監督:神徳幸治
脚本:山岡潤平
原作:上田美和『ピーチガール』
製作:新垣弘隆、石塚清和
出演者:山本美月、伊野尾慧(Hey!Say!JUMP)、真剣佑、永野芽郁、本仮屋ユイカ、水上剣星、升毅、菊池桃子、他
音楽:蔦谷好位置(agehasprings)
製作会社:「ピーチガール」製作委員会
公開:2017年5月20日
目次
あらすじ
女子高生の安達もも(山本美月)は、中学のときに水泳をしていたため肌が焼けている上にプールの塩素で髪色が抜けて、染めたように明るくなっている。
こんな見た目のせいで「遊んでいそう」と周りから思われているが、実は超ピュア。
硬派な野球少年・とーじ(新田真剣佑)に中学の頃から片思いしているももだが、学校一のモテ男・カイリ(伊野尾慧/Hey!Say!JUMP)に突然キスされてしまい、カイリとの仲が学校中の噂となり…!?
注目したいキャスト
女子高生のももを演じるのは、当時24歳の山本美月さんです。
男性俳優さんの場合、20歳を過ぎた大人が男子高校生を演じることも珍しくないですが、大人っぽい雰囲気の山本さんが見た目ギャルの女子高生を演じるということで話題にもなりました。
違和感なくピッタリ役にハマっていると思うので、山本さん扮するももにぜひご注目ください。
そしてもう一人ピックアップしたいのが、カイリを演じる伊野尾慧さんです。
伊野尾慧さんといえば、Hey!Say!JUMPでアイドル歌手として活動を続ける他、俳優業、そして『めざましテレビ』や『メレンゲの気持ち』でコメンテーターやMCを務めるなど、幅広い活動をされています。
筆者は伊野尾さんが出演されているドラマを観たことがなかったので、「お芝居もできるんだ…!」と驚いてしまいました。
かわいらしさを残しつつもカッコよく、素敵なカイリに仕上がっていますよ!
原作は約20年前に大ヒットした少女漫画!
上田美和さん原作の『ピーチガール』は、1997年から2004年にかけて『別冊フレンド』で連載されていた作品です。
約20年前の作品ということもあり、原作で描かれていたもものルックスはガングロギャルそのもの。
今ではガングロギャルという言葉自体耳にしなくなりましたから、この設定がまず現代にはちょっと厳しいのかな?と思ったりもします。
ただ、原作の少し古くなってしまった設定に関しては現代風にアレンジして実写化したそうです。
“ももは少し肌が焼けていて髪色が明るい”という設定はそのままですが、現代らしくスマホを使いこなす登場人物もたくさん出てきますよ。
5分に一度、恋の事件!?
ドタバタラブコメディといわれた原作漫画『ピーチガール』には、とにかくいろんな恋のトラブルが巻き起こります。
これを見事に実写化したのがこの作品です。
予告映像でも“5分に一度、恋の事件が巻き起こる”と宣伝されたほど、展開が早くスピーディーな映画に仕上がっています。
ドタバタ劇がどのように実写化されているのか、という点にもご期待ください!
恋の行方を操作する?小悪魔・沙絵
この作品で良くも悪くも重要な人物となるのが、小悪魔キャラの沙絵です。
沙絵を演じるのは、朝の連続テレビ小説『半分、青い。』や『ひるなかの流星』という映画で主演を務めた永野芽郁さん。
永野さんといえば、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』でも話題になりましたね。
爽やかでピュアな女性を演じることが多い一方で、『半分、青い。』では、左耳を失聴していながらもストレートにものを言う活発な女性を演じきるなど、役の振り幅が広い女優だといえます。
そんな永野さんが演じる沙絵は、女子高生の傍らでファッションモデルをこなし、女性からの人気を集める一方、男性に対してはぶりっ子な態度を取る小悪魔というキャラクターです。
沙絵を演じるのが永野さんと知り、「いろんな演技ができる彼女には、まさに適役じゃないか…!」と感じました。
ももの恋をとにかく邪魔してくる嫌なキャラではありますが、そんな沙絵を永野さんがどんなふうに演じているのか、ぜひご覧ください!
