タイトル:僕のヒーローアカデミア 11巻
作者:堀越耕平
登場人物:緑谷出久、オールマイト、オール・フォー・ワン、爆豪勝己、他
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ヴィラン連合にさらわれてしまった勝己。
彼を救うべく、出久と轟くん、八百万、切島、そして飯田くんはアジトに向かいます。
そのとき、出久たちと同じくプロヒーローたちもヴィラン連合を倒すためにアジトに乗り込んでいました。
プロヒーロー側が優勢かと思われたこの作戦、しかし突然現れた連合のボス、オール・フォー・ワンによって事態は急変。
劣勢に立たされたヒーローたち、そして出久たちはどう立ち向かっていくのか?さっそくレビューしていきます!
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あらすじ
勝己救出作戦、成功
着地するや否や、間髪を入れずにオール・フォー・ワンにパンチを叩き込むオールマイト。
しかし奴は「衰えたね、オールマイト」と言うと、一撃でオールマイトを吹き飛ばしてしまいます。
それを間近で見ていた出久は、オールマイトの負担を少しでも減らすために、誰とも戦わずに勝己を救出する方法を考えだします。
まず飯田くんと出久と切島くんが壁を破壊し、轟君が個性で道を作り、最後に切島くんが彼に呼びかけるという方法です。
出久は、入学当時から今まで対等な「友達」としての関係を築いてきた彼の呼びかけなら、勝己も応じてくれると考えたのです。
その作戦が功を奏し、彼らは勝己を助けて脱出します。
師匠・志村奈々とオール・フォー・ワン
その後、出久たちの後に続くかのようにプロヒーローたちが応戦にやってきます。
そこには、グラントリノの姿も。
オールマイトも再び戦闘態勢に入ります。
「貴様はそうやって人を弄ぶ!私はそれが!許せない!!」
しかし、もう既にかなり体力を消耗していたオールマイトは活動限界がきてしまったのです。
そのとき、オール・フォー・ワンが呟きます。
「同じような台詞を前にも聞いたな。ワン・フォー・オール先代継承者、志村奈々から。」
「平和の象徴」という重圧と責任
オール・フォー・ワンは語り出します。
「理想ばかりが先行し、まるで実力の伴わない女だった…!」
かつての師匠を貶され、激昂するオールマイト。
しかしグラントリノが止めに入ります。
そう、彼らが戦っている元ヴィラン連合のアジトの周辺には、被害者がたくさんいるのです。
オールマイトがこれ以上戦えば、さらに人々が巻き込まれる可能性もあります。
その間にもニュースで放送される彼らの戦い。
街の人々や生徒たちにもその様子が届きます。
そう、オール・フォー・ワンはオールマイトの「平和の象徴」と言う肩書きまでも利用して、彼ががこれ以上何もできないように仕組んだのです。
そして次の瞬間、上空でその様子を撮影していたヘリコプターがとらえたのは、活動限界によって変わり果てたオールマイトの姿でした。
「平和の象徴」は崩れない
限界を迎えた姿、トゥルーフォームを晒されても、心は依然平和の象徴だと断言するオールマイト。
しかし、そんな彼に衝撃の事実が告げられます。
その瞬間、オールマイトの顔から笑顔が消えます。
彼は、自分の手で師匠の家族を傷つけてしまったという事実を受け止めることができません。
しかしそんな時、俺の後ろからか細い声が。
「負けないで…オールマイト、お願い…助けて。」
街の人たちも必死でモニター越しに写るオールマイトを応援していました。
どれだけ姿が変わろうとも彼は「平和の象徴」、みんなの希望そのものなのです。
彼は限界を超えたボロボロの体でもなお、立ち上がります。
最恐の個性VSオールマイト
その時、対峙するふたりのもとにやってきたのはエンデヴァーやその他プロヒーローたち、彼らは取り残された街の人たちやヒーローたちを救出しに来たのです。
「あの邪悪な輩を…止めてくれオールマイト…!!」「どんな姿でもあなたは皆のナンバーワンヒーローなのだ!」
みんながオールマイトの勝利を願っています。
しかし、オール・フォー・ワンは恐ろしい姿を見せます。
彼は今まで奪ってきた数々の個性、最強最悪の「オールマイトを殺すためだけに集めた個性」で体を増強したのです。
しかも、オール・フォー・ワンはなぜか彼の力の譲渡先が出久であることを知っています。
「先生としても、君の負けだ。」
オールマイトの最後の勇姿と言葉の真実
しかし、その個性での攻撃を受けてもなお、オールマイトは倒れません。
彼の脳内に、かつての師匠の言葉が蘇ります。
「次はお前の番だ。頑張ろうな、俊典。」
その言葉を次は彼が出久にかける番、まだ死ねないのです。
その瞬間、彼は残りの全ての力をふりしぼり、オール・フォー・ワンに渾身の一撃を叩き込みます。
