劇場版カードキャプターさくらのあらすじ・ネタバレ・感想~好きって気持ちを伝えたくなる物語でした~ | VODの殿堂

映画

劇場版カードキャプターさくらのあらすじ・ネタバレ・感想~好きって気持ちを伝えたくなる物語でした~

   
 

タイトル:劇場版カードキャプターさくら
公開年:1999年
監督:浅香守生
キャスト:木之本桜:丹下桜/ケルベロス:久川綾/大道寺知世:岩男潤子/李小狼:くまいもとこ/月城雪兎:緒方恵美/木之本桃矢:関智一/木之本藤隆:田中秀幸/李苺鈴:野上ゆかな/クロウ・リード:林一夫/魔道士:林原めぐみ
視聴:DVD

カードキャプターさくら『クロウカード編』が放送されている時に公開された映画です。
観客動員数は50万人以上を記録しており、2017年にはリバイバル上映も行われました。

商店街の福引で特賞を当てたさくらは、冬休みに桃矢、雪兎、知世と一緒に香港旅行へ出かけることになります。
しかし、香港についてからさくらは不思議な夢を見るようになります。
ケルベロスはかつての主クロウ・リードの言葉を借り、「世の中に偶然はない。あるのは必然だけ。」と言い、さくらが香港旅行を当てたのも何か理由があるのではないかと考えていました。

さらに、偶然再会した小狼と苺鈴の案内で、李家を訪れると、小狼の母に「危険が迫っている。」と警告をされてしまいます。
その警告どおり、さくらはたまたま開いた本からあふれた水に飲み込まれ、夢の魔道士と対峙することになりました。
夢の魔道士に捕えられた桃矢たちを救出するため、さくらは香港の空を飛びまわります!

『劇場版カードキャプターさくら』配信先一覧
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※配信状況は2019年10月16日(水)時点のものです。
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あらすじ

矢ーアローー

友枝小学校に現れた【矢ーアローー】を封印するため、さくらは深夜の校庭を【翔】飛び回っていた。

【矢】が放った矢は雨のようにさくらに降り注ぎ苦戦を強いられたものの、小狼の協力もあって動きを封じることに成功。

「汝のあるべき姿に戻れ!!クロウカード!!」

「よっしゃ、ようやったで!!さすがワイが見込んだことだけはある。な、カードキャプターさくら!」

夢 ①

【矢】を封印し、帰宅したさくらは不思議な夢をみた。

ボロボロになった建物でさくらの足元は水があり、その中から現れた布に捕えられて水の中に沈められる。

(あれ…苦しくないや…。)

『水は、流れゆくものですよ。』

さくらは水底に沈みながら、男性の声を聞く。

『水は…流れゆく…ものですよ。』

そこでさくらの夢は終わりを迎えた。

特賞

友枝小学校は終業式の日を迎え、明日から冬休みに入る。
通知表を貰ったさくらは、成績が落ちていないことに安堵し、後ろの席に座る小狼も厳しい母が納得するであろう成績を取ることができたようでホッとした様子。

放課後、さくらは知世と一緒にツインベルを訪れ、冬休みの宿題用のノートを購入するとちょうど友枝商店街で福引が行われていたようで「一回どうぞ。」と箱を差し出される。
特賞は香港旅行で、すでに何人かチャレンジしたようだがみんな参加賞だったらしい。

「ほえ…?あ、あれ…?」

さくらは箱の中に手を入れたのだが、なぜか中にはいているボールに手が届かない。

箱の中に入ったボールはひとりでに浮かび上がり、さくらの手の中に収まったのである。

「ほえ!?」

さくらは恐る恐る手に収まったボールを取り出してみる。
それは金色に輝く特賞のボールだったのだ。

「特賞~~!?」

「じゃーん!!」

自宅に戻ったさくらは、さっそくケルベロスに特賞の目録を見せる。
香港はケルベロスにとっても懐かしい土地で、クロウ・リードと香港で生活していた時もあったそうだ。

冬休みを海外で過ごせるとワクワクするさくら。
藤隆は残念ながら仕事の都合で同行できないそうだが、さくら、知世、桃矢、雪兎の4人で香港へ向かうことに決まったのである。

