カードキャプターさくら『さくらカード編』第5話のあらすじ・ネタバレ・感想～テディベアがキーパーソン～

カードキャプターさくら『さくらカード編』第5話のあらすじ・ネタバレ・感想～テディベアがキーパーソン～

2018.03.25
ファンタジー

タイトル：カードキャプターさくら『さくらカード編』ーさくらと大きなぬいぐるみー
放送局：NHK
アニメーション制作：マッドハウス
キャスト：木之本桜：丹下桜／ケルベロス：久川綾、小野坂昌也／大道寺知世：岩男潤子／李小狼：くまいもとこ／月城雪兎・ユエ：緒方恵美／木之本桃矢：関智一／木之本藤隆：田中秀幸／クロウ・リード：林一夫
視聴したVOD：U-NEXT（2019年09月05日時点では閲覧可）

エリオルの助言もあり、なんとかぬいぐるみを完成させたさくらは、雪兎にプレゼントするため雪兎宅を尋ねます。
しかし、さくらが作ったぬいぐるみには、エリオルがある仕掛けを施していたのです。
エリオルの仕掛けとは、ぬいぐるみの巨大化！
さくらが雪兎にぬいぐるみを手渡した時、いきなりぬいぐるみが大きくなり、暴れはじめたのです。
このままでは雪兎の家が壊されてしまいます。
さくらはぬいぐるみを操る魔力の源を断ち切ろうとするのですが、大きな問題に直面します。

第4話でクロウ・リードの生まれ変わりと発覚したエリオルは、さらにさくらに試練を与えていきます。
巨大化したぬいぐるみから、さくらは雪兎宅を守ることができるのでしょうか？

動画配信サービス	配信状況	見放題	配信先
『カードキャプターさくら』さくらカード編配信先一覧
U-NEXT			視聴ページ
hulu
dTV
dアニメ			視聴ページ
Amazonプライム・ビデオ			視聴ページ

※配信状況は2020年1月28日（火）時点のものです。

前回のあらすじをチェックするならこちら

カードキャプターさくら『さくらカード編』第4話のあらすじ・ネタバレ・感想～第4話にして彼の正体が明らかになる！！～

https://vod-halloffame.com/anime/13289.html

1 あらすじ
2 感想

あらすじ

☆仕掛け☆

学校の中庭。
さくらはベンチに座り、黙々とぬいぐるみ作りに励んでいた。
しかし何度作ってもケルベロスそっくりの顔立ちに、心が挫けそうである。
そこへエリオルがやって来た。

「この前手芸屋さんに行ったとき、買ったものですか？」

「う、うん。なんかうまくいかなくて…。」

ケルベロスそっくりのぬいぐるみを、隠すように抱きしめるさくら。

「見せていただけますか？」

その言葉に、さくらは下手だからと言って断ろうとするが、手芸が上手だと語るエリオルにアドバイスをもらうため、しぶしぶケルベロス似のテディベアを差し出した。

「笑わないでね？」

「笑いませんよ。さくらさんが一生懸命作っているものですから。」

エリオルの言葉に、さくらは顔を綻ばせてお礼を告げる。

（やっぱりエリオル君って優しいな。）

ぬいぐるみをジッと観察したエリオルは、問題点を挙げていく。
どうやら耳を大きくしすぎてしまったせいで、ケルベロス似のテディベアになっていたようだ。

「そっか！じゃあ糸をほどいて…。」

さっそくさくらは、エリオルのアドバイス通りに耳を小さくするため、手芸セットからハサミを取り出す。
するとエリオルが手を差し出し、さくらの代わりに糸を切ると告げる。

「ありがとう！」

エリオルの親切にさくらはお礼を言い、新しい耳用の布を探し出す。
さくらからハサミを受け取ったエリオルが、ジッとぬいぐるみを見つめていることに気付くことはなかった。

☆戸惑い☆

「できた！！」

無事ぬいぐるみが完成したことに、さくらは感激。
ぬいぐるみをもったままクルクル回り始めた。
そして手伝ってくれたエリオルにも、笑顔で感謝の気持ちを伝える。

「そうだ！何かお礼しなきゃ。何がいい？」

さくらが尋ねると、エリオルは少し考え込む。

「なんでもいいですか？」

「うん！私にできる事だったら。」

「では。」

ベンチに座っていたエリオルがスッと立ち上がり、さくらの前に跪き、さくらの右手をそっと握り、その掌に口づけを送った。

「ほ、ほえ！！」

突然の出来事に、さくらは顔を真っ赤にして動揺。

「そのくまを、あなたから贈られる人がうらやましいですよ。」

そう言い残すと、エリオルはその場を立ち去って行った。

☆自分の気持ち☆

一方その頃、知世の話に感化された千春が、恋人の山崎にテディベアをプレゼントしていた。
千春は知世から聞いた話を伝えようとするが、山崎のホラ話に邪魔されてプンプンと怒っている。
その様子を、小狼が少し遠くから眺めていた。
腕には青色の紙袋があり、中には可愛らしいテディベアが入っていた。

