「クダンノゴトシ」コミック6巻(最終回)のあらすじ・ネタバレ・感想〜光は世界を救えるのか?〜 | VODの殿堂

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「クダンノゴトシ」コミック6巻(最終回)のあらすじ・ネタバレ・感想〜光は世界を救えるのか?〜

   
 

タイトル:「クダンノゴトシ」第6巻
著者:渡辺 潤
登場人物:辻元 光、桜井 千鶴、藤澤 伸司、河合 舞、橘 秀美、加藤 美雪、クダン
観覧した電子書籍:マンガボックス

大学のサークル仲間の光たち6人は、卒業旅行の帰りに事故に遭います。
その事故で出会った、体は牛で顔は人間の化け物クダン。
仲間の辰巳、あゆみ、洋太、伸司…。
次々とクダンに予言され死んで行くのです。

その元凶は自分自身であると知り、落ち込む光に近づくあゆみ。
クダンを神と信じ舞は、光との子供を身ごもります。

光はクダンの呪いから世界を救おうと、生き残っている千鶴と立ち向かうのですが…。
舞のお腹の子供はどうなるのか?
光と千鶴、そして世界はどうなるのか…。
いよいよ、最終巻です。

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【あらすじ】

第四拾八話 辻元光<其ノ弐拾参>

舞のお腹を突き破り、産まれてきた赤ん坊は、瞬く間に少年に成長します。
その少年は「邪魔をするな」と言うのです。

「君はこの世から消えるはずだった。だから僕が生まれたのに、余計なことをして存在を戻している」と光の方を向きながら言います。

「目的はなんなんだ」と言う光に、少年は笑みを浮かべるだけで何も言いません。
すると突如、少年の身体は溶けだし排水溝へと流れて行ったのです。

子供を産んだ舞は、予言後7日が経過していないにも関わらず、死んでしまいます。

第四拾九話 辻元光<其ノ弐拾四> 桜井千鶴<其ノ拾五>

3月14日
喫茶店で美雪は、水を飲みながら千鶴に「藤澤のクダンが来たのでは?」と聞きます。
「クダンは来てない」と、千鶴が嘘をついていた事を、美雪は感じ取っていたのです。

二人がアパートに戻ると、千鶴の部屋も空き家になっていました。
そして、千鶴の存在自体が消えているのを示すかのように、影も無くなっています。
千鶴は「藤澤君のクダンに、私の存在は完全に消滅すると言われた」と、美雪に打ち明けたのです。

すると話を聞いていた美雪が、突然苦しみだし倒れました。

その頃、東京のあちらこちらで、美雪と同じような症状の患者が、病院に溢れています。

第五拾話 辻元光<其ノ弐拾五>

舞から生まれた少年が、全裸で渋谷駅前を歩いていたのです。
警官の制止も聞かずに、その光景を携帯で撮影しています。

同じころ光は、実家があった場所に向かっていました。
すると、光の存在が戻ってきている事を示すかのように、そこには実家が存在していました。
最後に光は、両親に一目会いたいと思い、家で待つ事にします。
テレビのニュースを見た光は、東京都内で突然、苦しみだす原因不明の感染症が発症し、多数の死亡者が出ていると知ったのです。
そして、千鶴の父親の「東京を引き金に世界は滅ぶ」と言った言葉を思い出します。

その時、編集者の田坂が光の実家を訪れ、光に取材を申し込んだのです。
交渉の途中、田坂の携帯が鳴り、同僚から動画が送られてきました。
それを見た田坂は驚き、光に瓜二つの男が歩く動画を見せます。

第五拾壱話 辻元光<其ノ弐拾六>

田坂は同僚から「渋谷で裸の男が現れ、大勢の人が倒れ死人も出ている」
「裸の男は、ドロドロに溶けて消えた」と聞かされたのです。
その話を聞いた光は、田坂に「現場に連れて行ってほしい」と頼むのでした。

光は現場に向かいながら、今までの事を全て田坂に話します。
あり得ない話に驚く田坂でしたが、現実に起こっている事と相違ない事に、信じざる得ない、と思うのです。

二人が現場に着いた時には、光そっくりの男の姿は見当たりませんでした。
光は、手がかりを知る為に「民俗学研究所に行こう」と、田坂に言います。
すると、どこから現れたのか、光の背後に裸の男が立ち「もう止められないよ」と、囁くのです。

第五拾弐話 辻元光<其ノ弐拾七> 桜井千鶴<其ノ拾六>

光は、裸の男に「お前の目的は、人類を滅ぼす事か?」と問いかけます。
男は「こうなる事は決まっていた。ただの運命だ」
「辻元光は、世界を終わらせるためだけに存在していた」
「なのに、今回の君は何故かその役目を果たそうとしない、イレギュラーな存在だった」
「その証拠に、何度も自分の存在を消そうとしていた」
「だから僕が生まれてきた」と言いました。

光はその言葉を聞き、昔から自殺をしたいと考えていた事を思い出します。
光は無意識のうちに、自分を消滅させ、災厄を終わらせようとしていたのです。
「もういいや。僕こそが辻元光なんだから」と言い、立ち去ろうとする男に、光は「じゃあ、好きにするよ」と、ライターを手にしました。

