「亜人」コミック10巻のあらすじ・ネタバレ・感想 〜永井、佐藤それぞれの環境。そしてラストゲームに向かう〜 | VODの殿堂

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「亜人」コミック10巻のあらすじ・ネタバレ・感想 〜永井、佐藤それぞれの環境。そしてラストゲームに向かう〜

   
 

タイトル:「亜人」第10巻
作者:桜井画門
登場人物:永井 圭・海斗 ・戸崎 優 ・下村 泉・田中 攻次 ・佐藤・オグライクヤ・中野 攻・曽我部
観覧した電子書籍:マンガボックス

永井たちは佐藤との戦いに負けずとも、ほぼ負けたと言ってもいい状況で終わってしまう。
このまま、佐藤との戦いから永井は手を引いてしまうのか?
残された戸崎、下村、中野のたちはどのような選択肢を選ぶのか。

まだまだ一波乱では済まない展開になりそうです。
10巻は永井の母親との関係も永井を知る上で重要ポイントになりそうですね。
さらに、佐藤の人生にも触れられているようなのでチェックですね。

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【あらすじ】

FILE:44 血筋

永井は中野と別れた後、電話ボックスから母親に電話をかけます。

きっと、この時間であれば妹のいる病院だと考えます。
永井の考え通り、母親は病院にいます。

電話に出た母親は永井が「久しぶり」と言い終える前にピシャリと「電話している余裕なんてあるのか」と言いのけます。
佐藤と手を組んでいるわけでは無い事も、国の人間にそそのかされて手を組んで佐藤と戦っていること等、全てを見透かしている母。
そして「そんなことやめて、とっとと…」言いかけた母親に永井は「もうやめたよ、姿を消す前に最後に挨拶でもと思って電話をした」と言います。
母親は「逃げるのは正しい判断、子供を守るのは親の義務だが、亜人であると知らされたからには私に出来る事は皆無」といい、さらに「第一あなたは死なないから、私は慧理子を優先する」と言います。
分かっているという永井に、母親は「だったら親の機嫌なんて伺わず、すべき事をしなさい」と言い放ちます。

まだ何か言っている母親の言葉を聞かず、永井は受話器をおきます。
そして「母さんらしいな」と笑顔でどこかに向かいます。

病室で待っていた慧理子に電話は兄の圭だったと話します。
「テロリストと戦っていた」という母に、慧理子は「あんな冷たい人が、警察と手を組んで戦うなんてあり得ない」と言います。

慧理子は、子供のころ永井が将来のために海斗との関係を断ち切った事を思い出します。
母親は全て知っていて、その上で「圭は合理的なだけで冷たいわけではない、圭が慧理子の病気を治す為に医者になろうと考え、母の助言通り海斗との関係を切った」「誰かを大切にするというのは、思っているだけでは意味がない」「大切にするという事は、その人のために行動し実現する事」「そのためにはみんなを大切にするなんてのは不可能、だから余分なものは嫌だったとしても切り捨てなければならない」「より大切なものを本気で実現させる気が圭にはあるから」と、慧理子に話します。
「圭は自分の置かれた状況の中で自分に出来ることに全力を尽くせる」と言い、最後に慧理子の眼を真っ直ぐに見ながら「私はそんな人間を、冷たいの一言で断罪すべきでないと思う」と言います。

うつむき母の言う事を聞いている慧理子に、母親は「父親似であるあなたの人間性を否定しているわけでない」いいます。
そして「だってお父さんのそう言うところを好きになったのだから」と優しく言うのです。

本当は、兄である圭の事を心配している慧理子は涙を流します。
「兄さんは、どうなっちゃうの?」と母親に問います。
母親は「姿を消すそうよ、正しい判断ね」と言い、少し間をおいて「ただあの子お父さんの方にも少し似ちゃったのよ、つまり私ほど合理的ではない」と遠くを見つめながら言います。
そして「おそらく圭は逃げない」と断言します。

そのころ永井は海を見つめ、殺された仲間たちのことを思い出しています。
そして、何かを決めたような表情をするのです。

母は、どんな事があっても永遠にあなたの母親である事、どんなバカなことをやろうとしているかは知らないがあなたの選択で徹底的に生きぬきなさいと、心の中で圭に伝えるのです。

佐藤の元には、厚労省から話し合いの場を持ちたいとの連絡がきます。
仲間の奥山が佐藤に「いつまで続けるのか」と聞くと佐藤は「死ぬまでかな」と答えるのです。

FILE:45 U & I

戸崎が昔の事を思い出しています。
その当時、好きだった相手にプロポーズをした時の事です。
「君が死ぬまで、どんな事をしてでも守りつづける」と言うのです。

戸崎が、永井たちとフォージ安全で戦っている時携帯が鳴っていました。
電話の相手は、プロポーズをした女性が治療を受けている病院です。
その時、戸崎は彼女が息を引き取った事を知らされていました。