香港

いよいよ旅行当日。
さくらは初めて乗る飛行機にドキドキしつつ、香港の地に足をつける。
用意されたホテルも立派なもので、さくらはケルベロスが入っているバッグをソファーに乱暴において窓の方へ走り出す。

「さくら~…っ。」

ケルベロスは低い声を出してさくらに怒りを露わにしていたが、久しぶりに訪れた香港の発展した姿に驚いて怒りを忘れてしまったようだ。

「ホンマに変わってしもうたな~。」

「ケロちゃんが香港にいたのって、ものすご~く昔のことだったのね。」

「けど…気配は変わってない。昔と同じ魔の気配がする。日本ではもう薄まってしもた懐かしい気配や。」

そう言ったあと、ケルベロスは少し考え込む素振りを見せる。
ケルベロスはくじ運がよさそうではないさくらが、特賞を当てたことに引っ掛かっているようだ。

「世の中に偶然はないっちゅーんが、クロウの持論やった。さくらが特賞当てたんもなんや意味があるんかもしれんと思ってな…。」

そう言い終わった後、ケルベロスは「香港の気に当てられてしもうたかもしれんな!」と笑い飛ばしていたが、さくらたちの上には監視するように見つめる鳥の姿があることに誰も気が付いていなかったのである。

夢 ②

さくらはその夜、再び不思議な夢を見る。

(まただ…。)

さくらはその場を見渡してみると、不思議な鳥がさくらのことをジッとみていることに気が付く。

そしてさくらの背後には、不思議な格好をした女の人が宙に浮かんでいる。

(誰…?)

さくらはその女性から伸ばされた布を掴もうとするが、そこで夢は途切れてしまったのである。

「またあの夢…誰なんだろう…?」

不思議な気配

朝食を済ませたさくらたちは、ガイドブックを持って観光へ。
訪れたのは鳥や鳥かごがたくさん売られているバードストリートで、さくらは可愛らしい鳥たちにすっかり魅了されていた。

「っ!!」

強い視線を感じたさくらは、あたりをきょろきょろと見渡す。
知世の肩にいたケルベロスも、邪悪な気配を察知したようで、周囲を警戒するように見渡しているとさくらたちを観察するように佇んでいる鳥を発見したのである。

「あの鳥!!」

さくらは逃げるように飛び立った鳥を追いかけて走りだす。
残された知世は、桃矢たちが心配しないように「すぐに戻りますので。」と言ってさくらを追いかけるが、魔法を使いながら追いかけるさくらに追いつくことができず、はぐれてしまったようだ。

一方鳥を追いかけるため、【跳】を使って香港のビルからビルへ跳躍するさくらは古い井戸がポツンと取り残された場所に誘われる。

「何…この感じ…?」

さくらが恐る恐る井戸に近づくと、井戸から夢でみた布が出てきてさくらの意識は奪われてしまう。

「目を覚ませ!!」

さくらは誘われるように井戸に足をかけるのだが、さくらと同じく気配を察知してきた小狼の声によって意識を取り戻したのである。
しかし意識を取り戻した場所が悪く、さくらはそのまま井戸に落ち、服がびしょびしょになってしまったのだった。

さくらは仕方なく小狼と共に知世たちの元へ向かうと、そこには知世と偶然出会った苺鈴の姿が。
桃矢は突然走り出し、びしょ濡れになって帰ってきたさくらを叱ったものの、濡れた服のままでは体調を崩してしまうということもあって、やむ負えず小狼の家にお邪魔することになった。

