『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series 第3話』のあらすじ・ネタバレ・感想~どっちも迷惑だけど、自覚ある方がいいかもしれない~ | VODの殿堂

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『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series 第3話』のあらすじ・ネタバレ・感想~どっちも迷惑だけど、自覚ある方がいいかもしれない~

   
 

タイトル:キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series『迷惑な国』
放送局:AT-Xほか
放送期間:2017年10月6日~12月22日
アニメーション制作:Lerche
キャスト:キノ:悠木 碧/エルメス:斉藤壮馬/シズ:梅原裕一郎/陸:松田健一郎/ティー:佐倉綾音/師匠:Lynn/相棒:興津和幸 ほか
視聴したVOD:dアニメストア(2017年11月30日時点では無制限で見放題)

キノの前に現れた大きな城壁、そこは移動を続ける大きな国だったのです。
さっそく入国したキノは、移動し続ける国に数日間滞在することにします。
ところが移動し続ける国の前に、平野部を高い城壁で塞いでいる通せんぼの国が現れます。
通せんぼの国は、移動する国を通すことを拒否し、武力行使に出ました。
移動する国も負けてはいません。
武力と行動力を持って、強引に通せんぼの国を通過しようとするのです。

はたして移動する国と通せんぼの国、どちらが迷惑国なのでしょうか?
そしてキノと移動する国は、無事に通せんぼの国を通過することできるのでしょうか?

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』配信先一覧
動画配信サービス 配信状況 見放題 配信先
U-NEXT 視聴ページ
hulu
dTV
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2020年3月26日(木)時点のものです。
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あらすじ

【地震】

湖のほとりでハンモックに座るキノは、何か思い悩んでいる様子で【森の人】を握りしめ、「やれやれだ。」と呟いた。
キノはとりあえずいい考えが思いつくまで、ハンモックで眠ることにする。
そんな時エルメスが地面の揺れを察知。

「地震…かな?」

「違う。揺れは小さいけど段々と大きくなっているし。」

キノの言葉をエルメスは直ぐに否定した。
どうやら何かがゆっくりと近づいてきていたのだった。
湖の奥から大きな土煙が上がり、大きな円柱型の建造物がキノとエルメスの前に現れた。

「あれは…なに?」

「やっぱり国じゃない?」

あっけらかんとエルメスが答える。

【移動する国】

移動し続ける建造物を追いかける1人と1台。
キノは初めて見る国に興奮気味だった。
キノは移動する国に入国するため、エルメスの出した【親指を出してみる】という案に乗って、国に向かってサムズアップする。

『旅人さんですか?あなたは入国を希望されますか?』

すると移動する国から反応が返ってきた。
キノが入国を希望することを伝えると、『ではしばらくお待ちを。』という声のあと、国がゆっくり停止。
国を支えるタイヤの下から、小さな車が現れる。

「こんにちは旅人さん。私はこの国の入国審査官、兼案内人、兼検察官、兼その他です。我が国では公務員が、色々な仕事を兼任しますので。」

中から出てきたのは、国の公人の男性は言う。

「こんにちわ。あの、やはりこれは国なんですか?人が住んでいるんですか?」

キノが戸惑いがちに質問すると、男性はにこやかに肯定する。
移動する国は平地に沿って西へ向かっているようだ。

「旅人さんの入国目的は観光ですか?それとも移住でしょうか?」

公人の男性の質問に、キノは観光と休養の希望を出した。

「お客様はいつでも大歓迎です。何日ほど滞在を希望されますか?」

その質問にキノはエルメスと頷きあう。

「5日から10日ほど希望します。」

【移動する国の中】

「せっかくなので、この国の中をご案内します。」

公人の男性はキノを助手席に、エルメスを荷台に乗せて国内を案内することになった。
まず案内されたのは、移動する国の動力源だ。
大きな動力炉で生み出された蒸気が発電機を動かし、その電力で国が動く仕組みだった。

「この装置は自動で動きますので、ここで私達がすることは監視だけです。それより必要なのは、キャタピラや駆動モーターの交換や整備ですね。」

次に案内されたのは住居区。
ビルがいくつも立ち並び、キノが宿泊する場所もここに用意されるそうだ。

「やっぱりずっと移動してるの?良い土地を見つけて定住とかは?」

エルメスが質問すると、公人の男性は2つの理由を告げる。

「1つは動力炉の問題です。移動を長い時間止めるとその熱量、エネルギーですね。これがもう余ってしまうんです。それを防ぐ為に、ほぼ常にキャタピラを動かして消費しています。」

