2020年1月15日、第43回アカデミー賞優秀賞の発表がありました。
大賞発表は毎年話題になった作品や、活躍した俳優が一同に集まる華やかな式典になりますよね。
筆者おやかた(@writer_oyakata)は発表になってから「そんなに話題の作品だったんだ^^;」と気がつく作品も多々…。
でもいい作品に触れるいい機会でもありますよね。
3月6日に発表される大賞予想をしながら、受賞作を紹介していきます!
目次
優秀作品賞
キングダム
舞台は春秋戦国時代の中華。
戦災孤児の信と漂は天下の大将軍になることを夢見て日々剣術の鍛錬を積んでいます。
ある日、漂は王都の大臣に呼ばれ王宮へ入ることとなります。
王宮ではクーデターが勃発。漂は致命傷を負いながらも、信のいる納屋にたどり着くのです。
握られていたある丘に建つ小屋を示す地図を信に渡し、そこへ行くよう告げると息を引き取ります。
漂が手にしていた剣とその地図を握りしめ、信は冒険へ飛び出すのです。
大人気漫画が原作で、舞台が壮大なため映像化は難しいのでは?と言われていた作品です。
それぞれのキャラクターのファンも多く、演じたキャストの俳優さんもかなりプレッシャーに感じていたとのこと。
しかし見事な映像で、キャラクターのイメージを壊すこともなく、今回の受賞となったのは誰もが納得なのではないでしょうか?
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新聞記者
新聞記者である吉岡のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名 FAX で届きます。
強い信念を持つ吉岡は真実を明らかにするため調査をはじめるのです。
一方で官僚の杉原は葛藤していました。
「国民に尽くす」という信念とは真逆の、不都合なニュースのコントロールする任務を与えられていたからです。
そのような中尊敬する昔の上司が自殺をします。
この二人が接点を持った時、衝撃の事実が発覚するのです!
作品としては地味な印象を持っていた筆者。
テーマが”国家の闇”を取り扱っていたということもあるかもしれません。
しかし真相に迫ろうとする正義と、闇に葬ろうとする巨大な権力。
そのテーマの深さゆえの作品受賞であると思われます。
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翔んで埼玉
かつて関東で東京以外の都道府県が虐げられていた時代の話。(もちろんフィクションです)
都会指数でクラス分けされているエリート意識の塊のような白鳳堂学院で生徒会長を務める壇ノ浦百美。
そこへ麻実麗が転校してくるのですが、圧倒的な才能のため敵対心むきだしだった百美も、次第に恋心を抱くようになります。
しかし麻実麗は埼玉解放戦の一員だったのです!
それがばれて埼玉に戻ろうとした麗と彼を追いかけてきた百美は、敵対する千葉解放戦線に捕まります。
しかもそのリーダーは百美の家の執事でした…。
原作が魔夜峰央のギャグマンガのため、実写化がどうなることやら…と思われた作品です。
そして「埼玉の人に怒られない?」という心配もありましたが、公開されるや大ヒット!