李家

李家を訪れたさくらは、濡れた服の代わりに中華服を借りたのだが、なぜか知世や桃矢、雪兎も着替えることになり、小狼の姉たちにもみくちゃにされていた。

強かな姉たちを小狼は止めることができなかったようで、ぐったりとした様子でソファーに臥せってしまっていたが、ある人物の気配を察知して居住まいを正した。

ケルベロス曰く、「化け物の親玉」のような人物は小狼の母親であり、李家の現当主でもある李夜蘭だった。
ケルベロスの失礼な物言いにさくらは謝罪するが、小狼は一切否定せず冷や汗を流すばかり。

さくらと知世は目の前に立つ夜蘭に頭を下げ、挨拶と自己紹介をしようとするが、それは夜蘭の手によって遮られてしまう。

「強い力を感じます。クロウカードを持っていますね。」

夜蘭は、チラリとさくらの鞄の方に視線を向ける。
幸い、桃矢たちは姉たちにもみくちゃにされているので2人の会話は聞こえていないようだ。

「強い力は困難を引き寄せるきっかけになることがあります。特にこの香港では。」

夜蘭は何か気になることがあるらしく、さくらたちに「泊まって行きなさい。」と声をかける。
姉たちはもちろん大賛成だが、小狼は「ええ!?」と声を上げてしまう。

「小狼。」

母親の呼ぶ声に、小狼はふたたび居住まいを正すのだが、その様子はまるで蛇に睨まれたカエルそのものだった。

「通知表を出しなさい。」

夢 ③

その夜、李家に宿泊したさくらは再びあの夢を見る。

前日に見た夢の続きらしく、さくらの目の前には女性がいて、女性から伸ばされた布がさくらの周りで漂っていた。

「あなた…誰…?誰なの…?」

何も答えない女性にしびれを切らしたさくらは、漂っている布を捕まえてみることに。

『ずっと…待っていた…。』

その言葉を合図に、布がさくらの腕に強く巻き付きほどけなくなってしまう。

『ずっと…待っていた…。』

『ずっと…長い間…お前だけを待っていた…。』

さくらはそのまま宙に吊り上げられ、女性のいる場所まで引き上げられる。
逃げようともがくが布は外れず、向かってくる女性に悲鳴を上げたところで目を覚ましたのだ。

うなされるさくらを起こしたケルベロスは、さくらの腕に残るうっ血を見て、「これはただの夢とちゃうで。」と警戒心をあらわにした。

その時、部屋のドアがノックされ、夜蘭がさくらの元へやってきたのである。

強い力

夜蘭は李家の庭にさくらを連れ出すと、おもむろに蝶が描かれた団扇を取り出して詠唱を始める。

「玉帝有勅 神硯四方 金木水火土 雷風雷電神勅 玉帝有勅 神硯四方 雷風雷電神勅 軽磨霹靂電光 急急如律令!」

「あなたは呼ばれてこの香港に来たようですね。」

「誰にですか?」

「夢の中の女に。気を付けなさい、今までとは比べものにならない危機が迫っています。」

夜蘭は魔術を使い、さくらの今について調べているようだ。

「私、どうしたら…。」

「あなたの進むべき道を知っているのは、あなただけです。力の強いものは魔を呼び込みやすい。」

特にさくらは魔力が強いだけではなく、クロウカードの所持者でもあるため、普通の術者以上に困難を引き寄せやすいのである。

「けれど…それ故に導きもある。あなたを誘う魔も夢の中。そして助けるのもまた、夢の中。」
その言葉に、さくらはギュッと服を握りしめ不安そうな表情で俯いてしまった。
夜蘭は魔術を使い終えるとゆっくりとさくらに近づき、視線を合わせるためにしゃがみ込んだ。

「大丈夫。あなたならきっと答えが見つかります。」

髪飾り

翌朝、夜蘭に見送られてさくらたちは観光へ向かうのだが、それには小狼たちも同行していた。
苺鈴は「なんで私たちが!」と憤りを隠せないようだが、夜蘭の指示でさくらの護衛をするために一緒にいたのである。

