監督:小泉徳宏
脚本:小泉徳宏
原作:末次由紀
製作:北島直明、巣鴨恭平
出演者:広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、松岡茉優、賀来賢人、松田美由紀、國村隼 他
音楽:横山克
製作会社:ROBOT、2018映画「ちはやふる」製作委員会
公開:2018年3月17日
視聴したVOD:U-NEXT(2019年9月27日時点で視聴可※ポイント)
目次
あらすじ
かるたの全国大会で綾瀬千早(広瀬すず)と、現クイーン・若宮詩暢(松岡茉優)が激しい戦いを繰り広げてから二年。
高校三年生になった千早と幼なじみの真島太一(野村周平)ら瑞沢高校かるた部は、部員が三年生しかいないことから、このままでは来年から廃部になってしまうと新入部員の確保に躍起になっていました。
一方、千早にかるたの楽しさを教えてくれたもうひとりの幼なじみ・綿谷新(新田真剣佑)も、福井の高校でかるた部を創設し全国大会を目指すことに。
そして迎えた東京都予選会初日、予想もしなかったことが起こり動揺する千早は…?
『ちはやふる』映画は、ついに完結!
2016年に「ちはやふる-上の句・下の句-』を公開して大好評のうちに終わりました。
『ちはやふる-結び-』は、シリーズ三作目で完結編となる作品です。
『上の句』や『下の句』がよかっただけに、その続編となればそれ以上のものを期待されるとあり難易度も高かったことだと思います。
小泉監督は当初『-結び-』のことなど全く考えておらず、『-上の句-』のあと北島直明プロデューサーから三作目をやると言われたときは、正直どうしようかと悩んだそうです。
原作者の末次由紀さんの絶大な信頼を得ている監督は、末次さんから今後の展開をほんの少し教えてもらって、こうなってほしいという希望を予想をしながらストーリーに混ぜ込んで脚本を考えたんだとか。
それを知った末次さんは、「お客さんが観たかったもうひとつの『ちはやふる』ですね」と大変喜んでくれ、制作者側も自信を持って作ることができた映画だということです。
百人一首とは
コミックやアニメはもちろんですが、映画『ちはやふる』シリーズの影響で、競技かるたを始める方がとても多いと聞きます。
また、お正月に百人一首で遊んだことがあるという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
といっても聞いたことはあるけど、そもそも百人一首っていったい何?と思われている方も少なくないのでは?
百人一首とは、百人の歌人が作った和歌(短歌)をひとり一首ずつ選んで集められた歌集のことをいいます。
その中でも藤原定家(1162~1241)が京都・小倉山で選んだとされている、“小倉百人一首”が競技かるたに用いられています。
一番の天智天皇の歌から百番の順徳院の歌まで和歌番号がついていますが、その順番は古い歌人から新しい歌人へという順についているということです。
『ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは』は、十七番目の歌でご存じ本作の主人公・綾瀬千早の得意札です。
作者は在原業平で「不思議なことが当たり前のように起こっていた大昔の神々の代でも、これほどまでに不思議で美しいことは起きなかった。奈良の竜田川が舞い落ちた紅葉で真っ赤な絞り染めになっているなんて」というのが現代訳です。
このように小倉百人一首を理解して『ちはやふる』を観てみると、いっそうおもしろみが増すのではないでしょうか。
大絶賛の嵐
とにかくこの『ちはやふる-結び-』は、上記にも書きましたが競技かるた人口が急上昇するほど各方面で大絶賛されました。
『-結び-』の制作が決まったことは俳優陣も『-下の句-』公開初日に聞かされ、とても驚いたと同時に「またみんなと映画が作れる」と喜んだということですから、仲の良さが伝わってきますね。
原作の漫画はまだ続いていますが、映画は完結するということでどんな締めくくりを見せるのか注目です。
新キャストについて
監督や脚本、主要キャストはそのまま再集結され、さらに新しいキャストを迎えています。
本作の中で重要なキャラクターを演じるのは、映画『森山中教習所』や大河ドラマ『花燃ゆ』など多数の映画やドラマに出演している賀来賢人さん。
また、『あまちゃん』や『マッサン』に出演して人気が出た優希美青さん、映画『ミックス』やドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』に出演した佐野勇斗さん、『あさが来た』や映画『3月のライオン』に出演した清原果那さんが起用されています。
前作からの主要メンバーも、新人俳優から豪華キャストに成長
『-上の句・下の句-』から二年、映画のキャラクターたちも高校一年から三年になっていますから、実際の役者さんたちと歳月がシンクロ状態。
現在では『-下の句-』公開後も様々な話題作に引っ張りだこの広瀬すずさんや野村周平さん、新田真剣佑さんも同様に、みなさんそれぞれに活躍されています。