特に埼玉ではロングランとなり、流行語大賞にも選ばれましたね。
昨年最も日本を笑わせた作品と言っても過言ではないでしょう。
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閉鎖病棟 ―それぞれの朝―
ある精神病棟での出会いと事件の物語です。
義父に強姦され妊娠してしまった由紀は、さまざまな事情を抱える入院患者と出会います。
家族を殺し、死刑執行されたのに生き残ってしまった秀丸。
幻聴により父を締め殺そうとしてしまった中弥。
知的障害があり、家族に避けられたことで家に火をつけてしまった昭八。
それぞれ精神病棟にしか居場所を見つけられずにいる中で、ある事件が起こります。
その事件の真相にはやさしさしかありませんでした…。
閉鎖病棟という一般にはなじみのないところでの話ですが、その中にいる人は決して特別な人ではありません。
そのような状況に置かれれば、心を閉ざしてしまうだろうと胸が苦しくなることばかりです。
さらにそのような状況でも人を思いやる気持ちに、さらに胸がしめつけられます。
限られた舞台の中での出来事ゆえに、演技のすばらしさが際立つ作品です。
蜜蜂と遠雷
若手ピアニストの登竜門として注目を浴びるコンクールに出場する男女の物語。
かつて天才少女と呼ばれていた栄伝亜夜。
年齢制限ギリギリで出場した、普段は楽器店で働く高島明石。
亜夜の幼馴染みで優勝候補のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。
破壊的とも思える凄まじい演奏で審査員たちに衝撃を与えた風間塵。
一次審査を突破した4人。
二次審査はコンクールのために作曲された「春と修羅」の後半は即興で弾くというものでした…。
若手俳優たちがピアニストという役を通して切磋琢磨しあう様子は、お互いの演技を競い合っているような印象でした。
撮影前にはピアノの猛特訓を行ったとのことなので、ピアノを弾く姿は誰もが素敵です。
なのでピアノの演奏シーンは、見る人が引き込まれてしまう、圧巻のシーンとなっています。
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優秀主演男優賞
笑福亭鶴瓶「閉鎖病棟 ―それぞれの朝―」
いつもは人を笑わせるのが仕事の鶴瓶さんですが、この作品ではその片鱗さえものぞかせません。
穏やかな表情の奥にかかえる闇や、怒りに震える表情など、とても難しい役を見事に演じておられます。
この役を演じるにあたり、鶴瓶さんは7kg減量したそうです。
それだけこの役にかける思いというのもあったのだと思います。
今までもさまざまな役を演じてきた鶴瓶さんですが、この作品では違う一面を見せてもらった印象です。
菅田将暉「アルキメデスの大戦」
日本が戦争に向かっている中、数学の力で”戦艦・大和”の建造を止めようとした、数学者・櫂直の物語。
今までさまざまな役をこなしてきた菅田さんが、これだけキレものの役を演じたことはなかったかもしれません。
菅田将暉さん自身も頭の回転が早い方という印象ですが、それとはまた別の頭脳が必要だった役だったと思われます。
脇を固めるのが舘ひろしさんや小林克也さんなど、大物俳優の中でも菅田さんの存在感は圧倒的でした。
現代作品が多かった菅田さんに、また1つ魅力が増した作品でもあるように思います。
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中井貴一「記憶にございません!」
嫌われ者の総理大臣が記憶喪失となり、本当に「記憶にございません!」と答弁するしかないコメディ作品。
嫌われ者の総理大臣を演じているときは本当に嫌な奴なのですが、記憶を失った後はとても滑稽で、でもちょっと同情してしまうようなところもあったり。
こんな両極端の演技ができるのは、さすが中井さんと思ってしまいます。
コミカルな演技が新鮮に感じないのは、ミキプルーンやDCカードのコマーシャルで見慣れているからでしょうか(笑)
でも三谷作品の大笑いしちゃうんだけど、ちょっとほろりとさせる部分を見事に演じておられたと思います。
松坂桃李「新聞記者」
自分の理想と現実の狭間で苦悩する官僚を見事に演じていました。
苦悩する松坂さんもイケメンだ…、なんて目で見てはいけないと思いつつ、やはりイケメンです(笑)
それも最初のうちで、ストーリー展開にどんどん引き込まれたのは、台本のおもしろさだけではなく、松坂桃李さんの演技力あってのこと。
壮大なストーリーでない分、出演者の演技力が光る作品でした。
松坂さんはやわらかくふわっとしたやさしい役が多かったように思いますが、これだけ感情を揺さぶる演技を経験したことにより、新たな扉を開いたのではないでしょうか?
GACKT「翔んで埼玉」
これぞGACKT様!といいたくなるようなハマり役でした(笑)
あまりにもハマりすぎていて「GACKTって埼玉県民だったんだ…」と思う人がいてもおかしくないですね(笑)
ちなみにGAKTさんは沖縄出身です。
ちょっとバカバカしくも思える内容を、シュールに演じてしまうGACKTさんはさすがです!