（なんでこんなもの買ったんだろう…。）

さくらと共に訪れた手芸屋さんで、思わず手に取ってしまったらしい。

（くまのぬいぐるみなんか、作ってもしょうがないのに。）

小狼は自分が作ったテディベアを見つめて、自問自答を繰り返していた。

「だから！自分の名前をつけたくまを好きな人にプレゼントあげたら、ずっと両想いでいられるの！！」

山崎に掴みかかった千春の言葉が、小狼の耳に届く。
すると見つめていたくまに、さくらの笑顔が重なった。

「っ！！なんであいつが出てくるんだよ！！」

小狼はさくらの笑顔を追い出すため、ブンブンと首を振った。

「可愛いくまだね。」

小狼に声をかけたのは、大量のパンを抱えた雪兎である。

「これからお昼なんだ。一緒に食べない？」

雪兎はそう言うと、小狼の返事を聞く前に友枝小学校と星條高校を隔てるフェンスを登り、小狼の前に立つ。
2人は一緒にランチを取ることになってしまった。
もぐもぐとたくさんのパンを食べる雪兎の横で、小狼は緊張した面持ちで座っている。

「そのくま、見せてもらってもいい？」

雪兎の申し出に、小狼は頬を染めたままテディベアを差し出す。
テディベアを見た雪兎は、すぐに手作りだということに気が付いた様子。

「へえ、うまいね。誰かにあげるのかな？」

「え…？」

（誰かに…あげる…？）

小狼の脳裏を過ったのは、雪兎ではなくさくらの笑顔だった。

「っ…だからどうしてあいつにあげなくちゃならないんだ！！」

「あ、これ！！」

小狼は雪兎の静止も聞かず走り出した。

（なんであいつが出てくるんだ！！俺が赤くなったり、心臓が破裂しそうになったりするのはあの人にあった時だけなんだから！！）

「あっ…！！」

雪兎の元を飛び出してから、ずっと走り続けていた小狼の足が止まる。
視線の先には、エリオルと別れたばかりのさくらの姿があった。

小狼の心臓が、ドクンドクンと音を立てる。
その音は、今にも破裂しそうなほど大きい音であった。

「李君！」

エリオルが去った方向をずっと見つめていたさくらが、小狼の視線に気が付き笑顔で声をかける。

「うわぁぁぁぁっ！！」

「李君！！」

顔を真っ赤にして走り出した小狼を呼び止めようと、さくらが名前を呼ぶ。
しかし小狼は決して止まらず、来た方角へ戻って行ってしまった。

（あいつが…あいつが立ってるから心臓が…っ。）

小狼は友枝小学校を飛び出して、森に続く山道を走り続けている。

（これってまるであの人と会った時と同じ…。）

走り続ける小狼の中では、雪兎への想いとさくらへの想いが錯綜していた。

「くそ！！どうなってるんだ。」

不意に小狼の足が止まった。
目の前にテディベアをもったユエが現れたからである。

「ユ、ユエ…。」

「クロウの血を引く者。お前が雪兎に会うと混乱するのは、雪兎から感じる月の魔力のためだ。」

「月の魔力…。」

「そうだ。落ち着いて己の心と向き合えば、真に己が想う者がわかる。」

「真に、想う者。それってどういう…。」

「後は自分で考えろ。」

ユエのおせっかいはここまで。
その大きな翼を広げ、ユエは仮の姿に戻っていった。

「あ、あれ？僕、いつの間にこんなところにきたんだろう？？」

ユエである間の記憶がない雪兎は、突然自分が森の中にいて混乱する。
しかし雪兎以上に混乱した表情を浮かべる小狼を見つけ、テディベアを届けに来たことを思い出した。

「そうだ！これ返そうと思って追いかけたんだよ。」

雪兎はテディベアをスッと差し出す。

「せっかく作ったんだから、ちゃんとその人に渡さなきゃ。ね？」

雪兎を見つめる小狼の顔は、もう真っ赤に染まることはない。
しかし、真に己が想う者については、まだ答えを出しかねている様子で、返されたテディベアをジッと見つめていた。

