カードキャプターさくら『さくらカード編』第8話のあらすじ・ネタバレ・感想~愛してるから許せなかった~ | VODの殿堂

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カードキャプターさくら『さくらカード編』第8話のあらすじ・ネタバレ・感想~愛してるから許せなかった~

   
 

タイトル:カードキャプターさくら『さくらカード編』ーさくらと思い出のカレンダーー
放送局:NHK
アニメーション制作:マッドハウス
キャスト:木之本桜:丹下桜/ケルベロス:久川綾、小野坂昌也/大道寺知世:岩男潤子/李小狼:くまいもとこ/月城雪兎・ユエ:緒方恵美/木之本桃矢:関智一/木之本藤隆:田中秀幸/クロウ・リード:林一夫
視聴したVOD:U-NEXT(2019年09月05日時点では閲覧可)

さくらは亡き母、撫子が使っていたカレンダーを発見します。
そこには家族の誕生日の他に、撫子のおじいさん、つまりさくらの曾おじいさんの誕生日も記入されていました。
さくらは父、藤隆に曾おじいさんのことを尋ねるのですが、曾おじいさんには1度しか会ったことがないそうなのです。
理由は、藤隆が撫子をさらった悪い奴だから、というものでした。
そこでさくらは、大好きなお父さんがどれだけ素晴らしい人か、そして亡くなったお母さんがどれだけ幸せだったか知ってもらうため、撫子の代わりに曾おじいさんにプレゼントを贈ることにしたのです。

『カードキャプターさくら』さくらカード編配信先一覧
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dアニメ 視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ 視聴ページ
※配信状況は2020年1月28日(火)時点のものです。

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あらすじ

☆母のカレンダー☆

朝食の準備を終えたさくらは、藤隆の部屋へ。
仕事に向かう準備を終えた藤隆は、ベッドに腰かけて何かを熱心に眺めていた。

「それ何?カレンダー?」

藤隆が持っていたのは、古い卓上カレンダーである。
それは撫子がモデルの仕事をしているときに使用していたものらしい。
カレンダーをめくると、撫子の文字で様々な予定が書きこまれていた。

「ねぇこれもらってもいい?」

「もちろんですよ。」

藤隆の了承を得ることができたさくらは、カレンダーをぎゅっと抱きしめて大喜び。
朝ご飯ができていることを伝えたあと、ご機嫌な様子で藤隆の部屋を出ていった。
さくらが去ったあと、さくらに見つからないように隠してあった写真を取り出し、見つめていた。

朝食の席で、さくらは撫子のカレンダーを眺めている。
カレンダーには、仕事の予定の他にも、家族の誕生日が書き込まれていた。

「あ!お兄ちゃんの誕生日が書き足してあるよ!」

「俺の誕生日がカレンダーに載るのは、4年に1度だからな。」

「載ってない年には、撫子さんが大きな字で書きこむんですよ。」

撫子のカレンダーには、もちろん桜の誕生日も書き込まれていた。
その事実に、さくらは幸せな気持ちとなる。
さくらはカレンダーを大切に鞄へしまい、学校へ登校していった。

☆撫子のオルガン☆

星條高校の音楽室。
桃矢は壁に掛けられたカレンダーを見つめていた。
脳裏に浮かぶのは、母との記憶。

『一緒に弾いてみましょう。』

生前の撫子は、オルガンを弾く人だった。

『上手ね、桃矢君。』

撫子と過ごした日々を思い出しながら、桃矢は静かにピアノに向かう。
奏でるのは、母とよく弾いていた曲。
桃矢は撫子と一緒にピアノを弾く時間がとても好きだった。

曲が終わると、いつの間にか音楽室にやってきた雪兎が桃矢に拍手を送る。

「上手だね、桃矢。」

雪兎は桃矢のほうに足を進める。
桃矢はもう一度ピアノを奏で始める。

「聞いたことない曲だけど?」

「母さんが作った曲だから。」

「きれいな曲だね。」

ピアノを弾きながら、桃矢は雪兎に話しかける。

「雪…俺、お前が…。」

「すっごーい!!」

しかし桃矢の言葉はそれ以上続くことはなかった。
窓の外から乱入してきた奈久留に邪魔されてしまったからだ。
いつもいつも、的確に邪魔をしてくる奈久留に、桃矢は重いため息をついていた。

