「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじ・感想・ネタバレ~ブラック企業に圧し潰されそうだった青年を救った男は一体何者なのか?~ | VODの殿堂

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「ちょっと今から仕事やめてくる」のあらすじ・感想・ネタバレ~ブラック企業に圧し潰されそうだった青年を救った男は一体何者なのか?~

   
 

タイトル:「ちょっと今から仕事やめてくる」
公開:2017年
監督:成島出
出演:福士蒼汰、工藤阿須加、黒木華、吉田鋼太郎、森口瑤子、池田成志 他
視聴したVOD:dTV(2018年12月7日までは視聴可)

第21回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞した小説の映画化です。
ブラック企業で働く青年、隆が、ある日出会った同級生と名乗る男、ヤマモト。
その出会いが、鬱々とした日々を変えていく。
しかし、その同級生にはある秘密があった・・・

主演には、ブラック企業に勤める隆役を工藤阿須加、彼を救う底抜けに明るい謎の男ヤマモト役を福士蒼汰が熱演。

隆はブラック企業の闇から抜け出せるのか?そして、ヤマモトは一体何者なのか?
あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

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【あらすじ】

『プロローグ~希望』

美しいバヌアツの星空の下。
青年と幼い少女が佇む。
少女は言った。
「私が死んだらあの星になるの?」
亡くなった家族があそこにいるからキレイな星になりたいのだ、と。
青年は答えた。
「星になりたいのなら、まずちゃんと生きなきゃ」
生きるってことは希望だ、と話す青年に少女は聞いた。
「もし、希望がなくなったら?」

「希望はなくならないよ、見えなくなってしまうだけなんだ。」

 

『ブラック企業』

荒れた部屋で朝の身支度をする一人の青年、青山隆(工藤阿須加)。
テレビからは「月曜日は憂うつ~水曜には最悪、土曜日は幸せ」と言うサラリーマンの心情を謳ったラップが流れていた。
「これ、俺のことじゃね?」
隆は独り言ち、さらに憂うつな気持ちになった。

隆は就職がなかなか決まらなかった。
やっと、今の会社に内定が決まった時は本当に嬉しかった。
しかし、やる気と希望に満ちて入社した会社はブラック企業だったのだ。
小学生のような体操から始まる朝礼、大きな声で読まされるとんでもない社訓。
「遅刻10分で千円の罰金!有給なんていらない!体がなまるから!」
営業は成果が命、毎月契約件数の多かった社員は表彰される。
しかし、成績の悪い隆は部長の山上(吉田鋼太郎)からいつも罵声を浴びせられていた。

ある日、隆は山上部長から無茶な残業を押し付けられ、夜遅くまで会社に残っていた。
残業は月に150時間を超えるのが常であり、もちろん残業代は出ない。
残業中、母親の容子(森口遥子)から電話があったが隆は「忙しいから」とろくに話しもせずに切ってしまう。
一年半も帰ってこない隆を両親は心配し食料を送ってきたりするが、隆はもうそれらを食べることも片付ける気力もない毎日だった。

やっと残業が終わり帰宅途中の駅のホーム、山上部長から着信があった。
自由はない、そう考えると隆は絶望的な想いにかられた。
人は何のために働くのだろう?
もし、生きるために働くのだとしたら・・・俺は生きてるって言えるのだろうか?
体は鉛のように重く、休みたい、眠りたい、もう疲れた・・・
隆の体は自然に線路へと引き寄せられ、転落寸前のところを一人の青年に引っ張られ助かった。

 

『不思議な同級生、ヤマモト』

隆を助けた青年は「ひさしぶりやな!」と大阪弁で親し気に話しかけてきた。
ヤマモトと名乗る青年(福士蒼汰)は、小学生の時に転校していった隆の同級生だと言う。
全く覚えがなく戸惑う隆を、ヤマモトは居酒屋に誘った。
どうしてもヤマモトを思い出せない隆は、トイレに行くふりをして小学校の同級生に電話をしてみた。
同級生から「小3の時にヤマモトという転校していった奴がいた」と言われ思い出したが、そのヤマモトは大人しかったはずだ。
今、目の前で芸人さながら陽気に喋るヤマモトと同一人物に思えなかったが、大阪へ行ったことで面白くなったのだろうと納得した。
屈託のないヤマモトに隆もすっかり打ち解けて、二人は携帯電話の番号を交換して別れた。

