2018年NHK紅白歌合戦企画枠出場!!ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽【Chapter.4】の感想~わき役の演技がうまい~ | VODの殿堂

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2018年NHK紅白歌合戦企画枠出場!!ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽【Chapter.4】の感想~わき役の演技がうまい~

   
 

タイトル:Chapter.4ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付:本山新之助
キャスト:三日月宗近/黒羽麻璃央,小狐丸/北園涼,石切丸/崎山つばさ,岩融/佐伯大地,今剣/大平峻也,加州清光/佐藤流司,武蔵坊弁慶/田中しげ美
視聴VOD:dアニメストア(2018年12月4日時点で視聴可)

2018年NHK紅白歌合戦の企画枠に出場が決定した、『ミュージカル刀剣乱舞』のChapter.4です。

今回注目すべきは、今剣でしょう。
本丸を勝手に飛び出し、向かった元主のもとで、彼は何を学ぶのでしょうか?

さらに、Chapter.3で険悪なムード漂う加州清光と石切丸にも変化があります。

刀剣として生まれ、今は人の体を得た刀剣男子の葛藤とはどんなものなのか、さっそく見ていきましょう。

Chapter.4ミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~ 大千秋楽

再会

主の許しも得ず、時を越えた今剣が向かったのは源義経のもと。
義経はちょうど、頼朝の陣に夜襲を仕掛けている最中でだった。

頼朝の命を奪わんと刀を振り上げた時、今剣が乱入。

今剣は自分が刀剣男子であることを伏せ、ワタワタした様子で、源義経は心優しく家族思いであると聞いたと嘘をつき、「まずは話し合ってみてはいかがでしょう!」と言葉を発する。

そんな今剣の慌てた様子と、緊迫した空間に飛び込んできたことを気に入ったのか、義経は頼朝を殺すのを保留にし、一旦閉じ込めておくことに決めたのだ。

「わっぱ!」

「はい!」

「礼を言うぞ。」

義経はそのまま、今剣を連れて陣へ戻っていった。

矛盾

舞台の背景が変わり、暗闇の包まれた森が映し出され、舞台袖から現れた刀剣男子たちがきょろきょろと周囲を見渡している。

加州は隊長として、義経の陣へ奇襲をかけようと告げるが、石切丸が待ったをかける。
彼は義経が「この国随一の戦の天才と言われた男」であることを懸念しているのだ。

加州と石切丸の険悪なムードは、今剣がいなくなったことで焦る岩融にも伝染。
彼は「どこかに抜け道があるかもしれん。」と言って、それに同調した三日月と共にどこかへ姿を消してしまった。

「抜け道なんてないって、三日月だって知ってると思うんだけどー!!もう何度も来てるんだし…。」

勝手な行動ばかりする面々に、加州は頭を抱えるが、それに小狐丸がフォローを入れる。

「落ち着かないんですよ、岩融は。三日月殿は気遣って付き合って差し上げてるんでしょう。」

「…あっ!!そういうことか~…あ~ぁ、だめだな俺って~…隊長失格~…。」

そう言って落ち込む加州、それを見つめる石切丸をを見た小狐丸は、わざとらしくポンっと手を打つ。

「あ!私もその抜け道とやら、探してまいります。」

「だから!!」

「では。」

小狐丸は加州の言葉を聞かず、そのまま舞台袖へ。

「あぁ!!待って!!」

彼がいなくなると、気まずい石切丸と二人きりになると悟った加州はすぐさま小狐丸を引き留めようとする。
しかし、気が付いた時にはすでに、石切丸と二人きりになっていたのである。

加州はパッと石切丸から距離をとったあと、小狐丸の意図を組んだのか、自分の思いを彼にぶつけてみることに。

「石切丸。この前の戦いのことなんだけど。あの時さ、俺と石切丸、どっちが正しくてどっちが間違ってるか考えてみたんだ。」

「それでね、気が付いたんだ。その考え方そのものが間違ってたんだって。」

加州は胸に手を当てて、自分の答えを叫ぶ。

「俺は隊長として、正しい選択をしたと思ってた!でも!!仲間としては、正しい選択じゃなかった。」

彼は顔を観客のほうに向け、足を一歩前に進める。

「今回、主が俺を隊長に選んだのはきっと、そのことに気づいてほしかったからなのかなって…。」

ここで、ずっと口を閉ざしていた石切丸が言葉を発する。

「私は戦があまり好きではなくてね。」

「うん。」

そして、彼は【矛盾という名の蕾】を歌い始める。
この歌は、武器として生まれたことを、その宿命を忘れたことはなく、他の者も等しくそれを求められて生まれたことを歌っている。

