タイトル:「ミュージアム」第3巻
著者:巴 亮介
登場人物:沢村久志、沢村遥、沢村翔太、霧島早苗(カエル男)
観覧した電子書籍:マンガボックス
刑事の沢村は、仕事ばかりで家庭を顧みなかった結果、妻と子供は家を出ます。
そんな中、連続猟奇的殺人事件が発生。
被害者の共通点は、とある事件の裁判の関係者だとわかるのです。
沢村は妻が、その中の1人に当てはまる為、行方を探します。
しかし、妻と息子は犯人に連れ去られてしまうのです。
犯人が霧島である事を突き止め、霧島邸に向かう沢村。
しかし、連続猟奇殺人事件の犯人である霧島早苗に、監禁されるのです。
パスワードが判明し、監禁部屋から出た沢村を、待ち受ける運命は?
沢村は、妻の遥と息子の将太と共に、助かる事が出来るのか。
そして、猟奇的殺人犯の霧島は、どのような運命をたどるのか。
最終巻では、気になる所全てが、スッキリする事を願っています。
【あらすじ】
VoL.19 擬装
沢村は、パスワードが【EAT】食べる、である事に辿り着きます。
そして監禁されて以降、食事として送られてくるハンバーガーに、目を向けるのです。
沢村の脳裏に、ハンバーガーの肉は…と、一瞬嫌な光景が思い浮かびます。
沢村が、パスワードを打ち込むと、鍵が解除されます。
扉の先はキッチンがあり、血の付いた包丁や、肉をミンチにする器械があります。
そして冷蔵庫の扉には、沢村の妻と子供の写真が貼ってあるのです。
恐る恐る、扉を開けると、妻と子供の頭部が並べられていました。
沢村は、叫びパニックになります。
霧島は、沢村の姿を別室のモニターで、確認しています。
その同じ部屋には、沢村の妻と子供もいるのです。
冷蔵庫の頭部は、霧島が精巧に作った【偽頭】だったのです。
モニターが見えない所にいる妻は「沢村に何をしたの」と、霧島に問います。
霧島はその事には答えず、一方的に「有罪、四六時中働いている夫を捨てた」と、言います。
そして、霧島は沢村の妻に「ようやく完成するよ、またひとつ僕のミュージアムに作品が並ぶ」と、にやけ顔で言うのです。
VoL.20 嘔吐
ナイフを手に近づく霧島に、沢村の妻は「何でも言うことを聞くから、夫と子供は助けて」と、懇願します。
その頃、霧島邸の前に、刑事たちがやって来ます。
駐車場のトランクからは、堺医師の遺体が発見されます。
刑事たちは気づかれない様に、霧島邸に入って行くのです。
冷蔵庫の中にある頭部が、偽頭とは気づいていない沢村は、食べたハンバーガーを思い出し嘔吐します。
そこに、カエルの被り物を着けた霧島が、現れます。
霧島は「息子だけは助けてくださいと、命乞いをした。だから先に子供を窒息させた」と、沢村に言います。
その言葉に、沢村は怒り「殺してやる」と言うのです。
VoL.21 お仕事見学の刑
沢村は、拳銃を持ち、霧島に向け発砲します。
その銃声は、刑事たちにも微かに届きますが、どこからかは分かりません。
逃げる霧島を、沢村は全力で追います。
逃げた霧島は、自分と同じようにカエルの被り物を身に着け、同じ服装をさせた、妻の元に行きます。
そして「私刑執行」とだけ言い、自分は隠れるのです。
そこに、追いかけてきた沢村がやって来ます。
沢村は、それが妻と気づかずに「死ねえ」と叫び、拳銃を向けます。
霧島は、沢村からは見えない位置から、その様子を見ているのです。
VoL.22 背中
拳銃を構えながら、沢村は家族の事を考えます。
妻の遥と出会い、結婚し、息子の将太が生まれ、幸せな日々を過ごしていた事。
いつの間にか、仕事を優先し、家族の事を後回しにしていた事を思い出すのです。
ふと沢村は、目の前に立つカエル人間の背中が、妻であると気づきます。
「遥」と叫ぶ沢村に、妻は「私を撃って」と言います。
その時、遥を真ん中に、沢村とは反対の方向に、霧島が現れるのです。
VoL.23 エンディング
沢村は、遥の方へ駆け寄り、突き飛ばします。
そして、霧島が居た方へ銃を構えるも、姿はありません。
沢村は、遥に息子が無事である事を確認し、霧島を追いかけます。
