タイトル:ガイコツ書店員 本田さん 第5話
ーA「OTOIAWASE」/B「サイン本だよ!! 全員集合」/C「気になるエロの話」ー
放送局:BS11ほか
アニメーション制作:DLE
キャスト:本田:斉藤壮馬/カミブクロ:三瓶由布子/ホウタイ:喜多村英梨/ランタン:斉藤貴美子/オキツネ:伊藤 静/コオモテ:遠藤 綾/ラビットヘッド:山本和臣/フルフェイス:安元洋貴/ガスマスク:羽多野 渉/溶接マスク:増田俊樹/ケンドウ:西山宏太朗/アーマー:岡村明美/ペストマスク:日笠陽子
視聴したVOD:dアニメストア(2018年11月19日時点で視聴可)
書店員は、突然の爆買いにも、意外な問い合わせにも、メディア化による作品の大ヒットにも、臨機応変に対応しなければなりません。
しかし、いくら臨機応変に対応しようと決意していても、なかなか思ったようにいかないのです。
今回は書店員さんと意外なお問い合わせをするお客や、書店に並ぶ本にまつわるあれやそれなど、書店員の裏側を覗いてみましょう。
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あらすじ
A「OTOIAWASE」
「スミマセン。」
片言の日本語を話す外国人が本田に声をかけ、ある本を探しているとスマホを差し出した。
「この本はありますか?」
「はい、こちらに。」
「じゃあそれ…みんなの分も。」
(みんなー!?!?)
「というわけで…棚から本がなくなりまして…。」
スタッフルームに戻ってきた本田は、すぐさまアーマー係長に売り場の本が爆買いされたことを報告。
「わかる~…お客様が棚からいなくなったあと、あったはずの列が消えてる…みたいなことあるよね。」
「ぶっちゃけニーズを読むなんてこと難しくないですか!!」
本田の叫びに、アーマー係長も同意。
しかし、すぐ傍にいたガスマスク先輩に「あんたらそんなんで本屋やってるんスか?」と冷たくあしらわれてしまう。
なんでも彼は入社してすぐ、ペストマスク先輩に同じ質問をしたことがあるらしい。
「そしたら…。」
『いや…そういう仕事だから。』
「一刀両断っスよ。」
「でねぇ!!」
「ぐうの音もでねぇ!!」
しかし、理想はそうだが、現実はまったく追いつかないから書店員は嘆いているのである。
BL担当のアーマー係長は、「ネイティブ部族×大学職員」の書籍が頼んだ先から消えていくので、もっと頼んでおけばよかったと落ち込んでしまっていたのだ。
「とりあえず今できることからやろう!!いざ電話注文ー!!」
そう言って電話を始めたアーマー係長を尊敬のまなざしで見つめる本田に、カミブクロ先輩からお問い合わせ対応の要請がはいった。
(書店員たるもの、常に臨機応変であれ。それがお問い合わせなら、まずは真摯に向き合うことからすべては始まる。)
「あ、あそこで試し読みをしてる…ブラジル人っぽいお客様からのお問い合わせです。」
「Hi!!」
「完全に想定外の奴なんですけどー!!」
ここからアニメ視聴者にだけは、ブラジル人男性の音声は日本語である。
「実はちょっと聞きたいことがあるんだ。」
(よし!来い!!おもてなししてやる!!)
「ヨーロッパやアメリカのコミックはカラフルなのに、日本の漫画って白と黒の二色だよね。なんで??」
(アイドンノー!!)
意外すぎる内容に本田は動揺するが、どうやら彼は正しい答えを知りたいわけではないらしく、あくまでも日本人がそれに対してどう考えているか知りたいらしい。
(なんてことでしょう…だが私も、今できることからやるのみ!!)
