「セトウツミ」のあらすじ・感想・ネタバレ~熱い汗や涙なんてなくていい!喋るだけの青春があったっていいじゃないか!~ | VODの殿堂

映画

「セトウツミ」のあらすじ・感想・ネタバレ~熱い汗や涙なんてなくていい!喋るだけの青春があったっていいじゃないか!~

   
 

タイトル:「セトウツミ」
公開:2016年
監督:大森立詞
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、成田瑛基 ほか
視聴したVOD:dTV(2018年7月27日時点では視聴可)

此元和津也による漫画原作の映画です。
大阪の男子高生、瀬戸と内海。
見た目も性格も正反対な二人が放課後に川辺でただ喋る、そんな会話劇のひと味違った青春映画です。

主演に、池松壮亮と菅田将暉。
実力と人気を兼ね揃えた邦画界の若手ホープ二人が、会話のみの演技で魅せてくれます。

青春って、判りやすい汗と涙だけじゃない、くだらないことを喋りあうのだって青春!
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

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【あらすじ】

『第1話 セトとウツミ』

川辺の石段に座り、マクドナルドを食べる二人の男子高生。
メガネでクールなインテリ男は内海想(池松壮亮)、ツンツン頭でおバカそうな男は瀬戸小吉(菅田将暉)。
「明日からテスト、嫌やな」と瀬戸が言えば、「暑いなぁ、5月やのに」と返す内海。
「このポテト長ない?こんなジャガイモあるか?」と、つまんでいたポテトの長さに驚く瀬戸に「塾行くの嫌や」とこぼす内海。
全くチグハグで会話のかみ合っていない二人。

いつもクールな態度の内海に、瀬戸は「お前は人見下しとるというか、全員アホに見えとんやろ?」と言う。
自覚症状はない、と言う内海に、他覚症状が半端やないって!とツッコ瀬戸。
そして、瀬戸は内海が学校一の不良の鳴山(成田瑛基)に「お前の顔がむかつく!」とからまれた話を持ち出して、人見下してるのが顔に出ている、と言う。
「ちょっと神妙な顔してみぃ」と瀬戸に言われ、内海はやってみた。
ちょっとワロてるやん、ほなお前やってみぃ、とお互いに神妙な面持ちをし合う二人。
グダグダの会話は延々と続く。

ふと前を見ると、さっきから川面を見つめて立っている中年の男がいる。
気になった二人、内海が男の顔を盗み見しにいくが、顔を見たところで何もわからない。
すると、そこに瀬戸が憧れる女子、樫村一期(中条あゆみ)が通りかかる。
瀬戸は内海に「彼氏おるか聞いてきて!」と頼むが、無論聞きに行くわけがない。
そうこうしていると、向こうから例の不良、鳴山が歩いてきた。
慌てて立ち上がり一礼する二人だったが、鳴山は川辺に立っている男の方へ向かっていく。
その男は、鳴山の離婚した父親だったのだ。
鳴山が18歳まで、との約束で渡してきた仕送りのお金、今日がその最後のお金を渡す日。
「困ったことあったらいつでも頼ってくれ」という父親に「今までありがとう」と言う鳴山。
思わぬ感動の場面に、瀬戸と内海はリアルに神妙な面持ちになったのであった。

『第2話 アメとムチ』

また川辺で座っている瀬戸と内海。
さっきからニヤニヤして「びっくりしたなぁ~、まさかあんなことになるとはなぁ~」と明らかに何か聞いてほしそうな瀬戸。
仕方なく内海が聞くと、瀬戸は「樫村さんのアドレスをゲットした!」と嬉しそうに報告する。
これから送る予定のメールの文を内海に見せるが、男らしすぎて犯行声明文のような怖い文章にダメ出しする。
そこに、瀬戸の母親が通りがかり「はよ帰ってきいよ!今日は初日のカレーやで!」と言って去っていく。
そこで、樫村さん宛てのメールは無難に「どんな食べ物が好き?うちは今日カレー」といった内容にした。

瀬戸は、樫村さんをメロメロにしたい!と内海にどうすればいいか尋ねる。
内海は、女性には「飴と鞭」が必要で、執着しないことだと答える。
瀬戸は、そんなことを言う内海に「実際モテてるの?」とバレンタインデーに貰ったチョコの数を聞く。
「1個」と答えた内海を盛大にバカにし「俺、12個!」と自慢する瀬戸。
しかし、余裕のある表情の内海に瀬戸はハッとする。
「その1個って、まさか樫村さん・・・?」
そして、樫村さんからの瀬戸への返信があったが文の最後に「ところで、どちら様?」とあった。
直後に内海の携帯に「知らん人からメールがきて怖い」と樫村さんからメールがあり、撃沈する瀬戸であった。