他のかるた部のメンバー・上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希さんも俳優としてキャリアを積み、外見は変わりないのですが何となく大人の雰囲気が漂い演技力に磨きがかかっています。
そんな役者さんたちが二年ぶりに『-結び-』の撮影に入る前、かるたの合同猛特訓をしたといいますから、かるたを取る演技も妥協を許さず白熱したものがありました。
その証拠に俳優さんの足には、競技かるたの厳しさを物語る“かるたダコ”や水ぶくれができていたそうです。
これは前作からのメンバーが、先輩として負けられないという気持ちが強く、気合の入れようが尋常ではなかったということですね。
『ちはやふる-結び-』配信先一覧 | |||
動画配信サービス | 配信状況 | 見放題 | 配信先 |
---|---|---|---|
U-NEXT | ![]() |
![]() |
視聴ページ |
hulu | ![]() |
![]() |
視聴ページ |
dTV | ![]() |
![]() |
視聴ページ |
Amazonプライム・ビデオ | ![]() |
![]() |
視聴ページ |
シリーズ三作目は、上の句・下の句のさらに上をいった
『ちはやふる-上の句・下の句-』の実写版もとてもよかったと思いましたが、『-結び-』は私もすでに4~5回見ていますが、かるたを取るシーンは迫力満点で何度見ても引き込まれてしまうほどでした。
まさに、仲間、部活、恋愛がそろった“青春映画の王道”で、青春がとうの昔に終わった人でも十分楽しめます。(自分のことを言ってます・笑)
ラブラブなロマンスよりも、仲間との絆を大切にするキラキラした青春映画って「明日から私も頑張ろう!」という活力を与えてくれるような気持ちになるんですよね。
ほんとによくこれだけ、キャラクターにピッタリの配役を集めたなぁと思うくらいにみんながみんなハマっていたという感じです。
今回新しくキャスティングされたメンバーも、それぞれに見せ場があって、存在感もあり設定がわかりやすくてよかったと思います。
それからカメラワークがとてもうまくて、ここぞという見せ場はスローモーションにしたり、かるたから見たキャラクターがとても輝いて見えて、感動が何倍にもなるカッコイイ演出がなされていました。
ツイッターでも『-結び-』を観た人のこんな意見がありましたよ。
ちはやふる結びをみ終わった
エンディング付近の演出最強すぎるだろ
これは出来がよくてすごい— 古荒 瓜 (@tomo1107) September 16, 2019
ちはやふる結び、もう何回めかわからないけどまた見てしまった 何度見ても泣ける
— うつき (@utk6hp) September 14, 2019
わかります、中盤から最後にかけての盛り上がりはすごかったです。
役者さんの名演技に感動して、ついこっちまで涙腺が緩むんですよね。
ちはやふる結びを観たがうーん…
全然詩暢ちゃんの見せ場がないやんけ😡— ひろ㌠ (@hiro_hawks_) September 16, 2019
ああ、確かに…でも大好きなゆるキャラを前にすると、キャーキャー言うところが可愛かったですよね。
かるたを取るときの冷静さと、ゆるキャラを前にしたときのギャップが大きくて“ギャップ萌え~”をした人が続出したんじゃないでしょうか。
映画の中で鍵となるポイント
周防名人は感じがいい
冒頭は名人位・クイーン位戦の会場、名人で四連覇中の周防久志(賀来賢人)対、挑戦者の白波かるた会会長・原田秀雄(國村隼)、現クイーンの若宮詩暢対、挑戦者の我妻伊織(清原果耶)の試合から始まります。
そこで周防名人は、読手が声を発する前に正しい札を押さえるという前人未到の技を見せつけ、五連覇を達成し永世名人となり引退を発表します。(競技かるたでは、非常に耳がいいことを“感じがいい”といいます)
ところが、新に「原田先生の敵を討つのは俺や。まだ引退は待ってくれ」と言われ、あっさり撤回しました。
新は小学校のとき千早や太一と白波かるた会に入っていて、原田先生には「メガネくん」と呼ばれ可愛がってもらっていたのです。
新の告白
その会場で、新は千早に「好きや、千早」といきなり告白。
千早は、ニヤけてその場に倒れ込みます。
そのようすを遠くから見ていた太一は、驚いて声をかけることができなかったんです。
このとき太一は「何があった?」という顔でしたが、その後の“心ここにあらず”の太一の行動でかなり動揺しているようすがわかりました。
告白する前、新と千早はすれ違っているのですが、周防名人に気を取られていて千早に気づかなかったんです。
新が千早を好きっていうのも、自分が大好きなかるたにハマってくれた素直な千早が好きってことなのかなぁと思いました。
太一だったら、千早とすれ違って気づかないなんてことはあり得ないと思うのですが。
新入部員ゲット!
