監督:ティム・ミラー
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー、ジャスティン・ローズ、ビリー・レイ
製作:ジェームズ・キャメロン、デヴィッド・エリソン
出演者:リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア。レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボネータ、エドワード・ファーロング、他
音楽:ジャンキーXL
製作会社:パラマウント映画、20世紀フォックス、スカイダンス・プロダクションズ、ライトストーム・エンターテインメント、テンセント・ピクチャーズ
公開:2019年11月8日
目次
あらすじ
1984年、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)と彼女を守る兵士カイル・リース(マイケル・ビーン)が、ターミネーターT800(アーノルド・シュワルツェネッガー)との死闘を繰り広げた…。
さらに1991年にも、サラの幼い息子ジョン・コナー(エドワード・ファーロング)を抹殺すべくやってきた新型ターミネーターT-1000(ロバート・パトリック)とT-800が激しく戦った…。
かつて、未来から送られてくるロボットとの戦いを制し、人類を抹殺するはずだったスカイネットの存在自体をサラ・コナーは消しさったはずだったが…。
『ターミネーター2』の世界から25年後、自動車工場で働く21歳の女性ダニーを追ってメキシコシティに現れたのは並外れた身体能力を持つ女性兵士グレースと、その破壊は不可能とおぼしき最新型ターミネーターREV-9。
そして、激しいバトルを繰り広げるグレースとREV-9のもとに現れたのは、なんとサラ・コナーだった…!
傑作『ターミネーター』シリーズの新たなチャプターが幕を開ける!
みなさん、覚えていますか…?
1984年のB級SFアクションだった1作目の『ターミネーター』は、7年後の1991年に続編『ターミネーター2』で最高のフィナーレを迎えたことを…。
ジェームズ・キャメロン監督が生み出した、衝撃的な近未来ムービーの『ターミネーター』シリーズのこの2作は、誕生から35年経った今も、映画史に残る傑作として語り継がれています。
良心の呵責など一切持たない機械であるターミネーターが、サラ・コナーと彼女を守る兵士のカイル・リースを執拗に追い続け、人々を恐怖に陥れた1作目。
そして、同じタイプのターミネーターが、サラ・コナーの幼い息子であるジョン・コナーを守る側になるという、全く新しい発想とすばらしいストーリーで世界を感動の渦に巻き込んだ2作目。
特に2作目については、28年前には中学1年生だった私ですが、映画館でたまらず涙を流したことをありありと覚えています。
この『ターミネータ2』から今までの28年間、『ターミネーター3』、『ターミネーター4』、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』…と、実は3作の続編もしくはリブート版が製作されてきました。
ただ、生みの親で初期2作の監督であるジェームズ・キャメロンは、これらの作品の製作には全く携わらなかったんです…!
唯一、『新起動/ジェニシス』については、公開前にキャメロン監督が「私にとって『ターミネーター』の3作目だ!」とか「必見の作品!」と絶賛したとされていたんですが…、公開後にはこれらの発言は本意ではなかったと語っていて、シュワルツェネッガーへの友情からコメントした…と明かしております(涙)
キャメロン監督が認めていない&製作に携わっていないものについては、どの作品も興行収入も振るわず、評価もいまいちでしたね…。
私自身も正直申しまして、これまでに公開されてきたシリーズ関連作品は…、ほとんど内容覚えてません!
唯一覚えているのは、『ターミネーター4』で登場したバイク型ターミネーター!
あれはイタリアのドゥカティが手掛けたということもあって、かっこよかったなぁ…。
でも、その意匠しか覚えていません(笑)
たーだーしー!
2019年に公開となった最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、なんとジェームズ・キャメロンが製作に復帰!
しかも、嬉しいのはシュワちゃんだけではなく、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンも帰ってくるんですから、シリーズのファンとしては見逃せないですよねっ!
しかも彼女、この作品へのカムバックのために、めちゃんこストイックで厳しいトレーニングを積んだんだとか…!
どんだけ気合い入っとんねん(笑)
『ターミネーター:ニュー・フェイト』配信先一覧 | |||
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ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。
スタートから早々に判明する衝撃の展開に愕然!