『第3話 イカクとギタイ』

季節は移り、夏になっても相変わらず川辺に 座って喋る瀬戸と内海。
「もっのすごい面白い遊び思いついたんやけど!」という瀬戸。
「ぜっったいに、オモロないって、それ」と言う内海。
その遊びは「節がある選手権」、言葉の語尾に「節がある」を付けて言い合う、という他愛もない遊びだった。
乗り気じゃないような内海だったが、「瀬戸ってアフリカオオコノハズクみたいな、節があるよな」と、いきなり始めた。
アフリカオオコノハズクとうフクロウは、弱い相手には体を大きくして威嚇するが、強い相手には体をしぼませて小さくなるという擬態をする。
瀬戸が、鳴山にからまれて小さくなっていたのに、行ってしまうと啖呵を切っていた時のことを揶揄したのだった。
それを聞いて怒り出す瀬戸、そしてお互いに揚げ足取りのような「節がある選手権」になり、ギスギスしてしまう。
すると、二人の背後に鳴山の姿が。
瀬戸と内海は、咄嗟にアフリカオオコノハズクのように身をすぼませるのだった。

『第0話 内海想の出会い』

内海が瀬戸と出会う前の話。
内海は、学校が終わってから塾までの一時間半の時間をどうつぶすか考えていた。
学校で誰とも関わらない内海には、友達と呼べる存在はいない。
クラスメイトが「なんで学校でしゃべれへんの?何か部活でもやったら?」と声をかけてきたが、大きなお世話だった。
川辺に座って音楽を聴いて時間を潰していると、「何聴いてるん?」と、樫村が声をかけてきた。
塾までの時間をつぶしている、と答えると「内海くんも何か部活やったら?」と、きた。
どいつもこいつも・・・、内海はウンザリだった。
走り回って汗かかなあかんのか?
何かクリエイティブなことせなあかんのか?
この川で暇をつぶすだけの青春があってもいいんちゃうんか?

「誰やねん、おまえ?」
唐突に聞かれ、顔を上げるとサッカー部の瀬戸という男が立っていた。
「それ、俺のセリフでもあるぞ・・・?」と言い返す内海に、瀬戸はかまわず隣に座って続ける。
「ちょお、聞いてくれや!俺、めっちゃ虫嫌いやん?」
いや、知らんし・・・、なんだ、この男は?
部活を辞めて暇になった瀬戸と、塾までの時間を埋めたい内海。
自分とは正反対の瀬戸、話せば話すほど「こいつアホや」と思う内海。
しかし、誰かと一緒でもウンザリしないのは初めてだった。
こうして、二人の川辺での時間が始まったのだった。

『第4話 先祖と子孫』

夏休み、いつもの川辺で花火をする二人。
しかし、最後の打ち上げ花火が不発で飛ばず、ガッカリしてしまう。
瀬戸は、夏休みどこも行けなかったと愚痴り、内海は「何もなかったん?」と聞く。
すると、部屋に引くくらい大きなクモが出た!と虫嫌いの瀬戸は嘆いた。
そこで、クモが苦手な「木酢液」を置いたら、クモは出て行かずにお祖父ちゃんが出て行ってしまい、それから3日帰ってこない、と言う。
内海は、お盆だから、お祖母ちゃんがクモになって帰ってきたのに木酢液で追い出そうとするからお祖父ちゃんが出て行ったんだ!と言うが「お祖母ちゃん、生きとるわ!」と言われてしまう。

内海は「この川で昔殺人事件があってな」と怖い話を始め、瀬戸はすっかりビビってしまう。
すると、向こうに怪しげな人物がいるのをに内海が気づき、「幽霊!?」と、ますます怯える瀬戸。
フラフラと近づいてくる人物を二人が凝視していると、先ほどの不発の花火が今頃発火した。
火が飛んできた!熱い!と、幽霊と花火ですっかり狼狽する瀬戸に慌てる内海。
そんな二人の横を通っていく、先ほどの怪しい人物を見て瀬戸が一言。
「お祖父ちゃん・・・?」

『第5話 瀬戸小吉の憂鬱』

瀬戸は、母親からしょっちゅうメールがくると内海にぼやく。
父親はギャンブルに狂っており、夫婦仲は上手くいっていない。
以前にも瀬戸から「親、離婚するかも」と聞いていた内海は「人と人との繋がりは難しい」と呟く。
「なんかもう、一人で生きたくなってきた」と、嘆く瀬戸。
二人でしんみりとしていると、目の前に瀬戸の両親の姿が。
ギャンブルに負けて大仰に落ち込む父親に「しっかりしいや!」と尻を叩く母親。
そんな二人を見て「ほんまに離婚するん?いい夫婦やん」と、内海は言うのだった。