それからというもの、ヤマモトは度々隆の前に現れるようになった。
ヤマモトはいつも明るい笑顔で楽しそうだ。
真面目過ぎる隆を、いつも驚かせたり笑わせたり、営業をするうえでのアドバイスもしてくれる。
現在はニートだが、かつては堅い会社で営業をしていたと言うヤマモト。
隆はヤマモトと一緒にいると、今まで鬱々としていた心が晴れていき、心から笑えるようになっていった。

そんな隆の内面の変化は仕事にも影響してきた。
営業部で常にトップの成績を誇る先輩社員の五十嵐(黒木華)からも一目置かれるようになり、初めて大きな契約も取ることが出来た。
居酒屋でヤマモトと祝杯を挙げていると、以前ヤマモトのことを聞いた同級生から電話がかかってきた。
ヤマモト=山本健一は現在ニューヨークで舞台監督の仕事をしているらしい、と。
その山本健一のフェイスブックを教えてもらい確認してみたがヤマモトとは別人だった。

隆はヤマモトに どうして同級生のふりをしたのか詰め寄った。
ヤマモトは最初は同級生だと思って声をかけたが、途中で勘違いだったことに気付いた、と説明した。
自分は山本純だと名乗り、免許証も見せて身分を明らかにした。
すっかり意気投合してしたので、間違いだと言えなかったと言い訳するヤマモト。
「でも、本当の友達になった」と言われ、隆も二人の間にはもう友情があることを実感したのだった。

 

『仕事での大失敗』

隆が契約を取った会社からクレームの電話があった。
何度も確認したはずの注文書にミスがあり、隆は五十嵐と共に先方に謝罪へ向かった。
会社への損失は大きく、隆は山上から激しく罵倒される。
すっかり意気消沈した隆を五十嵐は「もう今日は帰りなさい」と優しく気づかう。
その夜、明日は始発で会社へ行こう、先方に再び謝罪しに行き、五十嵐さんにももう一度謝ろう・・・そう思えば思うほど隆は眠れず一晩中悶々と苦しんだ。

翌日、契約の担当は五十嵐が引き継ぐことになっていた。
さらに山上から「お前が動くと迷惑がかかる!お前のせいでみんなの労働意欲が無くなる!」とまで言われ、全員の前で土下座させられるのだった。
その夜、ヤマモトに飲みに誘われたが隆はとてもじゃないが飲む気になれなかった。
隆から話を聞き、ヤマモトは会社を辞めることを提案する。
しかし、隆は今の世の中正社員でいることが貴重だ、と辞職の気持ちはない。
ヤマモトは「隆にとって仕事辞めることと死ぬことはどっちが簡単なん?」と聞いた。
あの日、初めて会った時に死のうとしていただろうと指摘するが、隆はよろけただけだと言って認めない。
しかし、ヤマモトは言うのだ。
「知ってたから。あの日のお前とおんなじ顔してた奴」

 

『ヤマモトが幽霊?』

隆は以前の隆に戻ってしまった。
会社でこれからは調子に乗らず慎重に、そうすればまた週末がきてくれる。
そう言い聞かせて、機械的に働く日々。
ある日、営業の帰りに隆はヤマモトを見かけた。
しかし、いつもの明るいヤマモトではなく暗い顔で霊園行きのシャトルバスに乗って行ってしまった。

隆は気になってネットで「山本純」を検索した。
そして、ある人物のブログから山本純が3年前に亡くなっているという事実を知った。
山本純は、会社からのパワハラと過労が原因で飛び降り自殺をしていたのだ。
ヤマモトが死んでいる・・・?
まさか、自分の自殺を食い止めるために幽霊になって現れたのか?