『格付けチェック』や『すべらない話』では、本当はドキドキしているのに全く顔に出さないことを考えると、この演技力にも納得してしまいます。
このような賞レースにあまり登場することのないGACKTさんなので、表彰式での表情やスピーチにも期待したいですね。
優秀主演女優賞
シム・ウンギョン「新聞記者」
ごめんなさい、この女優さんを存じ上げておりませんでした…。
でもそれもそのはず、日本の映画で主役を演じるのは初めてだったようです。
日本人の父と韓国人の母を持ちアメリカで育ったという役が、韓国出身でアメリカ留学経験のあるウンギョンさんに重なるところがあったのかもしれません。
日本ではなかなか拝見できなかったウンギョンさんですが、韓国ではたくさんの賞を受賞しておられる実力派の女優さんです。
この作品の難しい役どころを見事に演じたのは、さすがです。
この作品の主演をきっかけに、日本でもさまざまな作品で見ることを期待したいと思います!
二階堂ふみ「翔んで埼玉」
最初迷いました。
『翔んで埼玉』の壇ノ浦百美は男性なんだから、主演男優では…でも二階堂さんは女優さんだし…主演女優賞でいっか(笑)
以前からどんな役でもこなす怪演女優とは思っていましたが、ここまでふりきった演技までできるとは!と驚きでした。
「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」というセリフと顔が、もう一度見たら離れないですもんね。
メイクで原作漫画に寄せているとはいえ、二階堂ふみさんの美しさはやはり隠し切れなかったなぁ、と。
GACKTさんの美男子にも負けずおとらず、といったところでした。
ビジュアルだけでなく、微妙な心の変化なども演じるところは、さすがの一言です!
松岡茉優「蜜蜂と遠雷」
4人のピアニストの中で紅一点、元天才少女という役でした。
松岡さんの演技には以前から定評があり、この役も適役だったと思います。
天才少女と言われたピアニストがコンクールに出演し、ライバルたちとの出会いで揺れる心をうまく演じていたと思います。
ピアノを弾くシーンでも、本当にピアノを弾いているかのような迫力のある映像でした。
紅一点だったという点だけでなく、4人のピアニストの中でも存在感を見せつける、すばらしい演技だったのではないでしょうか?
宮沢りえ「人間失格 太宰治と3人の女たち」
天才作家・太宰治が3人の女たちと奔放な恋愛をしながら作品を書いていく様を、圧巻の映像美と共に作り上げられた作品。
本当はここに沢尻エリカが入ってきたと思うんですよね…。
もちろん宮沢りえさんの演技もすばらしく、主演女優賞にふさわしいと思うのですが…。
この作品の主演女優は誰だったか、というと、やはり沢尻エリカだったと思うのです。
そういう点では主演女優賞には選ばれにくいのではないかな、と思っています。
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吉永小百合「最高の人生の見つけ方」
ハリウッド映画のリメイク作品。
余命を告げられた二人の女性が、少女の残した死ぬまでにやることリストに挑戦していく中で、”最高の人生とは何か”を考える作品です。
この作品の吉永さんを見て思うことは一言、お若い!