本田は自分の語学力をフル動員して、必死に自分の意見を彼に伝える。
ちなみに本田は、「フルカラーだとコミックの単価が高くなってしまうので、少しでも大勢の人に漫画を読んでもらうために白黒で販売しているのではないか。」と答えている。
「なるほどね!じゃあ最後にもう一つ。」
彼はポケットの中からスマホを取り出し、本田に画面を見せる。
「ここ、どうやったらいけるかな?」
「ってお前迷子やったんかーい!!」
本田はブラジル人男性を連れ、書店の外に向かい、再び語学力をフル動員して道を教えたのである。
「Oh!OK!!」
「本当にほんまか?」
「アリガトー!!」
「セルフィー!」
熱烈なハグと謎の2ショット写真を収めたブラジル人は、そのまま目的地に向かって歩き出したのだった。
(真摯に体当たりしてくるお客様には、これからも真摯に答えさせていただきます。…たぶん。)
B「サイン本だよ!! 全員集合」
ある日、本田宛に電話がかかってくる。
それは、とある出版社の営業からで、近々発売される新刊のサイン本を作りに行きたいという問い合わせであった。
(っ!?てえへだ!!)
本田はすぐさま、アーマー係長に相談。
サイン本は書店にとっても喜ばしいことであるが、いくつか注意しなければならないことがあるらしい。
「その先生…つぶやくヤツやってるかな…。」
「それは未確認ですが…大事なことですか?」
「あの人たちは自分がどれだけすごい力を持っているか、わかってないんだ!!」
(急に何の話!?)
「書く。撮る。つぶやく。」
「その時の電話がもう…バグったRPGみたいになっちゃって…。」
(すごい力だ!!)
「あと…もう一つは数かな。サイン本は買切になっちゃうんで、その辺は交渉をお願いします。」
「了解です。」
通常書店の本は、多くは委託という形になっているので返品することができるのだが、サイン本は買切になるので在庫がでると書店側が困るのである。
そして当日、ついに漫画家が編集長や編集担当者、営業マンを引き連れて書店にサイン本を書きにやってきた。
サイン本を書き終わった一同は、そのままコミック売り場で本が並んでいる様子を見学することに。
「写真撮ってもいいですか?」
「あ、私も!」
並んでいる本を見て、漫画家と編集氏がスマホを取り出す。
「はい、どうぞどうぞ…はっ!!」
「せ、先生!!」
アーマー係長の忠告を思い出した本田は、慌てて漫画家に「つ、つぶやくヤツやってますか…?」と唐突に質問。
「や…ってますけど…。」
(あー!!聞き方間違えたぁぁぁ!!)
明らかに本田の質問に引いている面々に、慌ててつぶやくヤツにつぶやいてしまうと、書店の電話がパンクすることを告げる。
「了解です。では控えます。」
営業マンは本田の説明に納得したようで、そう返事をしたあと漫画家のほうに顔を向ける。
「でもすごいですね、漫画家さんは!」
「いや~…私の本にそんな価値は…。」
「あるんですよ!!先生の力はすごいんですよ!!」
(漫画家の皆さん、ネットで告知する際はぜひ、事前にご相談ください!!)