そして、光は多くの人が見守る中、ライターと殺虫スプレーを使い、男に火を付けたのです。

第五拾参話 辻元光<其ノ弐拾八>

「こいつが病原菌の元だ」と、殺菌剤をかけるよう叫ぶ光を、警察官は止めようとします。

しかし、全てを目撃していた大勢の野次馬は、光を守るべく警察官の妨害をするのです。
パニック状態の中、田坂が殺菌剤を奪い、男に振りかけました。

光は、男が動かなくなったのを確認すると、田坂から高濃度の消毒液を受け取ります。
そして、迷うことなく自分に振りかけ、自ら火を放ったのです。

その時、焼け死んだ筈の男の身体が、牛の姿【クダン】に変わりました。
そして「アト、7日デ世界ハ滅ビル」と言い、消えて行った。

第五拾四話 辻元光<其ノ弐拾九>

火を放ち、丸焦げになった光を助けようとする田坂に、光は「早く、オレを消してくれ」と頼みます。
そんな二人の傍に現れた警官が、突如、光に銃弾を数発撃つのです。

そして、その警官が「こいつもバケモノだ」と叫ぶと、その場はパニック状態となるのでした。

第五拾五話 辻元光<其ノ参拾> 桜井千鶴<其ノ拾七>

警官の言葉を引き金に、光は大勢の人からリンチを受けます。
そこに、事件を知った千鶴が駆け付けるのです。
千鶴は光を助けようと、光の体に突き刺さった鉄の棒を抜こうとします。

そんな千鶴も影がないと知られると、同じバケモノであるとされ、リンチが始まるのです。
「千鶴は関係ない」と言う光の言葉に、耳を傾ける者はいませんでした。
千鶴は、鉄の棒を首に刺され、火を放たれます。

その光景を目の当たりにし、無数の暴漢者たちの「死ね」と言う言葉を聞き、光は「人間なんてくだらない」と思うのです。

第五拾六話 辻元光<其ノ参拾壱>

光は炎に包まれながら、それでも人類を救うべきなのか、滅ぼすべきなのか考えます。

ふと、光が千鶴を見ると、燃え盛る炎の中「あいしてる」と千鶴は言うのです。

光は千鶴の言葉を聞き、全てを終わらせる決意しました。

そして次の瞬間、光と千鶴の身体が光に包まれ、辺りは激しい光に覆われます。

最終話 件の如し

3月25日
週刊誌編集部で千鶴は、1枚の写真を見せられ質問を受けているのです。
写真には、白石辰巳、馬場あゆみ、小野寺洋太、藤澤伸司、河合舞、そして千鶴の6人が写っていました。

2週間の間に千鶴以外の全員が亡くなっている事を、不審に思った記者の田坂が、千鶴に話を聞いています。
千鶴は、写真を見ながら他にも誰かいたのでは?と感じるのです。

しかし、千鶴自身も【渋谷の暴動に巻き込まれた】記憶以外は、何も思い出せませんでした。

3月27日
千鶴は、母親と美雪に奇妙な事件が続いたのは「自分が呪われているから」と、話します。

そんな落ち込む千鶴を、美雪は近所にある天神社に誘うのです。
そこには願掛け牛と言われる牛の石像があり、美雪は「願いが叶うから撫でて」と、千鶴に言いました。
言われた通り牛の石像を撫でると、千鶴の眼から何故か涙が溢れ出します。
それを見た美雪は「チーちゃんは、呪われていない。護られたの」と言うのです。

4月
千鶴は社会人となり、印刷会社で働き始めます。

なかなか仕事に慣れず凹む千鶴を、先輩が飲みに誘ってくれるのです。
先輩が席を外し、寂しそうに俯く千鶴の前に「お店からのサービスです」と、カクテルが出されます。
バーテンダーは恥ずかしそうに、カクテルの名前を「最高のめぐり逢い」と言い、下心は無いと慌てるその笑顔に、千鶴は懐かしさを感じたのです。

そして二人は互いに、自己紹介を始めるのでした。
「桜井千鶴って言います」
「僕は、辻元光です」と…。

感想

とうとう最終話となってしまいました。
正直、この様な展開になるとは思っていなかったと言うのが私の感想です。
しかし決して残念だったと言うのではなく、予想外の展開で、終わり方も良いと感じました。
何かこれから先も、まだまだクダンの呪いは続いて行く…と、思わされるのが面白く感じます。

光を助けに行った千鶴までもが、多くの人から暴行を受けてしまします。
集団心理と言うものの、恐ろしさを感じました。
クダンノゴトシの様な事は非現実的ではありますが、同じような事は起こっているような気がします。
皆がしているから…と、言うことだけで行動を起こす事がどれほど恐ろしい事なのか、考えさせられましたね。
光は、そう言った事全てを悟ったうえで、世界を救う選択をしたのか?と初めは思ったのですが、光が自身を消滅させてでも守りたかったのは、世界なんて大きなものでは無く、千鶴だけだったのだと私は思うのです。

漫画の最後で千鶴は、辻元光と再会します。
以前の記憶がない千鶴ですが、どのような未来に繋がっていくのか知りたくなります。
出来れば、光との幸せな未来があると思いたいですがね。
きっと、クダンの呪いは続いて行くのではないでしょうか。

 

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