スカイダイビングをやったり(もちろん本当にやったわけではないと思いますが)、ももクロのコンサートに登場したり、吉永さんのイメージではとても思いつかないことばかりされているんですよね。
しかもそれをしっかりと楽しんでおられる表情。
吉永さんの演技にはいつも驚かされますが、この作品では吉永さんの少女のようなわくわくした様子を見ることができたように思います。
さすがレジェンド女優、と思うのですが、主演女優は他の人に譲ってもいいのでは?と思います。
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優秀助演男優賞
綾野剛「閉鎖病棟 ―それぞれの朝―」
主役を演じてもいい華やかさを持っている綾野剛さんですが、この作品ではわき役に徹した、という印象があります。
もちろん作品の中での重要な役どころなのですが、出過ぎず、でもちゃんと存在感があるという。
そういう点では助演男優賞と呼ぶにふさわしいと思います。
しかし作品のテイストというか、全体の位置づけからすると、大賞を取るところまでいくかなぁ、と。
正直助演女優賞にノミネートされた小松奈々さんと主演の鶴瓶さんに持っていかれたかなぁ、と思っています。
助演男優賞の大賞は難しいかもしれません。
伊勢谷友介「翔んで埼玉」
だましだまされ、といった感じの作品の中で、一番裏をかかれた!と思わせたのが伊勢谷友介さん演じる阿久津だったかもしれません。
伊勢谷さんの癖のある演技が存分に生かされる作品だったように思うんですよね。
ただGACKTと二階堂ふみの演技が濃すぎて、それをなかなか越えられないという(笑)
そういう点では加藤亮のほうが、ちょっとだけ出演したのに、強烈なインパクトを残したんじゃない?と思ってしまうのです。
助演したというよりは、主役にくわれてしまったかな、と思っています。
柄本佑「アルキメデスの大戦」
櫂の補佐を命じられるという、まさに主演を助けるための役どころですよね。
菅田将暉さんという強烈なインパクトのある俳優さんに負けず劣らず、しっかりと存在感を残していると思います。
櫂という数学のことになれば周りが見えなくなるような人も、しっかりと手綱を引くよう補佐する様子は作品の引き締めにもなっていたのではないでしょうか?
作品の中でなくてはならない存在感という点では、助演男優賞にふさわしいと思います!
岡村隆史「決算!忠臣蔵」
大石内蔵助が赤穂浪士に予算内で討ち入るために奮闘するストーリー。
このノミネートを聞いて「あ、主演じゃなかったんだ」と思ってしまった筆者(笑)
それは映画の宣伝に主演の堤真一さんと常に舞台挨拶や、取材を受けていたからかもしれません。
しかし作品の中でも主役級の役どころと言えます。
予算内で討ち入りするために、どこで節約できるか、常にそろばんをはじきながら考える矢頭長助。
少しコミカルな内容だけに、岡村さんの演技が光りますね。
助演男優賞のノミネートも納得の演技だったと思います。
佐々木蔵之介「空母いぶき」
日本に空母が配備されたそう遠くない未来に、攻撃された場合に日本はどのような選択をするのか?という作品。
原作が漫画ではあるものの、そのスケールに圧倒される映像だったように思います。
主演の西島秀俊さんがノミネートされず、佐々木蔵之介さんだけがノミネートされるというのが、いささか不思議な感じもしますが…。
でも佐々木蔵之介さんの演技はすばらしかったので、ノミネートには納得できます。
ただやはり作品のスケールからすると、他の役者さんの演技も捨てがたいところもあり。
佐々木さん一人の助演ではなかったかな、と思ってしまいます。
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吉沢亮「キングダム」
主人公の親友役と秦の王・嬴政を演じた吉沢亮さん。
心優しい幼なじみと常に命を狙われる王の演じ分けをするところはさすがです。
主人公を巻き込むことになる重要な役どころを二役したわけなので、作品のキーマンであることには間違いないでしょう。
でも作品の中で存在感を示すことができたか、というと難しいところですね。
原作の嬴政のファンも多いため、その期待にどこまでこたえられたか、というのもあるでしょう。
大賞を取るためにはちょっと弱かったかな、と思います。
ただしブルーリボン賞では助演男優賞を受賞しています。
