タイトル:「横道世之介」
公開:2013年
監督:沖田修一
出演:高良健吾・吉高由里子・池松壮亮・綾野剛・伊藤歩・朝倉あき 他
閲覧したVOD:U-NEXT(2019年9月13日までは視聴可)
映画「悪人」の原作者として知られる吉田修一の小説を映像化した、暖かく緩やかな空気に包まれた作品。
田舎から大学進学のために上京してきた純朴な青年、その名も「横道世之介」はお人好しで少し図々しいが憎めないとぼけた男。
そんな世之介が出会う大学の同級生や、超お嬢様のガールフレンド達とのエピソードが時におかしく、時に優しく描かれたノスタルジー溢れる青春群像劇です。
世之介役には高良健吾、ガールフレンド役に吉高由里子、友人役に池松壮亮、綾野剛、と今大人気の若手実力派俳優達が勢ぞろいで個性あふれる役柄を瑞々しく演じています。
見終わると、きっと横道世之介を好きにならずにはいられない!
そんな映画「横道世之介」のあらすじと感想をご覧ください。
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【あらすじ】
「横道世之介、東京へ!」
1987年、一人の青年が東京、新宿駅に降り立った。
彼の名は「横道世之介」(高良健吾)、長崎の港町生まれの18歳。
田舎育ちの純朴な世之介の目には東京の全てが刺激的で新鮮に映っていた。
希望に胸を膨らませて大学の入学式へ。
持前の気の良さと人懐っこさですぐに友人も出来た。
教室で隣同士だった阿久津唯(朝倉あき)と入学式で隣だった倉持一平(池松壮亮)。
ひょんなことから三人でサンバサークルに入ることに!
最初の出会いでは衝突していた阿久津と倉持だったが、サンバサークルの合宿で世之介は倉持から相談を受ける。
二人はどうやら付き合いだしたようだ。
世之介の大学生活は騒々しく幕を開けたのだった。
「16年後 ~倉持一平・阿久津唯~」
結婚した倉持と阿久津、早くに親になった二人の娘はすでに中学生。
娘の恋愛問題などで悩みも絶えないが、なんとか家庭を築いてしっかりやっている。
二人は、ふと大学時代に自分達が付き合うきっかけになった男のことを思いだす。
あのとぼけた男、横道世之介…彼と過ごした日々を思うと自然に笑みが溢れてくるのだった。
「世之介、恋する季節!」
世之介は、ある日同郷の小澤とカフェで待ち合わせをした時に魅力的な年上の女性と出会う。
大学でマスコミ研究会に所属し、すっかり業界人気取りの小澤はその女、片瀬千春(伊藤歩)を知っており大物相手の娼婦だと言うが、千春に一目ぼれをしてしまった世之介の耳には届かない。
その千春から突然に「一緒に来て」と誘われた世之介は、彼女と訳アリの男性との別れ話の席に弟として連れていかれるのであった。
それ以来、世之介は彼女のことが忘れらない。
彼女とのことを誰かに話したくてたまらない世之介は大学で知り合いだと勘違いして声をかけた加藤(綾野剛)に話すうちに親しくなった。
そんな加藤と自動車の教習所に通う事になった世之介。
教習所でクールな加藤に想いを寄せる女の子に誘われて、ダブルデートをすることになった。
デート当日、ワクワクする世之介の元に現れたのは浮世離れした超お嬢様の与謝野翔子(吉高由里子)。
かなり天然な翔子になぜか世之介は気にいられてしまうのであった。
部屋にクーラーがない世之介は、その夏のほとんどを加藤の部屋で過ごす。
ある夜、出かける加藤に世之介は付いていくが加藤はひどく迷惑そう。
それもそのはず、実は加藤は同性愛者でこれから相手を探しに公園へ向かうところだったのだ。
そのことを告げられても全く動揺しない世之介に加藤は初めて心からの笑顔を見せるのだった。
「16年後 ~加藤雄介~」
夜景の美しいマンションの一室、加藤は恋人と共に過ごしている時にふいに世之介を思い出す。
汗っかきで空気を読まない、他人の部屋で天下泰平だがなぜか憎めない男、横道世之介。
彼を思い出すと笑いが止まらない加藤。
そんな様子の加藤に少し嫉妬する恋人をよそに、加藤は笑いながらも感慨深そうに呟く。
「(人生で)あいつに会えたってだけで得した気分だ」
「世之介の夏休み」
世之介に対してグイグイくる翔子は、夏休みに帰省する世之介に付いて長崎まで来てしまう。
最初は戸惑っていた世之介だが、自分に対して真っ直ぐな翔子に対して心を開き二人の距離は縮まっていった。
しかし、ある夜浜辺で二人はベトナムからの難民「ボートピープル」に遭遇してしまう!
