【沢尻エリカ最後の出演作品】色彩豊かなビジュアル映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の注目すべきポイントをチェック! | VODの殿堂

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【沢尻エリカ最後の出演作品】色彩豊かなビジュアル映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の注目すべきポイントをチェック!

   
 

小栗旬さんが太宰治を主演し、蜷川実花さんの監督作品4作目として2019年9月に公開されたR15指定映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』。

稀代の文豪である太宰治の小説『人間失格』の誕生秘話を、太宰治を愛した3人の女たちとの関係とともに描いた物語。

太宰を取り巻く”3人の女たち”には、宮沢りえさん、沢尻エリカさん、二階堂ふみさんと豪華な顔ぶれも注目を集めました。

2019年11月に薬物所持で逮捕された沢尻エリカさんが最後に出演した作品でもあるんですよね。

蜷川実花さんらしいビビットな色使いと感覚に訴えるスキャンダラスな作風が、太宰治の終焉を彩っています。

ここでは、いろんな意味で話題性のある『人間失格 太宰治と3人の女たち』について詳しく解説し、注目すべきポイントを紹介します!

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』配信先一覧表

2020年4月2日にBlu-ray&DVDの発売が決まり、これに伴い、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』動画配信サービスでも視聴可能になっています。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』配信先一覧
動画配信サービス 配信状況 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu
dTV 視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ

※配信状況は2020年4月3日(金)時点のものです。

ストーリー

太宰の死の直前に発表されて遺作となった『人間失格』の誕生秘話を、太宰を愛した3人の女たちの目線から描き、事実を基に話が展開していきます。

子供と身重の正妻美知子(宮沢りえ)がいながらも、作家志望の愛人の静子(沢尻エリカ)や最後の女になる富栄(二階堂ふみ)と浮気をしたり、酒浸りの生活をする太宰。

結核に体を蝕まれ酒と女に溺れる太宰を忍耐強く支える美知子の言葉が、自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語の執筆に駆り立てます。

太宰に振り回されているように見えた”女たち”が、実は太宰を翻弄させ振り回していたという結末。

非凡な才能と”女たち”によって作られた太宰治の「人間失格」な人生を、鮮やかに切なく描いています。

主な登場人物

太宰治

キャスト:小栗旬
文豪と呼ばれる作家。
女性関係が派手で自殺を繰り返す破天荒な人生を送る。

津島美知子

キャスト:宮沢りえ
太宰の正妻で、弱さを隠しながら健気に太宰を支える。
太宰の才能を信じ、叱咤しながらも愛人の存在に悩み続ける。
『ヴィヨンの妻』のモデルとされる。

太田静子

キャスト:沢尻エリカ
太宰のファンだった上流階級の愛人。
作家志望であり、太宰を利用し自らも小説を書いて世に出ようという野心を持っている。
『斜陽』のモデルとされる。

山崎富栄

キャスト:二階堂ふみ
太宰の愛人で最後の女となり太宰と心中することになる。
戦争で全てを失った未亡人であり、次第に太宰にのめり込んでいく。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』の注目ポイント

映像と背景の美しさ

言わずもがな蜷川実花さんといえば写真家でも有名であり、ビビットで美しい色使いが知られていますよね。

本作はとにかく最初から最後まで、画面に引き込まれるような映像美がてんこ盛りです。

特に、お祭りの喧騒の中「人間失格」というタイトルが出た場面、お祭りで真っ赤な風車に囲まれた場面、吐血で日の丸を作り太宰が倒れ込んだ場面が、インパクト大でした。

そして、蜷川監督らしくどこもかしこも花が溢れています。

ひとつのシーンに一種類の花を使うことが多い点もチェックポイント。

ともすれば暗い話になりがちな太宰の半生を色鮮やかに魅せ、視聴後にはワンカットごとに切り取って額に入れたくなるような美しい映像が心に残るでしょう。

キャラクターの”色”

登場人物のキャラクターをイメージした色合いがステキです。

宮沢りえさん演じる美知子の色は「青」、沢尻エリカさん演じる静子の色は「赤」、二階堂ふみさん演じる富栄の色は「緑」というイメージ。

衣装はもちろん、部屋の内装や身近にある花もキャラクターの配色に注目すると面白いかもしれませんね。

例えば、太宰が美知子といる場面でも、灰皿が緑だったり洗濯物の中に赤い色の服が混ざっていたり…と他の女の存在をにおわせている点が秀逸です!