そんなこととはつゆ知らず、さくらは雑貨店で素敵な髪飾りを発見。

(そういえば…夢の中の女の人も綺麗な髪飾りをしてた。)

そんなことを考えながら、ぼんやりと髪飾りを見つめるさくらに雪兎が近寄ってきて、「綺麗だね。」と声をかけた後それを購入したのである。
さくらは慌てるが、「きっと似合うよ。」と言って渡された髪飾りに頬を赤らめながらお礼を告げたのだった。

危機

その光景を、拳を握り小狼が涙目で見つめていると、2人はあの気配を感じとったのである。
周囲をくまなく見渡すと、少し離れたところに例の鳥がいて、さくらたちを呼ぶように飛び去って行くので、さくらと小狼は走り出す。

「さくら!!たくっ!!」

さくらは桃矢の声も聞かず、まっすぐ鳥に向かって走って行くとさびれた骨董品店を発見する。
杖を握り警戒しながら店に入ると、店の奥からなぜかピチャンピチャンと水の音が聞こえてきた。

「この本からや。」

「この人…。」

本の表紙に描かれていたのは、さくらが夢で見た女性だった。
その絵はさくらたちに気が付いたかのように動き、視線を向けたのだ。

『おいで。』

ケルベロスはその本に警戒心を抱くが、さくらは再び意識を奪われてしまい、操られるがままに本を開いてしまう。

本を開くと大量の水が溢れ出し、さくらを追いかけてきた小狼たちも含め、ある場所に取り込んでしまったのである。
さくらは水中に取り残され、浮上すると目の前に夢の中にいた女性がいることに気が付いた。

「ここは私が魔力で作った世界。なぜお前なのだ…なぜお前のような小娘がここに来たのだ!!」

女性の怒号に合わせて、先ほどまで穏やかだった水面が荒々しく流れだし、さくらたちに襲い掛かる。
さくらは【翔】を使い、空へと逃げる。

「クロウカード!?…なぜ…なぜお前がクロウカードを持っている!?」

女性は逃げるさくらに水を操り攻撃を仕掛けるが、小狼が【凍】を使用したことで一時的に危機を回避することができたのだ。

「李君、どうしてここに…?」

「水に飲まれた後、気づいたらここにいた。」

「じゃあ、あそこにいたみんな…。」

「どこかにいるはずだ。」

小狼の言葉を聞いたさくらは、戦う術を持たないみんなを探さなければと周囲を見渡す。

「探さずともよい。お前たちと共に取り込んだものは、そこにいる。」

2人が女性の示す方に視線を向けると、球体に囚われ眠らされた桃矢たちの姿があった。

「私はクロウ・リードを呼んだのだ。なのになぜ…。」

その言葉を聞いたケルベロスは、その女性をどこかで見たことがあることに気が付いた様子。
女性の言葉を聞きながら、小狼はさくらに「二手に分かれるぞ。」とつぶやく。
隙をついてみんなを救出しようとしているのだ。

「クロウ・リードはどこだ!!」

女性が再び攻撃を仕掛けてきたタイミングで、2人は二手に分かれる。
注意を引きつける役をかってでた小狼は、【嵐】のカードを使用して女性の動きを封じ、その隙にさくらは知世に近づき【剣】で球体を破壊し救出。
しかし女性の力は強く、【嵐】の拘束を解いて逆にしまい、小狼がピンチに陥ってしまう。

「李君!!」

「逃げろ!!逃げるんだ…。」

さくらはなんとか小狼に近づこうと【翔】で飛んでいくが、さくらが進む道に水柱が現れて辿り着くことができなかった。

「来るな!お前たちだけでも逃げるんだ!!」

小狼は歯を食いしばりながら上を見上げる。

「上空は魔力が弱い…上に飛べば逃げれるはずだ…っ!」

そう告げた後、小狼は女性によって球体の中へ閉じ込められる。
女性はクロウ・リードを探すために、さくらたちの魔力を奪って外に出ようと計画を変更したらしい。
ケルベロスは、「今は逃げるんや!!」とさくらに声をかけるが、目の前で小狼が捕まったショックで動くことができない。
けれど、ケルベロスが呼ぶ声や、球体に捕えられながらも「逃げろ…。」と呟いて意識を失った小狼をみて、ようやく逃げる決心を固めたのである。

