「イニシエーション・ラブ」のあらすじ・感想・ネタバレ~きっと誰もが騙される!どんでん返しのラブストーリー!~ | VODの殿堂

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「イニシエーション・ラブ」のあらすじ・感想・ネタバレ~きっと誰もが騙される!どんでん返しのラブストーリー!~

   
 

タイトル:「イニシエーション・ラブ」
公開:2015年
監督:堤幸彦
出演:松田翔太、前田敦子、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉 他
視聴したVOD:dTV(2018年8月31日までは視聴可)

乾くるみの小説「最後の2行で全てがひっくり返る」と話題になった衝撃作の映画化です。
巧妙な文章でのトリックのため、映画化は不可能と思われていた作品。
しかし、この叙述トリックを見事に映像で再現した話題作です。

前半は甘酸っぱい恋の物語、後半は胸を締めつける恋の痛みの物語・・・、ではなかった!
小説同様、ラスト5分で全てがひっくり返り、見事な伏線回収は痛快です!

騙されて驚き、そしてもう一度最初から観たくなる映画「イニシエーション・ラブ」
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

『イニシエーション・ラブ』配信先一覧
配信 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu 視聴ページ
dTV 視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2020年3月24日(火)時点のものです。
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【あらすじ】

『side A ~出逢い~』

鈴木夕樹は、ある日珍しくコンパに誘われた。
大学卒業後は大手企業に内定が決まっているが、小太りでメガネの鈴木はハッキリ言って冴えない。
どうせ、人数合わせだと割り切って参加したコンパだった。

しかし、そこで鈴木は運命の出逢いをした。
成岡繭子、歯科助手をしているという彼女は、他の派手な女子とは違っていた。
清純そうな大きな瞳、まるで子供のような無垢な印象の彼女に、鈴木のハートは跳ね上がった。
だけど、どうせ自分なんて相手にされるわけがない・・・。

トイレに立った鈴木に繭子は、二次会のカラオケにも来てくれますよね?と聞いてきた。
行く、と答えると「良かった!」と花のように微笑む繭子。
その、彼女の眼差しが鈴木の心を完全に捕えてしまった。

『恋の始まり』

後日、コンパのメンバーで海水浴に行くことになった。
意外にも繭子は鈴木に積極的にアプローチして、電話番号を教えてくれた。
二人は、食事に行く約束をし、楽しい時間を過ごす。
繭子から、お互いをもっと知り合いたいと言われ、鈴木は舞い上がる。
そして、もっとお洒落な恰好をした方がいいですよ!と言われ、鈴木はイメチェンを決意する。
一週間後もまた会う約束をし、鈴木はそれまでに流行りの髪型と服、そしてメガネをコンタクトに変えた。
繭子は、そんな鈴木の変化を喜び、これからは愛称で呼びたいと言う。
夕樹の夕は、カタカナの「タ」に見えるから「たっくん」、と呼ばれ鈴木は照れる。
二人は毎週金曜日に会う約束をし、鈴木にとって金曜日は特別な日となった。

再び、コンパのメンバーで集まりテニスをすることになった。
他の男子とペアを組み仲良さそうにする繭子に、ヤキモキする鈴木。
釈然としないまま帰宅すると、繭子から電話がかかってきた。
繭子の方も、鈴木がペアを組んでいた女子に嫉妬していた、と言う。
それを聞いた鈴木は、抑えきれずに遂に繭子に告白をする。
鈴木は繭子の部屋に向かい、気持ちを確かめ合った二人は結ばれたのであった。

今までの冴えない人生を帳尻合わせをするように、繭子のおかげで鈴木は幸せな日々を送る。
クリスマスは、素敵なホテルで過ごしたい、という繭子の願いを聞き、鈴木は予約の電話をした。
すると、ちょうど今日キャンセルがありひと部屋空いたところだった。
それを聞いた繭子は無邪気に言った。
「じゃあ、どこかで失恋したカップルがいたってことだ!」

クリスマス当日、お洒落なホテルでディナーを楽しむ二人。
鈴木は繭子にネックレスをプレゼントした。
ふと、繭子がいつもはめていたルビーの指輪が無いのに気づく。
お気に入りだったのに無くしてしまった、と聞き「来年は僕が指輪を買ってあげる!」と約束する鈴木。
そして、繭子のためにもっとカッコいい男になると決意した。
繭子と巡り合ったことで、鈴木の人生は180度変わった。
そう、まるでカセットテープのA面がB面に変わったかのように。

