り上げたところで、階段が割れ、中心部から弁慶が現れる。
「弁慶殿!!」
今剣は弁慶に駆け寄ろうとしたが、それを手で制された。
彼は涙をこらえながら、自分の主を止めるため刀をとったのだ。
弁慶と義経の戦いは、一進一退であったが、弁慶の気迫勝ちで義経が地に落ちる。
その隙を弁慶は見逃さず、その首を打ち取るために刀を振り上げた瞬間、義経が弁慶の名を叫んだのだ。
「我が君…?」
「死してなお…余を守護せよぉぉぉぉっ!!」
義経はあの日の再現とばかりに、持っていた刀を首に当てる。
「我が君!!」
「なんてな!」
義経は隙が生まれた弁慶に、切りかかり、そして階段の下へ彼を押し込み封じ込めてしまった。
「ちがう…ちがうちがうちがうちがう!!あなたはよしつねこうじゃない!!」
かつての主と、目の前にいる人間が違うことに気が付いた今剣は単身で義経に向かっていく。
しかし、彼の力は絶大であり、刀剣男士たちはボロボロに傷ついていった。
「きた…きたぞぉぉぉぉ!!」
刀剣男士を痛ぶり続けた義経は狂ったように笑い、横から現れた壁の奥へ消えていく。
「ぼくの…たいせつなひとをきずつけるやつはゆるさない…よしつねこうのなをかたるやつはぜったいにゆるさない!!」
地に伏せていた今剣はそう叫び、義経が消えたドアに切りかかる。
それによって開かれた扉の奥にいたのは、禍々しい化け物になり果てた義経。
「なんだこいつは!!」
化け物に姿を変えた義経は、身軽な特性を残しつつ、絶大な力で刀剣男士を攻撃。
仲間がボロボロになっていくなか、岩融は義経をなんとか抑え込み、三日月に「この体ごと貫け!!」と叫ぶ。
「はぁぁぁぁっ!!」
「「「「岩融!!」」」」
「…年のせいか…ちと踏み込みが浅かったわ。」
三日月が切ったのは、義経だけ。
岩融と今剣はひるんだ義経に攻撃を加えた後、階段上部へ移動。
「いくぞ、今剣。」
「はい!!」
2人は再び義経に向かって攻撃したあと、上段にある壁のほうへ姿を消す。
そして、そのあと映し出されたのは、【真剣必殺】へと姿を変える演出だ。
「もうおこった!ほんきでやっちゃいます!」
「遊びの時間は終わりだ!」
「「真剣必殺!!」」
壁が脇へ移動し、その奥から【真剣必殺】時の姿に変えた今剣と岩融が現れる。
「「うぉぉぉぉっ!!」」
その攻撃を受けた義経は、一度は持ち直したものの、再度の攻撃に耐えることはできず、そのまま地に崩れ落ちる。
義経が倒れたことで、歴史は元に戻ったが、重傷を負った岩融がその場に膝をつく。
「岩融!!」
今剣はすぐさま駆け寄るが、岩融は薙刀を握りながら上を見上げる。
「死してなお余を守護せよ…義経公はそう言った!!…だから、たとえこの身が折れようとも、朽ちて砂となり消えようとも!!お前と共にあること…それが俺の役割だ。」
「後の世も、また後の世も我と共にあること!」
岩融は満身創痍な体でありながら、今剣を肩に乗せる。
「今剣よ…それがお前の役割だ!」
「はい!!」
ようやく一緒になった今剣と岩融にホッとしたのか、他の面々が笑い声をあげる。
「さて、帰ろうか。」
「はい!」
隊長の言葉を合図に、刀剣男士たちは本丸に帰還するのであった。
主の狙い
「結局…義経公の肉体を乗っ取ったのは、何者だったのかな?」
舞台に残った加州の背後に、審神者の声と共に本丸の風景が映し出される。
『義経公の刀剣が、時間遡行軍との接触によって反応してしまったのでしょう。そして、義経公の心の奥底に眠る想いを、主である義経公に代わって実現しようとした。』
「……そっか。」
『清光、この度の任務、ご苦労さまでした。』
「いいえ。」
『あなたのおかげで任務は無事に完了しました。』
審神者は感謝の言葉を告げるが、加州はすぐにそれを否定する。
加州は「自分の頑張りもあるけど、みんなの協力のおかげだと思う。」と成長した一面を見せたのだ。
『あなたは隊長として、見事役割を果たしました。おかげで今剣と岩融は、試練を乗り越えることができたのです。』
「でも、これも全部あんたの狙いどおりなんでしょ?」
『いーえ、私の狙い以上の働きでしたよ。』
「ほんと!?」
『ええ、あなた自身ずいぶん成長したみたいですね。顔つきが違いますよ。』
審神者の言葉に、加州は手を頬に当て、照れくさそうに笑みをこぼす。
「ちょっとは可愛くなったよな。これからも俺のこと、ちゃんと見ててよね。」
そう告げた後、加州は審神者に向かって手を振った。
エピローグ
舞台の背景から、本丸の景色が消え、桜が一本大きく映し出される。
そして、美しいピアノの音が流れ、順番に刀剣男士が現れる。
歌うのは【キミの詩】だ。
歌の佳境で、刀剣男士は舞台の一番上へ移動し、脇から他の出演者が姿を現し、観客席に向かって礼。
その後、刀剣男士も舞台下段へ移動したあと、観客席に向かって礼。
舞台は暗転し、ステージ第1部の幕はおろされた。
感想
「あ~…終わった…。」というのが、第1部を見て初めて思った感想でした。
2.5次元舞台のなかでも、刀剣乱舞がここまで人気である理由がよく分かった気がしました。
これまでの2.5次元舞台といえば、原作漫画やアニメにあるストーリーや、それをオマージュした内容のものが多かったと思います。
しかし刀剣乱舞は、もともとがソーシャルゲームのせいか、ストーリーらしいものはありません。
今剣や岩融のように、過去に縁ある刀剣をそろえて、阿津賀志山のような場所へ出陣すると小話的なものは読めるのですが、ストーリーというほど内容が濃いわけではないので、刀剣乱舞をミュージカル化するにあたり、オリジナルストーリーを作ったのでしょう。
そして、やはり今回一番すごい演出だと思ったのは、【真剣必殺】のシーンでしょう。
真剣必殺は、中傷以上の傷を負った刀剣男士が出す必殺技で、このグラフィックを出すために審神者はわざわざ刀剣男士を中傷にさせたりします(笑)
岩融と今剣が壁の奥へ消えてから少し時間があったとはいえ、あの短時間で裸体をさらした岩融はすごいですね。
美しい肉体、ごちそうさまでした。
さて、ミュージカル「刀剣乱舞」第1部は終了しましたが、次に待っているのは第2部!
華やかなライブステージですよ。
NHK紅白歌合戦でどのような演出がされるのか、今から期待で胸が躍りますが、その前にどのようなライブを行っているのか予習しておきましょう!
アニメとリアルの融合!2.5次元を楽しもう♪
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