日本アカデミー賞でも大賞受賞して2冠となるかが見どころですね。
優秀助演女優賞
天海祐希「最高の人生の見つけ方」
ほんとに主役の吉永さんと共に歩んだ、と思える天海祐希さんの演技でした。
積極的にさまざまなことをやる主人公の幸枝に対し、とまどうばかりの天海さん演じるマ子。
その表情がとてもおもしろく、でもそんな状況に共感もしやすいんですよね。
クールでカッコいい女性が似合う天海さんですが、このような少しコミカルな部分を演じるのもとてもうまいですよね。
主役である吉永さんをしっかりと支えつつも、存在感もバッチリの天海さんは、納得のノミネートと思います。
小松菜奈「閉鎖病棟 ―それぞれの朝―」
私は小松さんが大賞なのではないかと思っています。
かなり難しい役どころをしっかりと演じたという点では文句なしだと思います。
まだ若い女優さんなので、新人賞でもよいと思うのですが、助演女優賞にノミネートするだけの演技だったと思うのです。
作品の中でも周りが彼女のためを思って、事件が起こってしまう、そういう肝の役どころです。
しかしぐっと作品に引き込むだけの演技力が素晴らしかったと思います。
高畑充希「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
24時間介護が必要な主人公が、周りを巻き込みながら介護される人、する人の様子を描く、実話を元にしたストーリー。
主人公を介護する彼についてきた彼女役、ということで、ちょっと助演女優賞とするにはなぁ、という感じがします。
高畑充希さんのイメージがついてしまっているせいかもしれませんが、演技なのか素なのか、という感じもあったりするのです。
もちろん24時間介護が必要な人に関わることの心の動きというのはうまく表現しているとは思うのですが…。
大賞にはちょっと難しいかな?と思っています。
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長澤まさみ「キングダム」
アクションもこなす長澤さんは、やはりカッコいいですね!
作品の中も重要な役だったと思いますし、しっかりその役どころをこなしていたと思います。
やはり原作あっての役だったように思うんですよね。
原作の上を行くでもなく、下回るでもなく、ちゃんと役どころをこなしたという印象というか…。
そういう点では助演女優賞というのはちょっと難しいかな、と思うのです。
トリプル主役くらいの配役であれば、もっと長澤さんの良さがいきたように思うのですが、この作品ではちょっと難しいかな、と思います。
二階堂ふみ「人間失格 太宰治と3人の女たち」
主演女優賞と助演女優賞の両方でノミネートされるというのが、女優として不動の立ち位置になったかな、と思います。
それぞれの作品の役どころのふり幅がすごいですしね。
作品の映像美に負けない二階堂さんの美しさが際立っていたように思います。
もちろん演技力はすばらしく、太宰治に心を奪われてしまう女性をとてもよく表現されていたと思います。
しかし『飛んで埼玉』のインパクトに比べると弱いかなぁと思うので、おそらく助演女優賞とのW受賞とはならないかもしれません。
新人俳優賞
岸井ゆきの「愛がなんだ」
正解のない愛のカタチをさまざまな片思いを通して表現したラブストーリー。
岸井さんはぱっとしない吉沢亮演じるマモをどうしようもなく好きになってしまう女性を演じています。
見た目の若さもあり、実年齢よりも若い役もこなすことがある岸井さん。
実年齢よりも差のある役がこなせるというのは、やはり演技力もすばらしいということではないでしょうか?
誰もが通った道である恋愛経験を丁寧に描いた演技力が評価されたのだと思います。
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黒島結菜「カツベン!」
小さなころに見た活動弁士(カツベン)に憧れて、紆余曲折ありながらも夢に向かって突き進む青年のストーリー。
黒島結菜さんは主人公の初恋の相手であり、女優を夢見る女性を演じています。
スカーレットにも出演し、主人公の夫に恋をしてしまうという役を演じて話題となっています。
まだ物語の中心となったり、かき乱すような役を演じることはないようですね。
今後に期待したノミネートといったところでしょうか?