サラ・コナーの問わず語りからスタートする本作。
おお、来た来た。
『ターミネーター2』も、サラ・コナーのモノローグが非常に印象的だということを思い出します。
でも、開始早々にめちゃくちゃビックリする展開が繰り広げられ、ファンとしては口をあんぐり開けずにはいられませんでした。
な・な・なんと…!
ジョン・コナーが、『ターミネーター2』の公開当時と同じ姿かたちで登場…!
おお、こうごうしい美しさ…(ちなみに、ジョン・コナーを演じたエドワード・ファーロングの現在は…もはや見る影もない)と見とれちゃうんですよねぇ。
最近のCG技術はスゲーなぁ…とうっとりしていたら、突然…!
あの死闘を生き延びたジョン・コナーがシュワちゃん型(いや、正式にはT-800です)ターミネーターに、あっさり殺されちゃうんです…!
しかも、母親のサラ・コナーの目の前で…!
もう、しょっぱなからとんでもない衝撃で、私の周囲には嵐が吹き荒れているのかと錯覚したくらいだったよ…!
ストーリーの設定は『T2』を巧妙に踏襲!
1作目と2作目で、死に物狂いで生き延びて、人類滅亡の原因となるスカイネットを阻止することまで成功したのに…「なんっちゅうこっちゃ!」という衝撃のスタート!
でも、これが本作への期待を高めないワケがありません…(笑)
唖然としている観客を前に、スクリーンに映し出されるのは、未来からタイムスリップしてきた者を包む、空中に現れるビリビリした黒っぽい球体!
キターーーーー!
未来から誰かが来たー!
もうこの展開から、1作目と2作目を踏襲していることは間違いありません!
舞台は2020年のメキシコシティ。
女性のターミネーター(?)とおぼしき、すさまじい攻撃力を持つグレイスがやってきました。
一瞬にして複数の警察官を倒してしまうところや、たまたま居合わせたカップルから服を奪うところなどは、往年の名作と同じ展開。
さらに、翌日にアパートの中庭に登場するのは、男性の姿をしたターミネーター。
例のひざまずいた状態での登場は、かつての作品へのオマージュです♪
本作でキーパーソンと思われるダニーと弟ディエゴが出勤した後のアパートの一室に現れたこの男ターミネーターは新型ターミネーターREV-9。
2作目のT-1000と同じように不敵な笑みを浮かべ、姉弟の父親のもとに「ダニーの友達なんだけど…」と現れました。
わちゃー、ここでダニーの父ちゃん、死亡確定だわ…(涙)
そして、ダニーが本作では重要なカギを握る存在であることが判明しました!
ここからは無双アクションさく裂です!
ダニーとディエゴが勤務する自動車生産工場にやってきたのは、「弁当を届けに来た」という父親。
姉がちゃんと弁当を持ってきていることを知っているディエゴがそれをいぶかしんでいると、ダニーを発見した父親は、REV-9へと姿を変えます。
襲い掛かろうとするREV-9からダニーを救ったのは、工場に潜入していたスーパーウーマンのグレイスでした…!
グレイスは状況が全く飲み込めないダニーをなんとか説得し、自分と一緒に逃げることを促します。
REV-9とバトルを繰り広げるグレイスの鎖遣いがハンパねぇ…!
さらに、ピックアップトラップで逃げるダニーとディエゴ姉弟を、デッカいトレーラーで追いかけてくるREV-9の追跡劇は、2作目のT-1000を思い出さないではいられません。
激しいカーチェイスは、まさにかつての傑作ターミネーター作品そのもの。
ただ、新しいのは新型ターミネーターのREV-9が、T-1000と同様に単なる液体金属ではなく、骨格と液体金属部分を分離させることができる、一種の“分身の術”が使えることですね。
今回の敵は、単純に溶鉱炉で溶かして終わり…とはならなさそうですよ…!
サラ・コナーの登場に湧かざるを得ない…!
激しいカーチェイスの末、ダニーの弟ディエゴは死亡。
また、グレイスは機械ではなく、未来の技術で能力を強化された人間であることが判明し、REV-9との激しい戦闘で機能不全に陥ります…。
REV-9が2人に迫り、もはや絶体絶命…と思った矢先に、絶妙なタイミングで現れ、ロケットランチャーをREV-9にお見舞いしたのは、あのサラ・コナーでした…!