部活紹介の際、かなちゃんこと大江奏(上白石萌音)の提案で、顔が良くて見映えがする千早と太一がはかま姿で登壇し、見事新入部員2名が入部します。
ひとりは北海道出身で“下の句かるた”が得意な筑波秋博(佐野勇斗)、もう一人はかるたに興味はなく太一を彼氏にすることだけが目的の女子、花野菫(優希美青)。
動機はどうあれ、千早はかるた部が7人になったことを心から喜びました。
とりあえず千早たちが卒業してもかるた部の存続決定、よかったね!千早。
東京都予選会が始まりましたが…
東京都予選会当日、太一がなかなか現れません。
太一がかるた部を辞めたと聞いた千早は、「今年で最後なのにどうして?」と動揺します。
「特進クラスの真島にとって大事な時期だから仕方ない」と諭す机くんこと駒野勉(森永悠希)。
太一が不在で本来の力が出ない千早でしたが、成長した他のメンバーに助けられなんとか準優勝をし、全国大会への切符を手に入れました。
試合の途中で宮内先生(松田美由紀)が、名前入りのタスキを持ってきてくれ、かるた部のメンバーがそれをつけるところがカッコいいんです。
私も一時期タスキ掛けの仕方が気になって、YouTubeを見ながら練習したことがあります。
ササっとできたらカッコいいですよね。
太一の告白
予選会の帰り道、太一と会った千早は、かるた部を辞めた理由を問い詰めます。
太一は「おれ、お前のためにかるたやってた…けどもうこれ以上できない」と言って、去って行きました。
太一は新が千早に告白し、千早も新が好きだと思っていたため、自分がかるたを続ける意味がなくなったと思ったようなんです。
その後千早は、自分の中でいかに太一の存在が大きかったのかを悟り、泣いてしまうのですが…。
これを見る限り、千早は太一が好きってことですよねぇ?