☆曾おじいちゃんの誕生日☆

さくらは中庭の噴水の傍で、撫子のカレンダーを眺めていた。
カレンダーには、知世の母、園美の誕生日も記入されていたのである。

「もうちょっと早くわかってたら、プレゼント用意したのに…。」

さくらは残念そうに肩を落とした後、再びカレンダーをめくり始める。
次のページには、撫子のおじいさんの誕生日に印がされていた。

「おじい様って…お母さんの…ってことは、私の曾おじいちゃんか…。」

(曾おじいちゃんって…どんな人なんだろう。)

☆藤隆の事情☆

自宅に帰ったさくらは、さっそく藤隆に曾おじいさんについて尋ねることに。

「お母さん、曾おじいちゃんにもプレゼント渡してたんだよね。」

「撫子さんのプレゼントは、いつも必ず手作りの物でしたから。」

「お母さんは、お料理も裁縫も苦手だったんだよね?」

「ええ。でも撫子さん、一生懸命作ってましたよ。」

さくらはカレンダーを見つめ、曾おじいさんの現在について尋ねる。
藤隆曰く、曾おじいさんは現在も元気に過ごしているそうだが、藤隆自身は1度しか会ったことがないそうだ。

「どうして…?」

「おじいちゃんは、撫子さんを本当に大切に思っていらしてたんですよ。」

さくらの問いに、藤隆は言いにくそうに答えている。

「僕は、そんな撫子さんをさらった、悪い奴ですから。」

「お父さん悪い人じゃないよ!!」

さくらは席を立ち、藤隆の言葉を否定する。

「私…私お母さんのこと全然覚えてないけど、写真のお母さんいつも幸せそうだもん!!それに、お父さんとお母さんがいなかったら私生まれてないし、私すっごく幸せだもん!!」

「ありがとう。」

さくらの言葉に、藤隆は微笑みを浮かべてお礼を言うが、さくらは納得できないようで、腕を組んで頬を膨らませている。
そんなさくらの視界に、撫子のカレンダーが入る。

「そうだ!私がおじいちゃんに贈っちゃだめ?」

さくらは撫子の代わりに、曾おじいさんに手作りの誕生日プレゼントを贈ることを思いついたのである。
そうすることで、藤隆の素晴らしさと、撫子が幸せだったことが伝わればいいと考えたのだ。
藤隆も、さくらがプレゼントを贈ることに賛成してくれた。

「あ!今から用意しても間に合わないかも!」

「頑張れば、夜までに何か作れますよ。」

「でも、今日中にお届けできないよ…。」

曾おじいさんの誕生日は、今日だったのだ。

「大丈夫。確実に届けてくれる人がいますから。」

藤隆は少し考えた後、さくらに笑顔でそう答えた。
プレゼントを届けてくれる人物に、心当たりがあるのだ。

「おじいちゃん、きっと喜ばれますよ。」

「うん!」

☆曾おじいちゃんに贈るプレゼント☆

さくらはさっそくプレゼント作りを始めた。

苦手というわけではないが、裁縫がそれほど上手くないさくらは、指をさしながらも一生懸命プレゼントを作っていく。
そして夜10時半を回ったころ、ようやくプレゼントは完成。

「できたできたできた!!」

「ねぇねぇお母さん、どうやってプレゼント贈ってたの?」

藤隆は記憶の中から、撫子のプレゼントを思い出す。
撫子はプレゼントと一緒に手紙と撫子の花が添えられていたそうだ。

「お花…、ほえぇぇ!!もうお花屋さん閉まってるよ!」

時計を見たさくらは、がっくりと肩を落とした。
しかし撫子の花を用意する必殺技があることを思い出し、慌ただしく2階へ駆け出した。

「ただいま。」

さくらが階段を4段ほど登ったところで、桃矢が帰宅。
するとさくらはすぐに引き返して玄関へ。

「オルガン弾いて!!」

「は?」

「曾おじいちゃんのお誕生日なの!前聞かせてくれたお母さんが作ったやつ、あれテープに録音して!すぐね!!」

さくらは桃矢の返事を聞かず、そのまま2階の自室へ。
玄関に取り残された桃矢は、さくらの行動に首を傾げている。

「弾いてあげてください。」

桃矢は藤隆の言葉ですべて察したようだ。

(なるほど、それで今日。)