霧島は将太を人質にし、沢村の前に現れます。
「息子を助けてくれ」と頼む沢村に、霧島は「それは君次第だよ」と言います。
そこに妻の遥が、やって来ます。
霧島は、息子を助ける条件として沢村に「沢村遥を殺せ」と、言い「僕の気が変わらないうちに、早く作品を完成させてくれ」と続けるのです。
沢村は「それ以外なら何でもする。俺は殺されてもいい」と手にした銃を、床に置きます。
そんな沢村に、霧島は「それが答えか…、エンディングは3つあった」と語り始めます。
「ひとつは、沢村が妻を殺し息子と生き残る。」
「もうひとつは、僕の隙を狙って、拳銃で僕を撃ち殺す。」
「そして最後のひとつは…」と言いかけた霧島は、何かに気づき、左方向に目をやるのです。
そこには刑事が居て、霧島に銃口を向け「動くな」と、一言だけ言うのです。
最終話 ハッピー・バースデー
沢村は、確認できない場所から聞こえる「銃を捨てろ」と言う声が、仲間の刑事だと分かります。
そして、沢村の背後にも刑事が来るのです。
「僕の邪魔をするな」と言い終える前に、霧島は発砲されます。
霧島は、一瞬の隙をみて、慌てて外に逃げ出します。
しかし、極度の光アレルギーを持つ霧島は、太陽の光を受けた事で、顔面が腫れあがり、その場に倒れこむのです。
1年後、刑事を辞めた沢村は、カウンセリングを受けながら、生活を送っています。
「霧島は、あの日以降ずっと、昏睡状態のまま」と、先輩刑事から聞かされます。
その夜、沢村家では将太の4歳の誕生日を、家族3人で祝っています。
沢村は、将太が消した蝋燭から立つ煙を見つめます。
そしてあの日、霧島が最後に言おうとしていた、【もうひとつのエンディング】とは…何かを考えます。
それが【3人とも死んでしまう】と、言うものではないのか?と思うのです。
そう考えてしまう沢村には、揺れ動く蝋燭の煙が、お線香の煙のように感じるのです。
まとめと感想
正直、結末に残念さを感じてしまうのは、私だけなのでしょうか?
どの様な結末であれば満足するのか、と聞かれると、答えは出せないんですけどね。
何も悪くはない沢村一家が助かり、ハッピーエンドと言う結末は、悪くはないですからね。
それに終わり方も、読み手によっては、捉え方が変わってくるような感じもします。
他の人たちがどう感じているのか、ネットを使い調べてみたのですが、作者の巴亮介氏の考えていた結末も、実際は違うものだった様なのです。
1巻から内容としては、際どい表現もあり、規制が掛かった説があるようです。
その結果、作者が考えていた結末に出来なかったそうです。
それを聞くと、何となく納得してしまいますね。
物足りなさを感じてしまう、結末でしたからね。
本当の結末は…と、考えてしまいたくなります。
ちょっと、と言うか、既婚者としてウルっと来たのは、あれだけパニックになり興奮状態だった沢村が、背中を丸めて立つ姿を見て、妻の遥だと気づいたのは感動でした。
自分がもし、そのような状況になったとして、果たして旦那さんは気づくのか…と考えてしまいました。
きっと、いや、絶対気づいてくれると、私は信じていますけどね。
「ミュージアム」は映画化もされていて、漫画とは少し違った内容もあるようです。
霧島が行なった数々の刑が、実写映画ではどの様に映像化されているのか、気になります。
そして映画でのエンディングは、果たしてどうなのか…も、確認してみようと思います。
霧島は、死んだも同然なのかもしれませんが、昏睡状態と言うのが、少し怖い感じがします。
猟奇的殺人者の霧島が、もし目を覚ましたら…と考えると、【霧島のミュージアム】は、まだまだ続いて行くのか?と、思いますからね。
日々、忙しく働くママナースです。家庭でも仕事でもストレスが多いですが、漫画やアニメを見ることで現実逃避している今日この頃…。常にダイエットをしている万年ダイエッターでもあります。
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