『ピーチガール』(実写映画)配信先一覧 | |||
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笑って泣いてキュンキュンして…が詰まってる!
まず、二時間弱という短い中によくこれだけのストーリーを詰め込んだな…と感心してしまいました。
先にお伝えしていた通り、とにかく展開が早いのですが、「なんでいきなりこうなった?」と思うようなシーンが一つもなかったんです。
そのため、“大事なシーンが抜けていた”、“感情の変化の描写がなくて分かりづらかった”など、実写化ものや展開の早い作品あるあるが一切なく、感情移入しやすかったんですよね。
笑いあり・キュンキュンあり・涙ありの作品なので、笑って泣いてドキドキして…観ていてとにかく忙しかったです(笑)
あれだけの内容をぎゅっと詰め込んだにも関わらず、違和感なく観ることができたというのは、脚本や監督がそれほどよかったのだろうと思いました。
しかも、原作のストーリーを壊さずに映画オリジナルの話を付け加えているというところに驚きです。
実写化作品でこれだけ自然に作りあげるのは、本当にすごいことですよね!
一部、突っこみたくなるような展開もありましたが、原作が漫画ということもありますし、そこは目をつぶって鑑賞しました(笑)
それでは次に、世間の評価を見ていきましょう。
【ピーチガール試写会】
映画の感想は、真面目に実写してるしシナリオがとてもとても良い。原作ファンじゃなくても、伊野尾ファンじゃなくても楽しめる🙃キュンキュンするし、しかも泣けるなんて聞いてない!ハラハラ泣き泣きニヤニヤ泣き泣き泣き泣きできるピーチガール、是非劇場でご覧ください🍑— 人間っていいな (@kuroki_goru) April 20, 2017
この方がつぶやいているように、原作を知らない人でも十分に楽しむことができます。
筆者もまさかこの作品で泣くとは思わず(笑)、見どころが盛りだくさんだなぁと思いました。
映画の感想って十人十色だと思うんですけど、ピーチガール、そんなつもりはないのにわたしは号泣してしまったんですよね。
— めり。 (@raymst) May 19, 2017
この方は号泣されたみたいです!
確かに映画の感想は十人十色…ということで、次は反対の意見を見てみましょう。
映画ピーチガール感想
⚪︎とーじが意外ととーじだった
⚪︎柏木沙絵が原作に沿っておらず結局イイコポジションなのがマジ納得いかない、もっと原作通りクソでよかった
⚪︎大事なシーンを表現したいのはわかるがストーリーが端折られ過ぎている所為で感動があまり伝わらない
⚪︎操ちゃんが可愛すぎ😠— こりん (@0x0_sugary_8) December 1, 2017
原作ファンにとっては、やはり実写版に納得いかない部分もあったようですね。
映画のピーチガール見てきた。。内容わけわからなさすぎて展開飛び過ぎだし、意味わからず終わった…ww
純粋な原作ファンの感想を求めたい(^o^)— しほーしゃ🐑💤💭 (@shii_panzer) June 4, 2017
展開の早さに対して、「分かりにくかった」と思っている方も結構多いみたいです。
確かに、とにかくテンポが早い作品なので、観る人によってはそう感じてしまうかもしれません。
マイナスな評価も多々見かけましたが、とらえ方は人それぞれです。
筆者個人としては、実写化ジャンルの中ではとてもよかった方なのではと感じています。
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。映画『ピーチガール』の中で、印象に残った部分
ここからは、ネタバレ情報を盛りこみつつ印象に残った部分を紹介していきます。
少しでも共感してもらえると嬉しいです♪
学校一のモテ男は、陽気すぎる元気キャラ
カイリは学校一のモテ男といわれているだけに、いつも大勢の女子に囲まれています。
たくさんの女の子に騒がれるほどのイケメンと聞くと、“花より男子の道明寺”のようなクールな男子を想像しませんか?
