「八日目の蝉」のあらすじ・感想・ネタバレ~全てが悲しく、そして強い愛で繋がれた母と娘の物語~ | VODの殿堂

映画

「八日目の蝉」のあらすじ・感想・ネタバレ~全てが悲しく、そして強い愛で繋がれた母と娘の物語~

   
 

タイトル:「八日目の蝉」
公開:2011年
監督:成島出
出演:井上真央・永作博美・小池栄子・森口瑤子・田中哲司・渡邉このみ 他
閲覧したVOD:dTV(2017年12月9日現在視聴可能)

2012年のアカデミー賞の最優秀作品賞、監督賞、主演女優賞ほか10部門を獲得した作品です。

愛人の子どもを誘拐し、その子を愛し育てるために必死に逃亡する誘拐犯と、かつて自分に注がれた愛情を忘れ成長した主人公。
「優しかったお母さんは私を誘拐した人でした」という衝撃的なキャッチコピーも話題になったこの映画は、女性の悲しい母性と血のつながりだけではない親子の絆をサスペンスタッチで描いています。

直木賞作家の角田光代が描いた母と子の悲しい愛の物語。
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

『八日目の蝉』配信先一覧
動画配信サービス 配信状況 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu 視聴ページ
dTV 視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2019年10月10日(木)時点のものです。
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【あらすじ】

『二人の母親』

裁判で二人の女性が陳述をしている。

「あの女は、恵理菜ちゃんの体だけではなく心も奪いました」
そう語る女性の名は秋山恵津子(森口遥子)、生後四か月で誘拐された恵理菜の母親だ。

「逮捕されるまで毎日祈るような気持ちで生活しました」と語るもう一人の女性、野々宮希和子(永作博美)は恵理菜を誘拐した犯人である。

裁判官に秋山夫妻に対して言うことは?と促された希和子は「4年間、子育てをする喜びを味あわせてもらった事、秋山さん夫妻に感謝しています」と述べるにとどまり、謝罪の言葉はなかった。
それを聞き、恵津子は「死んでしまえ!」と希和子を罵倒する。

1995年、東京地裁で行われた10年前の誘拐事件の裁判での場面であった。

『秋山恵理菜、21歳』

2005年、大学生に成長した恵理菜(井上真央)はアパートで一人暮らしをしていた。
交際相手、岸田(劇団ひとり)には家庭があり不倫の関係を続けている。

ある日、居酒屋のバイトが終わって帰ろうとする恵理菜の前にフリーライターの安藤千草(小池栄子)と名乗る女性が現れた。
「薫ちゃんだよね?」と声をかけられ驚く恵理菜。
薫、とは恵理菜を誘拐をした希和子によって名付けられた名前だった。
当時の誘拐事件を記事にしたいと取材を申し込む千草、だが何も覚えていないと恵理菜は立ち去る。

恵理菜は、保護される4歳まで希和子をずっと本当の母親だと思っていた。
なので、実の両親の元へ戻ってからも馴染めないことで恵津子から責められたり家出をしたりと幼少時代は辛いことばかりで、今も親子関係はまだギクシャクとしている。
しかし、実際には希和子と暮らしていた記憶もあいまいで、恵理菜は自分という存在が何なのかよく解らないどこか自暴自棄な毎日を過ごしていたのだった。

『希和子の逃亡』

恵理菜はどのようにして誘拐されたのか?

20年前のある大雨の日、秋山夫妻が昼寝をしている恵理菜を置いて家を空けた隙に、希和子は忍び込んだ。
ベビーベッドで泣いている恵理菜に思わず「薫…」と呼びかける希和子。

希和子は秋山丈博(田中哲史)と不倫の関係で一度妊娠をしたが、丈博に上手く言いくるめられて中絶していた。
その時に子どもを産めない体になってしまったのだ。
後に恵津子の妊娠が発覚し、離婚をほのめかしていた丈博にその気がないことを知り、恵津子からは「自分の子どもをおろすなんて信じられない、あんたは空っぽのがらんどうだ」と罵られ希和子の精神はボロボロだった。
薫と言う名は、丈博との間の子どもに付けようと思っていた名前。

泣き止み自分を笑顔で見上げる目の前の赤ん坊を思わず抱き上げる希和子、その瞬間に「この子のためだけに生きていこう」と決意し、恵理菜を、いや薫を連れて逃げたのだった。

希和子は薫を連れて逃げるも、当てもなくホテルを転々とし不安な日々を送っていた。
そして「エンジェルホーム」という訳ありの女性たちだけで暮らす施設に身を寄せることになる。

エンジェルホームは宗教めいた団体であり、ホーム内では希和子は「ルツ」、薫は「リベカ」という名が与えられ完全に外の世界と遮断した生活を送っていた。
希和子はエステルと名の与えられた本名は沢田久美という女性と親しくしており、薫は少し年上のマロンという女の子と姉妹のように育っていた。

3年の年月を希和子と薫はそのエンジェルホームで暮らしたのであった。

『恵理菜の妊娠』

恵理菜は岸田の子どもを妊娠した。
その事を相談できる友人もいない恵理菜は、度々現れては恵理菜にまとわりつくフリーライターの千草にだけ打ち明けた。
恵理菜は岸田に妊娠したことをほのめかすが、今は産んでほしくないと言うかつての自分の父親のような態度に別れる決心をする。

一人で子どもを産んで育てる決意をした恵理菜、千草と夕食を食べながら自分の家族はあの誘拐事件によって崩壊したこと、それら全てが悪魔のような女、野々宮希和子のせいだと語る。
それを聞いた千草は、一緒に取材旅行に行かないか?と誘う。
希和子と最後に過ごした小豆島、エンジェルホームへ行こうと言う千草に、行きたくないと拒絶する恵理菜。
すると千草は、自分はエンジェルホームでかつて一緒に育ったマロンであると打ち明けるのであった。

