「英国王のスピーチ」のあらすじ・感想・ネタバレ~国王だって一人の人間!コンプレックスもあるし、真の友も必要だ!~ | VODの殿堂

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「英国王のスピーチ」のあらすじ・感想・ネタバレ~国王だって一人の人間!コンプレックスもあるし、真の友も必要だ!~

   
 

タイトル:「英国王のスピーチ」
公開: 2010年
監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール 他
閲覧したVOD:dTV(2018年3月20日時点では視聴可)

イギリスの国王、ジョージ6世は吃音に悩まされていた、という史実に基づき制作された映画です。

イギリス王室の第二王子であるアルバートは吃音症でスピーチで上手く話せない。
破天荒な治療を行う言語療法士ライオネルとの出逢いによって、吃音の克服と初めての友情が芽生えていく。
しかし、イギリスは大変な局面を迎え、国王に就任したアルバートには過酷な試練が待っていた!

主演にブリジッド・ジョーンズの日記でも有名なイギリスの名優コリン・ファース。
助演に、オーストラリア人で初めてのオスカー受賞俳優、ジェフリー・ラッシュ。

英国王は果たして吃音症を克服し、立派なスピーチができるのか?
では、あらすじと感想をまとめてみましたのでご覧ください!

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【あらすじ】

『吃音の王子』

1925年、イギリスでは大英帝国博覧会が開催されていた。
国王のジョージ5世は閉会スピーチを次男のヨーク公アルバート(コリン・ファース)に任せた。
すでにジョージ5世や兄のデイヴィット(ガイ・ピアーズ)はこの博覧会で立派なスピーチを披露しており、国民の期待が高まるなかアルバートはスピーチを始める。
だが、言葉は思うように出ず、どもってとてもじゃないが聴いていられない。
聴衆も耐えられず下を向いてしまうほど、スピーチは散々だった。

アルバートは幼いころから吃音症で悩んでいた。
妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)は今まで沢山のドクターに吃音症の治療をさせていたが、どれも全く効果はなかった。
アルバートもうんざりしており、これ以上治療はしたくないと言い募っている。

エリザベスはオーストラリア出身の言語療法士、ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)の評判を聞いて訪ねた。
ライオネルは今までのドクターとは一風変わった感じの男だ。
治療はここで行うのでご主人を連れてきて、というライオネルに「それは出来ない、そちらから出向いてほしい」とエリザベスは頼むが聞き入れてくれない。
仕方なく「診てもらいたいのがヨーク公だとしても?」と、隠していた身分を明かす。
ライオネルは驚きはしたが「例外は認められない」と、自分の診療方針を曲げようとはしなかった。
エリザベスは観念し、最後の望みをライオネルに託すことにした。

後日、アルバートはエリザベスに連れられてライオネルの元を訪れた。
ライオネルは、王族を目の前にしても決しておもねることはなかった。
呼び方も自分のことはライオネルと呼ぶように言い、アルバートのことは「バーティ」と家族でしか呼ばない愛称で呼ぶ。
アルバートは憤慨して帰ろうとするが、ライオネルは「賭けをしよう」と言い出した。
一冊の本を取り出し「この本がちゃんと読めたら私の勝ちだ」と、アルバートに大音量の音楽をヘッドフォンで聞かせた状態で本を朗読させた。
アルバートは言われた通りに読んだが、途中で「最悪だ!」と怒って帰ろうとする。
ライオネルは「記念に」と、その朗読を録音したレコードを手渡すのだった。

父のジョージ5世は、次期国王は次男のアルバートに継がせたいと考えていた。
長兄のデイヴィットは政治にあまり興味がなく、おまけに既婚女性と交際している。
期待を込めて、アルバートに演説の練習をさせるが、なかなか上手くいかず強い口調で叱責するのだった。
落ち込んだアルバート、夜何気なくライオネルから手渡されたレコードを聴き、驚いた。
そこにはどもることなく滑らかに話す自分の声が録音されていたのだった!

