椎名軽穂による『君に届け』シリーズは、2006年から2017年まで別冊マーガレットに連載され、コミックの累計が1400万部を突破した大人気漫画です。
また2008年第32回講談社漫画賞少女部門を受賞し、同年にテレビアニメ化、2009年にバンダイナムコゲームスからゲーム化、2010年には多部未華子、三浦春馬のダブル主演で実写映画化もされました。
単行本は全部で30巻、アニメのシーズン1は第1巻から7巻まで、シーズン2は10巻までの内容が収録されています。
声優陣は黒沼爽子役に能登麻美子、風早翔太役に浪川大輔、吉田千鶴役に三瓶由布子、矢野あやね役に沢城みゆき、真田龍役に中村悠一、胡桃沢梅役に平野綾、シーズン2から登場する三浦健人役には、宮野真守を起用するなどとても豪華です。
今回は、そんな『君に届け』のアニメ第1期~2期を解説します。
アニメ『君に届け』配信先一覧
アニメ『君に届け』『君に届け2ND SEASON』 を、配信している動画配信サービスは以下の通りです。
見放題作品のため、お試期間を利用すれば無料で楽しめます。
ストーリー
高校生の黒沼爽子は見た目の陰気さから「貞子」と呼ばれクラスで孤立していましたが、同じクラスの爽やかなイケメン風早翔太と親しくなります。
そしてクラスメイトとの友情、恋のライバル出現などキュンキュンが盛りだくさんな学園ラブストーリーで、第1期と2期の二部作になっています。
『君に届け』(第1期)
前向きだけど見た目が陰気だった爽子が、風早翔太、吉田千鶴、矢野あやねらと出会い、恋愛や友情を通して明るく楽しい高校生活を送るという物語です。
高校入学からその年の年末に爽子と風早の2人で二年参りに行くところまでが描かれていて、少しずつ距離を縮めていきます。
『君に届け 2ND SEASON』(第2期)
高1のバレンタインから高2の夏までが描かれていて、風早にチョコを渡せなかった爽子と風早の心が微妙にすれ違っていき、見ている側はヤキモキさせられるという内容になっています。
主な登場人物
黒沼爽子
本作の主人公。
本人は至って前向きで何事にも一生懸命に取り組みますが、陰気な見た目のせいでみんなから“貞子”と呼ばれ恐れられていました。
しかし風早や、千鶴、あやねとの出会いによって勇気づけられ、成長していきます。
風早翔太
誰にでも分け隔てなく接することができる、クラスの人気者。
入学式で道を教えてもらった爽子に一目ぼれをし、何とか気持ちを伝えようとしますが、お互い初恋で不器用なためなかなかうまくいきません。
矢野あやね
愛称は“やのちん”で、茶色い髪、耳にピアスなど見た目はギャルですが、礼儀正しく友だち想い。
恋に悩む爽子や千鶴に的確なアドバイスをして、優しくそして時には厳しく見守ります。
吉田千鶴
愛称は“ちづ”。
けんかっ早いですが義理と人情に厚い性格で、ある一件からあやねと共に爽子の親友になります。
真田龍
風早の親友で千鶴の幼なじみ。
幼いころから千鶴が好きで、野球部に所属しています。
マイペースで、他人の名前を覚えるのが苦手です。
胡桃沢梅
フワフワの髪の毛、大きな目の美少女。
可愛らしい外見からは、想像もつかない腹黒さを持ち合わせています。
同じ中学出身の風早が大好きで、爽子のライバルになります。
『君に届け』の注目ポイント
ここから先はネタバレになります。問題ない方は読み進めてください。主人公の健気さ
とにかく主人公、爽子の健気なところに心打たれること間違いありません。
毎朝ゴミを拾いながら登校し、燃えるゴミや缶などに分けて集めるので、常に2つ以上のゴミ袋を抱えて学校に到着しています。
ちなみに最終巻まで続けているので、あっぱれですね。
今どきこんな高校生はいないと言っても、過言ではないでしょう。
それから、どんなに周囲から嫌がられてもきちんと自分から挨拶をするんです。
ただシャイな性格のため言葉足らずで、相手に誤解を与えてしまうところがあります。
