『メイドインアビス』は、WEBコミックガンマで現在も連載中のWebコミックで、作者のつくしあきひとさんのデビュー作です。
単行本も2020年2月現在8巻まで発売され、着実にコアなファンを増やしている人気作なんですよ。
そんな『メイドインアビス』は2017年にアニメ化され、2019年にはアニメ版を総編集した映画が公開、2020年にはアニメの続きが映画化されています。
これほどまでに人気の秘密は、その作りこまれた世界観にあって、かわいらしいビジュアルからは想像できないハードなストーリーに心をがっちりと掴まれてしまうのです。
舞台は約1900年前、南ベオルスカという所の孤島には“アビス”と呼ばれる巨大な大穴があり、その全貌を明らかにしようと“探窟家”たちが大穴に潜っていくという冒険ファンタジー。
しかしファンタジーの中にしっかりとリアリティーがあり、生死について考えさせられながら、人間の欲望や闇、そして希望を見せつけられる骨太なストーリーとなっています。
今回は、アニメ『メイドインアビス』の魅力について深掘りしていきましょう。
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目次
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アニメ『メイドインアビス』のストーリー
1900年ほど前、地球とよく似た惑星にある南ベオルスカの孤島では、直径約1,000メートルの大穴“アビス”が見つかります。
その穴の深さは底知れず、さらに未知の生物や今の技術では作ることができない遺物が発見できることから、全貌を明らかにしたい人々が“探窟家”となり穴の調査に挑んでいました。
しかしアビスには呪いがあり、一定の深さ以下まで潜ると帰還不可能になるため、命がけの探窟となります。
それでも飽くことのない探求心から、探窟家たちはアビスの最下層“奈落の底”を目指すのでした。
主人公となるのは12歳の少女リコで、母親が偉大な探窟家だったことから自分も探窟家を目指し修行を積んでいます。
そしてアビスの深界1層を探窟中に、体が機械でできている少年レグと出会い、お互いの目的のために“奈落の底”を目指すことになるのです。
主要キャラをチェック!
『メイドインアビス』をより楽しむために、主要キャラについてチェックしておきましょう。
主人公リコをはじめとする、重要人物6人を押さえておくと、よりストーリーを理解しやすくなりますよ。
リコ(CV:富田美憂)
『メイドインアビス』の主人公で、12歳の少女です。
母親ライザがアビスの探窟家であり、深層部に行ったきり行方知れずとなったため、孤児院で生活しています。
自分も母親のように“白笛”と呼ばれる偉大な探窟家となるため、さらに母親の生存を信じ見つけに行くため、日々修行中です。
常に前向きで活発なリコですが、気性の起伏が激しい一面もあり、ルールを無視するような茶目っ気と少し危なっかしさが放っておけない愛されキャラ。
芯の部分は決して曲げない意志の強さが、大きな魅力となっています。
料理が得意で、アニメのなかでもアビスで見つかる食材で作るダンジョン飯は、どれも美味しそうなんですよ。
レグ(CV:伊瀬茉莉也)
レグは『メイドインアビス』のもうひとりの主人公で、アビスの深界1層で倒れていたところを、リコに発見されます。
一見普通の人間のようですが体は機械でできていて、手からは“火葬砲”という強力な熱線を放つことができ、さらには刃を通さない強靭な皮膚、伸びる腕、燃えない髪の毛などを持っています。
人外的な能力の持ち主ですが、火葬砲を打つと2時間ほど昏睡状態になり、何をしても起きず使い物になりません。
リコが見つけたときは記憶を失っていて、自分がロボットであることも理解していませんでしたが、リコたちはアビスの深層の遺物なのではないかと推測しています。
そしてレグ自身もリコたちと孤児院で生活する中、自分が何者かを知るためアビスの深層を目指したいという気持ちが膨らんでいくのです。
リコの心強い相棒として活躍する、重要キャラです。
ナナチ(CV:井澤詩織)
かつては浮浪児だったナナチは、“白笛”のボンドルドの誘いに乗りアビスへ赴きます。