『ライオネルの治療法とは?』

アルバートはライオネルの治療を受ける事に決めた。
ライオネルの治療は、今まで受けた一遍通りな治療とは全く違っていた。
「顎の緊張をほどく」と二人で顔を見合わせて下顎を揺らしながら「あ~!」と叫ぶ姿は滑稽そのもの!
窓から外に向かって大声で叫んだり、エリザベスをお腹に乗せた状態で腹式呼吸の練習をさせたり…
「なんだか楽しいわ」とエリザベスも興味深く協力し、アルバートも積極的に治療に励むのだった。

1936年、病身で危ない状態であったジョージ5世が崩御した。
その場ですぐにデイヴィッドの国王即位が決まった。
「国王万歳」と女王である母から祝福を受けたデイヴィッドだったが、母にすがりつき泣き出したかと思うと部屋を出て行ってしまった。
後を追ったアルバートは醜態を責めたが、デイヴィッドは自分が国王になったら恋人である既婚女性のウォリスとは結婚できないことを嘆いていており、王としての責任感や自覚が全く無いのだった。

アルバートはライオネルを訪ねた。
デイヴィッドが国王に即位したこと、父から「バーティは他の 兄弟よりはるかに根性がある」と期待を寄せられていたことを亡くなったあとに知らされたと話した。
それから、13歳で亡くなってしまった障害のあった弟のこと、乳母から食事を与えられず虐待めいたことをされていたトラウマなど、今まで語らなかったプライベートな話も語り、ライオネルは静かに聞いてくれた。
二人の間に少しずつ、友情のようなものが芽生え始めたのだった。

 

『自分の道』

アルバートとエリザベスはデイヴィッドからスコットランドのバルモラル城でのパーティーに招待された。
デイヴィッドは「エドワード8世」として正式に国王に即位していたが、城では恋人のウォリスがまるで女王のように振る舞っていた。
「彼女と結婚するつもりだ」と言うデイヴィッドにアルバートは憤慨する。
離婚がもうすぐ成立するから問題ないと言うが「教会は離婚歴のある女性との結婚は認めない。王室は教会の長だぞ!」と反対するアルバート。
すると、デイヴィッドは「王位が欲しいのか?」とアルバートに敵意を見せた。
そして「 国民に語りたいか?バ、バ、バーティ」と吃音をからかうのだった。

アルバートは再びライオネルを訪ねた。
デイヴィッドに対する怒りをぶちまけると「怒りの言葉はどもらない!」とライオネルはアルバートにどんどん汚い言葉を吐き出させた。

そして「なんとかしてデイヴィッドに結婚をやめさせないと、王を退くことになってしまう」と心配するアルバートに、「あなたが王位につけばいい」と言う。
「あなたはいい王になれる。恐れに負けてはいかん」と畳みかけると、「反逆だ!」とアルバートは猛烈に怒って、治療はもう終了だ!と、帰ってしまうのだった。

ライオネルは妻にぼやく。
「彼は怯えているんだ、自分自身の影に」
「偉大な人物になれる男だが、私に反発している」
しかし、妻に「偉大になりたくないのかも、あなたがそう願っているだけ」と返され反省する。
ライオネルは、出過ぎたマネをしたことを謝ろうとアルバートに会いに王室を訪ねるが、会ってはもらえなかった。

 

『ジョージ6世の誕生』

アルバートは、自ら首相官邸に出向きデイヴィッドの離婚歴のある女性との結婚を相談した。
もちろん、首相はいい顔をするはずはない。
そして「国王が好き勝手するならば、内閣総辞職だ」と言われ、状況の厳しさを痛感するアルバート。

王室からもデイヴィッドの国王としての手腕を問う声が相次いでいた。
じきにドイツとの戦争が始まるかもしれない緊迫した状況、国民は頼れる国王を望んでいる。
そして、デイヴィッドはやはりウォリスとの結婚を選び、自ら国王を退位することを決意した。
アルバートは「ジョージ6世」として王位を継承することになった。

セント・ジェームズ宮殿で王位継承評議会が行われた。
しかし、アルバートは宣誓で吃音がでてしまい上手くいかなかった。
その夜、アルバートは「僕は王なんかじゃない」と 自分を情けなく思い泣いた。
しかし、エリザベスは優しく寄り添い、自分が結婚を決めた理由はあなたの吃音がステキだったからだと励ます。
そして、再びライオネルの治療を受ける決意をしたのだった。

アルバートはライオネルの元を訪れ、王位継承評議会での失敗を話した。
そして「自分は王にふさわしくない、もし辞めたとしてもまた兄上がやればいい」と、卑屈に語った。
自分は父上のような国王にはなれない、と。
ライオネルが「ジョージ5世はもういない」と諭すと、ポケットの中から硬化を取り出し「1シリング銀貨に顔が(刻まれている)」と冗談めかして言うアルバート。
ライオネルは静かに、そして厳しく言った。
「では、持ち歩くな、ポケットから出すんだ。兄上のことも」
幼少のころの恐れなど忘れて良いんだ、もう自分の道を生きている、と。
ライオネルの言葉にアルバートは深く頷いた。

