「君の膵臓をたべたい」のあらすじ・感想・ネタバレ~全てを愛し、前向きに生きた少女と孤高の少年の、二人が過ごしたとても儚く美しい日々~ | VODの殿堂

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「君の膵臓をたべたい」のあらすじ・感想・ネタバレ~全てを愛し、前向きに生きた少女と孤高の少年の、二人が過ごしたとても儚く美しい日々~

   
 

 

タイトル:「君の膵臓をたべたい」
公開:2017年
監督:月川翔
出演:浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔、北川景子、小栗旬 ほか
視聴したVOD:dTV(2018年8月11日時点では視聴可)

住野よる原作のベストセラー、「キミスイ」で知られる青春小説の映画化です。
母校の高校で教師をしている志賀春樹は、教師であることに行き詰まっていた。
そんな時、かつて図書委員として過した懐かしい図書室で、本の整理を任されることに。
そこで、かつての同級生、桜良と過ごした日々を思い出す。
彼女が抱える秘密を知ったことことで、春樹にとって桜良は唯一の友達になった。

やがて訪れる悲しい未来を知りながらも、明るく生きる桜良。
そんな彼女と過ごすうちに、人ともっと繋がって生きたいと思い始める春樹。
悲しみを経て、大人になった春樹に彼女が残した最後のサプライズがあった・・・。

心に優しく、切なく、温かに響く物語に、涙が止まらなくなります!
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください。

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【あらすじ】

『図書室』

高校で国語の教師をしている志賀春樹(小栗旬)。
学校の図書室が老朽化によって取り壊されるされることになり、本の整理を任されてしまった。
その高校は春樹の母校であり、在学中に図書室の全ての本を整理したのは、当時図書委員だった春樹だったからだ。

懐かしい図書室に入ると、図書委員の男子生徒、栗山(森下大地)が一人、春樹が作った「図書分類表」を手に整理を始めていた。
分類表を作ったのが春樹だと知ると、栗山が羨望の眼差しを送った。
しかし、本の整理をしたのは春樹一人ではなかった。
「もう一人、迷惑な助手がいたよ」と話す春樹の耳に、懐かしい声が蘇る。
忘れることのできないその声に、春樹の記憶は12年前の高校時代へ遡っていく。

『彼女の秘密』

「君の膵臓をたべたい」
突然そう言われて、高校生の春樹(北村拓海)はどう反応していいかわからず「カニバリズムに目覚めたの?」と茶化すしかなかった。
突拍子もないことをいう女生徒の名は、山内桜良(浜辺美波)だ。
桜良は、昔の人は自分の体に悪い臓器があると、他の動物の健康な臓器を食べていたのだ、と続ける。
そうすれば治ると信じていたのだ、とテレビで観た受け売りを笑って話す桜良。
春樹は、桜良がなぜ膵臓をたべたいのか知っている。
明るくてクラスでも人気者の桜良、そして親しい友人もおらずいつも一人の春樹。
接点の無かった二人は、ある秘密で繋がっていたのだった。

春樹は、盲腸で通院していた病院の待合室で一冊の本を拾った。
何気なくページをめくってみると、タイトルに「共病文庫」と手書きで書かれている。
そして、中には自分が重篤な膵臓の病に侵されており余命が少ない、という内容が綴られている闘病日記だった。
「それ、私の」と声をかけられ振り向くと、桜良が笑顔で立っていた。
自分の重大な秘密を今まで喋ったこともないクラスメイトに知られたというのに、桜良はあっけらかんとしてどこまでも明るい。
そして何故かそれ以降、春樹にまとわりつくように親 しげに接してくる桜良。
春樹と同じ図書委員にまでなり、春樹はそんな彼女に戸惑っていた。
「残り少ない命をこんなことに使ってていいの?」と言う春樹に桜良は言う。
「君に私の残り少ない人生の手助けをさせてあげます!」
そして、勝手に日曜に会う約束を取り付けるのだった。

『君にしか話さない』

現在の春樹が、栗山に桜良のことを語りながら本の整理をしていた。
栗山は、自分と同様に他人と交われず、関わることを拒んでいる、と感じる春樹。
そんな栗山に、春樹は桜良の話を続けた。