そこでは“アビスの呪い”を解明するため深界6層から上層時にかかる負荷の実験が行われ、多くの子供が実験台にされていました。
その実験結果、ナナチは全身毛で覆われたウサギのような姿、通称“成れ果て”となってしまいます。
深層で“アビスの呪い”にかかれば、通常は人間性を失うか命を失うかなのですが、ナナチは知性も理性もしっかりと保て、生き抜くことができた奇跡の“成れ果て”なのです。
同じく“成れ果て”となってしまった親友ミーティと、深界4層で暮らしていて、とある事件をきっかけにリコとレグに出会うことになります。
ナナチはリコたちと同い年くらいのようですが、知識は豊富で特に薬学や外科手術などに長けていて、同年代の子供より大人びて見えます。
ライザ(CV:坂本真綾)
リコの母親で、世界に数人だけの“白笛”というランクの探窟家です。
小柄で金髪の姿がかわいらしい女性ですが、アビスではいくつもの功績を残し、“殲滅卿”や“殲滅のライザ”という異名を持つ伝説の探窟家でもあるのです。
男顔負けのバイタリティーを持つライザですが、帰還不可能とされる深層までのダイブを決行し行方不明となり、地上では死亡扱いとなっています。
同じく“白笛”のオーゼンの弟子でもあり、レグとも関係がありそうな示唆がいくつも出てきますが、謎多き人物のひとりです。
オーゼン(CV:大原さやか)
オーゼンは“白笛”のひとりで、現在は地上に戻らず深界2層の監視基地という場所で暮らしています。
50年以上も前から“白笛”としてアビスを探窟している大ベテランでもあり、リコの母ライザの師匠かつ相棒でもありました。
身長は2メートルを超え、アビスの一級遺物である“千人楔”を120本も体内に埋め込み、“白笛”のなかでもかなりの怪力を誇ります。
ひねくれた性格で辛辣なセリフをたびたびはきますが、面倒見の良い性格から人情深さもうかがえるキャラクターです。
ボンドルド(CV:森川智之)
同じく白笛のひとりで、“黎明卿”や“新しきボンドルド”という異名を持ちます。
常に仮面をかぶり、パワードスーツなようなものを身にまとっている姿は怪しさ満載。
深界5層に住居兼研究施設である“前線基地(イドフロント)”を築いていて、アビスの謎を解明することを最優先しています。
そのため非人道的な実験などもものともせず、人間としての価値観は常軌を逸していると言って良いでしょう。
しかし誰に対しても紳士的な態度で接することができるため、子供は騙され餌食となってしまうのです。
アニメ『メイドインアビス』の魅力とは?
2017年度のANIME AWARDSでアニメ大賞に選ばれたり、3本も映画化されるなどその人気が止まらない『メイドインアビス』ですが、その魅力は何なのでしょうか?
私が注目したい3つのポイントを紹介します。
発想力に溢れた世界観とリアリティー
冒険ファンタジーを題材にした作品は数多くありますが、『メイドインアビス』はただの冒険ファンタジーでは片づけられない徹底した世界観が素晴らしいのです。
作りこまれた新しいファンタジーと、まるで本当に存在するかのようなリアリティーを感じることができるので、思わず引き込まれてしまうのでしょう。
例えば物語の要となる、アビスの存在と探窟家という設定には脱帽です。
・アビスという大穴の存在
深さ不明の大穴アビスには、人類の技術をはるかに超えた人工物である遺物が眠り、特異な生態系を持ちます。
珍しい生き物や植物が多く、その映像は斬新かつ美しいので、ワクワクする気持ちを掻き立てられますよ。
現在は深界7層までしか分かっておらず、謎の多さから多くの探窟家を魅了するのですが、探窟には“アビスの呪い”という大きな代償を伴います。
アビスの呪いとは地上へ上昇する際にかかる負荷のことで、浅い部分ではめまいや吐き気で済みますが、深界6層まで行くと人間性の喪失や死が伴い、一度潜ると地上へは戻って来られないとされているのです。
まだ解明されていない深度20000メートル以深は“奈落の底”と呼ばれ、探窟家はここにロマンを求めて潜っていくのでした。
アビスにあるもの、いるものは発想力次第なので自由度が高く、面白いものをどんどん盛り込めるポイントでしょう。
