「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじ・感想・ネタバレ~愛おしく忘れられない、でももう二度と会うことのない恋~ | VODの殿堂

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「ジョゼと虎と魚たち」のあらすじ・感想・ネタバレ~愛おしく忘れられない、でももう二度と会うことのない恋~

   
 

タイトル:「ジョゼと虎と魚たち」
公開:2003年
監督:犬童一心
出演:妻夫木聡・池脇千鶴・上野樹里・新屋英子・新井浩文・江口のりこ・板尾創路 他
閲覧したVOD:dTV(2017年11月5日現在視聴可能)

原作は芥川賞作家の田辺聖子、足の不自由な少女「ジョゼ」と今どきの大学生「恒夫」が不思議な縁で出会い惹かれていくラブストーリーです。

主演の2人妻夫木聡と池脇千鶴の心揺さぶる演技、切ないラスト、恋愛の痛みやどうしようもなさを瑞々しく描いた恋愛映画の傑作として今もなお人気の高い作品です。

共演には、上野樹里、江口のりこ、新井浩文、と個性あふれる共演者が揃っています。

心に染みる恋愛映画「ジョゼと虎と魚たち」、ではあらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

『ジョゼと虎と魚たち』配信先一覧
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Amazonプライム・ビデオ
※配信状況は2019年10月11日(金)時点のものです。
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【あらすじ】

「謎の老婆と乳母車」

恒夫(妻夫木聡)は軽薄で呑気な大学生。
大学生活も女の子との付き合いも軽いノリで適当に楽しくやっていた。

恒夫はバイト先の雀荘で、明け方に乳母車を引く怪しい老婆の噂を聞く。
乳母車に麻薬を乗せて運んでいる、ヤクザに雇われているなど物騒な噂ばかりだ。
ある日、雀荘の店長の愛犬の散歩を頼まれ夜明けの街を歩く恒夫は勢いよく坂道を転がっていく乳母車を目撃する。
坂道の上から老婆に助けを求められ、乳母車を覆っている布をそっと剥がすと包丁を握りしめ怯える一人の少女(池脇千鶴)が乗っていた。
この二人こそ、噂になっている乳母車と老婆だった。

少女は生まれつき足が悪く歩けず、老婆は孫を「壊れ者」と恥じて存在を隠し毎日明け方に乳母車に乗せて散歩をさせていた。
恒夫は老婆に招かれて二人の家で朝食をご馳走になる。
少女の作るご飯はとても美味しく、恒夫は思いっきり食べた。
口が悪く妙に達観したような雰囲気の少女、古びたガラクタや本がいっぱいのその部屋に恒夫は不思議と居心地の良さを感じるのだった。

「散歩の理由」

恒夫は大学の同級生で可愛く人気のある香苗(上野樹里)に好意を持っていた。
とは言え、香苗の友達と体の関係があったり恒夫のノリはどこまでも軽い。

ある日、恒夫はバイト先の雀荘で乳母車の老婆の謎を探ろうとしている輩の存在を知る。
二人のことが心配になり再び訪ねると、少女は顔にケガをしていた。
散歩中に襲われてケガをしたと言い、でも「うちも包丁で戦った」と平気な顔で言う少女に散歩はやめたほうがいいと恒夫は忠告する。
しかし、散歩はやめないという少女は「色々見なあかんもんがある」と真剣な顔で言う。
何を?と聞くと「花や猫とか」と答える少女に思わず爆笑する恒夫。

不愛想な少女も少しづつ恒夫に心を開いていく。

「ジョゼ」

恒夫は香苗と親密になり、少女の話を面白おかしく聞かせる。
少女が椅子から降りる時にドスンと飛び降りるという話をすると、福祉に興味がある香苗は「補助金制度を使って家の中を改装したらどうか?」と提案するのだった。

実家の九州から野菜や明太子が送られて、恒夫はそれを少女の家に持っていく。
一緒に料理を手伝い、恒夫は初めて少女に名前を聞いた。
「ジョゼ」と名乗る少女、もちろん本名ではないが恒夫は「ジョゼか、良い響きだね」と褒める。
家には老婆が拾ってきた沢山の本があり、ジョゼは本が好きだ。
中でもサガンの「一年ののち」という本が大好きで、ジョゼはその本の主人公の名前だ。
ジョゼはその続編があるらしいのだが知らないか?と恒夫に聞く。
恒夫は古本屋で見つけてジョゼにプレゼントした。
いつもしかめっ面のジョゼが初めて笑顔を見せながら夢中で読む姿に恒夫も嬉しそうだ。

恒夫はジョゼの乳母車にスケボーを付けて改造し、初めての昼間の散歩を二人で楽しむ。
ジョゼは自動車整備工場で働く幸治という青年を「うちの息子や」と言って紹介するが、どう見ても息子ではない。
ジョゼと幸治は幼い頃同じ施設で育ち、一緒に脱走したことがあった。
その時からジョゼは「あんたの母ちゃんになったる」と言って、幸治を気にかけているのだった。
ジョゼの色々な面を知るたびに恒夫は嬉しいような不思議な気持ちになるのだった。

「初めての感情」

恒夫が申請し補助金がおりたので、ジョゼの家をバリアフリーに改装することになった。
ジョゼは工事の間は押入れの中に隠れて本を読んでいた。
そんなジョゼにちょっかいを出す恒夫、偶然二人の指が触れとっさに手を引っ込めるジョゼの手を恒夫は握りしめる。

しかし、その時香苗が現れた。
福祉の勉強の参考のために見学させてほしいという香苗。
改装業者の男から「彼女?べっぴんさんやなぁ」とからかわれ、恒夫は複雑な表情を浮かべる。
そんな二人を見てジョゼはそっと押入れの戸を閉めるのだった。