しかしカイリの場合、道明寺とは対照的で、いろんな女の子にいい顔をするチャラくて明るいキャラクターなんです。
もちろん人見知りもしないし、自信があるせいか、ももへの最初のアプローチもかなり大胆でした。
例えば、ももと目が合った瞬間すかさずウィンクをしてきたり、キッカケさえあれば付き合っていなくても突然キスをしてきたり…。
(※カイリは過去のある出来事からちょっとした勘違いをしており、もものことを運命の相手だと信じこんでいたため、躊躇せずキスができたのかもしれません。
このキッカケについては、【これぞ少女漫画?なツッコミどころ】で詳しくお伝えします。)
正直言って第一印象はイマイチでしたが、この作品を観ていくほどにカイリの内面のイケメンさに惹かれていきました。
好きな人にはとにかく真っすぐで自分のことは後回し、人を思いやる気持ちをしっかりと持っていて、本当にカッコイイですよ!
女優陣の変顔が満載!
ラブコメディというだけあって、劇中にはいろんな表情をするももや沙絵の姿を観ることができます。
とにかくリアクションがオーバーといいますか、体当たりでお芝居をされていて、そこがこの作品のいいところでもあると思います。
ももはそこまでビックリするような変顔はありませんが、沙絵の変顔はなかなかおもしろいですよ。
沙絵はなんと、怒ると白目を向くんです(笑)
後ほど沙絵の小悪魔っぷりについてをたくさん紹介しますが、この白目の表情がもしなければ沙絵はただの悪女です…。
白目を向いて私たちを笑わせてくれるからこそ、そのシーンが少し緩み、ほんわかした気分で観ることができるんですよね。
沙絵の白目には、思わず声を出して笑ってしまいました!
なんとこの白目の演技は、永野さん自らの提案だったそうです。
白目って意外と難しい気がしますが、とても上手に白目になっている永野さんにも注目してご覧ください(笑)
これぞ少女漫画?なツッコミどころ
観ていて思わず、「いやいやそれはないでしょ…」と突っこみたくなるようなシーンがいくつかありました。
漫画で見るとそこまで違和感はないのかもしれませんが、実写にするとかなり衝撃的です。
筆者独自の目線ではありますが、そんなツッコミどころ満載シーンを紹介していきたいと思います。
まず、とーじが入院している病室での出来事から見ていきましょう。
中学の頃からずっと片思いをしていたとーじに対し、ももが初めてこの病室で自分の思いを伝えます。
しかしこのとき、とーじは沙絵に騙されており、とーじはもものことを信じきれずにいました。
するとももがいきなり病室の窓枠へと飛び乗り、「とーじに信じてもらえないなら死んだ方がマシ!!」と叫び、外へ飛び降りようとします。
そのとき窓から風が吹いてきてフワッとスカートがめくれあがり、思わずももは窓枠につかまっていた手を離してスカートを押さえました。
その瞬間、ももは外へと落ちてしまいそうになったのです!
間一髪、とーじがももの手をとっさに掴んで助かりましたが、まず、ベッドに横になっていたとーじが間に合うわけないですよね…(笑)
ももは飛び降りる気がなかったのかもしれませんが、なんの躊躇もなく簡単に窓枠へ飛び乗り、しかもあっという間に外へ落ちそうになるという展開。
やり過ぎじゃない?なんて思ってしまいました。
それに、一般的な病院は簡単に窓を開けられないようになっていますよね。
このシーンは思わず突っこみたくなりました。
そして、人工呼吸のシーンもかなり違和感があったので紹介します。
カイリとももは、二人が高校に入る前の年、海で溺れていたカイリをももが助けたことがキッカケで出会っていました。
高校に入って二人が初めて会話をしたとき、カイリは「ももちゃんに人工呼吸をして助けてもらった」と言いますが、ももは「人工呼吸をしたのは私じゃない」と否定します。
カイリは、初めてのキス(人工呼吸ですが…)の相手だと思っていたももを“運命の相手”と信じこんでいたようです(^^;
このようなシーンが冒頭にあるのですが、作品の終盤にも同じシチュエーションの出来事が起こります。
カイリが一人で海にいると、知らないお兄さんたちに突然絡まれ、ももからもらった大事なストラップを海に捨てられてしまいます。
泳げないのに海の中へと入っていって必死に探すカイリですが、そのまま海に溺れてしまいます。