唖然とするダニーとグレイスに、「I’ll be back.」というあの有名すぎるセリフを残し、REV-9にとどめを刺そうとその場を離れるサラ。
でも、グレイスはサラを信用するどころか、サラの車を奪ってその場から去ります(笑)
サラ・コナーの復活だけじゃなくて、まさかの「アイル・ビー・バック」発言に、ファンとしては、ここで狂喜乱舞でございます…!
未来の人類は結局機械たちによって脅かされている…
グレイスは強化された体が激しい新陳代謝をすることで、激しい戦いの後に薬を投与しなければ意識を失ってしまう状態になっていました…。
薬局でなんとか薬を奪ったダニーとグレイスを救ったのは、後を追ってきたサラ。
判明したのは、“審判の日”を食い止めたものの、その翌年にジョンがターミネーターによって殺害されてしまったことと、それから以降、ターミネーターが出現する日時と地点が何者かから「ジョンのために」とメールで届き、その都度ターミネーターの破壊を行ってきて、REV-9を破壊しにきたのもそのためだったということ…。
サラへのメールの送り主は、アメリカのテキサスにいることが分かり、さらにこの座標がグレイスの横腹に刻まれたタトゥーと同じことが分かります。
ただ、2042年からやってきたグレイスは「スカイネット」という言葉は全く知らず、代わりに「リージョン」という人工知能が組織する機械の集団が人類は滅亡の危機に瀕していることを語りました…。
人類の滅亡という未来を自分が阻止したはずだったのに、結局は別の人間によって生み出された人工知能でほぼ全く同じ結末を辿ったことを知ったサラ。
グレイスが救おうとしているダニーが、人類の未来のカギであることをすぐに悟ります。
ついにシュワちゃん…じゃなくターミネーターT-800登場!
REV-9の執拗な追跡をなんとかくぐりぬけ、メールの送り主の場所へたどり着くと、そこは田舎の山小屋。
現れたのは、ジョンを殺害したターミネーターT-800でした…!
あの泣く子も黙るターミネーターが、「カーテン屋のカール」に変身しちゃっているという衝撃…(笑)
ここまでT-800が心を入れ替え、妻と息子を持つ(もちろん自分の子どもじゃないけど)一人の人間として生活してきたということは、ちょっとツッコミどころ満載なのですが…(汗)、この際、もうなんでもよいです(笑)
「肉体関係はないんだ…」なんて、しおらしく説明されちゃって、反対に観ているこっちが「そこ、別に説明しなくてもいいからさ…」なんて、ちょっとドン引きしちゃいつつ…。
ただ、ダニーを守ること、そのために全員がREV-9を倒すべく共闘することに同意し、T-800は妻と息子に伝えるのです…「I won’t be back」と…!
まさかのターミネーターが「戻ってこない」宣言をしちゃうとは…!
この辺は、ジェームズ・キャメロンの指示だったはずだと思わずにはいられません…(涙)
ここまで書いて、Twitterでのコメントを見ずにはいられなくなりましたので、紹介いたしましょう。
冒頭にいきなり衝撃が走ったよ…🥺💦
これが正統な続編…⁈🤔
でもサラ・コナーとT-800をスクリーンで観られて感激😌✨
新たな敵REV-9に執拗に狙われ続ける恐怖…グレースとのアクションの数々は見応えがあったね😄👍
これでシュワちゃんのT-800は見納めかなぁ…😥💦 pic.twitter.com/8JpOKSu2Dz— Leona🍁映画垢 (@1ose9Leona) November 10, 2019
作品のことを簡潔に紹介してくれた良ツイート!
『ターミネーターニューフェイト』は長身短髪女騎士がお姫様を守る百合物語なので5億点。さらに強いババアがバズーカを撃つのでさらに5億点。合計10億点。おまけにシュワも出るので10億シュワ点。 #utamaru pic.twitter.com/0nSSI6huHQ
— Simon_Sin (@Simon_Sin) November 15, 2019
この表現方法は思いつきませんでしたが、このツイート見た瞬間になぜか激しく同意(笑)
#ターミネーターニューフェイト
たまの切れた銃器そこらに捨てて次の銃器ぶっぱなすサラ・コナー登場は文句なしに萌えます pic.twitter.com/cmn4hKDDRh— ちいちい (@ChiChi_7110) November 12, 2019
やっぱり、本作でリンダ・ハミルトンが復活したことが尊すぎますよね…。
さらばREV-9…!