戸崎は彼女の病室に行き、来るのが遅くなった事を詫びます。

そして、プロポーズをした時の彼女の返事を思い出します。
彼女は戸崎のプロポーズを断ります。
理由は親の借金を返してからというのです。
「お金のためにあなたと結婚したって、誰にも言われたくない」という彼女に、戸崎は笑顔で「わかった」といいます。
そして彼女は戸崎がどんな事をしても君を守ると言った事を思い出し、「悪いことはしないでよ、人に迷惑をかけて生きたくないもん」といいます。

戸崎はその言葉を思い出しながら、ベットで横たわる彼女に「君に怒られるような事を沢山してきた、けじめをつけてくる」といいます。
そして「結婚しよう」と言い、病室を後にします。

病院を出た戸崎を、曽我部が待っています。
曽我部は戸崎に「医療費を出していた女性が亡くなったのなら、今のポストを自分に明け渡して下さいよ」といいます。
戸崎は喜んでくれてやると言います。
曽我部は下村や消防士の秋山について等、内密に調べるよう指示された事を戸崎に脅しをかけるかのに言います。
そして、「自分は偉くなり裏の活動を再建させる」といいます。

戸崎は下村が待つ車に乗り込みます。
「まだ、やめませんよね」と問う下村に戸崎は「ああ、隠れ家に戻るぞ」といいます。

戸崎たちの仲間であった1人が病室のベットで目を覚まします。
今までの事を思い出し、病室から逃走するのです。

FILE:46 おはよう、またあした

約20ヶ月前、場所はアメリカメリーランド州。

研究室と思われる部屋には、ひとりの日本人男性の遺体が横たわっています。
中村慎也事件で慎也をかばい銃弾を受けた友人の男性です。
助手と思われる男性は、彼が着ていた服には多量の血痕と銃弾で穴があいているにも関わらず、遺体にその跡が全くない事に驚く。
スミス博士は「亜人になりかけで死んだのではないか」と言います。
その頃、日本ではまだIBMの存在は知られていなかったのです。
スミス博士は、「なりかけ」と「フラッド」そして亜人やIBMが生まれるのには科学的根拠があるといいます。

そこにオグラが現れ「亜人に宇宙の法則は通用しない、そんな事を考えても無駄だ」と言います。

2人がやりとりをしている所に、ひとり女性がオグラに書類のサインを貰いにやってきます。
名前は、スズキ ジュン、日本で1例目の亜人です。

そして、そこに亜人であるジムという若者もやって来て2人に話しかけます。
ジュンとジムは、この施設で仕事をしながら研究対象にされています。
2人の足首にはGPSが装着されています。
オグラは2人に、なりかけとフラッドが同時に見られる理由を話します。
オグラはフラッドが起こる条件を「一生に一度、あるかないかの感情の高まり」と「復活する際のIBM濃度の上昇」が重なり合い、特別な精神状態に到達する時だといいます。
そしてそんな状態に到達した時、近くの死んだばかりの人間にも影響を及ぼす事で「なりかけ」がみられると言います。
科学的根拠を見出そうとするスミス博士は、感情がIBMに作用すると言うオグラに「それが科学者の言うことか」といいます。
「ひとりの科学者として必ず解明してみせる」といいその場を離れるスミス博士の足首にもGPSが装着されています。

FILE:47 Call of Duty:Infinite Warfare

ゲームセンターで多くの人に見られながらゲームをしている男性がいます。

「何故そんなに上手いのか?」と問われると、「コインを入れれば何度でもトライできるから」と答えます。
彼の名前はサミュエルオーウェンといい、亜人佐藤の若かりし頃の名前です。
佐藤は、軍隊を除隊になった後、叔父の住む日本に移り住むのです。
叔父はカタギの人間ではなく、佐藤を迎えに来るのですがその理由を、佐藤が軍人の時に得た経験を若い連中に伝えて欲しいという事のようです。
佐藤は「悪いけどパックマンの新作がでるから」と日本に行くのを断ります。
それを聞いた、叔父の付き人の1人が「だったらその国はパックマンを作った国だから丁度いい」と佐藤に言います。
他にも色々なゲームの名前を聞き佐藤は日本に行くことを決めます。

佐藤の叔父は組同士の抗争で殺されてしまいます。
佐藤はその後、どのような経緯でかは分かりませんが、沢山の組織の人間を殺していたようです。
その事で佐藤はカタギはない人たちから狙われ、結果、拘束され射殺されるのです。