会社では五十嵐の様子がおかしい。
朝早く、隆のパソコンをいじっていたり、隆が良かれと思ってまとめた取引先の書類に過剰に反応したり、以前の親切だった五十嵐とは別人のようだった。
また、山上からは「五十嵐に文句を言っているそうじゃないか」と身に覚えのないことで怒られた。
自分の言動で五十嵐に誤解させてしまったのだと、慌てて謝りにいく隆。
しかし、五十嵐は「消えろ、バカ」と信じられない言葉を吐いて去っていった。

隆は死を決意して屋上へ昇った。
そこにヤマモトがやってきた。
ヤマモトに「青山隆の人生は誰のためにある?」と聞かれ、自分のため?と答える隆。
それもある、でもお前を大切に思ってくれる人のためや!と隆の両親のことを言った。
「息子が先に死んで悲しくない親がおるなら教えてほしいわ!」とヤマモトに言われ、隆はいつも電話をかけ荷物を送ってくれる両親を思った。

隆は久しぶりに実家に戻った。
温かく迎えてくれた両親に、隆は仕事を辞めるかもしれないことを告げた。
「いいんじゃない?会社は世界に一つじゃないんだから」とほほ笑む母親。
「人生なんて生きていれば案外なんとでもなる」と言う父親。
隆は二人の言葉を聞き涙がこぼれた。

 

『隆の決意』

隆は、出勤前にヤマモトを呼び出した。
改めて今までの礼を言い、ちょっとここで待っていてくれないか?と頼む。
隆はヤマモトの顔を真っ直ぐに見て言った。
「ちょっと今から仕事やめてくる」

15分遅れて出社すると、山上は早速嫌味を言い始めたが構わず隆は言った。
「今日で仕事辞めさせてもらいます」
山上は激怒し激しく罵ったが、隆はもう平気だった。
「これからは青い空を見て笑って、自分に嘘をつかないで生きていたいんです」
笑顔で言う隆に、山上はますますキレた。
しかし、隆は全く動じず「できれば部長も少し休んでください」そう言って出て行った。

そんな隆を五十嵐が追ってきた。
そして、発注書を書き換えたのは自分だ、と告白した。
隆が大きな契約を取ったらトップの自分へのノルマがもっと大きくなる。
イキイキしてきた隆に成績が伸びるだろうと予感し、脅威を感じた五十嵐は「データを盗むか、死ぬか」というところまで追いつめられていたのだった。
五十嵐も以前の隆と同じ、もうギリギリだったのだ。
隆は五十嵐を責めることなく、正直に話してくれた礼を言って会社を後にした。

隆は意気揚々とヤマモトの元へ向かったが、もう彼はいなかった。
そして、それ以降ヤマモトは隆の前から姿を消したのだった。

ヤマモト、お前は一体何者だったんだよ?
俺はもうお前に会えないのかな・・・
隆はヤマモトにもう一度会いたいと心から思った。

 

『ヤマモトの真実』

隆は以前ネットで発見した、自殺した山本純を偲ぶブログを書いた人物に連絡をしてみた。
そして、その人物からある孤児院を紹介され隆はそこを訪ねて行った。
隆を出迎えてくれた園長(小池栄子)は快く迎えてくれた。
「あの子たちは弟のようなもんなんです」と言って見せてくれた写真にはヤマモトと同じ顔をした二人の男の姿があった。
山本純と山本優、双子の兄弟。
隆が会っていたヤマモトは山本優だったのだ。

5歳の時、両親を交通事故で亡くした二人はこの孤児院に引き取られた。
優と純は何もかもが同じ、一つの魂を分け合った二人はいつも一緒だった。
両親の死で塞ぎこんでいた優に純はある写真集を見せた。
そこにははじけるような笑顔のバヌアツの孤児たちが写っていた。
親を亡くしてもこの子たちはこんなに笑っている、だから自分達も笑おう。