REV-9を現代の武器で倒すのは難しい…、でも、EMP(電磁パルス)さえあれば…。
サラがかつての友人である軍の少佐からEMPを手に入れますが、輸送機での移動中に繰り広げられた空中戦で、EMPは使用不能に…。
そこでグレイスがダニーに語ったのは、幼いグレイスを救ったのは未来のダニーであり、彼女自身が機械に対抗する人類を率いているということでした。
最後の死闘は巨大な水力発電所。
T-800とグレイスはクリティカルなダメージを受けながらも、REV-9をタービンに巻き込ませて倒したかと思えたのですが…REV-9は骨格だけになって現れました。
グレイスは自分の体内の動力源をEMP代わりに使って、REV-9を破壊するようダニーに伝えます。
ダニーはグレイスの命を奪うことになってしまうため拒否しますが、「あなたが私を救ってくれたのよ。今度は私にあなたを救わせて…」というグレイスの懇願を聞き入れ、泣く泣く動力源を取り出しました…。
REV-9はダニーを抹殺することをまだあきらめず、骨格だけになっても最後の武器となる動力源を払い落として、ダニーの首を絞めます。
サラがT-800に「カール!」と大声で叫ぶと、瀕死となっていた彼は目を覚まして最後の力を振り絞り、グレイスの動力源をREV-9に突き刺して破壊。
そして、T-800も機能を完全に停止してしまうのでした…。
まとめ
『ターミネーター2』の正統な続編と言われただけあって、私の中では『ターミネーター2』の世界が戻ってきた―!と感謝感激でした♪
ストーリーもかなり腑に落ちたし、感動しちゃって、ラストは泣かずにはいられませんでした…。
劇場で鑑賞したんですけれど、あちこちからすすり泣きが聞こえてきたので、私だけでなく、結構たくさんの人たちが感動で涙していたようだったのもなんだか嬉しかったなぁ…。
今回、印象的だったのは、サラ・コナーの復活というだけでなく、未来の救世主はダニーというメキシカンの女性であるということや、彼女を救いに来る強化型兵士グレイスも女性…と、とにかく女性が活躍しまくるというところが、現代の理想というか世相を反映している!としみじみ。
あと、メキシコが舞台で、T-800を求めてアメリカへの国境を超えようとするところなども、アメリカのトランプ政権に対しての一種のメッセージなんだろうな…と思わざるをえません。
さらに「自己犠牲」というキーワードが今までで一番強く感じられる物語だったなぁ…と。
グレイスは幼い自分を無償の愛で救ってくれたダニーを、自分の命を投げうってまで救いましたし、T-800もマシンらしく、初志貫徹して自らを犠牲にしてもサラを最後まで助けました…。
でも、なぜサラはダニーとグレイスと行動をともにしたのか…?
それは、ダニーにかつてのジョンの姿を重ねたということはもちろん、自分をかつて救ってくれたカイルの姿をグレイスに重ねたからだったんじゃないかな…と私は解釈しました。
映画の最後、REV-9もT-800もグレイスも破壊されてしまったあと、サラと一緒に学校を訪れ、まだ幼いグレイスを遠くから見守るダニーの姿が描かれます。
「二度とあなたを殺さないわよ」とつぶやくダニーが印象的でしたけれど、それはどうにかして「リージョン」の出現を防ぐという決意だったのかもしれないですねぇ。
考えれば、まだまだ無限に続編を作ることができる『ターミネーター』シリーズ(笑)ですけれど、私としては、もうこれ以上、ジェームズ・キャメロン抜きでのストーリーは作らないでくれ…と声を大にして言いたいです(笑)
ジェームズ・キャメロンがまた新たに製作だけでなく、監督までしてくれるのなら、新たな続編が観たいですけれどね~。
とはいえ、今回の監督ティム・ミラー(『デッドプール』の監督でもある)もいい仕事してたと思いますよ、グッジョブ! 感動をありがとうございました!

子どものころから映画大好き! ヒマさえあれば、むさぼるように映画を観るアラフォー女子。いまはドラマ『チェルノブイリ』のビッグウェーブに飲み込まれてます。
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