「加州清光、君にも身に覚えがあるのでは?その中でも、今剣さんは大きな矛盾を抱えている。」

「矛盾?」

石切丸の言葉に返答するように、今度は加州が歌い始める。
肉体を得ることによって生まれた矛盾から、今度は感情が生まれるという内容だ。

それに続き、石切丸が今剣に宿った矛盾が、悲しみという名の感情となって生まれつつあることを歌い返す。

「悲しみ、か。」

「今剣さんは、かつての主である源義経を。」

「ああ、そうだったね。…アンタがなんで戦が嫌いなのか、わかった気がする。」

「え…?」

「ずっと、人間のそばでさ、病気や怪我を治したいっていう想いとか願いとか、受け止めてきたんでしょ?」

加州は再び歌い始める。
彼も武器であることを、宿命を忘れることはない。
けれど、それは加州清光も、石切丸も、今剣も同じだという歌詞だった。

「そりゃあ、戦嫌いにもなるよな。戦ほど悲しみを生むものはないんだから。あんたも、大きな矛盾を抱えていたんだね。」

「清光。」

「ん?」

加州は少し嬉しそうな声を出してから、石切丸に近づく。

「作戦なのだが…。」

「あ、うん。作戦ね。」

「敵が奇襲を得意としているのならば、こちらの奇襲は計算づくであろう。であれば、裏の裏をかけばよいのではないだろうか?」

「裏の裏は…表。」

加州は一回転したあと、ハッとしたように石切丸に視線を向ける。

「正攻法…正面突破だ!!行こうぜ、石切丸!」

加州はぴょんぴょん跳ねながら、舞台袖にかけていく。
石切丸も嬉しそうに笑った後、ゆっくりと舞台袖に歩いていく。

「遅いよ!!」

舞台袖から戻ってきた加州に腕を引かれながら、二人は舞台袖へと消えていった。

「ようやくわかりあえたようですね。」

元主

「まっけるものですか!」

小狐丸が去ると同時に、今剣の声が舞台に響き渡り、背景も義経の陣に変わった。
彼は弁慶と何やら勝負事をしているようだが、その時弁慶に「仲間はどうした?」と尋ねられる。
それに対し、今剣は「ぎくぎく!!」というだけで、仲間のことを一切告げることはなかったが、彼は特に気にした様子はない。
それよりも、「若い時の義経に似ている。」というほど、今剣を気に入っている様子が伺えた。

「弁慶殿も似ていますよ。」

「誰にだ!?」

「大きくて、強くて、温かい人です。あ、でも…ちょっと喧嘩しちゃったんですよね。嫌われちゃったかな…。」

「気にすることはない!私に似ているのであれば、ちょっとやそっとのことで、お前を嫌ったりしないだろう。」

落ち込む今剣を励まそうと、そんな言葉を告げた弁慶に、今剣は感極まって抱き着こうと飛び出す。
しかし、サッとよけられてしまい、彼はそのまま地面にダイブすることとなった。