純はそうやって優を励ましたのだった。
それ以来、バヌアツは二人の希望になった。
将来、純は医者になって、優は教師になってバヌアツへ行こうと誓い合ったのだ。
しかし、純は大学受験に失敗し就職せざるをえなくなった。
働きながら医大を目指していたが、純が働く会社はブラック企業だったのだ。
優は大学に通いながらすでにボランティアでバヌアツに何度か足を運んでおり、純に会社を辞めるよう勧めていた。
だが、純はブラック企業に負けてしまい自ら命を絶ってしまったのだ。

 

『ヤマモトからの招待状』

純を亡くした優は、自分を責めた。
純を救ってやれなかった、魂の片割れを失った優はずっと苦しんでいたのだ。
ある日、優は駅で亡くなる前の純と同じ顔をした隆を見かけた。
隆と出会ったのは本当に偶然で、直感的に隆が死にたがっていると感じた優は後をつけた。
そうして、線路に落ちかけた隆を助け、咄嗟に同級生のふりをしたのだった。

園長は、半月ほどまえに優が訪ねてきたのだと言った。
「ある奴に出会ってもう一度ちゃんと生きてみようと思った」と言い、再びバヌアツへ旅立つために挨拶に来たのだった。
その時、もし隆が訪ねてきたら渡してほしいと園長は一枚の写真を預かっていた。
バヌアツの子供たちの笑顔の写真の裏にはヤマモトからのメッセージが。
「俺の天使たちや。この子らと一緒にお前も笑ってみいへんか?」
ヤマモトは隆を待っているのだった。

 

『エピローグ~青い空の下で』

バヌアツの青い空の下。
子どもたちに算数を教えていたヤマモトの元に隆がやってきた。
「ここで今度は俺がお前を助けることはできないかな?」
隆が言うと、ヤマモトはいつもの笑顔で答えた。
「最初はボランティアからや!」

隆の最初の仕事は子供たちとの鬼ごっこだ。
青空の下、歓声を上げながら走る子供たちと隆。
ヤマモトは空を見上げて呟いた。
「なぁ、純。人生そんな悪いもんでもないやろ?」
そして、隆と子供たちを目指して軽やかに走りだした。

 

感想

途中で何度も目頭が熱くなってしまいました。
ブラックな会社で理不尽で不当な扱いを受ける主人公の姿も見ていて苦しいですが、それを全部「自分が悪い」と抱え込む姿に泣けてしまいました。

仕事で認められたり成果が出せると、すごく自分に自信が持てます。
だけど、反対に仕事での失敗、何をやっても認めてもらえない時は「自分って本当にダメだ」ってなってしまいますよね。
もちろん、仕事への態度がなっておらず明らかに自分に非がある場合は「ダメ」です。
だけど、懸命に頑張って努力して、それでも失敗したり成果が出ないのは自分が悪いんじゃなくて、仕事が合わない、一緒に仕事する人が合わない、だけなんですよね。
隆の母親が言った「会社は世界に一つじゃない」、本当にそうです!
辞めるより死ぬ方が簡単だ、というところまで自分を追い込む前に、本当に辞めましょう。

パワハラ部長役の吉田鋼太郎さんの演技はすごくって、もうムカムカしながら観てました。
あんな人いたら、確実にいつか刺されてますね!
私、刺しますよ(笑)
でも、一番キツイわ!ってなったのは黒木華さん演じる五十嵐のセリフ。
「消えろ、バカ」
私、本当に消えて無くなると思います(涙)

そんな散々な隆の前に現れたヤマモトは本当にいつも後光が刺すような明るさです。
福士蒼汰さんの関西弁、上手いですね。
眩しい笑顔にやられてしまいます!

あと、冒頭のシーン、バヌアツのシーンで流れる音楽がすごく良いんです。
サントラ欲しいなって本気で考えています。
なんだか、人生の靄の中から希望が見え始めたような、そんな音楽で映画にピッタリでした。

「人生なんて生きていれば案外なんとでもなる」
これは隆の父親の言葉ですが、本当にそうだと思います。
仕事じゃなくても、人生追い詰められてギリギリになっている人、選択肢を自分で決めてしまっている人に観てほしい映画。
私も本当に「生きよう、どうしても頑張れない時も、とりあえず生きてよう」って思えました!

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