夜、たこ焼きを持ってジョゼを訪ねる恒夫。
しかし、ジョゼは顔を見せず戸に向かって本を投げつけ「うるさい!」と泣き叫ぶ。
驚く恒夫に老婆は、もうここへは来るな、と言うのだった。

「通じ合う気持ち」

それから数か月、恒夫は就職活動の真っ最中で、香苗との付き合いも順調だ。
しかし、就活で以前ジョゼの家を改装した業者へ面接に行き、そこでジョゼの祖母が亡くなったことを聞かされる。
急いでジョゼの家に向かう恒夫。
ジョゼは冷静で、週に何度か福祉の人が来てくれるしどうにかやってると話す。
しかし、朝のゴミ出しは福祉の人が来るのが昼だから間に合わない、近所に住む男に胸を触らせる代わりにゴミ出しを頼んでいると言うのだ。
とがめる恒夫に、あんたには関係ないと怒りだし「帰れ」と叫ぶジョゼ。
本当に帰ろうとする恒夫に、ジョゼは泣きながら「帰れと言われてほんまに帰るようなやつは帰れ」と背中を叩く。
そして「帰らんとって…ずっと一緒にいて」とやっと本音を言うジョゼを恒夫は抱きしめ二人は結ばれるのであった。

ジョゼと恒夫は一緒に暮らし始める。
動物園に行き、「好きな人が出来たら一緒に世の中で一番怖い物を見たかった」というジョゼは虎を見て怯えながらも幸せを感じていた。

ある日、ジョゼは香苗に呼び出される。
香苗は「あなたの武器が羨ましい」と足の不自由さを理由に恒夫を奪ったっと罵り、ジョゼは「なら、あんたも足を折ったらいい」と返す。
香苗はジョゼの頬を叩き、ジョゼも叩き返し、香苗はその場を去っていった。

「それぞれの道」

一年後、ジョゼと恒夫はまだ一緒に暮らしていたが二人の間には微妙な空気があった。
社会人になった恒夫は街で偶然に香苗と再会する。
キャンペーンガールをしていた香苗は、一年前にジョゼを殴ったことを打ち明け、福祉の夢も諦めたことを泣きながら話し、恒夫はそんな彼女をなぐさめ二人は和解する。

恒夫は実家の法事にジョゼを連れて帰ることにした。
幸治に車を借りての初めての旅行にジョゼは子どものように大興奮だ。
魚が見たいというジョゼを水族館に連れて行くが、その日は休館日だった。
諦めきれないジョゼは恒夫の背中で駄々をこねて悪態をつき、恒夫はウンザリした顔を見せる。

ジョゼは、移動の時は全て恒夫がおんぶしている。
車いすを買おうと提案するが「あんたがおぶってくれたらええ」というジョゼは聞く耳をもたない。
「俺も歳をとるんだから勘弁して」と冗談めいて言う恒夫、しかしジョゼの重さがそのまま自分の人生に圧し掛かるように感じ始める。

恒夫は実家にジョゼを連れて帰るのをやめた。
電話で仕事のために法事に行けないと嘘をつき、そのまま二人は行き先変更で海へ向かう。
砂浜で楽しい時間を過ごした二人、その夜は「お魚の館」というラブホテルに泊まった。
抱き合った後、眠りに落ちる恒夫に向かってジョゼは語る。
自分は今まで深い海の底にいて、でも寂しくはなかった、と。
もう、二度とその場所には戻れない、(恒夫がいなくなったら)海の底を迷子の貝殻みたいに転がるだけや…
「でも、まぁそれもまた良しや」と微笑み恒夫に寄り添い眠るのだった。

数か月の後、二人に別れが訪れた。
別れの日も二人は淡々としており、理由は色々あるのだが本当は一つ、恒夫は自分が逃げ出したと悟っていた。
ジョゼと別れた後、香苗と待ち合わせて歩きだす恒夫は突然泣きだしその場に崩れ落ちる。

一人になったジョゼ、電動車いすを使い買い物に行き、食事の支度をしている。
台所の椅子から以前のようにドスンと飛び降りるのであった。

感想

この映画は悲しい物語だと聞いていました。
報われない切ないエンディングだと聞いていたのですが、だけど実際は少し違いました。
結末は、単純に恒夫は障害のあるジョゼを捨て香苗を選んだ、という事実だけで終息する話ではなかったです。
ジョゼとの恋愛と別れを恒夫はきっと数年、もしかしたら一生引きずるかもしれません。

ジョゼも一生忘れない、でも引きずるのとは違います。
恒夫と別れた後の最後のシーンのジョゼは、髪をきちんと結いこざっぱりとした恰好をして凛としており、今までのどこか浮世離れしたようなジョゼではなかったです。
ジョゼは、恒夫との恋愛で現実を見据えられる女性になったんだなって思いました。

元々、ジョゼは強い女性なのでしょう。
ホテルで語った話からわかるように、恒夫と別れる前からこうなることは予測していたジョゼ。

これからのジョゼの人生どうなるのかな?と、続編を期待するような気持ちとは別の続きを想像する楽しみがあります。
だからバッドエンドではなく、希望のある最後でした。

主演の二人の演技、とても良かったです。
特に池脇千鶴のジョゼは本当に特別な存在感を放っていました。
健常者と障害者の恋愛、っていう枠をはみ出したような内容で、でもやっぱり難しいなって考えさせられましたね。

映像も美しく、登場人物のキャラクターも良し、すごく良い映画でした。

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