「みなさん、さようなら」のあらすじ・感想・ネタバレ~団地に青春の全てを捧げた男!~ | VODの殿堂

映画

「みなさん、さようなら」のあらすじ・感想・ネタバレ~団地に青春の全てを捧げた男!~

   
 

タイトル:「みなさん、さようなら」
公開:2012年
監督:中村義洋
出演:濱田岳、倉科カナ、永山絢斗、波瑠、田中圭、ベンガル、大塚寧々 他
閲覧したVOD:dTV(2018年12月31日までは視聴可)

au三太郎シリーズの金ちゃんとしても大人気の濱田岳主演の映画です。
ある事件をきっかけに一生団地の中で暮らすと決めた主人公の12歳からの17年間の物語。

濱田岳が12歳から特殊メイクも無しで演じることでも話題になったこの映画。
さすがに12歳には見えなかったですが(笑)

共演には朝ドラ女優の倉科カナと波瑠、永山絢斗や田中圭など人気のイケメン俳優、ベテランバイプレイヤーのベンガル、そして大塚寧々、と個性的な面々がしっかりとした演技を見せてくれます。

なぜ、少年は団地で暮らすと決めたのか?
団地から一歩も出ずに暮らすなんて可能?

地味に奇想天外な映画「みなさん、さようなら」のあらすじや感想をまとめてみましたのでご覧ください!

『みなさん、さようなら』配信先一覧
動画配信サービス 配信状況 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu
dTV
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2020年2月1日(土)時点のものです。
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【あらすじ】

「悟、12歳・団地で生きていく!」

1981年、商店街もある巨大な団地で暮らす渡会悟(濱田岳)は小学校を卒業してから中学校には一日も行っていない。
担任の教師が説得するも、団地の外には一切出ずに生きていくと堂々と宣言する悟。
勉強だって生きていくのに不自由ない程度は習得しているし団地内には友達だっている、将来は団地の中にあるケーキ屋さんに就職する、と言う悟に教師も呆れて返す言葉がない。

とは言え、悟は単なる引きこもりではない。
悟の一日は朝5時起床の乾布摩擦から始まり、ラジオの基礎英語講座で勉強、ランニングに筋力トレーニング、学校帰りの同級生の帰宅チェックに、夜には団地内をパトロール…となかなか忙しく規則正しいのだ。

そんな悟に母親(大塚寧々)は「大丈夫、団地の中で生きていけるわよ」と寛容さを見せていた。

「団地内での中学時代」

小学校を卒業して二年目(つまり中学二年生)、かつては活気のあった悟の団地はどんどん人が減り始めており、同級生の引っ越しも目立ち始めた。

そんな中、悟は小学生時代の同級生で引きこもりの薗田(永山絢斗)とひょんなことから仲良くなり一緒に夜のパトロールをしたり、テレビで見た空手家に夢中で毎日のトレーニングにますます熱が入っていたところ強いと勘違いされて不良グループに喧嘩の加勢を頼まれたりと、団地の中だけでもそれなりに中学時代を謳歌していた。

そして、中学卒業を迎え、隣に住む幼馴染の松島有里(波瑠)からベランダ越しに卒業証書を渡されるのであった。
「卒業おめでとう、渡会悟」
一日も学校に行っていないのに…

「16歳、大人の階段を昇る」

16歳になった悟は就職活動をはじめ、幼い頃からの常連であったケーキ屋「タイジロンヌ」の主人に無理やり頼み込み雇ってもらえることになった。
ある日、悟が夜に団地内をパトロールしているのがのぞき見をしていると住人達の間で噂になっていると有里から忠告をされる。
パトロールを辞める決意をする悟、しかしケーキの配達中につい癖が出てしまい部屋を覗いているところを住人に見られてしまう。
ケーキ屋の主人からも、店の信用問題だ!と怒られすっかり凹む悟。
ベランダ越しに有里にも怒られ「俺はただ団地内の皆の事が心配でを知りたいだけだ!」と訴える悟。
そんな悟を有里は「部屋に来る?」と誘い、二人はキスをするのだった。

それから悟と有里は何度も部屋で逢瀬を重ねるが、有里は断固として一線を超えることは拒んだ。
そして、ある日有里から「もう、やめよう」と関係の終わりを告げられる悟。
気が付けば小学校卒業から7年の月日が経っていた…

「人生の春!そして…」

悟は団地生活のまま二十歳を迎えた。
小学校時代の同窓会も団地から外に出ない悟に合わせて団地内の集会所で行われた。

そこで悟は初恋の相手、緒方早紀(倉科カナ)と再会する。
団地内の保育園に就職が決まっており、団地が好きでずっとこのまま変わりたくないと言う早紀と意気投合し二人は付き合うことになった。
早紀との関係は良好で婚約までこぎつけ幸せ絶頂の悟。

しかし、ある日早紀から「悟ちゃんと一緒に団地の外に出たい」とお願いされるのであった。
悟は承諾し、二人で駅前のカラオケボックスに行くことに。
しかし、団地と外とをつなぐ階段の前で足が止まる悟。
無理しなくていいと言う早紀に悟は言う。

