「湯を沸かすほどの熱い愛」のあらすじ・感想・ネタバレ~家族を、周りの全てを包み込むお母ちゃんの愛~ | VODの殿堂

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「湯を沸かすほどの熱い愛」のあらすじ・感想・ネタバレ~家族を、周りの全てを包み込むお母ちゃんの愛~

   
 

タイトル:「湯を沸かすほどの熱い愛」
公開:2016年
監督:中野量太
出演:宮沢りえ杉咲花・オダギリジョー・篠原ゆき子・駿河太郎・伊東蒼・松坂桃李
閲覧したVOD:dTV(2018年9月11日時点では視聴可)

宮沢りえさん主演の2016年公開の映画です。
末期がんに侵され余命2か月の宣告を受けた母親が、死ぬまでにやるべきことを決意し家族のため奮闘する姿を描いた作品です。

同年の日本アカデミー賞では5部門にノミネート、宮沢りえは最優秀主演女優賞、娘役の杉咲花は最終周助演女優賞を受賞しており、日本中に大きな感動を呼んだ名作です。

自分の死期を知り、家族のために頑張る母の姿、そして大事な人を失い残される家族の姿、一見すると哀しい物語ですが、重苦しさを抑えた軽やかな映像で綴られています。

とてもとても強い母親と固い絆の家族の物語「湯を沸かすほどの熱い愛」
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

『湯を沸かすほどの熱い愛』配信先一覧
動画配信サービス 配信状況 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu
dTV 視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2019年10月14日(月)時点のものです。
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【あらすじ】

「強いお母ちゃん」

幸野双葉(宮沢りえ)は一人娘の安澄(杉咲花)と二人暮らし。
夫の一浩(オダギリジョー)は一年前にふらっと蒸発してしまい、経営していた銭湯「幸の湯」は休業、今はパン屋のパートで生計を立てていた。
しかし、双葉は娘の安澄には疲れを一切見せずいつも明るい笑顔の肝っ玉かあちゃんだ。

ある日、双葉は仕事中に安澄の高校から呼び出される。
向かうと、そこには絵具まみれになった安澄の姿があった。
自分でやったと言い張る安澄だが、実はクラスメイトからいじめをうけていたのだ。
だが、双葉は動揺を見せないよう「(その中で)何色が好き?」と聞き、「お母ちゃんは断然赤が好き!情熱の赤」と明るく言って安澄を励ます。

翌日、双葉は仕事中に意識を失い倒れてしまう。
病院での検査の結果は膵臓がんのステージ4、末期がんですでに全身に転移していると宣告されるのだった。
余命は2か月か3か月…、ショックで一人銭湯で泣き崩れる双葉。
しかし、帰りが遅いとかかってきた安澄からの電話に双葉は落ち込んでいる場合ではないと立ち上がるのだった。

「娘に伝えるもの」

双葉はある決意をして動きだした。
まず、蒸発した一浩を探偵の滝本(駿河太郎)に依頼して探し出す。
一浩は昔一度だけ浮気をした女性と1年前に偶然再会し、その時にできた娘がいると一緒に暮らすよう迫られ出ていったのだった。
しかし、今はその女性は出ていきその娘と二人で暮らしていた。
双葉は一浩に自分の病気のことを告げ、戻ってくるよう説得する。
ほどなくして、一浩はその娘、鮎子を連れて家に戻ってくる。
突然子連れで帰ってきた父親に戸惑う安澄、しかし双葉は何ごともなかったように「明日からみんなで銭湯を再開する」と宣言するのだった。

「幸の湯」は無事に再開され、四人での生活が始まったが安澄の学校でのいじめはエスカレートしていた。
ある日、体育の時間に制服を隠された安澄はジャージのままで授業を受けることになった。
いじめの主犯のクラスメイトから「今は体育の時間じゃない」と笑われ、深く傷つく安澄。
翌朝、学校へ行きたくないという安澄に双葉は「逃げていたらなにも変わらない」と立ち向かうよう厳しく接する。
自分はお母ちゃんと違う、立ち向かう勇気がないと泣く安澄に「何にもかわらないよ、母ちゃんと安澄は」と双葉は言う。

安澄は勇気を出しジャージのまま学校へ行く。
そして、先生やクラスメイトの前でジャージを脱ぎ「制服を返してください、今は体育の時間じゃないから」と訴えるのだった。
無事に制服が戻って帰宅した安澄を双葉は「がんばったんだ」と力いっぱい抱きしめた。

「限りある時間、やるべきこと」

双葉はある日鮎子が銭湯のお金を盗んでいるのを目撃する。
鮎子の鞄の中から、一年前に出ていった母親からの「誕生日に迎えにくる」と書かれた手紙を発見した双葉は、鮎子が盗んだお金で母親が迎えにくるアパートに行くつもりだと知る。
ちょうどその日は鮎子の誕生日、双葉と安澄が向かうと迎えにこない母親を鮎子は一人アパートの前で待っていた。
双葉はそんな鮎子を抱きあげて連れて帰り、改めて鮎子も娘として暮らしていく決意をする。

双葉は安澄と鮎子にカニを食べに行こうと旅行に誘った。
その旅行で、双葉はある事を決意していたのだ。
しかし、旅の途中でヒッチハイクの旅をする一人の若い男を同乗させることになってしまった。
向井拓海(松坂桃李)と名乗るその男は北海道出身で気ままな旅をしていると言うが、双葉はそれが嘘である事を見抜く。
拓海は北海道出身でもなく、複雑な家庭に反発して家を出ており人生の目標を見失った状態で当てもなく旅をしていたのであった。
そんな拓海を双葉は「あなたは今から北海道に行くのが目標、北海道出身なんでしょ」と抱きしめ、思いかげぬ温かさに触れた拓海は目標を達成したらまた会いに行くと約束して車を降りるのだった。