☆魔法を使う意味☆

部屋に戻ったさくらは、ケルベロスに掴みかかる。

「お花出したいの!!」

「はい??」

さくらに花を出したい事情を聞いたケルベロスは、暫しの間考え込む。

「曾じいちゃんの誕生日になぁ…。」

「でも、ケロちゃん言ってたよね。本当に必要な時しかさくらカード使っちゃだめだって…。」

さくらは先日無茶をしてケルベロスに怒られたことを、しっかり覚えていたのだ。

「うーん。」

「だめかな?お花、魔法で出しちゃ…。」

問いかけるさくらを、ケルベロスはチラリと見つめる。

「ほんまに出したいんか?」

「うん。」

「どーしてもか?」

「うん。」

「うーん…やってみ!さくらの気持ちがほんまもんやったら、魔法は暴走したりせえへんはずや。」

「うん!!」

☆花ーフラワーー☆

さくらは杖の封印を解除し、【花】をさくらカードに生まれ変わらせる。

「フラワー!!」

【花】はさくらの命令に従い、撫子の花を降らせた。

「やったな!」

「うん。」

さくらの腕の中には、撫子の花束が抱えられている。
ちょうどその時、藤隆の部屋からオルガンの音が聞こえてきた。
さくらに頼まれた桃矢が、撫子が作った曲を録音し始めたのである。

(わかってもらうんだ。お父さんとお母さんとお兄ちゃんと私が幸せだってこと。)

☆特急便☆

夜遅く、さくらの家に園美がやってくる。
藤隆が言っていた「確実に届けてくれる人」とは、園美のことだったのだ。

「私を呼びつけるとは、いい度胸ね。先生。」

そう言いつつも、藤隆からプレゼントを受け取っている。

「おじい様のお誕生日か…。毎年、撫子がくれたわね、お誕生日のプレゼント。お世辞にもうまいって言えない手作りの物と、自分が木之本先生と結婚出来てどれだけ幸せか書いた手紙と、撫子の花。」

「せっかくさくらちゃんが作ったんですもの!必ず今日中におじいさまに届けるわ。」

そう言って、園美はボディーガードの運転で行ってしまった。
その様子を、さくらは自室の部屋の窓から眺めていた。

「そっか、知世ちゃんのお母さんにお届けしてもらえば、大丈夫だね。おじいちゃん、喜んでもらえるといいな。」

☆愛しているからこそ☆

翌日、藤隆が自宅の掃除をしていると、園美から電話がかかってきた。

「え…おじい様が…。」

なんと友枝中央公園で、曾おじいさんが藤隆を待っているという内容だった。
藤隆は曾おじいさんが待つ、公園のベンチに足を運ぶ。

「すみません、お待たせして。」

「いや、急に呼び出して悪かったね。」

「いえ。」

「座りたまえ。」

藤隆は曾おじいさんの隣に腰かける。
2人の再会は、藤隆と撫子の結婚式の招待状を持って行ったきりだった。

「受け取ったよ、園美さんから。」

曾おじいさんの手には、さくらが作ったプレゼントとカセットテープが握られていた。
さくらが書いた手紙には、撫子がどれだけ幸せだったのか、さくらが今どれだけ幸せかが書かれていたそうだ。

「これを、さくらちゃんと桃矢君に渡してくれるか。プレゼントのお礼だと。」

「きっと喜びます。」

二人の間に静寂が訪れる。
先に口を開いたのは、曾おじいさんであった。

「君に…。」

曾おじいさんの手は、かすかに震えていた。

「君に…ずっと言いたかったことが、ある。」

その言葉に、藤隆の目がわずかに開かれる。

「ありがとう…そして、すまなかった。」

その言葉に、藤隆は目を見開く。
曾おじいさんは、涙ながらに謝罪の言葉を続ける。

「わかっていたんだ。君は撫子が選んだ男だ。きっと誰よりもあの子を幸せにしてくれるだろうと。しかし…。」

「撫子さんは、まだ16歳でした。それに僕は新米教師で、どれほど彼女に苦労をさせるかわからない。そんな奴に大切なお孫さんをやるわけにはいかないと思うのは、当然ですよ。」