☆特別な日☆

夜、さくらは完成したテディベアを渡すため、雪兎宅を訪れていた。
そこには何故かカメラを回す知世と、ケルベロスの姿もある。
ちなみにさくらが着用している服は、知世お手製の物だった。

「さくらちゃん、月城さんにお手製のぬいぐるみを渡すの巻。これは正真正銘特別な日ですわ。」

「やっぱ特別な日には、特別な格好せんとな！」

ノリノリの2人に、さくらは照れくさそうな笑みを浮かべている。
知世はさくらが玄関のチャイムを鳴らすと、スッと物陰に隠れてその様子を撮影することに。

「こんばんわ。」

「こ、こんばんわ！あの、これ！！」

遅くにやってきたさくらを、雪兎は笑顔で出迎える。
その笑顔に動揺しつつ、さくらはテディベアが入った袋を差し出した。

「開けていい？」

その言葉にさくらはコクコクと頷く。
さくらの了承を得た雪兎は、ラッピングをほどき、中にはいったテディベアを取り出す。

「これ、さくらちゃんが作ったの？」

「は、はい！あんまり上手にできなかったんですけど…。」

「ありがとう。大切にするね。」

その言葉に、さくらは嬉しそうな笑顔を見せる。
遠くから撮影していた知世も、「今週のベストショットですわ。」と嬉しそうだった。

☆大きな大きなテディベア☆

さくらとケルベロスは、ほぼ同時に異変を察知。
またクロウ・リードの気配を強く感じたのである。

「あっ…。」

雪兎が持っていたテディベアが浮き上がり、赤い光を放ち始める。
そしてどんどん大きくなってしまったのだ。

巨大化したテディベアは、そのままさくらに向かって手を振り上げる。

「さくら！！」

その手が届く前に、雪兎からチェンジしたユエがさくらを抱えて空へ逃げたので、さくらには怪我一つなかった。

ユエはさくらを抱えたまま、テディベアに攻撃を仕掛ける。
しかしバリアのようなもので防がれてしまう。

しかも状況は悪化。
どういうわけか、ユエは翼の維持ができなくなり、さくらを抱えたまま落下していく。
幸い、地に落ちる寸前で元の姿に戻ったケルベロスがクッションになったので、大事には至らなかった。

「2人とも大丈夫か？」

「私は大丈夫だけど、ユエさんが…。」

「大丈夫だ…っ。」

ユエは忌々しそうに、どこか遠くに視線を向けた。

「あらら、墜落しちゃった。」

「あちらは大変そうですね。」

「特にユエの方がね。」

その視線の先では、エリオル達の姿があった。

「本当に大丈夫？ユエさん。」

「ああ。」

「本当に本当に大丈夫？？」

「ああ。」

ユエの言葉に、さくらはホッと安堵の表情を浮かべる。

「よかった…。」

さくらのその表情に、ユエはこれまでと違う感情でさくらを見つめた。

「ケロちゃん！知世ちゃんとユエさんをお願い！」

さくらは巨大化したテディベアの元へ駆け出していった。

☆試練☆

テディベアと対峙したさくらは、杖の封印を解除。
手に握るのは、【跳】のカードだ。

（クロウさんの気配、やっぱり感じる。このカードもきっとこのままじゃ使えない。）

「クロウの作りしカードよ。古き姿を捨て生まれ変われ。新たな主、さくらの名のもとに！ジャンプ！！」

【跳】を発動させたさくらは、雪兎宅の屋根に飛び移りながら攻撃を回避するのだが、そのたびに雪兎の家が破壊されていく。

「雪兎さん家が壊れちゃう！！どうすればくまさん止められるの！？」

さくらはいったん、近くの電柱に退避。

「あれは魔力で動いている。その源を探すんだ。」

「そうか。さくら！くまを操っとる魔力の源を探すんや！！」

消耗しているユエに変わり、ケルベロスが声を張りあげる。
魔力の源とは、魔力を一番強く感じる場所のことらしい。

「魔力の一番…強いところ…。」

「耳のとこ！！」

「そこを切るんや！！」

さくらは【剣】を発動させ、【跳】で跳躍してテディベアの耳を切ろうと試みる。
しかし【跳】ではテディベアの腕を避けることができず、【剣】で切る前に弾き飛ばされてしまった。