「店による!!」
C「気になるエロの話」
棚出し中の本田に、2人組の外国人男性が声をかける。
「We’re looking for Japanese Erotic Manga.」
堂々とした問い合わせに本田は動揺するが、目的の物があるセクシー棚に二人を案内する。
「Oh…sorry.」
彼らは少し困ったような顔をして、再び本田に問いかける。
その時、金髪の男性がソッと隣の男性の方を抱く。
「We’re looking for Japanese Gay-Manga.」
(ナルホドー。)
(確かにエロ棚にはゲイものを置いてないな…って待てよ。BL漫画は狂おしいほどあるがゲイコミックと言われると…。)
非常に悩ましい議題であるが、本田はゲイコミックがある場所へ2人を案内することに。
「ゲイコミック、イズディス。」
ここから、彼らの言葉は日本語へ。
「わお…。」
「すごく少ない。」
がっかりする二人に、本田は「But!」と言葉を続ける。
「ここら辺の本は、オール!ボーイズラブコミックでーす!!」
「おぉぉぉ!!」
「オーマイゴッド!!」
【一口にエロティックと言っても、その程度は本によっても様々である。】
「こういう話題は、大変難しいんですよね。いち読者として、求める自由さも痛いほどわかりつつ、かと言ってルールを守らねば、本屋として社会的信頼を損ねること山のごとし…。」
アーマー係長が机に置いた本に向かって、話しかけている。
なんでも、売れすぎの書籍が有害図書指定を受けてしまったらしいのだ。
ちなみに有害図書とは、各自治体が定めた青少年から遠ざけるべき本のことである。
通知は基本的にハガキで、本田が務める書店では返品すると決められていた。
「私最近…動物を食ったり皮剥いだりする元気な漫画にドハマりしてて…。」
本田はもしそれが有害図書指定されてしまったら、購入できる本屋を徹底的に探すそうだ。
そんな話をしているところに、とある問い合わせの電話がかかってくる。
なんでも、「とある少年漫画誌に掲載されている、とある漫画がエッチすぎるけれど、それはどうなのか?」という質問の電話であった。
(難しいヤツきたー!!)
本田はすかさず「上の者に代わりましょうか?」と言葉を返すが、電話の主は「それはいいです。」と断る。
「ちょっと立ち読みしたら、想像を超えるエッチっぷりでトラウマになるといった事態を招くのは書店としましてもしのびありません。」
本田の背後で仕事をしていたアーマー係長とカミブクロが「エッチ」という単語に反応し、その背中をじっと見つめる。
「当店では、店頭のコミックや雑誌にはすべてビニールをかけておりますので、そういった立ち読みによる不幸な出会いは回避できるのでは、と考えます。」
(我ながら流れるような回答!さぁどうだ!!)
『あなたは…。』
「え?」
『あなたは…あのエッチな漫画のこと…あなた個人はどう思いますか?』
(おっとそう来るーー!?)
その後、本田は四苦八苦しながら「エッチな漫画」に関する談義を続けることになったのである。
「…終わったー!!」
「お疲れー!もう心配したわ、エッチエッチ言ってるから。」
「漫画のエロ問題は、一筋縄ではいきませんね。」
そんな話をしているところに、ラビットヘッドが新刊書籍をもってやってくる。
「よーし、じゃあみんなで袋詰めしよ~!」
どんよりした空気を払拭するように、カミブクロ先輩が勇んで段ボールから本を取り出したのだが、うっかり落として中身が表に出てしまう。
【いいエロと悪いエロとはいったい…本屋も日々考えながら売っているのである。】
感想
本田さんが勤めていた本屋さんに限らず、きっと全国の本屋さんでこのような事案はたくさんあるのでしょうね。
今回は原作で紹介されている話を、細かくアニメにしているなという印象を受けたお話でした。
でも外国人による意外な問い合わせがすごく多いので、きっと都内の大きな書店に勤務していたのでしょうね。
さて、今回のお話で一番好きだったのは、やはりBLの話ですね。
BLとゲイコミックって混同されがちですけど、ちょっと内容が違うと私も思います。
しかし、この問題は非常にデリケートな問題で、どういう違いがあるかと聞かれると説明ができないのが残念です。
きっと、本田さんをはじめ、全国の書店員は同じような葛藤をしていることでしょう。
また、有害図書についても難しい問題ですね。
自治体によって指定する本が違いますし、Aという本よりもBのほうがダメだと思うということは多々あるでしょう。
本屋に限らず、最近はSNSの広告でアダルト指定が入りそうな漫画が誰でも見られるようになっており、有害の定義があいまいになっていると感じます。
文句を言う人は絶対いるでしょうし、それに対応しなければいけない書店員さんのことを考えると、改めてこの仕事は大変な仕事であると尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。

小学生と幼児のママ。常に娘のコスネタを模索中。育児のストレスはアニメ鑑賞と妄想でリカバリー中。今のブームは型月&刀剣乱舞。
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