その一方で相手から言われる嫌味などが理解できないため、苦痛を感じないなどプラス思考が爽子の強いところだと言えます。
ヒロインが憧れるイケメンな彼氏
そんな爽子のいいところに、いち早く気づいた風早。
まさに“爽やか”でできているような、風早のイケメンぶりには脱帽です。
風早は初めて会ったときから爽子に好意を抱いており、回を追うごとにその想いは強くなっていきます。
クラスの席替えのときも、爽子の隣だけは避けたいとヒソヒソ聞こえる中、率先して爽子の隣に座ったときは、顔も心もイケメンで超かっこよかったです。
そして風早にとっても爽子は初恋で、恋に関してはウブそのもの。
風早と爽子、純情すぎる2人の恋の行方にも注目です。
本作は友情なくして語れない
そして『君に届け』で忘れてはいけないのが、友情です。
上述しましたが、席替えで風早の次に爽子の前に座ったのが、“ちづ”と“やのちん”です。
このときの爽子は嬉しくて泣きそうになりましたが、私も「君たち!なんてカッコいいんだ!」と泣きそうになりました。
この2人が爽子を心配したり見守ったり、ここぞという時にはヘアメイクまでしてくれます。
爽子と風早が疎遠になってしまったとき、やのちんが「自分たちが目を離した隙にどういうことだ!?」と怒り出すところは、とっくに高校を卒業した私でもこんな友達がいたら毎日が楽しいだろうなぁと思わされました。
可愛すぎるライバル
爽子の恋のライバル胡桃沢梅は、見た目が可愛くぶりっ子なので周囲からは“なんていい子なんだ”と思われているんです。
しかし本当は腹黒く、爽子を陥れようと悪だくみをするところに人間臭さを感じました。
腹黒いことがバレてからの“くるみ”は、ぶりっ子をやめて本当の自分を出してきます。
そんな“くるみ”ですが、結果的には爽子の背中を押してくれるんです。
“くるみ”が登場すると、物語が途端におもしろくなるから不思議。
やっぱり恋愛物には、ライバルって必要不可欠なんですね。
原作と違うところ
アニメは、ほぼ原作に忠実に描かれています。
強いて言うならば、アニメは爽子と風早がお互いの気持ちを確かめあい、付き合うところで終わっていますが、原作ではその先の修学旅行や、やのちんの恋などが描かれています。
漫画『君に届け』をアニメ化することに期待していなかったというファンでも、いざ蓋を開けてみると、キャラクターや背景画像などそのクオリティの高さに驚いた人も多いそうです。
そのうえ差し込んでくる陽の光などが想像以上に美しく描写されていて、何度でも見たくなることでしょう。
原作の27巻から最終巻では、爽子たちが高校卒業後の進路決定までが描かれており、アニメ第3期としてぜひやってほしいと期待したいところです。
まとめ
『君に届け』は、そのタイトル通り自分の素直な気持ちを、大好きな人や友だちに届けることがテーマになっています。
クラスメイトは爽子を恐れて逃げるのですが、当の爽子はそんな友だちに毎日挨拶をして、少しでも仲良くなろうと努力するのです。
爽子と同じ中学だった生徒は、爽子を“貞子”という先入観で見てしまうのですが、高校で初めて出会った風早にはそれが全くなかったということですね。
風早と出会って爽子の人生は大きく変わりましたが、それは風早が本来の爽子を引き出したからではないでしょうか。
そして爽子の親友になる“やのちん”と“ちづ”、風早を巡ってのライバル“くるみ”たちの存在がすごくよかったです。
青春真っ只中の方、とっくに青春が終わった方、キュンキュンしたい女性や、また男性の方でも楽しめる作品となっています。

平凡な田舎のおばさんですが、国内、韓流ドラマが大好きで知識も豊富だと自負しております!あと、和菓子洋菓子ジャンル問わずスイーツには目がありません。
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