吉岡里帆「見えない目撃者」「パラレルワールド・ラブストーリー」
2作品でのノミネートとなりました。
『見えない目撃者』では目が見えないながらも事件の目撃者となり、その事実を証明する女性を演じました。
『パラレルワールド・ラブストーリー』では、2つの世界で別の人の恋人役を演じていました。
まったく真逆の役といってもいいと思うのですが、それぞれに違う一面を見ることができたのは、演技力あってのものかもしれません。
すでにテレビで活躍している吉岡さんなので、新人賞というのがちょっとピンとこないのですが、女優としてはまだ駆け出しの扱いなのかもしれません。
どのような評価になるのか楽しみですね。
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鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」
100人のオーディションの中からこの出演を勝ち取った鈴鹿さん。
この作品がデビューとなったわけですが、周りの出演陣に引けを取らぬ、堂々とした演技がすばらしかったです。
これからさまざまな作品に声がかかることは間違いないのではないでしょうか?
ノミネートされるだけでもすごいと思うのですが、大賞も期待できそうですね!
森崎ウィン「蜜蜂と遠雷」
森崎ウィンさんといえば、ハリウッド映画にも出演したことのある俳優さん。
今さら新人賞?という気持ちもあるのですが、日本の作品ではまだ出演作品が少ないことから、新人賞ということかもしれません。
『蜜蜂と遠雷』では人気も実力もあるピアニスト役ということで、かなりプレッシャーもあったと思います。
若い4人がしのぎを削る作品だったと思うのですが、他の人にも負けない存在感だったと思います。
スピルバーグ監督から演技のお墨付きをもらっている森崎さんですが、日本での評価はいかに!?
横浜流星「愛唄 ー約束のナクヒトー」「いなくなれ、群青」「チア男子!!」
最近の活躍からすれば、横浜流星さんの受賞で間違いないと思うでしょう。
しかし日本アカデミー賞は映画出演による賞のため、ちょっと難しいかな、と思うのです。
私のイメージではどうしても主演の俳優さんというよりは、脇で重要な役どころを演じる役者さんという感じなんですよね。
今後主役級の活躍を期待するという点では、新人賞の受賞もあるかもしれませんが、ほかのノミネートされている方に比べると弱いかなぁ、と感じるのです。
今後の活躍次第で、主演男優などを狙ってほしいな、と思える俳優さんですね。
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その他の受賞作品
優秀脚本賞
・片島章三「カツベン!」
・詩森ろば/高石明彦/藤井道人「新聞記者」
・徳永友一「翔んで埼玉」
・平山秀幸「閉鎖病棟 ―それぞれの朝―」
・三谷幸喜「記憶にございません!」
優秀監督賞
・佐藤信介「キングダム」
・周坊正行「カツベン!」
・武内英樹「翔んで埼玉」
・平山秀幸「閉鎖病棟 ―それぞれの朝―」
・藤井道人「新聞記者」
優秀アニメーション作品賞
・「空の青さを知る人よ」
・「天気の子」
・「名探偵コナン 紺青の拳」
・「ルパン三世 THE FIRST」
・「ONE PIECE STAMPEDE」
優秀外国作品賞
・「イエスタデイ」
・「グリーンブック」
・「ジョーカー」
・「運び屋」
・「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
ブルーリボン賞の影響はいかに?
2020年1月27日にブルーリボン賞の発表がありました。
この結果が日本アカデミー賞の受賞にどのような影響を与えるのかも気になるところです。
そもそも審査員が異なるため、審査基準、ノミネート作品が異なるため、必ずしも一致しないのは当然です。
しかし注目を集めている作品は両方でノミネートされていることから、1つの基準になるのではないでしょうか。
筆者が独断と偏見で予想!大賞受賞はどうなる?
結局のところ、なにが大賞を取るの?と思われそうなので、ここでズバッと予想してしまいたいと思います!
優秀外国作品賞大賞
もし『パラサイト』や『1917 命をかけた伝令」などが選ばれているなら少し迷うのですが、このノミネートなら『ジョーカー』一択になるのではないでしょうか?
話題性も主演のホアキン・フェニックスが本家アカデミー賞で主演男優賞を取ったというのも、大賞を受賞するには十分な根拠になると思われます。
優秀アニメーション作品賞
これも『天気の子』一択になるのではないでしょうか?