 

『きっと立派な王になる』

戴冠式の準備が進んでいた。
アルバートは当日はライオネルを王族の席に臨席させるといい、大主教はいい顔はしなかった。
そして、ライオネルの素性が調べられ、言語療法士の資格や証書がないことが発覚したのだった。
「私を陥れた。詐欺だ!」とアルバートに責められ、ライオネルは弁明をする。
資格や証書はないが、戦争中に神経症で喋れなくなった戦友を大勢治療したこと、多くの人が心に問題を抱えて自信を無くし上手く喋れない、そんな人達の心の声を聞くのがライオネルの方法だったのだ。
「友が聞いている、と勇気づけることが大事」と語るライオネルだが、アルバートは納得しなかった。
自分は「どもりのジョージ」として狂った王になるだろう…と、すっかり自信も無くしていたのだ。

振り返ると、王の椅子にライオネルが不躾に座っていた。
激怒するアルバートにライオネルは「単なる椅子だ」と全く悪びれない。
話を聞け!と怒っても「何故聞かなくてはいけない?王はイヤなんだろ?」と小馬鹿にしたように言われ、アルバートはきっぱりと叫んだ。

「私には王たる声がある!」

ライオネルは椅子を降り、
「そうとも、あなたは忍耐強く誰よりも勇敢だ。立派な王になる」と讃えるのだった。

 

『友に語りかけるように…』

戴冠式は無事に終わったが、イギリスにはピンチが訪れようとしていた。
ヒトラーが率いるドイツ軍はポーランドを侵略、イギリスはドイツに宣戦布告をするしかなかった。
動揺する国民に向けて、国王であるアルバートは国営放送のラジオでスピーチをしなければいけない。
誰もが国王の声で今のイギリスの状況、向かうべき道を聞きたがっている。
この重大な局面にアルバートはほとんどパニック状態だったが、ライオネルはいつものように接し指導をした。

スピーチ直前、緊張し顔が固まっているアルバートにライオネルは優しく言う。、
「私に向かって言うんだ。私だけに、友達として」
そして、ライオネルと二人きり、向かい合ったままスピーチが始まった。
アルバートは、最初こそ間が空いたが、どもることなく堂々と喋ることができた。
静かに、厳かに、そして友に語りかけるような国王の言葉がイギリス中に響き、国民の心を一つにした。
スピーチは大成功に終わり、アルバートはライオネルに「わが友よ」と感謝を伝えた。
ライオネルは、アルバートに初めて「陛下」と呼びかけ敬意をはらった。

その後も、ライオネルは国王の戦争スピーチには全て立ち合った。
ジョージ6世は抵抗運動のシンボルとなり、立派な王となった。
そして、アルバートとライオネルの仲は生涯にわたって続いたのだった。

 

感想

とても、良質な映画でした!
なにかもっとコメディタッチなのかな?と想像していたのですが、少し違ったかな。
ライオネルを演じるジェフリー・ラッシュの飄々とした演技や、アルバートを演じるコリン・ファースとのやりとりはクスっと笑ってしまいましたが、それよりもとてもヒューマニズムな内容でした。

王族であるプライドと使命感を持ち、しかし幼いころからの吃音というコンプレックスに悩む、真面目で、人間味あふれるアルバート。
コリン・ファースの好演が光りました!
この俳優さんは「堅物だけど、どこか笑えるんだよな~」って役が本当に似合いますね。

また、ちょっと企み顔のライオネルも良かったですね~!
アルバートの成長を見守る師匠であり、彼の最大の理解者であり、時折見せる温かい表情がとても良かったです。

エリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターは奇天烈な役が多いけど、今回は夫を支える良き妻役。
だけど「なんか面白い事するんじゃないかな~」って雰囲気がどうしてもあるんだよな~(笑)
デイヴィッド役のガイ・ピアーズ、実は彼を始めて観たのは「プリシラ」っていうドラッグクイーン達のロードムービー。
そのせいか、いまだに彼にはずっとゲイのイメージがあって、それだけあの映画での演技がひかってたんでしょう。
プリシラもとてもいい映画でおすすめです!

ラストはこれから戦争に向かっていくところで終わったので、ハッピーエンドだけど「これからだよな!」っていう気が引き締まる思いで幕を閉じました。
一人の人間の重責に悩む心に、そして人との繋がりに思いをはせる、そんな映画でしたね!

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