桜良と待ち合わせた日曜日、春樹はどうして自分が誘われたのかさっぱりわからない。
桜良は、自分の秘密を知っても態度が変わらない春樹を好ましく思っていたのだ。
春樹は「当人が明るくしているのに他人が悲しむのはお門違いだと思う」と言い、桜良はそんな春樹の考え方に満足する。
そして、春樹はケーキバイキングに連れて行かれた。
僕よりも大切な友人と過ごすほうが価値がある、と春樹は桜良の親友である恭子(大友花恋)といるべきだと諭す。
しかし、恭子はこのことを知ってしまうと、きっと普通ではいられなくなるからギリギリまで知られたくない、と桜良は答えた。

翌日、そんな二人の日曜のデートがクラス中に知られてしまう。
人気者の桜良とクラスで一番地味な春樹の関係にクラスメイトはざわつき、恭子は露骨に怒って春樹に敵意をむき出しにしていた。
しかし、桜良は天真爛漫に春樹のことを「仲良しくん」と呼び、周りを驚かせる。
いたたまれなくなった春樹は教室を出て行った。

屋上に行った春樹を桜良は追いかけた。
余命いくばくもない、とは思えないほど明るい桜良に春樹は聞いた。
「君はさ、本当に死ぬの?」
桜良は笑顔で答える。
「死ぬよ、あと一年もつかどうかって言われてる」
そして、君にしか話さないって決めたんだ、と言うのだった。
「君はきっとただ一人、私に普通の毎日を与えてくれる人だから」
医者は事実を与えてくれるだけ、両親は日常を取り繕おうと必死になり、親友の恭子もきっと同じだろう。
自分に変な同情もなく接してくれる春樹の存在は桜良にとって特別、だから春樹にしか話さないと決めたのだった。

『真実と挑戦』

桜良の「仲良しくん」発言によって、今まで孤立していた春樹の周囲に変化が起こりはじめた。
春樹を敵視していつも睨んでくる恭子に、いつもガムを噛んでいる気のよさそうな宮田一晴は親しく話しかけてくれ、委員長は「何か困ったことがあったら言ってくれ」と気にかけてくれる。
桜良はますます春樹に対して天真爛漫に接し、共病文庫に記した「死ぬまでにしたいこと」の実行に付き合わせるのだった。
そして、死ぬまでに行ってみたいところに付き合う、との約束で連れて行かれたのは、なんと九州への一泊旅行!

ホテルの部屋では、桜良の提案で「真実」と「挑戦」というゲームをする二人。
めくったトランプの数字が大きい方が勝ち、負けた方に真実か挑戦かを選ばせるゲーム。
真実を選べば、聞かれたことには必ず正直に答えなければいけないし、挑戦を選べば命令されたことは必ずやらなければいけない、というルール。
最初は他愛もない質問や命令をし合い、春樹の緊張もとけて楽しい時間を過ごす二人。
しかし、最後の「真実」で桜良は「もし、私が本当は死ぬのがめちゃくちゃ怖いって言ったらどうする?」と聞いてきた。
答えることのできない春樹に桜良はいつもの笑顔に戻り、一緒のベッドで寝るように!と命令したのだった。
桜良の隣で、春樹は複雑な想いを抱えたまま、なかなか眠ることができなかった。

翌朝、桜良の携帯に恭子から電話があった。
「恭子の家に泊まる」と家族に嘘をついて出てきたので、勝手に使われた恭子は「今どこにいるの!」と怒っていたのだ。
春樹と一緒に博多にいると聞き、訳が分からずますます怒る恭子。
桜良は「いつか必ずちゃんと話すから」と言い、恭子は渋々納得するしかなかった。

12年後の現在の恭子(北川景子)は、実家の花屋を手伝っていた。
もうすぐ結婚が決まっており、その相手はいつもガムを噛んでいた宮田一晴(上地雄輔)だ。
「桜良、祝福してくれるかな・・・」と宮田に話しかける恭子。
時折、花の配達中に学校に通勤する春樹の姿を見かけるのだが、その春樹からは結婚式への出欠の返事がまだ届いていない。
春樹は、返事を出しあぐねているだけでなく、教師という仕事にも行き詰っており退職を考えていたのだった。

『君と私は選んで出会った』

ある朝、春樹の上履きが下駄箱からなくなっていた。
仕方なく来賓用のスリッパで教室にはいると、宮田が「なんで上履き捨ててるの?」とトイレのごみ箱にあったという上履きを持ってきてくれた。
また、桜良から借りていた「星の王子様」の本が鞄の中から消えており、誰かの嫌がらせかと不安に感じる春樹。
そこに桜良からメールが届き、放課後にうちに来るように、と書かれていた。