知世を連れ、上空へ飛び上がったさくらは追撃を振り払って逃げることに成功したのだが、さくらたちをあの世界へ誘った本は消失してしまった。

「ない…どこにもないよ…。」

自分の身勝手な行動でみんなを巻き込んでしまったことに、さくらは自己嫌悪に陥ってしまう。

「李君…苺鈴ちゃん…お兄ちゃん…雪兎さん…。」

涙ぐむさくらに、ケルベロスは「しっかりせえ!!」と声をかける。

「とにかく、あの女魔道士…ああーーーー!!あの女!!思い出した!」

やはりケルベロスとあの女性、女魔道士と面識があったようだが、一旦ホテルに戻って今後のことを話し合うことになった。

女魔道士

女魔道士は、ケルベロスたちが香港で過ごしていた時にいた占い師だった。
水占いを得意としていて、評判もよかったそうだが、クロウ・リードが現れたことで顧客をすべて奪われてしまったそうだ。
その結果、女魔道士はたびたびクロウ・リードに勝負を挑んでいたのだが、一度も勝てたことはない。

彼女はその恨みからか、魔術を使い自分の想いだけを本に写したのだろう、とケルベロスは推察する。

「たぶん今となっては、自分が死んどるっちゅう自覚もないやろうけど…あの姉ちゃんよっぽどクロウのこと恨んどったんやろうなぁ…。」

つまり、女魔術師の目的はクロウ・リードを本の中に閉じ込めることであり、クロウ・カードを所有するさくらが香港に呼ばれたということだ。

さくらは急いでみんなを助けようとするが、すでに本が失われてしまい、どうすればあそこへたどり着くことができるか、ケルベロスも頭を抱えてしまっている。
しかしさくらはあることを思い出す。

「本…私知ってる…あの本の表紙…。あの女の人がいた場所…あの井戸だ。」

それはさくらが最初に誘われた古井戸だった。
入口がわかれば、もう一度あの場所へ向かうことができると知り、さくらたちは歓喜の声を上げる。

「よっしゃ!!カードキャプターさくらの出番や!」

「うん!!」

結界

夜になり【翔】を使って古井戸へ向かう。
知世はバトルコスチュームを香港まで持って来ていたようで、帽子には雪兎に貰った髪飾りが付けられていた。
さくらの考えはあたり、井戸の周りには強い力の気配が漂っており、警戒しつつ古井戸へ近づくと、周りをぐるっと囲むように結界が張られてしまったのである。

「悔しいが…今のワイらにはどうすることも…。」

「そんな…。」

ようやく見えた希望が潰えてしまい、さくらの表情に絶望の色が浮かぶ。
しかしそこへ、小狼を追っていた夜蘭がやってきたのである。

「小狼の気が途切れました。」

「…っ…それは私が…。」

「いいえ、違います。ただ、アレの力が及ばなかっただけ。」

夜蘭は結界にうちわを当て、結界をこじ開けようと力を込め始めた。
それをこっそり覗いていたケルベロスは、「ごっつい魔力や…。」とつぶやく。

夜蘭の力により、開かれた結界の中へさくらは飛び込んでいった。

みんなの元へ

井戸の中へ飛び込んださくらは、次元のトンネルに通じる場所にいた。
次元のトンネルとは、さまざまな空間とつながったトンネルで、間違ったトンネルに入ると一生出られないという恐ろしい場所であった。

「どうすればいいの?」

「想うんや!さくらの強う想う気持ちがあれば、そこに出られるはずや!!」

ケルベロスのアドバイスを聞いたさくらは、瞳を閉じ、みんなの元へ、と強く願う。
すると、下の方に強く光るトンネルを発見し、トンネルをくぐったのだが辿りついたのはあの場所ではなかった。