『第6話 出会いと別れ』

今日は瀬戸の誕生日。
内海は川辺でいつも大道芸をやっているバルーンさんに協力してもらって、サプライズを考えていた。
瀬戸がやってきて、「今日な・・・」と言いかけたのを「わかってる!」と遮り、瀬戸の頭にバルーンアートで作った花冠、そして派手なバースデーサングラスをかけた。
「誕生日おめでとう!瀬戸!」
クラッカーを鳴らして、内海とバルーンさんは笑顔で祝福するが瀬戸のテンションは低い。
プレゼントに、瀬戸が集めているガチャガチャを渡したが、瀬戸の表情は浮かないままだ。
実は今日飼い猫のみーにゃんが死んだ、と告げる瀬戸。
誕生日なのに不幸な話に、内海もバルーンさんも言葉を失ってしまう。

「命っていうのは例外なく終わりを告げるもんやし、みーにゃんは間違いなく幸せやで」
なんとか励まそうと、そう言葉をかけるが、瀬戸はかぶっていたバルーンとサングラスを内海に渡して「これ付けてもう一回言って」と頼む。
仕方なく装着し、もう一度同じセリフを言うが「バカにされてる気がする!」と怒る瀬戸。
さらに、内海のプレゼントに「ガチャガチャって!」と、いちゃもんを付けて、スマホカバーが欲しかったのに、と訴える。
明日買いに行こうと内海が言うと、ガチャガチャも4回やりたい、とリクエスト。
さらに「俺の良いところ10個言って」と言い出す始末に、「ペットが死んだら願いってこんな叶うん?」と内海は呆れる。
そこに、みーにゃんによく似た野良猫が通りかかった。
みーにゃんがお別れしにきたのかも、という内海の言葉を聞き、瀬戸は猫を抱きしめ泣いた。

『エピローグ 樫村一期の想い』

樫村一期は由緒ある寺の長女である。
妹の名前は一会、姉妹合わせると、「一期一会」だ。
樫村には、この出会いを大切にしたい、と思える人がいた。
しかし、その想い人である内海想は自分に全く興味を示してくれない。
樫村に対してだけでなく、他人に興味のない内海が唯一関心を持っているのが、瀬戸だ。
放課後、内海は瀬戸が待っている川辺に一目散に向かう。
「内海くんってゲイなん?」と聞いてみたが、女はすぐに自分に興味がない男をそう決めつける、と鼻で笑われた。
樫村は、カッとなって内海の頬を平手打ちしてしまう。

川辺では、寒さに震えながら内海を待つ瀬戸。
瀬戸は樫村に、三人で一緒に川辺で喋ろう!とメールで誘っていたが、樫村からは「私、内海くんに嫌われてるから」と返信があった。
瀬戸は「俺は樫村さんのこと好きやで!!」と返信を打つも、ためらって送信できずにいた。
代わりに、内海に「早く来い!」「寒いわ!」とメールを送りまくる。

瀬戸の元にやってきた内海は、買ってきた温かい缶の飲み物を瀬戸に渡した。
並んで座った二人を見つめ、樫村は思う。
彼らもまた、この出会いを大切にしているんだ、と。
ちょっと、ムカつけど。
樫村は、諦めたように微笑んで帰っていく。
冬の早い夕暮れが、瀬戸と内海を包んでいた。

感想

観始めてすぐに「面白いっ!」と思ったんだけど、この映画を選んだこと後悔しました。
だって、この映画はあらすじを文章にしても、面白さが絶対に伝わらんやつだもん!
ほぼ、瀬戸と内海の会話だけで成り立っているのだから、その会話を全部並べて書いたとしてもあの独特のテンポは通じないし。
なので、このあらすじを読んで「面白くなさそうだな」と思っても、それは私の文筆力不足のせいであり、映画は本当に面白かったので観てください!(笑)

二人の男子高生が座って喋るだけの映画、なのにしっかりと青春が詰まっています。
クールな孤高の内海は、とにかく瀬戸が大好き。
そんな素振りは見せないけど、むしろ邪見にしているけど、好きオーラ滲み出ています。
瀬戸だって内海のことを好きだろうし、親友と思ってるかもしれませんが、瀬戸の脳内には樫村さんがいたり他のことも占めています。
だけど、内海の脳内は瀬戸率が半端ないと思いますね。
瀬戸に夢中、といってもいいかもしれない(笑)

そんな内海の瀬戸愛も微笑ましく、また瀬戸という男は本当に愛すべきキャラです。
菅田将暉って、色んな役を演じられるカメレオン俳優だけど、こういうちょっとバカな単細胞っぽい役柄を演じているのが個人的に好きです。
彼が演じると、おバカな中にほんの少し哀しさがあっていいんです。
この瀬戸役とはちょっと違いますが「そこのみて光輝く」の時の演技がとても好き。

池松壮亮の関西弁が少しおかしかったけど、内海の理屈っぽい喋り方としてはいいかもしれません。
菅田将暉と中条あゆみは大阪出身なので関西弁はバッチリでした!

自分の高校時代、ドラマチックなことは起きなかったけど、後から「青春だったな」と思える些細なことが沢山ありました。
そんな青春がこれでもか!と溢れている映画です。
観終わったあと、甘酸っぱいような心地よいノスタルジーに浸れました!

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