言われたとおりに桜良の家に行くと、今日は両親は不在だと言う。
死ぬまでにしたいことリストの最後の一つ、恋人じゃない男の子といけないことをする、のために春樹を呼び出したという桜良。
不意に抱きつかれ、固まってしまった春樹に「冗談だよ」と笑って離れる桜良。
馬鹿にされたと思った春樹は思わず桜良を押し倒すが、泣きそうになった彼女を見て家を飛び出していった。

大雨の中、桜良の家を出ると、そこに委員長が立っていた。
桜良の家で何してた?と問い詰められ、春樹は委員長が桜良の元カレで嫌がらせも彼の仕業だったことを知る。
以前、元カレは気が短く粘着質だったため別れた、と聞いていた春樹は「彼女、しつこい男は嫌いだよ」と思わず言ってしまう。
激高した委員長に殴りかかられた春樹、いつも親切だった委員長の豹変した姿に驚く。
そこへ桜良がやってきて「もう二度と私の周りの人に近づかないで!」と委員長をたしなめ、春樹を再び家に入れた。
春樹は、桜良に先ほどの行為を謝り、自分は桜良の病気を偶然知っただけであり、もっと誰か本気で君のこと想ってくれる人といるべきだと告げる。
しかし、桜良は「違う、偶然じゃない。運命なんかでもない。君がしてきた選択と私がしてきた選択が、私たちを会わせたの」と、全てが自分たちの意思で選んできた結果だと言う桜良の言葉は春樹の胸に突き刺さるのだった。

『恭子の想い』

桜良が入院することになった。
心配になってお見舞いに行くが、検査のための入院なので二週間で退院できると言う。
いつも通りの彼女に安心し、ノートを見せて進んだ分の授業を教えた。
桜良は春樹に、教え方が上手いと褒め「先生になりなよ」と言うのだった。

「先生になったきっかけは桜良さんだったんですね」
ここまでの話を聞いた栗山は、春樹に言った。
しかし、教師になって6年を迎えたが、生徒と向かい合えていない自分に疑問を感じている春樹。
栗山はそんな春樹に「辞めないでね、先生。だって桜良さんが悲しむよ」と言うのだった。

恭子は春樹に「いい加減な気持ちで桜良に近づかないでほしい」と言いにきた。
中学時代、友達のいなかった自分にただ一人笑顔で話しかけてくれたのは桜良だった。
あの子がいなければ、今でもきっと一人ぼっち。
桜良以外に友達なんていらない。
そう語る恭子に、春樹は桜良への強い友情を感じるのだった。

桜良は、春樹と恭子を友達にさせたいと思っていた。
しかし、誰とも打ち解けようとしない春樹は学校で桜良のストーカーだと噂されているのだった。
誰にどう思われようと、自分は気にならない、と言う春樹。
桜良は、自分が春樹をどう思っているか知りたくない?と聞く。
しかし「答えは共病文庫にでも書いておこうかな!」と微笑む。
「私が死んだら読んでいいよ。君だけには読む権利を与えます」
桜良は春樹の目を真っ直ぐ見つめて言った。
約束、と小指を出す桜良、春樹も指を絡め二人は指切りで約束をした。

『生きていてほしい』

夜中に桜良から電話がかかってきた。
今から旅行に行こう、満開の桜がみたい、という言う桜良に不穏な空気を察した春樹。
急いで病院に駆けつけると、桜良はいつものような笑顔を見せていた。
そして、一回きりの真実と挑戦ゲームをしたい、と言い出した。
春樹は、聞きたいことがあるなら直接聞けばいい、と言うが、桜良はそんな勇気が無いから運任せにするのだ、と言う。

しかし、ゲームは春樹が勝ってしまった。
真実を選んだ桜良に春樹は質問をする。
「君にとって僕は・・・、いや、君にとって生きるってどういうこと?」
しばらく考え、桜良は話し始めた。
「誰かと心を通い合わせる事、誰かを認める、好きになる、嫌いになる、~自分一人じゃ生きてるって分からない」
そして、隣に座る春樹にもたれかかり「だから、こうして君といられてよかった。君がくれる日常が私にとって宝物なんだ」と話す。
「私に生きててほしいの?」と、桜良に聞かれた春樹は「とても」と答えた。
それを聞いた桜良は、必要とされている喜びで春樹を抱きしめた。
退院したら一緒にまた旅行しよう、一緒に満開の桜を観に行こう。
二人は、そう約束をするのだった。