旅の途中、双葉の体調は思わしくなかった。
しかし、ある強い目的があったので旅をやめるわけにはいかなかった。
カニを食べるために立ち寄った店に、耳の不自由な女性店員がいたが、双葉は会計の時にいきなりこの女性の頬を引っ叩いた。
双葉たち家族には、毎年カニを送ってくれる「酒巻君江」という女性がおり、安澄は双葉の知人と思い双葉に促されるままにお礼の手紙を書いていた。
その店員が酒巻君江であり、安澄の本当の母親だ。
君江は一浩と結婚し安澄を出産したが、耳が聞こえない中での育児の不安さから家を出てしまい、一浩と再婚した双葉が安澄を育てていたのだ。
双葉の突然のビンタは君江に対しての複雑な感情からであり、安澄に本当のことを話し君江と会わせることが双葉のこの旅の目的だった。
真実を知った安澄は反発していたが、双葉に強く促されて君江と対面した。
君江に手話で話しかける安澄、なぜ手話ができるのかと驚く君江。
「母から、いつか役に立つと気がくるから、と教わった」と伝えられ君江は号泣するのだった。
しかし、無事に二人を引き合わせ、安心した双葉はその場に倒れてしまう。

「別れ、そして熱い愛に包まれて」

双葉は入院することになった。
安澄は君江と携帯で連絡を取りあい親交を深めており、相変わらず頼りない一浩と娘たちの三人で銭湯はなんとか回っていた。

双葉は以前お世話になった探偵の滝本にある依頼をしていた。
実は、双葉は幼い頃に母親に捨てられており、死ぬ前に一目会いたいと願って母親のことを調べてもらっていたのだ。
滝本に連れられて母親に会いにいった双葉だが「そんな娘はいない」と追い返されてしまい腹を立てた双葉は門に置いてあった置物を投げて窓ガラスを割り逃げるのだった。

以前旅の途中で出会った拓海が本当に双葉を訪ねてきた。
事情を知りショックを受ける拓海、そして双葉のために銭湯を手伝っていく決意をする。
ちょうど、君江も安澄を訪ねてきておりにぎやかになった幸野家。
そこで、一浩はみんなにある提案をする。
一浩、安澄、鮎子、拓海、君江、滝本の6人で人間ピラミッドを作り双葉の病室の窓から見せるという計画だ。
一浩は昔双葉に「いつかエジプトでピラミッドを見せてやる」と約束していたのだが当然だが叶えられていない。
窓からその人間ピラミッドを見た双葉は「これが俺の限界!こうやって(家族を)支えるから安心して」と叫ぶ一浩と、みんなの想いに涙し「生きたい」と呟く。

その後、会話も出来ない状態になった双葉。
付き添う安澄は「おかあちゃんを独りぼっちにしない、もう大丈夫だよ」と話しかけ、双葉は静かに息を引き取った。
たくさんの愛情に包まれこの世を去った双葉の葬儀は銭湯で行い、そして火葬も銭湯で行われた。
双葉が望んだ無茶ともいえる葬り方だが、依頼された滝本は「あの人のためなら何でもしてあげたい」と引き受けたのだ。
一浩、安澄、鮎子、そして君江は双葉の熱い愛を感じながら温かい銭湯の湯舟に浸かりお別れをする。

銭湯の煙突からは双葉が大好きだった赤色の煙。
家族を、みんなを温め続けた双葉の煙はゆっくりと空を昇っていくのだった。

感想

かなり泣けるだろうとハンカチとティッシュひと箱用意して鑑賞しました。
が、涙は出ませんでした。
感動しなかったのではなく、お涙ちょうだいの映画ではなかったからです。

主人公の双葉はとにかく強いです。
行動も強すぎてもしかしたら観る人によったらアンチかもしれない。
だけど、私は双葉という女性は元々がかなりの大雑把であまり物事考えない感覚で動くタイプなんじゃないかな~、と思ったんです。
その性格が、この双葉の死期へ向かっての行動力に繋がってる気がするのです。

だから、双葉の行動はいちいちロックです。
探偵の滝本のあごひげをいきなりひっこ抜いたり、君江をビンタしたり、母親にムカついたからってモノ投げて窓ガラス割っちゃうし…ロックです(笑)

最大のロックは、衝撃的ともいえるラストですね。
銭湯で焼いちゃったの?煙赤いのもちょっとホラーと思ってしまいました。
でも、花に包まれ眠る双葉の艶やかな姿から、エンディング曲のギターが鳴り響いて「湯を沸かすほどの熱い愛」のタイトル文字が入るという演出はカッコよくてグッときましたね。
双葉というとても強い女性のカッコいい最期にふさわしい映像でした。

娘に困難に立ち向かう勇気を持たせ、家族を一つにすること、それが双葉の目標だったけど、最大の双葉の功績は自分の闘病や死で家族を悲しませなかったこと。
もちろん悲しいはずだけれど、家族はみんな明るく団結して双葉の最期に向かって歩んで行ってました。

宮沢りえさんはもちろん、娘役の杉咲花さんの演技すごく素晴らしかったです。
他の演者も、脚本も全て良かったですね。
死に対して前向きに考えられた作品で、見終わった後は悲しみではなく爽快感が残りました!

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