「なるほど。」と頷くキノ。

「もう1つはキノさんたちと同じですよ。色々な景色、変わってゆく景色、私達はそれらが好きで移動し続けています。つまり国民全員で旅をしているんです。」

「なるほど、いいですね。」

キノは静かにほほ笑みを浮かべる。

【宿泊】

用意された部屋でシャワーを浴びるキノ。

「こんなに豊富にお湯が使える国は、間違いなく初めてだ。」

「その水は循環されるから、明日のお昼に飲むかもしれないよ?」

シャワーを浴びてご機嫌なキノに、エルメスはからかい口調で言った。

「全然気にならない。川の泥水を布でろ過して飲むよりマシ。」

お客様用パジャマに身を包んだキノは、トランクの中に着替えを片付ける。
すると少し大きな振動が発生するが、すぐに振動は収まった。
荷物を片付けたキノは、真っ白なシーツが引かれたベッドに横になる。

「上手くいくかな?」とエルメスが言う。

「さあね。それも4、5日でわかる。さて、寝る。」

キノは静かに目を閉じて眠る体制を取るが、エルメスが慌てたようにキノの名前を呼ぶ。

「話はまた明日、お休み。えっと…電気全部消す。」

キノの声を合図に室内の電気がすべて消え、エルメスの話を聞かず静かに眠りについた。
翌朝きれいなベッドとシーツで眠ることができたキノは、ご機嫌に起きだした。
「おはよう。」と声をかけるエルメスは、昨日言いたかったことをキノに話しはじめる。

「髪が完全に乾かないまま寝ると、翌朝すごいよ?」

【キャタピラの跡】

翌日も公人の男性の案内で、移動する国の中を巡るキノは、国内で唯一太陽光を浴びることができる最上階へ上がってきていた。

「鳥…?」

キノは国の外を飛んでいる小さな何かを発見する。

「我が国のカメラです。周辺の様子を映し出してくれるんですよ。」

「へぇ…」と頷くキノの視界に、移動する国が移動してきた跡が見える。

移動した国が進んできた道には、キャタピラの後がしっかり刻み込まれていた。

「こればかりはどうしようもありません。豊かな大自然に、これだけ大きな跡を残すのは、とても心苦しいです。きっと迷惑でしょう。しかし、人が歩けば足跡は残ります。これだけは仕方がないと割り切り、またこの土の上に新しい緑が、逞しく育ってくれることを願っています。」

と公人の男性は、公人らしい言葉を告げたのだった。

【卒業制作】

国内を案内される途中、キノは外に延びるクレーンを見つける。

「あれは壁画を描くためのクレーンですね。幼年学校の卒業記念に、壁画を描くんですよ。」

公人の男性は車を止め、キノは壁画を描く様子を見学することになる。
壁画は在学中見た中で、最も印象深かった景色をみんなで選んで描くそうだ。
城壁の下に下りたクレーンの中には、幼い子供たちの姿があり、キノの姿を見つけると「旅人さ~ん!」と声をかけ、「ようこそ!」と歓迎していた。

完成した絵は、写真に残した後、次の生徒たちが卒業する500日後まで城壁を飾るそうだ。

【緊急事態】

「今日は農場を案内しましょう。」

公人の男性によって、国内を案内されるキノ。
そこにサイレンの音が鳴り響く。

「火事?」

エルメスが聞くと、公人の男性は丁寧に「これは進路近くに別の国を発見したという警報です。」教えてくれる。

「私は外交官として指揮所に行きますが…見学、されます?」

そう聞く公人の男性に、キノは静かに頷いた。

【通せんぼの国】

「お待たせしました。」

「ではよろしく。おや旅人さん、初めまして。私がこの国の大統領です。どうかゆっくり見学を。」

指揮所にやってきたキノを出迎える上品な女性は、移動する国の大統領だった。
正面のモニターに映し出された光景に、「困ったことですねぇ…。」とつぶやく大統領。
目の前には平原を通せんぼするかのように立った、高い高い城壁があった。

「通せんぼ、ですね。こんにちは、私はこの国の外交官です。話し合いがしたいので責任者を。もしあれば無線に出して下さい。」

公人の男性はマイクに顔を近づけながら、通せんぼの国に対して声をかける。
すると通せんぼの国の将軍と名乗る男性が、前に出てくる。

「こちらは常に移動している国です。あなた方の国を横切らせて下さい。」

その言葉に驚愕した将軍は、その非常識な要求を拒否。

「やっぱり。」

エルメスはぽつりとつぶやいた。

「しかしですね、あなた方の国は平野部を城壁で完全に塞いでいます。これでは私達の国の通るところがありません。」
「ここは我が国が、長年の努力によって拡張した領土である。もしそれ以上近付くなら、我が方も自衛の為、武力を以て事態解決に当たるしかない。」