「桜良さん、何を聞きたかったんでしょうね」
栗山に聞かれ、春樹はそれは聞けずに終わったんだ、と話す。
自分は甘えていた。彼女が残り少ない余命をまっとうするものだと思い込んでいた。
明日どうなるかなんて、誰にもわからないのに・・・。

『突然の別れ』

桜良の退院が決まった。
春樹は宮田から、今の時期でも桜が咲いている地域を教えてもらう。
退院の日に待ち合わせをし、その足で桜の咲く北海道へ行く予定を春樹は計画していた。
カフェで待ちながら、春樹はいそいそと旅行の計画を立てていた。
喜びでいっぱいの桜良とのメールのやりとり、春樹は桜良へ伝えたい想いを送ろうとする。
「君は強い、勇敢だ。生きることを愛し、世界を愛し、人を愛し、自分を愛している」
君は本当にすごい、白状すると、僕は君になりたい。
誰かともっと心を通わせ、生きてるって感じられるように・・・。
しかし、こんな言葉では100並べても言い足りない、と文章を削除した春樹は、一言だけ送った。
「君の膵臓をたべたい」

それっきり、返信は無かった。
何時間待っても桜良は現れず一人帰る春樹は、ビルの大型モニターから流れるニュースに立ち止まる。
夕方、通り魔による殺人事件があり、刺殺された女性は桜良だった。

『共病文庫』

桜良の突然の死に、春樹はしばらく動くこともできず過ごしていた。
葬式にも出られず、学校も行かず、そうして一カ月が過ぎた。
しかし、どうしても「あれ」を読まないといけない。
春樹は、桜良の家に向かった。

焼香を済ませ、礼を言う桜良の母親に春樹は言った。
「実は彼女の病気のこと知っていました。本当は怖くて来る勇気がありませんでした。でも、どうしても見せていただきたくて・・・、共病文庫を」
その言葉を聞いた母親は驚き、そして「あなただったのね・・・」と目を潤ませた。
母親は生前の桜良から、託された共病文庫を持ってきた。
「自分が死んだら、この日記をある人に渡してほしい、たった一人共病文庫のことを知っている人がいるから、って」と、桜良の言葉を伝えた。

春樹は共病文庫を手に、静かに読み始めた。
そこには、春樹に初めて病気のことを知られた日のことや、初めての旅行、真夜中に春樹が見舞いに来てくれたこと、など二人で過ごした短い日々がしたためられていた。
そして、いつも笑顔だった桜良からは想像もできない、どんどん重くなる病気の症状も記されていた。
そして、退院の日に春樹と桜を見に行ける喜びに溢れた桜良の日記は「今から会いにいくからね」という言葉で終わっていた。
目を輝かせ、自分の元へ向かっている桜良の笑顔が目に浮かんだ。
言葉を詰まらせる春樹に「本当にありがとう。あの子はあなたのおかげでしっかり生きることができた」と母親は言った。
「お母さん、ごめんなさい・・・、もう泣いてもいいですか?」
春樹は堪えきれず、いつまでもいつまでも嗚咽し続けた。

『桜良が隠した宝物』

図書館の整理もあとわずかとなったが、最後の本の分類がめちゃくちゃだと栗山がボヤく。
これなんて、落書きされてるし、と見せられた図書カードには桜良がよく描いていたスマイルマークがあった。
桜良は、いつも本の分類をきちんと整理せず「頑張って探して見つけた方が嬉しいでしょ?宝探しみたいで」と笑っていた。
これは、桜良が仕掛けた宝探し!春樹は必死にその一冊を探した。
そして、桜良が大好きだった「星の王子様」に挟まれた二通の手紙にたどり着いた。
一通は春樹に、そしてもう一通は恭子あての手紙だった。

春樹は手紙を手に、恭子の元へ向かった。
返事を出せずじまいの結婚式、今日が式の当日だったのだ。
式場に着いた春樹を、大人になった宮田は中学時代と変わらない屈託さで迎え、恭子の元へ連れて行ってくれた。
突然の再会に恭子は驚き、春樹はおずおずと出欠の返事が出せなかったこと、こんな格好で場違いなことを謝った。
そして「どうしても伝えたいことがあって・・・」と桜良からの手紙を渡す。