そこへやってきたももが、波打ち際で倒れていたカイリに人工呼吸をして助けるというシーンがあるんです。
どこから突っこめばいいか分かりませんが(笑)、特に違和感があった部分は、溺れてしまったはずのカイリはどうやって波打ち際に移動したのか…というところです。
そして何より、ももの人工呼吸のやり方です。
とても人工呼吸には見えず、「これって人工呼吸って言っていいの…?」と言いたくなるような不思議な絵面でした。
もしカイリが気を失っていたのだとしたら、あんな人工呼吸では意識を取り戻さないと思います…(笑)
まぁ、その辺は目をつぶっておきましょう(^^;
映画だけに付け加えられたオリジナルストーリー
実は、原作の世界観を壊さずに、映画だけに新しく加わったストーリーがあるんです。
それは、カイリの家族(父親や兄とのエピソード)やももの家族、そしてカイリの夢などが描かれた部分です。
カイリの家族は、カイリ、兄の涼(水上剣星)、そして父親・崇史(升毅)の三人。
父は、成績優秀で一流企業に勤める涼を目にかけ、涼とカイリを比べてはカイリにつらく当たります。
「お前は涼よりもはるかに劣る。私の息子として、涼の弟として恥ずかしくないのか。」など、しょっちゅうカイリに対して厳しい言葉をかけるのです。
しかし、カイリは一見チャラチャラしているように見えますが根はとても真面目で、パティシエの夢を叶えるために毎日勉強に励んでいます。
亡くなった母親がよくケーキ作りをしていたようで、それを手伝っていたというカイリ。
何かと涼と比べられては怒られてばかりのカイリですが、唯一父親から褒めてもらえたのがケーキ作りの腕前だったそう。
こうしたことがキッカケでカイリはパティシエを目指しており、劇中の終盤ではコンクールに挑戦したり、夢を叶えるためパリに留学することになったり…というふうに物語が進んでいきます。
父親や涼との間にあった溝については、ももの活躍もあり無事に解決していきますよ。
また、ももの家は花屋さんを営んでおり、劇中には店番をする母親・桜子(菊池桃子)が登場します。
花にちなんだストーリーもところどころに散りばめられていて、見応えを感じました。
家族間の悩みや将来の夢が盛りこまれることで物語にぐんとリアリティさが増し、より深みのある作品に仕上がっています。
ただキュンキュンするだけじゃない、深いセリフ
正直に言います。
キュンキュンする少女漫画の実写映画でこんなにも深く考えさせられることになるとは、思ってもいませんでした…。
劇中にはいろんな深いセリフが登場しますが、中でも筆者が一番「深いなぁ…」と感じたものをここで紹介します。
それは、桜子が恋に悩むももに対して贈った言葉です。
序盤のシーンで、ももが恋に悩んでいる様子を察した桜子が「最高の恋の見つけ方って知ってる?」と尋ねるシーンがあります。
しかしここではこの問いに対しての答えは登場せず、ももは最高の恋の見つけ方が分からないままに、片思いし続けていたとーじや大事に思い続けてくれるカイリとの恋に奮闘します。
そして物語の終盤。
カイリが別の女性に思いを寄せていると勘違いしていたももは、“好きな人には幸せになってほしい”という思いで、カイリへの気持ちを抑えたままに離れていくことを決意しました。
「幸せになってね。」という事実上別れの言葉をカイリに告げたももは、彼の前から立ち去ります。
暗い表情で帰ってきたももに対し、桜子は「最高の恋の見つけ方、分かった?自分を幸せにしてくれる人を選ぶより、自分が“幸せにしたい”って思う人を選ぶこと。時には傷つくこともあるけれど、それが人を愛するってことなのよ。」と諭すのです。
その言葉を聞いたももはハッとします。
そんなときに登場したのが、長年片思いし続けていたとーじ。
ももへの熱い思いをストレートに伝えてくるとーじと、“幸せになってほしい”と願って別れたカイリ…果たしてももはどちらを選ぶのか!?といった流れになっていましたが、言うまでもなくももが選んだのはカイリです。
「カイリのことは、私が幸せにする!」とももがカイリに伝え、無事にハッピーエンドとなりました。
桜子のあの言葉は、聞いていてとても胸に刺さりました。
この作品を見て、自分自身の恋愛を見つめ直したという人も多いかもしれませんね!