通せんぼの国の城壁に、大砲が運び込まれる。
その様子を見た移動する国の人たちは、少し困ったような顔をしながらも特に慌てる様子もなく、太陽光を取り入れられる最上階をドームで覆う。

「け、警告はした!貴国は、我が領土を侵犯する意図ありとして、攻撃を開始する!」

止まる様子がない移動する国をみた将軍は、最終通告をし攻撃に踏み切った。
城壁に備えられた大砲から砲弾が発射される。
爆発によって黒煙が上がる様子を見た将軍は、「どうだ!」と誇らしそうな顔をするが、移動する国はビクともせず、通せんぼの国に向かって進み続けていた。

【強行突破】

攻撃を続ける通せんぼの国に対し、溜息をつく大統領。
ふと公人の男性が、移動する国が通れそうな場所を発見する。

「大統領閣下、畑のところが通れそうですね。家を大量に押し潰さなくても良さそうです。」

「それはとてもいいですね。」公人の男性の言葉に、穏やかな笑みを浮かべて了承する大統領。

「それでは私達は、あなた方の国の田園地帯を通り抜けます。進路上の方々は退避願います。速度を上げますので、半日も掛からないと思います。ご安心下さい。」

移動する国の言葉を聞いた将軍は、「そんなことはさせない!」と憤怒。

「たとえ大砲が通用せずとも頑強な城壁が我々を守るだろう!」

将軍がそう言うと、移動する国からピンク色のレーザーが城壁に向かって放たれる。
レーザーはゆっくりと城壁をカットしていき、移動する国が通れるだけの広さを確保した。

「道ができました。」

「では通りましょう。」移動する国は通せんぼの国の中へ入っていく。
しかしその途中、進路上に家の持ち主である女性が立ちふさがった。
公人の男性は、将軍に女性に退避するように伝えてほしいと言う。

「あなた方は!自分たちの恵まれた環境をこれ以上なく悪用している!」

将軍は移動する国の背中を見ながら叫び続ける。
仕方なく公人の男性は、「危ないですよ。どいて下さい、轢いてしまいます。」と女性に声をかけ続ける。

「踏み潰される他の国!他の人々の迷惑や被害!悲しみを考えないのか!そのような、人として最低限必要な考えすら持てないのかぁ!」

将軍はなおも叫ぶ。

「あんなこと言ってるけど、どうする?」

エルメスがキノに聞く。

「聞かなかったことにしよう。」

キノは静かに呟いた。

【壁画】

なおも移動する国の移動が続く中、指揮所では音楽が流れ、ゆったりとしたティータイム中であった。
外では通せんぼの国の兵士が、小型ミサイルで城壁側面に攻撃をしかけていた。

「放っておいても問題ないでしょう。」

公人の男性もお茶を楽しみながら言うが、どうやら攻撃されているのは壁画周辺であることから、教育委員会から対処要請が届いていたのだ。

「わざとですね。なんとも酷い嫌がらせです。子供たちがとても悲しみます。レーザーで攻撃しますか?」

公人の男性が大統領の意見を問う。
大統領はミサイルを誘導する装置だけを攻撃することができない以上、必要以上の犠牲を出したくないと告げ、「子供たちにはあとで私から説明しましょう。」とやむを得ない決断を下した。

「パースエイダーで撃つのは?」

これまでじっと状況を観察していたキノが言う。

「そんなことが出来る人は我が国には居ません。」

「もしよければ、僕にやらせてください。」

【フルート】

ライフル銃を構えるキノ。

「開けてください。」

公人の男性によって、ドームの一部が解放される。
風が一気に流れ込むなか、キノは城壁の外で低い体勢を取り、ライフル銃を構える。そして深く深呼吸をしたあと、引き金をひき、ミサイルの誘導装置だけを確実に破壊していく。
しかし2つのミサイルが発射されてしまい、キノは急いで体制を立て直し、2つのミサイルを撃ち落とす。その光景は移動する国の中で、放映され、ミサイルを的確に狙撃したキノの姿に国民は熱狂。
子供たちはキラキラした目で、モニターに映るキノの姿を見ていた。