『side B~変化~』

月日が過ぎ、鈴木は大学を卒業して社会人になった。
鈴木は繭子の側にいたくて、大手企業の内定を蹴って地元の静岡の企業に就職したのだった。
しかし、 鈴木は新入社員ながら抜擢され、東京の本社への転勤を命じられた。
三年間の遠距離恋愛、繭子は「たっくんが認められたんだもん。我慢する」とけなげに言う。
鈴木は、毎週車で会いにくると約束し、上京してすぐの繭子の誕生日には早速駆けつけた。
そして、約束していたルビーの指輪をプレゼントし、繭子を喜ばせる。
「繭子のためなら何でもできる」、鈴木は本気でそう思っていた。

鈴木の配属された部署には、本社採用の新入社員、石丸美弥子がいた。
美弥子は垢抜けた美女、鈴木は「これが東京か・・・」と都会のレベルの高さに思わず唸ってしまう。
鈴木と同じく、静岡からやってきた同期の海藤は、美弥子を一目見て好きになってしまった。
本社での仕事は多忙であり、上司のパワハラ的な態度、慣れない東京での生活も堪えて、鈴木は疲労し食欲もなく眠れない。
しかし、週末には欠かさず繭子に会いにいく。
「早く静岡に戻って繭と暮らしたい」、そう言って性急に繭子を抱きしめるも、疲れですぐに眠ってしまった鈴木。
繭子は鈴木のために手料理を用意するが、起きた鈴木は食欲がなく食べなかった。
鍋の中で、手作りのロールキャベツが虚しく煮えていく。

『亀裂』

鈴木は、相変わらず疲れていたが、一緒に働く美弥子の聡明さが救いになっていた。
海藤に頼まれて、美弥子との食事をセッティングするが、海藤が苦手だという美弥子は大学時代の後輩たちも連れてくる。
演劇サークルだった美弥子、後輩たちから次の講演に誘われ、その週末は繭子のところへ行かず劇を見に行くことになった。

後日、鈴木は美弥子から自分への好意を打ち明けられる。
突然の告白に戸惑いながらも断ると、美弥子は「気にしないで、これからも今まで通りにしてね」と笑って言った。
大人な美弥子に救われ、そして少しずつ存在が気になり始める鈴木。
そんな時、久々に会った繭子から、生理が遅れていると聞かされる。
二人ともどうしていいかわからず、確かめることも出来ず、鈴木は次第に繭子との時間が重く感じるようになる。

このままじゃいけない、と鈴木は心を決めて繭子と一緒に産婦人科に行った。
妊娠三ケ月、この現実に二人はすぐに答えを出せない。
黙り込んだまま、一緒に繭子の部屋に戻ると、積まれた本が目についた。
高価そうな本を見て、鈴木のスイッチが入ってしまう。
「俺がお前に会うために、どれだけ切り詰めてると思ってるんだよ!」
本を繭子に投げつけて、出て行こうとする鈴木に繭子は泣きながらすがった。
「私はどうしたらいいの?」
鈴木は答えずに飛び出していった。

車を飛ばす鈴木の脳裏には、繭子の顔が浮かぶ。
笑顔の繭、はにかむ繭、そしてさっきの泣いてすがる繭・・・。
公衆電話から電話をかけ「逃げてごめん、堕ろそう」と、二人は堕胎を決意した。
同じ罪をせおうことになった二人の関係は、もう元には戻らないほどに亀裂が入っていた。

『二股の恋』

鈴木は、美弥子と二人バーで飲んでいた。
美弥子は、初めての恋はイニシエーションだと言う。
その時は「この人しかいない」と思っていても、絶対なんてない。
それが判るようになるための、通過儀礼の恋愛、イニシエーションラブ。
「鈴木くんと彼女の恋愛もイニシエーションラブだったら、私にもチャンスはあるかな」
美弥子の言葉に、鈴木の心は何かがすっと抜け落ちたような気がした。

その夜、美弥子に誘われて鈴木はホテルに行った。
それからは、鈴木は美弥子と関係を続けるようになる。
繭子へ会いに行くのは隔週になり、美弥子と過ごす週末が増えていく。
いつしか鈴木は、どっちが本命なのかわからなくなっていた。