「ここじゃない…どうしよう、違うところにでちゃった。」

「いや…この気配は…。」

景色が全く異なる場所に辿りついたものの、背後であの鳥が羽ばたいて行くのを目撃したので、さくらたちはさまざまな場所を経由しながら目的地へたどり着いたのだ。

本当の気持ち

女魔道士の元に辿りついたさくらは「みんなを返して!」と懇願する。
しかし女魔道士は、「クロウ・リードを連れてこい。」と言って、さくらの願いは拒否。
彼女は長い間クロウ・リードを待っていたらしく、その寂しそうな表情を見たさくらは何かに気が付いたようだが、言葉を発するより早く女魔道士は桃矢たちを取り込んでしまった。

「これが最後だ。クロウ・リードはどこだ!」

「せやからクロウはもうおらへんちゅーてるやろ!!」

「ならば、ここで朽ち果てるがよい!!」

そういって女魔道士は蓄えた力を使って外へ飛び出し、残されたさくらは崩壊する世界に取り残されてしまった。
さくらは即座に魔法を使い、【翔】で外に向かって舞い上がる。

「あの人は!?」

「上や!!」

女魔道士はさくらよりも上空で力を溜め、狙い撃ちにしてきたのだ。

「ここはどこだ!!クロウ・リードをどこへやった!!」

ケルベロスの予想は当たり、女魔道士は自分がすでに死んでいて時は遙か先であることに気が付いていないのだ。
混乱した女魔道士の攻撃は苛烈でさくらはついに捕えられてしまい、建設途中のビルへ連れて行かれてしまう。

「言え!クロウ・リードはどこにいる!」

「クロウさんは…もういないの…。」

女魔道士が否定しても、クロウ・リードはすでに亡くなっている。
さくらはそれを必死に伝えようと言葉を発するが、女魔道士には届かなかった。

「嘘だっ!!」

「あいつが死ぬはずがない…。クロウ・リードが…。」

女魔道士は近くの海からどんどん水を集めてくる。
そしてそのすべてをビルの中に注ぎ込んで、さくらを水の中に沈めたのだ。

「ずっと待っていたのだ…ずっと…私のすべての力で…クロウを呼び続けた。何年かかっても…何十年かかっても…。」

一粒の涙が水の中に落ち、それはキラキラ光りを放ちながらさくらに過去を映し出す。

女魔道士が付けていた髪飾りは、クロウ・リードが彼女の誕生日に贈ったものであった。
それを知ったさくらは、女魔道士がクロウ・リードを恨んでいたのではないという確信を得る。

(やっぱり…この人…。)

さくらは必死にもがいて拘束を解こうとした時、夢で聞いた声が聞こえてきたのだ。

『水は、流れゆくものですよ。』

(水は…流れゆく…。…そうだ!!)

さくらはポケットからクロウカードを取り出し、足を踏ん張って回転し魔法を使う。

「アロー!!」

水の中から飛びだした【矢】は、複数の矢を放ってビルの壁と底を破壊。
さくらは拘束から逃れ、忌々しそうに自分を見つめる女魔道士の前に足を進める。
「クロウさんのこと…本当に好きだったんだね…。」

さくらは瞳から涙をこぼしながら、必死に言葉を紡ぐ。

「大好きな人がいなくなるのは…辛いよね…っ。」

「…クロウ・リードは…本当に死んだのか…。」

先ほどまでの怒気をひそめ、女魔道士は泣き続けるさくらに静かに問い、さくらは小さく頷いた。

「ずっと…ずっと待っていたのに…。長い間…ずっと。」

「会って…言いたいことがあったのに…。」

そう言いながら、女魔道士は小さな水滴となって消えてしまい、残されたのは女魔道士が大切にしていたであろう髪飾りだけだった。

『水は、流れゆくものですよ。』

(あの声…クロウさんだったんだ。)