「頭ではわかってるけど体が動かないんだ。
でも、この階段をおりられればどこへだっていける」

そして、早紀に手を引かれ一歩ずつ階段を下りる悟だが、踊り場までくると気を失い倒れ
てしまったのだった。

「団地生活の真相とは?」

悟が団地から出なくなったのには理由があった。
10年前、小学校卒業間際に悟の通う小学校で殺人事件が起こった。
学校に忍び込んだ当時中学生だった犯人は、悟の友達を包丁で刺したのだ。
それも、悟の目の前で…
以来、悟はそのトラウマで団地から出られなくなったのだった。

団地はどんどん老朽化し、住人は減る一方。
悟の同級生も残りわずかで、昔いろいろあった隣の幼馴染の有里も大阪に転勤になり出ていった。
そして、婚約者の早紀も他に好きな人が出来「普通に結婚して普通に生活したい」と去って行ったのであった。

不運の連鎖は続き、最近物忘れが酷くなり悩んでいたタイジロンヌの主人も、店を全部悟に譲ると置手紙を残して去っていってしまった。
仕方なく、同級生の薗田と一緒に店を続けることにしたが、薗田は突然演劇に目覚めて団地を出ていってしまう。
しかし、すぐに戻ってきた薗田は精神的に病んでおり、一緒に店を続けられる状態ではなくタイジロンヌも閉店に追い込まれた。

卒業15年目、遂に団地の残る同級生は悟と薗田の2人だけになってしまった。

「団地の皆は俺が守る!」

悟の団地での日常はそれでも続いていく。
ある日、テレビを見ているとドラマの端役に同級生が出ていた。
小学校の卒業文集に、将来の夢を「俳優」と書いていた友達だ。
それを見て勇気が出た悟は「流しのケーキ教室」を始め団地内で活動を始める。

悟が団地内のグラウンドで時々一緒にサッカーをして遊んでいるマリアと言う外国人の少女がいた。
妹が誕生日なのでケーキを作りにマリアの部屋に行った悟はマリアが母親の再婚相手から虐待を受けていることを知る。
「団地の皆は俺が守る!」と悟は毎晩マリアの部屋に行くことに決めた。
そして、ある晩マリアを連れて行こうとする義父とその仲間を阻止すべく対峙することに。

あの12歳の時の事件から、悟は怖くて団地から出られなくなっただけではない。
団地の皆を守りたい、と本気で思い強くなるために身体を鍛えていた。
最初はビビりながらも渾身の空手の技で次々と倒し、マリアを救ったのだった!
後日、マリアは笑顔で母親と妹と共に団地を出ていった。

「悟、遂に団地を出る!」

ケーキ教室も順調な悟は、団地内で元気にやっていた。
しかしある日、母が脳梗塞で倒れたと一本の電話が。
一目散に走りだした悟、どうしても降りられなかった団地と外の階段をいとも簡単に降りて母の元へ駆けつける。
しかし、母はそのまま帰らぬ人となってしまった…

独りぼっちになってしまった悟は母の遺品から日記を見つける。
悟のやることには何も言わず、無関心とも思えるほどであった母。
しかし、誰よりも自分を理解し、そして信じてくれていたことを母の日記によって知った悟は涙が止まらない。
日記の最後には「悟、あなたならどこに行っても大丈夫」と記されてた。

後日、空になった悟の部屋。
団地を見上げた後、力づよく階段を下りていく悟。
卒業17年目、団地暮らしの最後の一人、渡会悟は新しい人生の一歩を歩みだしたのだった。

感想

実は、もっとふざけた映画なのかと思っていたのです。
濱田岳はすごく好きな俳優だし、面白そうだし観てみようっと!って軽い気持ちで視聴したのですが、ちょっと感動してしまいました。

悟が団地を出られなくなった理由が結構重くて、ただの変人なのかと思ってたらそれなりのトラウマがあったんだな~、と。
早紀と共に初めて団地を出ようとしたときに「この階段をおりられればどこにでもいける」って悟のセリフに、本当は出たいんだろうなぁ…苦しいなぁって切なくなりました。
それと、悟の周りの子達が年月と共に外見とかどんどん変わっていくのに悟だけ全然変わらないのもなんだか切なかったです。

でも、一番心に響いたのは最後の母親の日記です。
お母さん、いつも悟に関して何の干渉もしなくて、でもすごく悩み苦しんだんだろうなってわかったんです。
日記には勿論、そんなことは書いてません。
でも「この子なりに頑張っているから、私も全てを受け入れよう」とあり、
自分も子どもがいるから共感して鼻の奥がツーンとしてしまいました。

子どもの事で一番難しいのって、信じて見守ることなんです。
そのためには親って何度も腹をくくらなきゃいけない。
悟は、お母さんの大きな愛情があったからこそ、この特異な人生を進んでこられたんだと思いました。

個人的に、クールな波瑠の演技と永山絢斗のナヨナヨした演技にハマりました(笑)
二人ともイメージと全然違う役で映画のスパイスになってましたね!

緩い映画かなと思ったけど結構見応えがあり、あっという間の二時間でした。
自分の人生に迷ってる時に観るとけっこう良い感じかもしれません。

 

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