ももの感情の変化を簡潔に分かりやすく表現
『ピーチガール』には、ももとカイリの出会い、とーじへの片思い、そしてとーじとの交際・破局、そこからももの気持ちが徐々に変わっていきカイリとの恋愛へ…というふうに、書ききれないほどの情報が約二時間という短い中にたくさん詰まっています。
さらに、恋愛だけにとどまらず家族間の悩みや友だち関係、将来の夢など、とにかく盛りだくさんの内容となっているわけですが、ここまで詰めこみすぎると、感情の変化の表現が難しくなることが予想されます。
この表現に失敗してしまうと、「えっ?この前まで○○のこと好きって言ってなかった?いつの間に心変わりしたの?」というふうになってしまうんですよね。
しかしこの作品ではそういった部分が上手く表現されていたので、違和感が全くありませんでした。
特にそう感じたのは、とーじとももが別れ、カイリとももが付き合い始めた頃のシーンです。
そこには、カイリとももが少しずつ愛を育んでいく様子が、1分強という短い時間にぎゅっと詰まっていました。
どういった内容だったのかというと、細かくカットされた二人のデート風景が爽やかなBGMと共に次々と映しだされます。
その映像には、カイリとももの甘くてかわいらしい会話が何重にもなって乗せられているんです。
たくさん重なっているので、どの会話を集中して聞けばいいか分からないぐらいでした(笑)
二人が長い時間を共にしたことをこのシーンで上手く表現できていて、この1分だけでカイリとももの絆がどんどん深まっている様子を知ることができました。
他にも、とーじからカイリへ気持ちが向いていくももの感情を表した部分もとてもよかったです。
なんと本編では、ももがとーじに振られてからカイリと付き合うまでの時間が約8分しかありません。
これだけ時間が短いので、「あんなにとーじラブだったのによく心変わりしたな…」というような感想もネット上で見かけましたし、先に紹介したツイートでも「分かりにくかった」という意見があり、そのように感じる人がいても無理はないのかもしれません。
しかしカイリは、はじめからずっともも一筋だったんです。
カイリ目線で映画を観るとより分かりやすくなると思うのですが、ももがとーじに片思いしていた頃から、カイリはずっともものそばで支えてきました。
作品の冒頭からきちんとそれが表現されているので、少しずつカイリに心を開いていくももの様子がとてもよく分かり、筆者としてはむしろ感情の変化がしっかりできている作品だと思いました。
とーじに片思いしている段階で、「もうカイリにしちゃいなよ!」なんて思いながら観ていましたからね…(笑)
いろんな登場人物の目線で観てみると、より感情の変化を感じやすいかもしれませんね。
沙絵は、小悪魔の次元を越えたデビル?
先にお話している通り、沙絵はももの恋を邪魔する小悪魔的存在です。
“小悪魔”と聞くと、意地悪だけどちょっぴり可愛げもあり、男子からはモテる女の子…というイメージではないでしょうか?