煙が晴れたとき、そこに立っていたのはいつもの力強い姿のオールマイトでした。
そしてその後、カメラに向かって指を差して言います。
「次は君だ。」
それは人々にとってはまだ見ない犯罪者位の警鐘、平和の象徴の折れない姿そのものでした。
しかし出久にとっては逆の意味のメッセージだったのです。
「私はもう出し切ってしまった。」
その言葉の真意を知る出久だけが、泣いていたのでした。
トップヒーローではなく「先生」として
事件から数日後、出久の携帯電話にオールマイトから連絡がはいります。
かつて出久がオールマイトと訓練をしていた砂浜で彼は待っていました。
そして、出久の姿を見た彼は出久を思いっきり殴ります。
怒られるかと思っていた彼ですが、オールマイトが言いたいことはそんなことではなかったのです。
「君が初めて怪我せず窮地を脱したこと、すごく嬉しい。これから私は君の育成に専念していく。この調子で…頑張ろうな。」
その言葉を聞いた瞬間、出久の目から涙が溢れ出します。
その言葉は、トップヒーロー・オールマイトの終幕を告げていました。
お母さんの不安
そしてその後、雄英高校では家庭訪問が行われることになります。
世間に、そして言わずもがな生徒たちの家族に、これ以上不安を抱かせるわけにはいかないからです。
内容は「雄英高校を全寮制にする」というもの。
思いのほか平和的に進んでいく家庭訪問、オールマイトは最後に出久の家を訪れます。
全寮制の提案をするオールマイトに、遺族のお母さんは「私、嫌です。」と言い切ります。
心配性お母さんVSオールマイト
ヒーローになりたいのなら雄英でなくてもいいんじゃないか、と言うお母さん。
そんな彼女とオールマイトに、出久はある手紙を持ってきます。
そう、それは林間合宿で出久が助けた男の子、恍太君からのものだったのです。
この手紙が僕をヒーローにしてくれた、という出久。
その姿を見たオールマイトは、お母さんに土下座をします。
そして、出久が自分の個性の後継者であることを告げたのです。
「出久少年に私のすべてを注がせてはもらえないでしょうか!!この命に代えても守り、育てます。」
その言葉に、思わず腰を抜かす出久のお母さん。
憧れのヒーローにここまで言ってもらえるようになった出久のことを思い、自分が折れると言います。
いよいよ始まる寮生活!
そして、いよいよ雄英高校での寮生活が始まります!
これから彼らは、林間合宿で取る予定だった仮免の取得に向けて動いてことになるようです。
その夜、梅雨ちゃんに呼び出された出久と轟くん、八百万、切島、飯田君。
彼女は「病院で私が言った言葉、覚えてるかしら?」
彼女は、出久たちに無事でいてほしくて、病院で彼らにきつい言葉をかけていたのです。
それをずっと気にしていた彼女。
涙を流しながら、またみんなで楽しくおしゃべりをしたい、と言います。
みんな、彼らのために必死で色々なことを考えていたのです。
やっぱりA組は素晴らしいクラスだなぁ、と改めて思いました。
そして翌日、新たな学校生活が始まります。
最初の授業は「必殺技」の取得です!
感想
とうとうこの長かった戦いに決着がつきましたね。
読みながら、そして書きながら感情移入しまくってかなり目を腫らしました…。
そして、オールマイトと師匠・志村奈々の過去も明らかになりました。
オール・フォー・ワンに師匠を殺された憎しみと、死柄木が彼女の孫であるという事実がオールマイトを深く苦しめたと思います。
しかし、そんな中でオール・フォー・ワンに一矢報いたオールマイトは、まさに「平和の象徴」そのものでした。
これを書ききった堀越先生には本っ当に脱帽です。
そして、オールマイトは事実上「ナンバーワンヒーロー」ではなくなってしまいました。
となると、今後のトップになるのは轟くんの父親、エンデヴァーですよね。
今後の他のプロヒーロー達の動きも気になります。
かなり重いことを長々と書いてしまいました……さぁ、楽しい話をしましょう!(笑)
今回のレビューでは書ききれなかったのですが、出久たちの暮らすことになる新しい寮では「お部屋披露大会」なるものが行われているんです。
詳しい部分は本編でチェックしていただきたいのですが、個人的にこの大会で好きになったのは、男子が瀬呂くん、女子が耳郎ちゃんですね。
ふたりともギャップがあって個性的なお部屋だったので是非見てみてください!!
『僕のヒーローアカデミア』第12巻のあらすじ・ネタバレはこちら
『僕のヒーローアカデミア』第10巻のあらすじ・ネタバレはこちら

ベースを弾くことと音楽を聴くことが大好きな学生です。二次元と三次元の間を行ったり来たりしています。
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