命からがら逃げてきた女性から衰弱した赤ちゃんを受け取ってしまう翔子と世之介。
しかし、赤ちゃんもやはり連行されてしまう。
その衝撃的な出来事にしばらく沈みがちで会う事もなかった世之介と翔子だったが、後日赤ちゃんは無事で母親と一緒に保護センターにいると知り安心する二人。
後に、この出来事が翔子の将来を大きく変えることとなるのだった。
「16年後 ~片瀬千春~」
ラジオのパーソナリティーとして活躍する千春。
しかし、自身の番組を終えた千春は沈んだ表情を浮かべている。
その日、千春が読み上げたニュースで電車の人身事故が告げられた。
線路に落ちた女性を助けようとして死亡した二人の男性、そのうちの一人のカメラマンの男の名は「横道世之介」だった…
「世之介と翔子」
夏休みも終わり、世之介は阿久津唯が妊娠をしたことを倉持から告げられる。
大学を辞めて唯と子供のために働く決心をする倉持。
不安でいっぱいの倉持に「出来ることはなんでもするよ」と励ます世之介に倉持は涙する。
世之介は翔子と真剣に付き合う決意をする。
クリスマスには初めてのキスを交わし、二人の交際は初々しくも順調だ。
正月にスキー旅行にでかけ足を骨折した翔子、世之介はすぐさま病院に駆けつける。
大したことはないから世之介にすぐに連絡しなかった、と言う翔子に
「何かあった時はすぐに教えて!自分も何かあったらすぐに翔子ちゃんに言うから」と言う世之介。
世之介の自分に対する特別な想いに感動し、翔子は世之介をこれからは呼びすてで呼ぶと宣言。
見つめ合いお互いの名前を呼び捨てで呼び合う二人は本当に幸せそうだ。
倉持と唯の間に赤ちゃんが誕生した。
世之介はアパートの隣人であるカメラマンの影響で写真に興味を持ち始め、借りたカメラで最初の一枚目に二人の赤ちゃんを写真に収めたのだった。
翔子はフランスに留学することになり、送っていく世之介は翔子の姿も撮影する。
翔子は「世之介の初めての作品を一番最初に見る女になりたい」と写真を現像したら一番に見せてほしいとお願いするのだった。
翔子を乗せたバスは去っていき、世之介は子どものような無邪気な顔で周囲の犬や風景を撮りながら走って行く。
「16年後 ~与謝野翔子~」
翔子は発展途上国の支援活動を行う団体に所属し、世界中を飛び回っていた。
日に焼けすっかり快活になった彼女、若い頃の天真爛漫なお嬢様だった面影は薄れていた。
そんな彼女の元に、世之介の母親から郵便物が届く。
中には「与謝野翔子以外開封厳禁」と書かれた、約束した世之介の最初の写真が入っていた。
赤ちゃんやピンぼけした犬の写真、子ども達の後ろ姿、桜の花、そんな何気ない写真の中にあの日の翔子の姿も写っていた。
世之介の突然の死から三カ月。
彼の母親から送られた手紙を胸に車に揺られる翔子の目に、若い頃の世之介と自分が歩く姿が見える。
いつだって楽しくていつも笑っていた…世之介と過ごした愛しい日々を思い出す翔子の顔には涙ではなく微笑みが浮かんでいた。
感想
原作である吉田修一さんの「横道世之介」が大好きです。
でも、この小説を人に伝える時にいつもジレンマがあったのでした。
小説を読んで何度も笑ったし、本当に感動したんだけど、上手く語れないんです。
すすめた相手は一応「面白そうだね」と言ってくれはするけれど、でも「あぁ!全然伝わらねぇっ!」と凹んでしまうんですよね。
このお話は奇想天外でもなく、そして横道世之介という男は本当に普通の男なんです。
でも、この読み終わった後に感じる世之介の愛しさ、特別感がすごいんだけど、なかなか伝えられない…
映画化されると知った時は「映像にしても伝わるんだろうか?」と不安でした。
それに、世之介役に高良健吾というハンサムメン!不安…
だけど、この映画は原作を超えていました。
と言うか、私がずっと悶々としていた「伝わらねぇ!」って気持ちをかっ飛ばしてくれたんです。
小説を読んだ時に頭の中に描いた情景、全てを具体化してくれたこの映画は素晴らしいです。
沖田監督、グッジョブです。
世之介役の高良健吾さん、おかしくて愛しくて、最高の世之介でした!
そして、翔子役の吉高由里子さん、可愛すぎて大好きです!
他のキャストの方たちも全て合ってました。
160分と長時間の作品でしたが、スッと心に入ってくるシーンばかりで長さを感じませんでした。
大好きな作品の一つになりました!とてもおすすめです。
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音楽と本とコーヒー好きのアラフォーママです。育児で大好きなライブに行けないストレスをおうちでドラマ&映画鑑賞で発散しています。コンビニスイーツにも癒されております。
世の中には いろんなタイプの人がいるけど 持って産まれた明るさとか、優しさとか、人に意地の悪い子とを平気で、できてしまう人に観てもらいたい映画でした。
ラストはせつないな。