後日、恵理菜は実家に戻って両親に子どもが出来たことを報告する。
猛反対する恵津子に「自分はがらんどうになりたくない、人の子どもを誘拐して育てないためにちゃんと産む」と反抗する恵理菜。
恵津子は、「どうして(希和子を)忘れてくれないの!」と感情を爆発させる。
そして「恵理菜ちゃんに好きになってもらいたいの…」と、普通に子育てが出来なかった悲しみに泣き崩れる恵津子、いびつではあるが確かに自分に注がれる愛情を感じ恵理菜は恵津子の手を握るのだった。

『逃亡の終幕』

エンジェルホームは、近隣や入所者の家族から抗議を受けており警察の捜査の対象になるかもしれなかった。
希和子は薫を連れて逃亡し、同じ施設の久美の実家を紹介されて小豆島に渡った。
久美と同じ職場の友達だったと偽り、住みこみでそうめん工場で働かせてもらえることになった。
美しい瀬戸の自然に囲まれて、希和子は薫に惜しみない愛情を注ぎ親子は幸せに暮らすが、その日々も長くは続かなかった。
島で行われた「虫送りの祭り」に参加した希和子と薫を捉えたカメラマンの写真がコンクールに入賞してしまい全国紙の新聞の一面に大きく載ってしまったのだ。

警察がきっと探しに来ると思った希和子は薫を連れて島を出ようとする。
写真館で最後に親子の写真を撮影するも希和子は薫と別れることになるかもしれない不安から涙が止まらない。
その予感通りに辿りついたフェリー乗り場には警察が待機していた。

「お船のところに先に並んでて」と薫を見送り、乗り場の前で薫は保護され、希和子は逮捕されてしまう。
薫を連れて行く警官に向かって「その子はまだご飯を食べていません!」と最後に泣きながら叫び深く頭を下げる希和子だった。

『蘇る記憶、愛』

恵理菜は千草と共に取材旅行に出かけた。
二人が育ったエンジェルホームはすでに無く廃墟になっていた。
千草は当時の思い出を語るが、恵理菜は何も思い出せない。

その夜、ホテルの部屋で恵理菜は千草と話しているうち抑えていた気持ちが爆発してしまう。
母親を知らない可愛がり方なんてわからない、こんな自分が母親になんてなれない、と泣きだす恵理菜。
千草は、自分も一緒に母親になると言い、エンジェルホームという特殊な環境で育ったため男性恐怖症になった自分はきっと誰とも結婚なんてできない、だけどあんたとなら母親になれるんじゃないかな、とダメな母親も二人なら出来るんじゃないかという千草の言葉に恵理菜の心も落ち着いていくのだった。

小豆島に到着した恵理菜は、思い出の場所で徐々に記憶が蘇りかける。
「薫」と自分を呼ぶ優しい声、キラキラした楽しい思い出が少しずつ頭を駆け巡っていく。
優しい母に甘えていた記憶が胸に迫り混乱する恵理菜。
そして、希和子と別れたフェリー乗り場で恵理菜は全てを思い出した。

最後に希和子と写真を撮った写真館に向かう。
あの時の写真を希和子は5年前に受け取りに来ていることを写真館の主人に知らされ、残っているネガを現像してもらい当時の希和子と自分の姿に出会う。
「大好きよ、薫」と最後に希和子に泣きながら抱きしめられた思い出が蘇り、自分が深く愛されていたことを思い出した恵理菜は写真館を出て走りだす。

お腹の子どもにいっぱい綺麗な景色を見せてあげよう、何度も大好きだって言ってあげよう・・・
「なんでだろう?私、もうこの子が好きだ!」と千草と一緒に笑い合うのだった。

 

感想

演技が全員驚くほどいいです。

複雑な感情を薄皮一枚に隠したような、繊細な井上真央の演技。
常識を逸脱したような、しかしまぎれのない母親の必死な愛を感じる永作博美の演技。
特異な境遇で育った不思議な空気と、そこから抜け出したいジレンマの小池栄子の演技。
戻ってきた娘からの愛を必死に請う、狂気さえ感じる悲しい母親の森口遥子の演技。
また、子ども時代の恵理菜/薫を演じた渡邊このみちゃんも超名子役!

他の俳優さんたちも全て良くって、この物語が演者全員に憑依したんじゃないだろうか?
なんて思ってしまうほどの素晴らしさでした。

原作者の角田光代さん、大好きな作家さんです。
この人はポップな作品から、こんな重いテーマの作品まですごく幅の広い作家さんで、登場人物の感情をリアルに描きつつストーリーが文句なしに面白いので読みやすいんです。
「八日目の蝉」も本当に良い小説で、この映画も原作に負けないくらい素晴らしかったですね。

映画で特に感じたのは、原作ではさほどわからなかった恵津子の悲しみです。
薫を実の子のように愛し育て、引き離される希和子も悲しいけど、恵津子はもっと辛かったよなぁ。

乳幼児期って無条件に母親大好きですよね。
その時期に子育てが出来ず、戻ってきた娘は自分を母親と思っていないなんて…
悲しすぎますよね。

登場人物、みんなが罪や不幸背負ってて、悲しくて、唯一揺らぎのない確かなものは希和子と薫が過ごした親子の時間なのかもしれません。
ラストでそれを思い出すことが出来た恵理菜はきっと幸せな母親になれるはず、と願わずにはいられません。

アカデミー賞10部門受賞作品、そりゃ選ばれるわ!って納得の名作でした。
心に残るセリフやシーンが多かったのでまた見返したくなる映画ですね。

『八日目の蝉』を観るならdTV

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