殺された佐藤は復活し、生き返ります。
そして、殺されたはずの佐藤が銃を持ち反撃してきたのです。

亜人佐藤が誕生した瞬間です。
「何なんだ」と驚く男たちに、佐藤は「誰かがコインを入れたみたいだね」と笑顔で言うのです。

場面は変わり、現在の佐藤たちはこれからどのような作戦でいくかと言うことを話し合っています。
佐藤が、「厚生労働大臣との極秘会談にむけこちら側の要求をまとめておこう」といいます。
田中は「流血沙汰はナシで」と主張します。

佐藤は、田中の心変わりに気づいている様子。
佐藤たちと田中の考えに大きなズレがあるのです。

FILE:48 負け犬共

政府では「新亜人管理法案」が可決されます。
今までの亜人法は「亜人の捕獲と保護を主目的」としたものでした。
新亜人法は「亜人と判明した時点で人権の垣根を超えた、より包括的かつ強行な拘束、隔離措置が可能」とされるのです。
そして、厚労省が保有する亜人リストを公開し、住民一人一人が監視することができると言うものです。

先に隠れ家に戻っている戸崎と下村の元に、中野がやってきます。
中野はふたりが無事であったことを喜びます。

「永井はどうした?」と聞く戸崎に、中野は「アイツはやめるって…」といいます。

そして、まだ戦うよな?と問う中野に、戸崎は「私はな」と答えます。
中野と下村には帰っていいと言う戸崎ですがふたりは残る意思を告げます。
「最後まで頑張れば勝ち目はあるんじゃないのか?」と言う中野に、戸崎と下村は返事をしません。
重たい空気が流れる中、永井が「ただいま」と隠れ家に帰ってきます。

驚く中野に「やっぱり戦おうと思って帰ってきた」と、答える永井。
永井は、佐藤はもう飽きてきている為、すぐに最終ウェーブ、所謂この国の統治へ移行するはずと言う考えを戸崎に説明します。

「佐藤は国の運営には興味はなく、この国の執行機関、軍部、報道機関に壊滅的なダメージを与える事が、奴にとってのゴールだ」とも永井は言います。
永井は、亜人管理委員会が佐藤たちとの和解に向けて行う予定である会談を行う日が、佐藤と戦うラストチャンスだと考えます。
そこに、戸崎の携帯が鳴り会談日程の連絡がきます。
会談は19時間後です。

「勝算はあるのか?」と戸崎は永井に質問します。
永井は「勝てっこないでしょう」とあっさり答えます。
「しかし、最後まで戦う」と続けます。
中野は永井に「論理的にしか行動しないのではなかったのか」と言います。
永井は真剣な表情で「勝率0%、この数値は何も干渉しなければ永遠に0のまま、だから無駄でも行動し続ける。」
「たとえ、0.000001%程だとしても勝機が生まれる可能性を死なせない為にだ」
「つまり、何は無くとも最後まで戦うと言うことは非論理的行動ではない、0%の勝率を最大限に引き上げる為に熟考された完璧な論理的行動だ」と力強く言います。

最後に一言「佐藤を倒すぞ」とみんなに言うのです。

まとめと感想

とうとう、ここまでやってきました。
佐藤との戦いに敗れてしまった永井達ですが、やはり戦うという選択をします。

この巻は、永井と母親の関係がほんとうに胸が熱くなります。
きっと私が母親であるというのも、大きな理由だと思いますけどね。
永井が人間らしくない所があると言うのは、逆に誰よりも人間らしいからこそ、そう感じていたのかもしれないですね。
母親は永井の行動全てを分かっているようです。
自分自身に似ている永井に父親似の要素がある事も、そして永井がどの様な行動に出るのかもお見通しと言うわけですね。
永井には佐藤と戦いで、何があっても生き抜いて欲しいと思ってしまいます。

佐藤が初めて亜人になった話もあります。
命を落とす事がなければ、佐藤は自分が亜人であることを知らないままだったのかも…と思うと佐藤を殺害した連中を恨んでしまいます。

日本で亜人に関する情報がまだあまり知られてない時点でアメリカでは既に、亜人と人間が共存している研究所もあったようですね。
全ての亜人が佐藤の様に凶暴でどうしようもない訳ではないのですからね。
とはいえ、日本政府の亜人に対する実験研究は賛成できるものではないのも素直な気持ちです。

佐藤の一件で、日本では亜人の存在自体が危険なものと言う流れになってきています。
佐藤たちに勝利をしたとしても、永井たちが平和に暮らせるという保証はないですがね。

戦うことをやめると言っていた永井が戻ってくるであろう事は、戸崎は分かっていた様に思いますね。
何もしなければそのままだが、動く事でそれが0では無くなる…という永井の言葉はしびれてしまいます。

次巻では最終バトルが始まります。
佐藤たちの仲間の1人、田中の存在も大きく戦いを左右するのではないかと思いますね。
終わって欲しいような、まだまだ続いて欲しいような…複雑な気持ちですがね。
早く11巻を読みたいですね。

 

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