さくらは大切なものを扱うように髪飾りをもっていたが、あっという間に崩れ落ち、代わりにさくらの大切な人たちが戻ってきたのである。

「李君…苺鈴ちゃん…お兄ちゃん…雪兎さん…っ!」

伝えたい気持ち

香港旅行も残りわずかとなり、昨日の事は何も覚えていない桃矢たちは藤隆のお土産について話し合っており、さくらは船の上でぼんやりと海を見つめていた。

「なんやさんざんやったなぁ~…特に昨日は。」

ケルベロスの言葉に、さくらは「そんなことないよ…。」と返す。

「私も言いたいもん。自分の本当の気持ち、わかってほしいもん。」

「あの人…クロウさんに言いたいことがあったんだよ。どうしても言いたいことが。」

さくらはチラリと雪兎の方に視線を向ける。

(私はいつか…言えたらいいな…。)

「また、香港に来られるといいですわね。」

「うん!」

感想

劇場版カードキャプターさくらの時間軸は、小学4年生の冬休みで、クロウカード編の35話と36話の間にあったお話ですね。
カードキャプターさくら『クロウカード編』の36話を見ると、ちゃんと冬休みに捕獲したカードとして【矢】のカードを紹介されています。

この物語は、いつかさくらが好きって気持ちを好きな人に伝えるための、重要な経験だと思います。
劇場版で登場した魔道士は、クロウ・リードにプレゼントされた髪飾りを大事にしていた描写を見る限り、好意を抱いていたのは間違いないでしょう。
彼女自身は魔力を媒体にした存在ではありましたが、髪飾りだけが実物だったことがその証拠だと思います。
自分の記憶や想いを本に封印して、長い間クロウ・リードを待っていた魔道士の存在は、切なくて、子供のころ映画館で泣いてしまった覚えがあります。
今回ゲスト声優として魔道士役を演じた林原めぐみさんは、こういう演技がすごく上手な声優なので、ピッタリな配役だと思います。
さくらは様々な恋の結末をしり、いつか自分が好きな人に想いを伝える時の勇気に変えていったんでしょうね。

そして小狼の家族も、劇場版で華々しく登場しています。
にぎやかで明るい姉たちと、厳格な当主でもある母に育てられた小狼は、魔道士として誇りを持ち、女性に優しい子に育ったのも納得です。
同じ李家でも、苺鈴は魔力を持って生まれなかったのですが、お姉さんたちも魔道士なのでしょうか?
ケルベロスは苺鈴を見たとき「李家では珍しい。」と言ってましたから、お姉さんたちも魔道士として教育を受けているか、すごく気になります。
魔力を持っているなら、小狼のように厳しい教育を受けているはずなので、当主の登場に姿勢を正したりしそうですが、そのような様子はなかったので昔から気になっていたんですよね。

さて、劇場版カードキャプターさくらは脚本を大川七瀬、衣装デザインとゲストキャラクターをもこなあぱぱという原作者CLAMP総出で担当しています。
脚本はもちろん素敵なのですが、劇場版はぜひ衣装に注目してほしいですね。
謎の魔道士や李家の人々の衣装は、本当に可愛い!
まさにCLAMPのキャラクターで、特に謎の魔道士のヒラヒラした袖や髪に着いた丸い髪飾りは90年代のCLAMPそのものですね。

通常、劇場版に登場したキャラクターはあくまで劇場版だけに留まるものでした。
登場したとしても、声だけの場合や、物語に大きく変化を与えないキャラのみだったのです。
しかし今回登場した李家の人たちがクリアカード編にも登場します。
クリアカード編は、まさにフェスティバル!
カードキャプターさくら連載開始20周年作品にふさわしく、これまで登場したキャラクターが目白押しという感じですね。
クリアカード編も近々あらすじを書く予定ですので、にぎやかな李家の人々の登場を楽しみにしていてください。

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