興行収入も昨年1位ですし、社会に旋風を巻き起こしたといってもいい人気ぶりでしたから、大賞は確実と思われます。
優秀監督賞
自分が知っている監督さんを選びたいところですが、作品のスケールなどから言えば『キングダム』の佐藤信介監督になるのではないでしょうか?
人気コミックの実写化という部分での難しさもあったと思いますし、いかに世界感を壊さずスクリーンで上映する迫力を出すことに成功した、ということで評価されるのではないかと思います。
優秀脚本賞
原作がある作品が多いので、それを脚本に起こしたのを評価されるか、オリジナル脚本が評価されるかといったところと思いますが、筆者はオリジナル作品を推したいと思います。
「よくこんなこと思いつくなぁ」と思ったことも含めて、『記憶にございません』脚本の三谷幸喜さんが大賞と予想します。
新人俳優賞
3作品でノミネートされていて、ドラマの活躍も合わせば横浜流星さんになると思うのですが、日本アカデミー賞は映画での評価なんですよね。
そうなると作中でも制作中でも若手がしのぎを削り合った『蜜蜂と遠雷』の中から選ばれるような気がします。
デビュー作にして受賞というフレッシュさを重視しして、鈴鹿央士さんの大賞に期待したいと思います。
優秀助演女優賞
上記にも書いたのですが、私の推しは小松菜奈さんです!
やっぱり作品中のキーマンであり、かなり複雑なものを抱えた女性を見事に演じていたと思うんですよね。
ぜひ大賞受賞をしてほしいです。
優秀助演男優賞
ブルーリボン賞は吉沢亮さんがかなりの高評価で助演男優賞を受賞していたので、日本アカデミー賞でも吉沢亮さんなのかなぁ?と。
ただ主役を邪魔せず、かといって存在感は十分に発揮した柄本祐さんのほうが評価が高いのではないか、と筆者は思っているのです。
この2人で迷うのですが、自分の評価を信じて、柄本祐さんが大賞を取ると予想します!
優秀主演女優賞
もし『人間失格 太宰治と3人の女たち』で沢尻エリカが受賞しているのであれば、間違いなく大賞だったと思います。
しかしこの受賞者の中だったら…、二階堂ふみさんかなぁ、と思います。
作品中で激しい気性であったり、恋する男子を愛らしく演じたり、原作を壊さない演技力だったと思うので、大賞は間違いないかな、と思います。
優秀主演男優賞
ブルーリボン賞では中井貴一さんが受賞していますが、筆者としては個人的に菅田将暉さんが取ってほしいなぁ、と。
新人賞を取ったのは7年前、もうそろそろ主演男優賞を取ってもいいんじゃない?と思うのです。
もちろん実在の人物の中で架空の人物を違和感なく演じ切ったという点も評価が高いのではないかと思っています。
優秀作品賞
これはもう『翔んで埼玉』一択でしょう。
違う作品が大賞を取ったら、それこそなにかの力が働いたとしか思えない(笑)
流行語大賞を取ったのもしかり、地上波初放送されたときに16.7%の高視聴率をたたき出したのもしかり、作品賞大賞を取るには十分な話題性があると思います。
もし大賞を受賞したら、また『翔んで埼玉』旋風が巻き起こりそうですね!
日本アカデミー賞授賞式は3月6日!日本テレビで放送予定!
日本アカデミー賞は芸能事務所との忖度が働いているのではないか、という噂も流れており、視聴者の評価と乖離があるのも事実です。
今年の大賞受賞は、視聴者の納得するものであってほしいと願います。
(そして筆者の予想も当たってほしい笑)
3月6日の授賞式は、華やかな舞台になることは間違いないでしょう。
おそらく日本テレビで授賞式の生中継をすると思われるので、筆者は予想が当たるかどうか期待しつつ、大賞発表を待ちたいと思います!
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