「いや、わしは意地を張っていただけだ。あの子が嫁いで行ってしまうのが寂しくて…。」

2人の間に、撫子の花びらが舞い降りてくる。

「あの子にも言ってやればよかった。撫子は本当に良い相手を選んだと、わしの孫娘は世界で一番、幸せだと…っ。」

「きっと…聞いてくれてますよ。どこかで。」

それに答えるかのように、撫子の花びらは止むことなく降り続けていた。

☆曾お爺さんの贈り物☆

学校から帰宅したさくらは、テーブルの上にある大きな箱に気が付いた。
それは先ほど藤隆が曾おじいさんから預かったものだった。
さくらは曾おじいさんが来てくれたのだと、部屋の中を見渡す。

「いえ、お使いの方が届けてくださったんですよ。」

藤隆の言葉に、さくらはがっかりするが、プレゼントを喜んでもらえたことにホッとした様子。
その後、さくらは自分宛てのプレゼントを開封することに。
中に入っていたのは、可愛らしいワンピースだった。

「よく似合いますよ。」

「おじいちゃん、わかってくれたのかな?お母さんも私たちも、本当に幸せだって。」

「ええ。」

「いつか、おじいちゃんに会えるかな?」

「必ず。」

さくらはテーブルに飾られている撫子の写真を覗き込む。

「よかった。ね、お母さん。」

感想

実はこの第8話、漫画とは若干内容が異なります。
木之本家の複雑な事情を垣間見れる重要なお話なのですが、漫画とアニメでは展開が違うためカットされてしまったようですね。

漫画版では、曾おじいさんが藤隆と撫子の結婚を認められなかった理由がもう1つあります。
それは木之本藤隆という男に、家族がいないことです。

「血縁はいない。どこで生まれたかもわからない。」

漫画版で藤隆が曾おじいさんに告げた言葉です。
この台詞は漫画版における結末の、重要なフラグでした。
アニメ版で気に入らない部分があるとすれば、このセリフをカットしたことによる結末の改変でしょう。
何故原作者CLAMPがあえて結末を変えてしまったか、その理由は未だ謎のままですが、大人の事情があったのかもしれませんね。

さて、さくらのプレゼントをきっかけに、和解を果たした藤隆と曾おじいさんですが、大人になってから視聴すると、曾おじいさんが藤隆との結婚を反対した理由がよくわかります。
私も、もし自分の子供が16歳で結婚すると言い出せば、絶対に反対します。
それに加え、撫子は元々病弱だったそうですし、苦労することは目に見えているのであれば、反対するしかないでしょう。
しかも実際にさくらが3歳の時に亡くなっていることを考えれば、藤隆を絶対に認めたくないはずです。
さくらは大好きなお父さんが悪者扱いされていることに憤怒していましたが、曾おじいさんはそれだけ撫子を愛していた証なのです。

曾おじいさんが藤隆を認めることができたのは、やはり園美の働きかけが大きいと思います。
園美は、知世の友だちが撫子の子であると知り、曾おじいさんに会ってみるように提案したはずです。
でなければ、【クロウカード編】第16話で、さくらに隠れたお茶やお菓子を用意することはなかったでしょう。
園美の心遣いがなければ、今でも曾おじいさんは藤隆を嫌い、撫子がいなくなったことを嘆き続けたはずです。
さくらカード編では、曾おじいさんの正体が別荘のおじいさんだということを、さくらは知ることなく終了します。
しかしクリアカード編では、曾おじいさんに会いに行くという描写がありますよ。

さて次回は漫画版にはないオリジナルストーリーになります。
なんとさくらが本の中に吸い込まれてしまうのです。
本の中では、さくらはアリスとなり、その他登場人物は知っている人ばかり!
さくらは無事に本の世界から脱出することはできるのでしょうか?

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