ここでしっかりファンタジー感を出しつつ、“アビスの呪い”という謎がリアリティーを出しているというのが秀逸です。
・アビスに潜る探窟家の設定
アビスに潜る探検家を総称して“探窟家”と呼びます。
探窟家組合に所属すると笛の色でランク分けされ、アビスに潜れる深さが決まるのです。
探窟家の卵である“鈴付き”から始まり、”赤笛”、”蒼笛”、”月笛”、”黒笛”とランクが上がっていき、深度制限がなくなる伝説級の”白笛”と続きます。
この世界ならではのヒエラルキーとしてかなり重要な役割を果たし、ヒーロー的存在の白笛ですが、そのなかでも正義と悪に分かれるなど、繊細に人間を表現しているのがストーリーを盛り上げます。
かわいい絵とヘビーな内容とのギャップ
登場人物の中心は12歳ほどの少年少女ですが、もっと幼く見える絵のタッチなため、全体的のほんわかとしたかわいらしい雰囲気になっています。
その絵に騙されて、ほのぼのとしたファンタジーだと見始めた方もいるかもしれませんが、内容は予想に反してシビアなシーンが多く、グロテスクな表現が多用されてるのです。
このギャップが大きな魅力となり、『メイドインアビス』にどんどんハマってしまうんですよね。
そして見進めていくと、「この絵のタッチだからこそ、ハードな内容も観ることができるんだ」と必然のギャップを実感してくることでしょう。
幼い子供たちが立ち向かっていく厳しい現実、残酷な結果、そこにはリアルがあり、アニメらしい絵の中にも繊細なこだわりを感じる作品となっています。
アニメは漫画を超越
漫画をアニメ化するときに懸念されるのは、絵の仕上がや色合い、声優の声が合っているのか、BGMは適切かなど、読者それぞれが思い描いていた世界観を崩さないかですよね。
それらがうまくいかないと、漫画は良作なのにアニメ化失敗と叩かれてしまうこともあります。
アニメ『メイドインアビス』は、すべてがうまく合致していて、漫画を凌駕するほどの勢いがあるのです。
注目してほしいのは鮮やかなカラーで、美しいものはより美しく見せることに成功<しています。
アビスは恐ろしい存在でありながらも多くの人を魅了し、そしてそれだけの価値があると思わせる美しさが、アニメならより鮮明に理解することができるのです。
そして物語は映画へと続く!
『メイドインアビス』は劇場版総集編として、2019年1月4日に前編となる『旅立ちの夜明け』、2019年1月18日に後編『放浪する黄昏』を公開しました。
新規カットの追加はありますが、基本的にはアニメを再編集したストーリーです。
そして2020年1月17日からは完全新作となる、『劇場版メイドインアビス深き魂の黎明』が公開されています!
リコとレグの冒険がどのように進んでいくのか、アニメを観たらぜひ劇場に足を運んでみてください。
そして2020年1月18日には、『劇場版メイドインアビス深き魂の黎明』の続編が製作されるという発表がされています!
詳細はまだ明かされていませんが、また続きが見られるのは大変嬉しいですよね。
いつどのようにして始まるのか、詳しい情報が出るまで待ちましょう!
まとめ
続編も決定している『メイドインアビス』は、第一印象のイメージが大きく覆されること間違いなしの、骨太冒険ファンタジーとなっています。
かわいらしい絵が好きな方はもちろん、アニメ感の強い絵が苦手という方でも、大満足できるストーリー展開となっているので、ぜひ苦手意識を持たずに観てもらいたい作品です。
生きていくことの辛さと喜びを、個性豊かなキャラクターたちから教えてもらえるはずですよ。
現在は配信されているサービスも豊富なので、今のうちに一気見してしまいましょう!
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ドラマも映画も、魔法のドアです。楽しいとき、悲しいとき、現実世界からちょっとだけ抜け出したいそんなときに、いつだって私を連れ出してくれたエンターテインメントでした。気分に合わせたドラマや映画をご紹介できる案内人として、あなたに寄り添う素敵な情報をお届けします!
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