申し訳ないですが、沙絵に可愛げは全く感じませんでしたね…(笑)
とにかく性格が悪すぎます!と、断言できてしまうほどの悪魔です…。
フォローのしようがありません。
どんなふうに悪魔なのか、少しだけ紹介しますね。
まず、沙絵はももの欲しがるものを何でも奪いたいという性格なので、ももが欲しがっていた化粧ポーチを先にゲットしたり、ももの好きな人さえも自分のものにしようとします。
ももがとーじに片思いしていることを知った沙絵は、カイリが勝手にももに迫ってキスをしてしまった場面を動画に収めて拡散したり、とーじは盲腸で入院しているのに“もものことが嫌いになったという理由で学校を欠席している”とももに話したり…。
他にもまだありますが、この辺はまだ大目に見てあげるとして、ここからどんどん沙絵の行動はエスカレートしていきます。
とーじと付き合うことになったももは、とーじの誕生日に彼の家へ遊びに行くことになりました。
そのことを知った沙絵は、デート当日、わざとももに「ジゴロー(沙絵と一緒にモデルの仕事をしている男性/菊田大輔)にストーカーされてる!助けて!」と緊迫感のある芝居で電話をかけるのです。
沙絵の話を信じたももはとーじを置いて、言われた場所に駆けつけます。
するとももは、その場に隠れていたジゴローにスタンガンで気絶させられ、ホテルに連れ込まれるのです。
そしてジゴローは、気絶しているももの服を脱がせてベッドに寝かせ、あたかもベッドを共にしたかのように自分も隣に座ってスタンバイ。
沙絵はというと、勝手にもものスマホから「もう一人好きな人がいて、今日はやっぱりその人と過ごすことにした」と、ももが送ったように見せかけてとーじへメールをします。
さらに、ももが気絶している間に沙絵はももと同じヘアスタイルのカツラをかぶり、とーじの家へ。
部屋の電気を消して自分の顔が見えないようにし、ももの振りをしてとーじにキスを迫るのです!
とーじはすぐに沙絵だと気づいたので未遂に終わりましたが、もちろんここで終わる沙絵ではありません。
もものスマホからとーじ宛に届いたメールの証拠を見せるため、ももが眠っている現場のホテルへとーじを連れて行くのです。
目を覚ましたもも、そして現場を目撃したとーじはかなりショックを受けてしまいました。
どうですか?これは完全に悪魔ですよね…?
沙絵が仕組んだことだと見破ったカイリが沙絵にわざと本音を吐かせ、とーじとももは真相を知ることができました。
しかし、ここからさらに沙絵の悪魔っぷりが続いていきます。
女子高生のすることとは思えないほどの悪事に、観ていて怒りが沸いてきました。
凝りに凝ったエンディングまで目が離せない!
カイリとももが無事にハッピーエンドを迎えたところで、主題歌を歌うカーリーレイジェプセンの『コール・ミー・メイビー』が流れます。
このときの映像がかなり凝っているので、ぜひ目を離さずに見ていただきたいのです!
始まってすぐは一般的なスタッフクレジットが流れるのですが、数秒後には「えっ、もうちょっとじっくり見せて!」と言いたくなるような、たくさんのオフショットが次々と流れてきます。
特に、ピリピリしていたシーンでのオフショットは、キャストのみなさんの笑顔が見られて嬉しくなりました。
他にも、劇中では絶対に観ることができないもも&沙絵の壁ドンショットや、とーじとカイリのラブラブ(?)ショット、そしてももがカイリに壁ドンする様子など、いろんな表情のキャストを観ることができますよ。
オフショット集が終わると、今度はエピローグが始まります。
二年後、カイリがパリから帰国したところからのお話です。
ももがカイリを迎えに行き、そしてさらに二人をとーじと沙絵が迎えに行きます。
四人で思い出の校舎を訪れたあと、流れていた主題歌とスタッフクレジットは終わります。
ここで終わりかと思いきや、またさらに映像がスタートするんです。
最後の最後まで、一瞬たりとも目が離せないエンディングが魅力的ですね。
まとめ
この作品については、高く評価した人がいる一方で、辛口な意見も多々見かけました。
人それぞれに意見が分かれる作品ではありますが、筆者はかなり満足できましたよ。
少女漫画は漫画の世界だからこそ違和感なく楽しめるものですが、実写化するとリアリティさに欠けておかしな感じになってしまうこともあります。
しかし、この作品は映画オリジナルのストーリーが付け加えられたことでより深みが出ていました。
しかも原作の世界を壊さずに作りあげられていたという点は、本当に驚きです。
沙絵の悪魔っぷりや、突っこみたくなるシーンがあったことを差し引いても、観てよかったと思える作品に仕上がっていたと思います。
笑いたい、キュンキュンしたい、恋愛モノを楽しみたい、そんな人にオススメです!

2人のメンズを育てるシングルマザー。どんなに忙しくても1日1本はドラマを見て癒されています♪特にラブコメディーには目がありません!
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