太宰治の台詞

本作には、太宰から発せられる歯の浮くような台詞が多く出てきます。

太宰を演じた小栗さんは、「なかなか言うのに勇気がいる台詞がたくさん出てくる」と言っています。

実際に太宰の台詞は”3人の女たち”の手記から拾ってきたものが多く、太宰本人が発していた言葉だというから驚きです。

富栄を口説くときに「大丈夫…君はもう僕が好きだよ」と囁くように言う太宰の台詞!
反則でしょう(笑)

その他にも
・「僕の命を預けます」
・「今生きているのは君のためだ」
・「死ぬ気で恋、する?」
・「二人で、新しい芸術を生もう」
・「一緒に堕ちよう」
など、劇中に出てくるキザすぎる台詞の数々…。

上記全て創作ではなく、太宰が発した実際の言葉なんだそうです。

太宰治だから発せられる台詞に、是非注目してみてください。

”3人の女たち”との濡れ場

本作では、太宰の愛欲と酒に溺れた自堕落な生活を描いているため、”3人の女たち”との濡れ場シーンがあります。

本作までは濡れ場という濡れ場を経験したことがない小栗さんは、相手の女優さんが不快にならないように努め、撮影では、息を合わせていくダンスみたいな感覚だったとか。

もともとガッチリ体型の小栗さんは、色気を出すために体を絞ったようですが、その甲斐あってか濃厚なキスシーンでは色気がだだ漏れです(笑)

それぞれの女性との濡れ場シーンは全体的に肌の露出は少なく、女性監督ということもあり清潔に仕上がっているので、観ている側もいやらしい感じはなかったですね。

■美知子との濡れ場
正妻の美知子(宮沢りえ)とは、自宅の玄関先で行為に及びます。

肌を露出する激しさはないものの、逆にドキドキするようなシチュエーション。

愛人には見せることのない美知子にだけ甘える太宰の姿を表現しているシーンです。

落胆する太宰を包み込むようなしっとりと趣ある濡れ場に、宮沢さんの大女優たる風格を感じました。

■静子との濡れ場
静子(沢尻エリカ)とは、静子の伊豆にある豪華な家でテーブルの上やお風呂場での開放的な行為を繰り返します。

沢尻さんは濃厚なキスシーンやセミヌードを披露し、豪華でおしゃれな静子カラーの部屋でのラブシーンは美しくセクシー。

監督から「もっと触って!胸にいけ」と言われても、恥ずかしくて胸を触れなかったという小栗さん。
役者失格だと反省したそうです(笑)

実際の映像でも胸を避けるように触り、控えめ感のあるキスシーンが登場するので、すぐにわかると思いますよ。

■富栄との濡れ場
富栄(二階堂ふみ)とは、ネオン街にある富栄の家で行為に及びます。

おっぱい丸出しで行為に及ぶ流れが描写されているのは、富栄だけ。

沢尻さんとのラブシーン後だったからなのか、小栗さんは二階堂さんとはぐいぐい激しいラブシーンを展開しています。

作品のためであればヌードも辞さない二階堂さんの体当たりの濡れ場シーン、さすがです。

色恋に慣れていない貞淑な未亡人だった富栄が、太宰の毒牙により理性を欠いて彼に傾倒していく様が濡れ場によってより一層引き立てられています。

日本アカデミー賞を女優陣が受賞!

第43回日本アカデミー賞において、優秀主演女優賞を宮沢りえさんが、優秀助演女優賞を二階堂ふみさんが受賞しました。

これは納得の受賞ですね。

しかし、本作で太宰治を演じた小栗さんの名前は上がりませんでした。
実は小栗さん、今までもアカデミー賞にかすったこともないんです。

この件については槍玉に挙げられることが多く、小栗さん自身がディスったりしているんですね。

本人曰く、日本アカデミー賞に対して「何か」をしてしまい、先輩俳優から「それしたら、今後声かからないよ」と言われたらしいんです。

はて?何をしたのか…気になりますが、数々のすばらしい作品に主演級で出演している小栗さんを、今後も日本アカデミー賞が無視し続けることができるのでしょうか(笑)

そして、この映画賞と無縁な小栗さんは、2020年に公開される『ゴジラ&コング』でのハリウッドデビューを機に、本格的なハリウッド進出を視野に入れているそう。

受賞が全てではないですが、日本アカデミー賞が無理だと確信している小栗さんは、本場のアカデミー賞を狙っているのかもしれませんね!

まとめ

本作では太宰治ではなく”3人の女たち”を描きたかったのではないかと、筆者は感じました。

才能ある男性を愛すそれぞれの女たち、を。

正妻のように耐え忍ぶ愛し方もあれば、愛人のように欲望のまま情熱に迫る愛し方もあり、共通する要素は”女が強い”ということ。

あえて言うならば、劇中の太宰はそこまで女たちが心酔するほどの男なのか?と感じちゃった点がちょっと残念。

作品を生み出す際の太宰の苦悩や心情をもっと描いていれば、女たちを虜にするほどの魅力ある男性像が出来上がったのでは?と思いました。

まあ、演じている小栗さんがイケメンなので持ちこたえてはいるんですが。

フィクションも入っているとはいえ、太宰治が作品を残した背景には”女たち”がいたのは事実。

”3人の女たち”がそれぞれの幸せを手にした結末は、女だからこそわかるハッピーエンドなのかもしれません。

 

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