【迷惑な国】

反対側の城壁も破壊し、通せんぼの国を通過した移動する国。

「どうもお騒がせしました。」

と去っていく移動する国に対し将軍は、「謝罪と損害賠償を要求する!これは我が国の持つ正当な権利である!移動を停止し交渉に応じろ!」と叫ぶ。

「それは応じかねます。ではごきげんよう。」

移動する国は決して止まることなく、通せんぼの国を去っていった。

国を去るキノは公人の男性に、「これだけの力があれば、他国を征服するのも簡単だろう。」と言った。
しかし公人の男性は、「私たちはそんな生活を望みません。」とキノの言葉を否定する。

「それでも移動は続けるの?」とエルメスが質問。

「ええ。どんな人間でも、どんな国でも、ある程度他人や他国に迷惑を掛けながら存在しているものですよ。」城壁の上から子供たちはキノに向かって懸命に手を振る。
移動する国を出たキノは、再びエルメスに跨り走り出した。

「上手くいったね、キノ。」

「まあね。」

「面白い国だったね。それに迷惑な国でもあった。」

そういうエルメスに対し、「どっちが?」とキノが問う。

「両方、かな?」

「やっぱり。」

「だってあの通せんぼの国は、わざと平原を封鎖して通行する人から金品をふんだくろうとしてたんだし。」

エルメスの言葉に対してキノは、「高すぎたんだよ。」と返す。

「城壁が?通行料が?」

「両方、かな?もし【森の人】じゃなければ、他の物か、例えば労力だったら、素直に応じていたかも知れないのに…。」キノは走り続ける。
1人と1台の話題は、移動する国に変わる。
キノは「あの国はこれからどこへ行くんだろうなあ。」とエルメスに問いかける。

「さぁね。でもこれはハッキリしている。数百日後にはキノがライフル構えているところが壁画になるよ。」

エルメスの言葉を聞いたキノは、少し頬を赤らめる。

「それはちょっと、恥ずかしいかな。」

「迷惑?」

「それほどでは、ないかな?」

感想

どちらもとても迷惑な国でした。
アニメで初めてこの話を知る人の多くは、通せんぼの国が迷惑な国だと誤解するのですが、実はどちらも迷惑な国であるというのが、迷惑な国のオチなのです。
キノの旅の世界観を知らないとわかりにくいのですが、国と国の間はとても離れているので、なかなか引き返すという選択肢が取りにくいです。
しかも今回は平原を城壁で囲ってしまっているので、迂回するという選択肢もありません。
そのためキノもどうするか迷っていたのですが、移動する国は強行突破します。
通せんぼする国も迷惑でしたが、強引に国を横断する移動する国も大変迷惑です。
ただ移動する国は、はっきりと迷惑をかけているという自覚を持っています。
最後公人の男性が言った、「誰しもが、誰かに、何かに、迷惑をかけている。」と言いますが、私はキノの旅の作者のこういう人の節理を語る部分がとても好きなのです。
あと今回のアニメで、移動する国が日本みたいな服装なのが面白かったです。
公人の男性の台詞も、台詞の言い回しも、感情が殆どこもっていない政治家のような話し方だったのもよかったのではないでしょうか?

冒頭、キノは湖のほとりで森の人を持って思い悩んでいましたが、あれは通せんぼの国に入国しようとする際、森の人を要求されたから困っていたのです。
キノにとって森の人は、非常に大切なものです。
そのため通せんぼの国で森の人を要求されても、決して渡すことができないものだから、これからどうしようか悩んでいたのでしょう。
実は迷惑な国の話は、キノの旅でもかなり特殊な回です。
通常キノは一つの国への滞在を、【3日間】と決めています。
しかし移動する国では【5~10日間】と長期滞在を希望しています。
これは移動する国が通せんぼの国を通り過ぎるために必要な日数を計算してのことですが、原作を読んだ時はこの異常事態に大変驚いたものです。
さらにキノが自らの意思で人助けをすることも、かなり珍しいです。
キノは善人ではありません。
銃の腕も1人で旅をするために身に着けたものですから、【基本的に自分のことは自分で】というスタンスを崩すことはないのです。
上記2点からも、迷惑な国がとても特殊なお話だということがわかります。
今回のアニメ化にあたり、アンケートで放送する話を決めたので、キノが善人に見えることが多いのですが、決してキノは善人ではありません。
人も殺すし、人を殺すことに躊躇することもないということは、しっかり念頭に置いて視聴した方がいいでしょう。
さて次回は「船の国」です。
第2話コロシアムに出てきたシズと謎の少女ティーが登場します。

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