弁慶とひとしきり遊んだ後、今剣は義経と対面し、ずっと聞きたかったことを質問してみることに。

「ずっと聞いてみたかったんです!義経公が頼朝公と戦うことを選ばずに、奥州まで逃げた理由を!!」

今剣は、あの時義経が天下をとろうとしていれば、彼が奥州で死を選ぶことはなかったのではないかと考えていたのである。

「人には!役割、というものがあってな。」

義経公は厳しい表情から一変し、笑みを浮かべつつ今剣を傍へ呼ぶ。

「余は、戦の才をもって生まれた。そして兄は、世の中を平和にする才をもって生まれた。」

義経は、戦乱の世に自分の力は必要であっても、平和な世では必要がないことを理解していた。

「難しいか?」

「はい!」

はっきりと理解できないことを告げる今剣に、義経は声をあげて笑う。

「でも、大切なのは役割なんですね。」

「そうだ。」

今剣は軽くつねられた頬を嬉しそうに押さえ、舞台下へ移動。

「役割か…。義経公!仲直り、できるといいですね!」

その言葉に、義経は一瞬動揺した表情を見せるが、すぐに「ああ。」と返し、声を上げて笑う。

「役割!」

「そうだ。」

「僕の役割はなんだろう!!」

今剣は楽しそうに笑いながら、舞台袖に向かって走りだす。

源氏兄弟

今剣が去ったあと、義経は階段を下りて腰に携えた今剣を引き抜くと、その背後から、捕縛された頼朝が登場する。

「兄上…お逃げ下され!」

義経は今剣で頼朝の縄を切り、その身を解放したのだ。
しかし、その行動に頼朝は激高し、義経に殴りかかる。

「お前が羨ましかった!!」

「羨ましかった?」

「お前はすべて持っているではないか!!天才的な戦の才能に恵まれ、優秀な部下を持ち、だれからも愛されている!!」

「それに引き換え、私はどうだ…?私はどうだ!!」

頼朝は怒りのままに、義経を強く蹴る。

「ただ!源氏の棟梁として生まれただけで…何の才もない。誰もが、お前が棟梁になることを望んでいるのだ!!」

そう叫んだ頼朝は、狂ったように笑う。

「誰もが、誰もが私を蔑んでいるのだ!!私よりも…九郎のほうが…源氏の棟梁に相応しいと思っているのだ…っ。」

そう叫んで崩れ落ちた兄に、義経が駆け寄る。

「兄上!誰が何と言おうと九郎は、九郎だけは!!そうは思いませぬ。」

「九郎…。」

「兄上は、誰がなんと言おうと源氏の棟梁!!九郎は、九郎めは兄上の弟にございます。」

「私を…私を許してくれるのか…?」

頼朝はすがるように、義経の肩に手を伸ばす。

「許すも許さないもありませぬ!兄弟ではありませんか!!」

義経の心からの叫びは、頼朝に正確に届いたらしい。
長らく仲たがいしていた兄弟は、まことの絆に結ばれた。

しかし、それを時間遡行軍は許さない。

『兄を恨んでいたのではないのか!!』

『歴史の流れは変わったのだ。兄を殺せば、天下が手に入るのだぞ。』

「私は天下など望んでおらぬ!!」

『ならば、私は代わりに目的を果たしてやろう。』

「やめろ…っ。」

『それが私の役割。』

時間遡行軍に操られた義経は、頼朝に向かって刀を振り下ろす。
義経は暴走する力に飲まれないように、必死に自分を抑えようと足掻くのだが、言うことを聞かない傀儡に用はないと、自らの体に貫かされたのであった。

時間遡行軍に完全に操られた義経は、自陣を強襲する者の排除を命じ、狂ったように笑いながらどこかへ消えていったのだった。

強襲

義経の陣を強襲したのは、刀剣男士たち。

和解した加州と石切丸は、素晴らしい連携プレーを見せ、源氏の兵を一掃したのである。

感想

Chapter.4のメインテーマは、やはり今剣と源義経の再会でしょう。
幼い言動ではしゃぐ今剣に、義経たちの心はずいぶん穏やかになったようですが、自分の本丸にいる今剣はこうじゃないと感じる審神者にとっては、なかなか辛いものがありました(笑)
たぶん、今剣を演じている俳優さんも、それなりに身長が高いことも影響しているのでしょう。
2.5次元舞台は、脳内フィルターをかけて鑑賞しないといけませんよ!
ちなみに、今剣のビジュアルは小さい少年姿で、ゲーム本編ではしゃべった言葉が全てひらがなで表示される仕様となっております。

さて、今剣の話はこれくらいにして、今回はわき役に注目してみましょう。
これまで2.5次元舞台とカテゴライズされた作品で、ここまでわき役が多く登場する作品もなかったように感じます。
源義経を演じている荒木健太朗さんは、まさに義経という風体ですし、狂った様子も、本来の義経公も巧みに演じ分けている俳優さんではないでしょうか。
さらに、その兄頼朝を演じている奥野正明さんも、兄として弟と比べられ、辛い日々を送っていた頼朝を表現し、兄弟が和解するシーンでは、思わず泣きそうになってしまいました。

こういった点でも、ミュージカル刀剣乱舞は、これまでの2.5次元舞台とは異なる演出に力を入れていることがよくわかります。
物語もそろそろクライマックスを迎えそうですが、源氏兄弟の行く末にも注目してください。

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