そんなある日、繭子と過ごしていた鈴木はうっかり「美弥子」と呼び掛けてしまう。
「たっくん・・・、それ誰?」
固まる鈴木だったが、泣きそうな繭子の顔を見ていると、抑えていた感情が爆発してしまう。
「俺が悪いのかよ!?」と部屋中をメチャクチャにして、繭子に掴みかかった。
殴らないで・・・、と懇願する繭子を一瞥し、鈴木は出て行った。
後日、繭子から鈴木が贈ったルビーの指輪が宅急便で返されてきた。
一年半続いた二人の恋愛は、あっけなく終わってしまった。

『全てが覆る!』

鈴木と美弥子は正式につき合うことになった。
美弥子に片思いしていた海藤も祝福してくれ、日毎に繭子の記憶は失せていく。
ある日、酔っ払った鈴木は間違えて繭子に電話をかけてしまった。
電話口に出た繭子の声に何も言えずにいると「たっくん?」と言われ慌てて切る。
たっくん・・・、繭子の呼びかけ方があまりにも自然で、まるで別れたなんて嘘のような、昨日も会っていたような響きだった。

12月24日、クリスマスイブ。
鈴木は美弥子の家に招かれて、両親も鈴木のことが気に入ったようだ。
しかし、鈴木は繭子の電話が気になって仕方ない。
繭子は、もしかして別れを受けいれられないでいる?
クリスマスに二人で過ごそうと予約していたホテル、鈴木はすでにキャンセルしていたが、繭子は知らずに自分を待っているんじゃないか?
鈴木は、美弥子の家を飛び出して静岡のホテルへ車を飛ばした。
ホテルのクリスマスツリーの前に、繭子が立っていた。
やっぱり、自分を待っていた!と鈴木は繭子の元へと急ぐ。

美弥子の家では、急に帰った鈴木を両親が心配していた。
「鈴木さん、下の名前は何て言うの?」と聞かれ、美弥子は答えた。
「辰也、彼の名前は鈴木辰也」

繭子に駆け寄ろうとした鈴木辰也は、その場にいた男とぶつかり二人共転んでしまった。
顔を上げると、繭子が笑いながら「何やってるの、たっくん!」と、その男に手を伸ばしている。
訳が分からず、立ち上がることの出来ない辰也。
そんな辰也に気づいた繭子は「たっくん!?」と驚いて叫ぶ。
「たっくん?」と、繭子の隣できょとんとする男は、鈴木夕樹だ。

カセットテープは、A面からB面に変わるのではない。
A面が回っている間、同時にB面も回っている。
繭子は、遠距離恋愛になってからずっと、辰也と夕樹に二股をかけていたのだった。

感想

小説イニシエーション・ラブ、既読です。
「最後の二行で驚く、必ず二回読む」とか何とかの宣伝文句に「また、大袈裟な~」と思いながら読んだのですが、本当に最後の二行で「え?」ってなりました。
鈴木、いつの間にどこで入れ替わった?って訳がわからなくて、最初から読んでしまい、見事に騙されましたね。

映画になると聞いたとき、これは文章だから騙せるのであって、ビジュアル見せちゃ無理でしょ?って思ったのですが、映画上手くできてて感心してしまいました。
冴えない鈴木が、繭子のために痩せてカッコよくなった、と思わせて、前半と後半の鈴木の容姿が別人のようでも(実際、別人だけど)納得させてしまう。
きっと、小説読んでなくて観たとしても、しっかり騙されたんじゃないかな。

「鈴木も変わったもんだな」「繭子、可哀想に」って、本当にそういう見方で進んでいく物語。
不自然じゃないんですよね。
だけど、真相が判ってしまったら、今まで何故かスルーしていた矛盾に気づくんです。
痩せただけで、あんなにカッコよくならんだろう!
前半のたっくんに対する繭子の態度はめっちゃ上からだけど、後半のたっくんにはすごく従順!
鈴木が別人だったんだよ、別人!って判ると超納得。

超したたかな女、繭子を前田敦子が本当に魅力的に演じてました。
彼女の演技には賛否両論あるようだけど、私はとても惹かれる女優さんなのです。

時代背景が、自分が小学高学年くらい、一番テレビを見ていた時期。
流れる音楽がどれも懐かしくて、ニンマリしてしまいました!
ネタバレで観ても、すごく面白い映画です。
時系列を並べてみたら「そうだったのか!」って納得して、二度楽しめますよ!

 

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