「きゃあぁぁぁぁっ！！」

さくらはそのまま屋根の上に叩きつけられる。

「さくらちゃん！」

「あかん、ジャンプで飛び込んでも狙い撃ちや。フライを使わんと！」

「でもフライを使って空を飛ぶと、ソードは…っ。」

【翔】も【剣】も、杖の姿を変えて使用する魔法のため、2つを同時に発動することはできないのだった。

☆翔ーフライー☆

起き上がったさくらは、もう一度テディベアから距離を取る。
取り出したのは、【翔】のカードだ。

（お願い。まだソードを使わなきゃいけないの。だから杖を使わず、私を空に運んで！）

さくらは【翔】を天に掲げる。

「クロウの作りしカードよ。古き姿を捨て、生まれ変われ。新たな主、さくらの名のもとに！フライ！！」

【翔】は姿を変え、さくらの背に翼を与えた。

「ソード！！」

さくらは杖を再び剣に変え、テディベアに向かっていく。
今度は自由に滑空できるため、テディベアの攻撃を華麗に躱していった。

「えぇぇぇい！」

さくらはテディベアの耳をズバッと切り取る。
するとテディベアは活動を停止し、そのまま元の姿に戻っていった。

「さすが、さくらさん。」

☆魔法陣☆

テディベアの耳から落ちた何かが、さくらの手のひらに落ちてきた。

それはさくらが以前クロウカードを使用するときに使っていた、魔法陣が描かれた紙だった。

「これクロウカードを使ってた時の魔法陣…。どうなってるの…？」

感想

今回はさくらが作ったぬいぐるみが巨大化し、雪兎宅で大暴れするという事件が発生しましたね。
毎回このシーンで、ある疑問が生じるのです。
月城雪兎は、旅行好きな祖父母と暮らしており、さくらがクロウカードの封印を解く少し前に転校してきました。
しかしそれはクロウカードの主候補の傍にいるための偽りで、本当の姿はクロウカードの守護者ユエでした。
そのことに、雪兎は気が付いていませんが、彼には血縁者と呼ばれる存在は一人もいません。
つまり、雪兎宅の維持費ってどこから出ているのでしょうか？
これまでの描写で、時たま桃矢と一緒にアルバイトをしている姿は見かけましたが、普段の食事量を考えると、家の維持費までは難しいでしょう。
さらに星條高校は私立高校ですから、学費だってかかります。
その辺の金銭事情ってどうなってるんでしょうね。
クロウ・リードが残した者たちの中で、お金がかかるのはユエだから、金銭的な遺産でも残していたんでしょうかね？
ちなみにクリアカード編では、雪兎宅の権利などの問題が解決している事が描写されています。
原作者CLAMPも、この問題を放置しておくことはできないと判断したのかもしれませんね。

そして、ようやく小狼が恋に自覚を持つ第一歩を踏み出しました。
これまで雪兎への想いと、さくらへの想いで大混乱していましたが、雪兎に惹かれる理由が明らかになったことで、小狼は雪兎への想いを昇華させることができましたね。
以前、雪兎に好意を抱くことには理由があると紹介しました。
そう、小狼が雪兎に好意を抱いていたのは、ユエの魔力に惹かれたせいだったのです。
力を持つ者は、より力の強い者に惹かれやすい性質があるとのことですが、この話はもっと複雑です。
さくらや小狼よりも強い力を持つ者。
たとえば観月、ケルベロスは強い力を持っていますね。
さくらはこの2人に好感を抱いていますが、小狼は敵対心を抱いています。
アニメでは詳しく語られていませんが、小狼は月の魔力を使用しています。
そのため、同じく月の魔力を使うユエの魔力に惹かれてしまうのです。
しかし月の魔力は、小狼が敵対心を抱いていた観月も使用していました。
小狼が観月に惹かれなかった理由は、最後の審判でユエが不利になるアイテムを所有していたせいです。
ケルベロスについては、属性が正反対の太陽であること。
さらに、クロウカードの主としてさくらを認めていることが理由としてあげられています。
つまり、いくら強い力を持っている相手とはいえ、自分に不利益を与える相手は本能的に毛嫌いしてしまうようになっているということです。
このような設定があることが、CLAMP作品の面白いところです。
アニメ版ではなかなかストーリーに組み込まれないので、とても残念に思っています。

ようやく小狼が自分の気持ちを知る第一歩を踏み出したので、次回からもっと胸キュンな展開に期待です。
彼が作ったテディベアは、さくらカード編で重要なキーアイテムになりますから、絶対覚えていてくださいね。