そうじゃないと、部活辞めたぐらいで泣いたりしないと思いました。
太一、周防名人の弟子になる
太一は自分が通っている予備校で講師をしていた周防名人を見つけ、助手をしながらかるたの修行を積みます。
そのときに太一は、周防名人の目が見えなくなってきていることを知り、そのため耳が必要以上に発達したことに気づくんです。
周防名人に「君とのかるたはなかなか感じがよかった。もう聞こえてるだろ?ありのままの音が。君はこんなところで何をしている?」と言われた太一は、瑞沢高校かるた部の決勝戦に参戦します。
予備校で周防名人と出会うなんて、太一はやっぱりかるたからも千早からも離れられないようになっているのかなと思いました。
決勝の相手は、藤岡東高校
全国大会決勝戦の相手は、新が率いる藤岡東高校。
まず机くんが負けて重い空気になりますが、筑波くんの「追いつきました。逆転します!」のかけ声で一気に調子づく千早たち。
以前「団体戦は個人戦を五つしているだけだ」と言った筑波くんに対し、「団体戦こそ声をかけ合って試合の流れを作っていくんだ」と諭した肉まんくんこと西田優征(矢本悠馬)に応えた形になりました。
素直になった筑波くんを見て、千早も嬉しそうだったけど私も泣きそうになりました。
運命戦は運命じゃない
太一と新の対戦、太一は六枚差で負けていましたが周防名人の元で修練した感じの良さで、どんどん札を取っていきます。
そして四組全てが運命戦に。(運命戦とは、自陣・相手陣お互いに札の残りが一枚ずつになった試合)
残った札は“しのぶれど”と、“こいすてふ”(読みはこいすちょう)。
解説者の若宮詩暢は「“こいすちょう”は、『こ』の一文字で取れる札どす。ここでは決まり字が長い“しのぶれど”を送るのがセオリーどす」と言うのですが…。
しかし太一が送ったのは“こいすてふ”。
これで“しのぶれど”を自陣に持つのは瑞沢高校が三人、“しのぶれど”が詠まれれば瑞沢高校かるた部の優勝が決まります。
これまで、運命戦で運が悪かった太一の持つ札が詠まれたことがなかったため、心配する宮内先生や花野。
そして張り詰めた空気の中、読手が詠んだのは“しのぶれど”、瑞沢高校の優勝です!
緊張の糸が切れてホッとしたのと同時に、太一の涙が畳の上に落ちるところはとても感動的で、この映画の中でも大好きなシーンの一つです。
まだ観ていない方は、ぜひ映像で確かめてほしいと思います。
新への返事は?
新に、「好き」と言われた返事をする千早。
「私、もっとかるた強くなりたい!世界一になりたい」
これに対して、新の返事は「おれも同じ気持ちや」。
そして太一に「名人戦の予選では負けんでの」とリベンジを誓った新。
やっぱり、千早と新じゃ天然同士なので会話まで天然でした。(笑)
エンディング
最後に千早がクイーンになって瑞沢高校かるた部の顧問になっているという、なんとも微笑ましいエンディングがありました。
原作はまだ続いているので、映画オリジナルです。
この部分は千早の後ろ姿から横顔を映していて、その横顔がとても品があり大人な雰囲気でよかったです。
まとめ
映画は、『ちはやふる上の句・下の句』から続いた『-結び-』で完結しました。
『-結び-』では、太一の成長が見られました。
かるた部を辞めてかるたから離れるのかなと思いましたが、周防名人の元で鍛錬を積むところは、やっぱり太一もかるたが大好きだったんですね。
映画は完結しましたが、この先、名人位決定戦で新か太一どちらかが名人になるんだろうなぁと思うとワクワクします。
結局、千早、太一、新の三角関係にはっきりした決着はつきませんでした。
千早と新は、お互いが恋に鈍感なのでどうもしっくりこないですね。
私としては、やっぱり頭が良くてちょっとずる賢い(でもいいヤツ)太一のほうが、かるたバカで天然な千早には合うような気がします。
ぜひまた、この続きをこのキャストで観たいと思うのは私だけでしょうか…。
余談ですが、『ちはやふる-繋ぐ-』という『-下の句-』から『-結び-』までのスペシャルエピソードがHuluで配信されているので、そちらを見るのもおすすめです。
メイキング映像もたくさん収録されていて、とても楽しいです。
また、2019年10月から『ちはやふる』のアニメ第三期が始まりますから、こちらも楽しみですね。
ちはやふるシリーズを見るならU-NEXTがオススメ!
配信中のシリーズ
・ちはやふる(全25話)
・ちはやふる2(全25話)
・ちはやふる3
・ちはやふる-上の句-(映画)
・ちはやふる-下の句-(映画)
・ちはやふる-繋ぐ-(スピンオフドラマ)※2020年1月3日時点、U-NEXTでは配信なし
U-NEXTを詳しく知りたい方はこちら ⇒ U-NEXTの無料お試しから月額料金、登録・解約手順

平凡な田舎のおばさんですが、国内、韓流ドラマが大好きで知識も豊富だと自負しております!あと、和菓子洋菓子ジャンル問わずスイーツには目がありません。
この記事へのコメントはありません。