手紙には、恭子が大好きだったこと、だから恭子との時間を壊す勇気がなくて病気のことが言えなかったこと、そして素敵な人と結婚して必ず幸せになってほしい、と書かれていた。
手紙の最後には「私の仲良しくんとも、友達になってね」とあった。
春樹は「こんなに遅くなってごめん・・・、僕と友達になってもらえませんか?」と言い、恭子は泣き崩れながらも「はい、・・・って、なんでこんな時に!バカ!」と、春樹を泣き笑いで睨むのだった。

春樹と栗山は、取り壊される図書室を並んでみていた。
どこか高校時代の自分と似た面影のある栗山を、応援したいと思う春樹。
教師を続ける決意をした春樹は、桜良からの自分あての手紙を思い返していた。

「拝啓、志賀春樹くん。やっと見つけましたね。
遅い、遅い!春樹。春樹って呼んでいい?」
と始まった手紙には、ずっと名前で呼びたかったと書いてあった。
短い間だったけど、そばにいてくれたことへの感謝と、そしてあの日病室で聞きたかったことが明かされていた。
「それは、どうして名前で呼んでくれないの?ってこと。
私の名前、一回も呼ばなかったでしょ?
最初からずっと、君、君、君、ひどいよね。
でもね、気づいたんだ。
いずれ失うってわかってる私を友達や恋人、君の中の特別な誰かにしたくないんだって。」
そして、桜良はそんな春樹にずっと憧れていたのだ。
誰とも関わらないでたった一人で生きている、強い春樹に。
だから、その勇気をみんなにも分けてあげてください、沢山の人と心を通わせて私の分まで生きて、と書かれていた。
手紙の最後には、こう記されていた。

「私ね、春樹になりたい。春樹の中で生き続けたい。
ううん、そんなありふれた言葉じゃだめだよね。
そうだね、君は嫌がるかもしれないけど、私はやっぱり、君の膵臓をたべたい」

感想

原作既読なのですが、読む前に何となくストーリーは知っていました。
「はは~ん、泣かせようって魂胆だね!悪いけど私は簡単に泣かないよ」なんて高をくくって読むと、目が腫れるほど号泣してしまいました(笑)

セカチュー路線だと思っていたので、あちらは映画も小説も全く泣けなくて(でも、森山未來と長澤まさみの二人はよかった!)。
若くして不治の病にかかっている女子高生と、残される男子高生。
確かに、類似点はあるけれど、なぜこの「キミスイ」はこんなに泣けたのでしょうか?
小説の方は、実は終盤まであまり感動はなかったんです。
桜良の天真爛漫さが「明るすぎるなぁ」と目についてしまって、しんみりとしなかったんです。

しかし、まさかの桜良の最期に、胸が一気にざわついてしまいました。
死が現実感の無いまま、リアルなものとなり、明日という日が来るのは当たり前じゃない、と思い知らされたのです。
そしてそんな心の動揺に、桜良の母親の「あなただったのね」という言葉が火をつけて、鳥肌ぶわ~っで、涙腺が崩壊してしまったのです。
これ、意図的に読者の気持ちを揺さぶる手法なのでしょうか?すごいですよね。

そして、映画ですが個人的には原作よりも良かったです!
小説を読んで、桜良の明るい笑顔をずっと思い描いていました。
映画の浜辺美波さん演じる桜良も原作通りのいつも明るい笑顔ですが、儚くて本当に消えてしまいそうな存在感に胸打たれました。
また、春樹を演じた北村拓海くんの演技が素晴らしい!
イケメンなんだけど、リアルにクラス一の地味男に見える雰囲気、そして表情を大きく変えていないのに感情がちゃんと表現されてて「ああ、春樹ってこういう男の子だったんだ」と実感しました。
小説の映像化では、会いたかった登場人物に会えることが最大の醍醐味です。
この映画には、私が会いたかった桜良と春樹がいました。

二人の関係の描き方がすごく良いんですよね。
恋愛感情とも、友情とも、どちらにもとれて、お互いが認め合い憧れ、そして惹かれあう、その関係が眩しかったです。
そのお互いがお互いを想う気持ちを、表現する言葉が「君の膵臓をたべたい」。
映画を観終わったら、この特異なタイトルが、「愛してる」よりも深い深い愛の言葉として心に染み入ります。

原作にはない12年後の設定も、こういう場合「要らんやろ」となりがちですが結構良かったです。
ただ、手紙読むのが12年後って本当に「遅い、遅い!」ですけどね(笑)
泣くけれど、苦しくならない、希望に満ちた優しいラストに、泣きながらも笑顔になれる、本当に素適な映画でした。

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